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    かけはし2014.年5月5日号

平和・公正・人権のアジアを
労働者民衆の力で作り出そう


日米首脳会談は何を明らかにしたか

軍事的相互依存と表面化する分岐


沖縄の反基地闘争と共に闘おう


 

共通の利害と
きしみの露呈

 四月二三日から二五日にかけて、オバマ米大統領がアジア歴訪の旅の最初の訪問先として来日し、二四日には日米首脳会談が行われた。「国賓」としての米大統領訪日は一八年ぶりである。
 当初オバマのアジア歴訪の日程には、日本は組み込まれていなかった。しかし昨年末の安倍首相による「靖国」参拝が、米国政府から異例の「失望」発言で厳しく迎えられ、第二次大戦後の世界政治の国際的枠組みに「挑戦」しようとする安倍政権の姿勢に対する懸念・疑惑・不信が米国内の「知日派=ジャパン・ハンドラー」の間にさえも広がっている事態に直面した安倍は、無理やり、アジア歴訪の冒頭に二泊三日の日程でオバマを「国賓」として迎えるよう米国にねじこんだのである。
 第二次安倍政権は、きわめて復古主義的な歴史認識と国家主義につらぬかれた「自民党改憲案」を掲げて改憲への道を突進している。発足以来、中国・韓国との「尖閣」・竹島をめぐる領土紛争を背景に排外主義的ナショナリズムを意識的に煽りたて、靖国参拝や「河野談話・村山談話の見直し」の可能性についても言及してきた安倍政権は、米国にとって戦略的に重要な東アジアの安定した国際関係を不安定化させる攪乱要因にまでなってきた。
 他方、日米両国の政府と支配階級は、TPPを通じた、新自由主義的な経済秩序をグローバル資本のヘゲモニーで構築していくことに共通の利害を持っている。しかし、そのためにもTPPによって壊滅的打撃をこうむる農漁民、商工業者などの抵抗をなだめすかし、抑えこまなければならない。それぞれの政権の基盤となるべき諸階層への統合支配を維持する上でもそれが不可欠の課題だからである。そしてここにこそ、米日の両支配階級が共通の利益を有しながらも、同時に対立する問題が存在していた。

リバランスと
積極的平和主義


安倍首相は、日米共同声明で「尖閣」に日米安保が適用されると米国の大統領が確認したことなどを「画期的な内容」であると誇らしげに語った。共同声明から引用しよう。
「米国は、最新鋭の軍事アセット(装備、あるいは兵器体系)を日本に配備してきており、日米安全保障条約の下でのコミットメントを果たすために必要なすべての能力を提供している。これらのコミットメントは、尖閣諸島を含め、日本の施政の下にあるすべての領域に及ぶ。この文脈において、米国は尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的行動にも反対する」。
しかしその文言は、オバマが記者会見で述べたように国務・国防長官レベルでは繰り返されてきた立場なのであり、その限りにおいて米政府の立場を「再確認」したにすぎない。オバマは記者会見で「尖閣」の「主権の帰属については立場をとらない」として、中国領か日本領であるかは明確にせず、かつ「対話や信頼醸成の取り組みがなく、事態の悪化を見続けることは大きな過ちだということも安倍首相に伝えた」と述べた。
オバマは、まさに米中関係の発展・深化という米国の利害関係からいって、安倍の政策に内包された「尖閣」をめぐる日中の軍事的緊張関係の激化に「巻きこまれる」ことを避けるために、警告を発したのである。
日米共同声明はその一方で、安倍の進める「積極的平和主義」という名の下での、集団的自衛権の行使容認などの動きについては、中国の軍事的台頭・海洋進出に対抗する米国の「アジア太平洋へのリバランス」という抑止戦略の一環として歓迎することを明確にしている。以下、引用しよう。
「米国は、日米両国間の政策及びインテリジェンスに係る調整の強化を促進することとなる日本による国家安全保障会議の設置及び情報保全のための法的枠組みの策定(秘密保護法のことだ)を評価する。米国は、集団的自衛権の行使に関する事項について日本が検討を行っていることを歓迎し、支持する」。
この文脈は、まさに国家安全保障会議設置と国家安全保障戦略の確定、秘密保護法強行採決、閣議決定による集団的自衛権容認の動き、といった事実上の「壊憲」の方針が、米国の新たなアジア軍事戦略に完全に一体となったものであることを示している。
そして共同声明では沖縄に関して、次のように述べている。
「日米両国はまた、グアムの戦略的な拠点としての発展を含む、地理的に分散し、運用面で抗堪性があり、政治的に持続可能な米軍の態勢をアジア太平洋地域において実現することに向け、継続的な前進を達成している。普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの早期移設及び沖縄の基地の統合は、長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする。この文脈で、日米両国は、沖縄への米軍の影響を軽減することに対するコミットメントを再確認する」。
日米両政府の言う「沖縄への負担軽減」(「負担」という言葉は声明文では出てこないのだが)とは、あくまで「長期的に持続可能な米軍のプレゼンスを確かなものとする」という枠組みにおいて述べられていることを確認しなければならない。

