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    かけはし2014.年5月19日号

集団的自衛権は絶対ノーだ


4.13 大阪 とめよう改憲!おおさかネットワーク第7回総会

「戦後レジーム脱却」の意図

大阪から国会大包囲へ


 

 【大阪】大阪市立すまい情報センターで四月一二日、とめよう改憲!おおさかネットワークの第七回総会が開かれた。中北龍太郎さん(大阪ネットワーク共同代表)が主催者あいさつをして、「集団的自衛権行使容認か反対かは、これからの日本社会の大きな分かれ道になる。限定容認論にだまされてはいけない。安倍首相が言うように戦後レジームから脱却したら、日本は戦争する国になっている。大阪で地道に運動を積み重ねながら、国会大包囲行動を実現させたい」と述べた。また、松岡幹雄さんが活動報告と運動方針を、家門和宏さんが会計報告をし、承認された。
 続いて、水島朝穂さん(早稲田大学教授、全国憲法研究会代表)が、「『壊憲』に抗して―立憲主義の立場から―」と題して講演をした。 (講演要旨別掲)

三つのアピール
講演の後、三人からアピールがあった。ピースおおさか問題では鈴木祐太さんが、「大阪市は政府見解に展示を合わせ、加害展示を削除しようとしている。そのようにされてもまた元にもどるようにすればいいという意見もあるが、そうさせないように頑張る」との意見表明。永嶋靖久弁護士は、「集団的自衛権行使容認、秘密保護法、NSCは恐怖の三点セット、大臣が反対しても議事録は表に出ない。出そうとすれば、秘密漏洩の共謀・教唆罪になる。また銃器・薬物に限定されている通信傍受法は使い勝手が悪いから改正する。そのことで、反社会的勢力をあぶり出そうとしている」と述べた。池島芙紀子さんは、「最近、日本人のモラルの低下を痛感する。戦争に対する反省もドイツと日本では違う。このことは、原発に対しても当てはまる。日本では、お金のためといってまた国民は騙されつつある」と述べ、原発再稼働反対の意見広告に協力を訴えた。
最後に集団的自衛権行使の容認を許さない集会決議を行い集会を終え、梅田までデモ行進を行った。         (T・T)

水島朝穂さんの講演

「壊憲」勢力に
あらゆる手段で挑もう

ごまかすこと
のない運動を
今、状況は非常に厳しい。改憲か護憲かをとりあえず棚上げし、いろいろな人と手を結んで「壊憲」勢力と闘うため、いろんなところに出向いている。私たちは、甘えることなく論理と運動と感情のレベルでもっと緻密になる必要がある。武力行使させないようにする。一つ一つ言葉を丁寧にしないと、総理大臣のようにぐちゃぐちゃな言葉になっていく。
(砂川判決について)若い学生でも知っているようなデマゴーグを反復すると、嘘も方便になってしまう。石破幹事長は、今この時刻に宇都宮で自民党憲法草案について対話集会を開いている。対話とは、対等に市民の皆さんと意見を交わすこと。ところが、対話集会と名付けながら、「自民党草案をご説明申し上げ、ご理解いただく」。これは押しつけであり、普天間問題と同じだ。

体面守るためだ
けの秘密指定も
今日は物語から始める。(水島さん、鞄から金属製の警察のマーク、保安隊のマークを取りだす)。これは警察のマーク。もう一つは、半分が警察のマーク、もう半分がハトのマーク。これは一九五〇年にできた警察予備隊のマークです。保安隊もこれだった。一九六〇年代の後半に今のサクラのマークに変わるまで、初期の自衛隊もこれだった。日本は米国、ロシア、中国、イギリスに次ぐ第五位の軍事力を持っていると客観的に言えるが、公的には自衛隊はまだ軍隊ではない。これを軍隊にさせてはいけないということを記憶しておいてほしい。もう一つ、自衛隊は専守防衛だということ。自衛隊には中央即応集団があり、宇都宮に連隊がある。そこで石破さんは憲法改正の話をやり、国防軍にするという話をやっている。ここに海外派遣部隊の実働部隊がいる。
これは朝日新聞東京本社版の記事だ(イラク派遣自衛官の隊員必携についてのもの)。陸上幕僚監部がつくった隊員必携(三七七ページ)は、派遣隊員五五〇〇人に配られた。この存在を知った記者が情報公開請求したら、四分の一にあたる一〇六ページは黒塗りだった。別のルートで実物を入手していたのでそれと比較した。現地情勢のうち公開すると他国の信頼を失うとして非公開にされた部分は、米軍が公にしているハンドブックからの丸写しの部分だった。丸写しがばれるから隠したのであって、本来秘密にしなければならない内容ではなかった。秘密保護法が施行され、秘密指定のチェックがないと指定権者の恣意的判断を排除できないおそれがある。

