3.29前田哲男さん講演会
改憲阻止へ新しい陣形を
私たちの「安全保障」を考える
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【愛知】三月二九日、愛知県名古屋市の東別院会館で「前田哲男さん講演会―集団的自衛権・武器輸出解禁と9条の危機〜私たちの安全保障を考える」が行われ、約六〇人が参加した。
この講演会は、自民党安倍政権による集団的自衛権の行使容認と憲法九条がなし崩し的に崩壊させられようとしていることに危機感をもった個々人で実行委員会を形成し主催したものである。
最初に主催者が開会のあいさつで、現在の改憲切迫状況の中での危機感を語り「今日の講演会を皮切りに九条改憲阻止と戦争反対の大きな運動を作ろう」と述べ講演会が始まった。
国際的にも軍備
増強突出の日本
講演で前田哲男さんは「今年三月に発行された『ミリタリーバランス』というイギリスの雑誌によると、今年のデータでは自衛隊がイギリス、フランス、ドイツよりも軍人の数が多いことがわかりました。特に陸軍が多く、軍艦の数も多いというデータが出ています。ドイツ陸軍が六万二〇〇〇人。フランス陸軍は一一万九〇〇〇人。イギリス陸軍は九万六〇〇〇人。これに対し日本の陸上自衛隊は一五万三〇〇〇人となっています」「海軍の数字はどうか? ドイツ海軍の主力戦闘艦艇は一八隻。フランスが二四隻。イギリスが一九隻。これに対し日本の海上自衛隊は四七隻です」と現在の日本の軍事力が外国に比べてかなり増えている事実を明らかにした。
ヨーロッパの軍隊が少ない理由として「九一年の『冷戦終結』後、イギリス・ドイツ・フランスともに一四万人〜三〇数万人規模の軍隊が存在していたのですが、現在の数にまで減り続けてきました」「ヨーロッパは二つの世界大戦に学び、EUという『不戦共同体』をつくり軍隊の縮小、とりわけ陸軍の劇的な削減を実現したわけです」と説明した。
そして「このような中で日本の兵員は増えている。つまりそこに、今、私たちが直面している自民党安倍政権の『積極的平和主義』なるマジックワードを掲げた軍拡がこの雑誌『ミリタリーバランス』から読み取れます」と指摘した。
集団的自衛権の
行使と武器輸出
前田さんは、積極的平和主義についてその中身の中心を三つに整理し、第一に二〇一三年一一月〜一二月に成立させた@「国家安全保障会議設置法」とA「特定秘密保護法」。第二に同年一二月一七日に閣議決定された防衛政策三文書@「国家安全保障戦略」A「防衛計画の大綱改定」B「中期防衛力整備計画」。
そして重要なのが、今年二〇一四年一月に開会された通常国会で成立がはかられようとしている法案と方針、これを第三として、@「集団的自衛権の行使容認」―海外で戦争ができる自衛隊に憲法解釈することA「国家安全保障基本法案」―そのための自衛隊の任務と『国民の責務』の規定」B「武器輸出三原則緩和の新基準」―産業界が望んで止まない武器の海外輸出を自由化させることなど、と説明した。
防衛政策三文書
と「中国脅威論」
第二の防衛政策三文書については「『国家安全保障戦略』の内容は中国脅威論の強調であり、独自の主張に基づく『東シナ海防空識別圏』の設定であり、『新防衛計画の大綱』は、政府の指導による地方公共団体、民間の動員でありグレーゾーンにおける先制攻撃もありうるという内容です。『中期防衛力整備計画』は@新部隊の創設。(陸上総隊・水陸機動団)等。A新装備(オスプレイ・水陸両用戦闘車、空母型護衛艦、イージス艦、潜水艦の増勢。B大規模な予算、五年間で二四兆六七〇〇億円(+五%)二〇一四年度防衛予算は四兆八八四八億円(+二・八%)となっています」と説明した。
安倍政権にどう
対抗するのか
そして第三については「『明文改憲』はあきらめ、個別法をつみあげて『解釈改憲』から『立法改憲』させる手法で事実上の改憲を完成させ、国民をモノ言わぬ羊にする統制国家にし、日米同盟の名の下に海外での戦争に自衛隊をもちいて近隣諸国との間に緊張関係をつくりだしアジアの盟主をめざそうとしています」「その先にあるものは、尖閣諸島への自衛隊の出動やアルジェリア型人質事件に陸自、特殊部隊の出動、PKO部隊に戦闘任務、アメリカの対イラン戦争に自衛隊が出動するなどの事態になるのではないでしょうか」と述べた。