日米同盟の現状
をどう見るか


こうしてわれわれは、今日における日米両政府のアジア・太平洋における「合意」と「対立」の枠組みを、次のように捉えることができるだろう。
@中国の軍事的台頭・海洋進出に対して、米国は新たなアジア重視の軍事戦略を構築し、日本、オーストラリア、フィリピン、マレーシアとの連携を強化し、中国抑止の態勢を強化しようとしている。「新ガイドライン」、「新防衛大綱」、集団的自衛権行使の合憲化などの安倍政権の強行突破は、明らかにこうした米国のアジア軍事戦略と連動している。
A安倍政権は、同時にこの米国の軍事戦略に対応した「戦争国家」体制づくりを、国家主義的ナショナリズム、「歴史修正主義」に貫かれた独自の改憲戦略に結びつけ、中国や韓国との対立をあおっている。それは、公然たる極右排外主義的政治勢力が登場する水路をこじあけている。
Bこうした安倍政権の下での中国・韓国などに対する外交的関係の悪化は、東アジア・太平洋の政治的不安定につながり、中国を最も重要な政治的・経済的パートナーと位置づけるアメリカの利害を損ねる危険性がある。
ごく大雑把に言って、こうした構図の中で、今日の「日米同盟」をめぐる諸問題を捉える必要がある。

TPPと原発
エネルギー戦略


今回の日米首脳会談は、TPP交渉をめぐるもつれで「共同声明」も作成できないのではないかということまで危惧された。オバマが次の訪問先である韓国に飛び立つ直前に発表された共同声明は、TPPに関して次のように述べている。
「経済成長をさらに増進し、域内の貿易及び投資を拡大し、ならびにルールに基づいた貿易システムを強化するため、日米両国は、高い水準で野心的で、包括的な環太平洋パートナーシップ(TPP)協定を達成するために必要な大胆な措置をとることにコミットしている。本日、両国は、TPPに関する二国間の重要な課題について前進する道筋を特定した。これはTPP交渉におけるキー・マイルストン(重要な里程標)を画し、より幅広い交渉への新たなモメンタム(はずみ)をもたらすことになる……このような前進はあるもののTPPの妥結にはまだまだなされるべき作業が残されている……」。
当初、「基本枠組み合意」とも報道されていたTPP交渉は、かくして「まだまだなされるべき作業が残されている」という表現で、「共同声明」では多難であることを印象づけている。
しかし他方では、日本側の大幅な譲歩による「基本合意」が成立したが、それは隠されているとの報道もあり、この問題については現在の段階では確言できないものの米国の主張に沿った「基本合意」がすでになされている可能性はある。
なお、最後に「エネルギー安全保障」問題で、「米国は、包括的・平和的かつ安全な原子力の利用及び再生可能エネルギー導入の加速を含む日本の新しいエネルギー基本計画を歓迎した」と共同声明が特記したことを、われわれは厳しく批判する。
「グローバルな気候変動」に対応した「クリーンエネルギー」という名目で、日米共同の原子力開発が進められることを絶対に許してはならない!
(四月二八日 平井純一)

4.23

日米首脳会談に抗議

戦争と沖縄の基地に反対

安倍のつくる未来はいらない人々


弱肉強食の世
界はゴメンだ
 四月二三日、「安倍のつくる未来はいらない!人々」の呼びかけによる「オバマ米大統領来日・日米首脳会談抗議! 日米の戦争と沖縄の基地に反対する4・23官邸前アクション」が行われ、六〇人が参加した。
 オバマ米国大統領の訪日にあたって一万六〇〇〇人の警察を配備した厳戒態勢に抗して「人々」は、「日米の首脳会談は、両国がアジアと世界に戦争と搾取を続け、強者が弱者を踏みにじる世界に固定化する宣言です。それに大規模に抗議することは世界への責任であるとともに、私たちが別の世界と別の未来を創り出す大きな始まりとなります」と位置づけ、「辺野古に基地を創るな・普天間基地を今すぐ撤去しろ! 日米安保も日米原子力協定もいらない・すべての米軍基地と原子力空母の撤去を! 侵略戦争をさせない、『集団的自衛権』行使容認反対! 弱肉強食の『新自由主義』の世界はゴメンだ、日本はTPPから離脱しろ! 戦争と搾取のない世界を創り出していこう!」のスローガンを掲げて抗議行動を貫徹した。

天皇会見・宮中
晩さん会許すな
園良太さんの司会あいさつとシュプレヒコールで行動が始まり、次々と発言が行われた。
上原成信さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)は、「沖縄では保守も革新も一緒で辺野古新基地反対の取り組みが行われている。仲井真知事をやめさせ、稲嶺名護市長に続いて基地反対の新知事を誕生させよう」と呼びかけた。  東電前アクション!は、原子力協定反対の取り組みを報告し、「福島第一原発は、米ゼネラル・エレクトリック社製だ。この会社のエンジニアが『欠陥があった』と公言している。オバマは、安倍と寿司屋に行くのではなく、原発被災者に謝罪するのが先だ」と糾弾した。
日韓民衆連帯全国ネットワークは、韓国進歩連帯がセウォル号惨事の中のオバマ訪韓の中止を求めて「声明 国家的被災の中で、米国オバマ大統領訪韓の取消しを要求する」を紹介し、連帯アピールを行った。
反天皇制運動連絡会は、声明「オバマ来日、日米首脳会談反対!天皇会見・宮中晩餐会を許すな!」を出したことを報告し、反天皇制の観点からの日米首脳会談を批判していくことの重要性を強調した。
米軍Xバンドレーダー基地反対・京都連絡会の「米軍Xバンド基地建設の撤回を求める抗議文」が読み上げられた。
主催者は、「アメリカ合衆国オバマ大統領の来日と行われる安倍首相との日米首脳会談」に対する申し入れを読み上げ、内閣府に渡した。
さらに埼玉で反基地を闘う仲間、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、反戦闘争実などからアピールが行った。さらに抗議のシュプレヒコールを続け、行動を終えた。   (Y)


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