権力を縛る必要
には切実な根拠
そろそろ本題に。憲法とは何か。憲法とは国民みんなが守るものではない。戦後すぐにつくられた「新しい憲法のはなし」。これはいい面もあるが、国民一人ひとりが守っていかなければいけないと教えたことが、大きな間違いだった。九九条には、憲法を守る義務のあるものが誰か書いてある。天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員とある。ここには国民は入っていない。つまり、憲法は権力者を拘束するもので、これを立憲主義という。この点が法律と憲法の大きな違いだ。憲法を変えるときは、三つの作法が必要だ。@変える側に高い説明責任 A十分な情報開示と自由な討論 B熟議の時間が必要。自民党憲法草案には、国民に憲法を守る義務が書いてある。だから、この草案は立憲主義に反している。改憲の国民投票では、三カ月(六カ月?)論議して決めればいいと大阪市長は言った。とんでもない。
日本は対外的に戦争で失敗した経験から、憲法ではしっかりと九条で縛っている。国内的には特高警察で失敗した反省から、三一条から四〇条まで刑事手続きに関係する人権条項で、警察が暴走しないように縛っている。戦争を知らない政治家が戦争を知らない子どもたちに、国防軍とかを言っている。戦時中は、防空法により国民は逃げずに火を消さなければ罰せられた。そのために大空襲で多数の犠牲者が出た。NHKの朝の連ドラ「ごちそうさん」にも出た、あの話だ。そのような記憶が憲法の条文になっている。 

安倍の憲法観
は雑で情緒的
憲法九条の第一項は、戦争放棄・武力の行使を禁じている。この内容は、国連憲章にもある。これだけなら、日本はとっくに国防軍をつくっていただろう。九条の第二項、戦力の不保持と交戦権否認があるのが日本国憲法の特徴だ。この第二項がいかにきびしいか。だから、自民党はこれを変えたがっている。そして国防軍で交戦権を復活させ、軍隊刑法、軍事裁判所をつくりたがっている。今は、自衛隊員が任務から逃げても最高七年以下の刑だ。しかも、普通の裁判所で裁判する。
今の天皇は即位したとき、三権の長を前にして「皆さんとともに憲法を守る」と宣誓した。皇后は、五日市憲法の精神にふれた。今の自民党改憲派と合わない。安倍首相は、日本国憲法を押しつけ憲法という。連合軍の指導でつくったということなら、ドイツだって同じだ。でもドイツでは誰もそんなことは言わない。押しつけというのは日本だけだ。安倍さんの憲法観は、押しつけ憲法、現実と合わない憲法、情緒的憲法観で、論理的でなく雑だ。

 

少数を守るのが
立憲主義の真髄
安倍さんは、はじめは憲法九六条の先行改憲だった。でも九六条先行改憲は大阪市長に学んだもの。大阪市長は憲法が何か全く知らない。法律は民主主義の多数決で決められる。民主主義は民意でやれる。でも、憲法は立憲主義だから、人権条項や自由権は多数決で変えることができない。立憲主義は、少数主義、反多数者主義と言うこともある。一人を守るものだ。憲法を変えやすくすると、しょっちゅう国民投票しなければならなくなる。そのうち国民も関心が薄らぎ、投票率が下がっていく。最後に発議要件をまた三分の三に戻すと、これも実現する。しかしそれ以後は、最悪の憲法が永遠に続くことになる。

集団的自衛権に
は元々まやかし
集団安全保障は、第一次大戦の反省から生まれた。国際連盟は個々の国の戦争を禁止し、守らなかった国に対してはみんなで制裁をするという意味だ。ただ、自衛の戦争は認めた。そのため、第二次大戦ではみんな自衛のためという名目で戦争した。第二次大戦後、国連は武力行使を禁止した。集団的自衛権は集団安全保障とはちがい、冷戦を意識した米国が国連憲章五一条にこっそりと潜り込ませたもの。この集団的自衛権が集団安全保障を空洞化している。私は自衛隊違憲論だが、政府が一九五四年に自衛隊をつくるとき、攻撃型装備はダメ、自衛隊は防衛のみ、活動範囲は限定された。集団的自衛権行使の自衛隊は、自衛隊ではなく地球の裏まで行く国益防衛軍とでもいうものになる。集団的自衛権行使の違憲解釈は、自衛隊合憲解釈の根拠そのものである。集団的自衛権が、「他衞のため」であるため、解釈変更を行えば、一九五四年以来政府がとってきた「自衛のための必要最小限度の実力」という論拠を捨てることを意味する。安保法制懇は法的根拠のない私的諮問機関にすぎず、反対意見はゼロでお仲間集団。問題点を一番よくわかっているのは防衛官僚で、対極が外務官僚だ。この両者はいま激しく対立している。

世論調査でも
反対が増大
朝日新聞の世論調査で、集団的自衛権反対は六三%だった。この調査は、昼間の電話調査でなく書面による調査で、郵送で返信された回答を基にしている。武力行使に強い危機感があることがわかる。この調査は、日本と韓国・中国でも同時に行われた。日本と韓国・中国は互いに嫌いだという回答が八〇%だが、同時に、このままではダメだから、互いに友好のための話し合いが必要だという意見も八〇%を占めている。国民的憲法合宿という企画をやった。市民に小林教授(慶応大、改憲論者)と私(水島教授)の話を聞いて、みんなで考えてもらい、全員の意見が一致するまで泊まり込みで議論するという条件で参加してもらった。はじめは全くまとまらなかったが、感動するような結論になった。つまり、「権力者が提案する憲法改正案に対する考えは、一旦保留とする。そして、憲法は権力者を縛るものだということを確認する。変えたい側がその理由を述べ、その理由が不十分なら変えない。情報をできるだけたくさん出して、ゆっくり時間をかけて考える」というものだった。(発言要旨、文責編集部)


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