最後に、この現状を変えるためにどう対抗していくかについて「今年七月は第一次世界大戦から一〇〇年にあたります。日本は日英同盟を口実にドイツに宣戦布告して『集団的自衛権』を行使し戦争に参加しました。ヨーロッパでは、二度の大戦で「不戦共同体」をつくりあげたのになぜ九条を持つ日本がアジアではつくれないのか?安倍政権に対抗するためには『九条を守れ』だけではたりないのではないか。九条を維持したうえで、いかなる安全保障が可能なのかを打ち出していく必要があるのではないでしょうか?」と提起し講演は終了した。
続いて名古屋学院大学法学部准教授の飯島滋明さんが今年三月四日に発足した「戦争をさせない一〇〇〇人委員会」を愛知の地から発足させための準備を開始しているアピールが行われ参加を呼び掛けた。最後に各参加者から九条改憲阻止、戦争反対の思いをそれぞれ述べ、明日からの闘いにむけた決意を確認しあい講演会は終了した。(青木)
3.29 反安保実が討論集会
暴走する安倍政権の
軍事外交政策を撃つ
崖っぷちの
政治状況から
三月二九日午後六時半から、反安保実行委員会は討論集会「暴走する安倍政権の軍事・防衛政策といかに闘うか!?」を文京シビックセンターで開催した。問題提起者は前社民党衆院議員の服部良一さん。服部さんは「崖っぷちの政治状況から――いよいよ九条改憲の時代に」と話して約一時間半にわたって講演した。
服部さんは、まず昨年一二月に強行採決によって可決・成立した秘密保護法の廃止を求める持続的行動で、改憲の動きを止める必要を強調。秘密保護法が、「知る権利」「報道の自由」を大幅に制限し、「特定秘密」なるものが行政機関の恣意によってどこまでも拡大するものであること、さらに国会軽視・三権分立違反の違憲法であり、国会議員も市民の弾圧の対象にする中身になっていることをあらためて確認した。大阪では秘密保護法廃止のため一月六日から「6の日」行動(ロックアクション)を開始し、それが全国に広がっていることを紹介した。大阪では四月五日に五〇〇〇人参加を目標に行動が組まれるそうである。
服部さんは、これまで秘密開示を求めてマックロに墨塗りされたものが出てくると「出せ出せ」と追及することもできたが、今後はそれも出来なくなるのではないかとの危機感を示した。また原発についても、浜岡原発のベント装置はマスコミには見せないとしていたが、安全装置や警備状況は「秘密保護」の対象となり、原発への秘密主義がいっそう高まる、と警告した。
東アジアの歴史
認識共有運動を
次に服部さんは、安倍政権がもくろむ九条改憲へのシナリオについて説明した。
「当面の焦点は『集団的自衛権の行使』を『解釈改憲』によって行うことである。通常国会での閣議決定の阻止が私たちの直近の課題だ。その上で、法案的には『国家安全保障基本法』によるのか、個別法(自衛隊法、PKO協力法、周辺事態法など)の改悪から始めるのかは未定ではあるが、いずれにせよ秋の臨時国会での上程が、最大の焦点になるだろう」。
「しかし今、自民党や公明党だけではなく防衛省や自衛隊からも批判が出始めている。いったい自衛隊に何をやらせようというのか、という疑問だ。また『集団的自衛権』に警戒的な公明党を切って、維新・みんなと組めるのか、という疑問もある。一方、私たちの側も保守リベラルと組む必要があるのだが、民主党の中心は集団的自衛権行使を容認する傾向だ。そこがネックとなる」。
このように語った服部さんは、和歌山県で防災訓練にオスプレイを登場させようという動きが出ていることについて語った上で、社民党の常任幹事に復帰し、国際担当になったこともあって「アジアへの不戦の約束」である日本国憲法の意味を押し出しながら、若い世代に東アジアの歴史認識を共有させる活動に力を注ぎたい、と語った。安倍政権が二〇一五年に「戦後七〇年談話」を出そうとする動きがある中で、それは重要な課題になることを服部さんは強調した。
服部さんの講演の後に、この日の午後、同じ文京シビックセンターで行われた集会に参加した山口県岩国市議の田村順玄さん(ピースリンク広島・呉・岩国)も発言。「最近、岩国では極東一の米軍基地に拡張するためのテープカットが行われた。そのための予算は九〇四億円で、岩国市の年間予算の一・五倍にあたる」と批判した。
討論の中では、安倍政権の「国家安全保障戦略」の性格や集団的自衛権行使容認のねらいなどについて活発な意見交換が行われた。
(K)
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