3.27ついに再審開始決定―無罪かちとるぞ
えん罪デッチ上げの責任追及を
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【静岡】三月二七日、九時三〇分頃、静岡地裁前に約二〇〇人の支援が集まり、一〇時の袴田事件再審決定を待った。その間、小集会を開き、全国からかけつけた多くの市民団体の決意が語られた。九時五〇分、西嶋弁護団長、袴田さんの姉・ひで子さんを先頭に、裁判所に入った。
そして一〇時過ぎ「再審開始」の布が掲げられた。いっせいに「やった!」、「勝ちとった!」の声があがった。涙を流す人、肩を抱き合う人そして西嶋弁護団長が「袴田さんの熱い思いがやっとかなえられた」と述べ、ひで子さんも「うれしい、それだけです」と語り、長い闘いを一つになって支えた思いを抱え、東京拘置所に向かった。決定はきわめて明確なものだった。
3・30再審開始
決定報告集会
三月三〇日、静岡市で「再審開始決定報告集会」が行われた。激しい風雨のなか、二〇〇人が参加した。西嶋弁護団長が決定内容の骨格を紹介した。弁護団の五人の弁護士がそれぞれ担当した分野について、経過を含めて報告した。
そして、集会には島田事件の赤堀さん、足利事件の菅家さんが出席した。午後一時半から四時半までのかなり長い集会となった。集会の終わりには「声明」に名を連ねた各団体のアピールがあり、集会アピール(別紙)を確認した。また、検察に対して即時抗告を行わないように、あらゆる方法で訴え、要請の声を届けることが訴えられた。そして袴田さん支援カンパが呼びかけられた。 (S)
再審開始決定報告集会アピール
袴田さんは無実だ!
袴田巌さんの無実を晴らす闘いは、3月27日の静岡地裁による再審開始決定によりやっと動き始めることとなりました。そして、デッチ上げ逮捕以来、無実の罪を着せられた袴田さんを生きて故郷に迎えようとの切実な願いが、身柄の解放により現実となりました。
今回の再審開始決定は、DNA鑑定等に基づき、確定判決が犯人性に関する最有力な証拠とした衣類について袴田さんのものでなく、後日ねつ造されたものであった可能性を示しました。
また、捜査機関によってねつ造された疑いのある重要な証拠によって有罪とされ、極めて長期間死刑の恐怖の下で身柄を拘束されてきたとして、これ以上の拘置を続けることは耐えがたいほど正義に反する状況にあるとして、死刑及び拘置の執行を停止しました。
獄中の袴田さんは無実の訴えを途切れることなく続けて来ましたが、誰をも信じることができなくなり、自らを守るため外界との接触を絶ち切ることでしか、生き延びることができませんでした。
袴田さんは、解放された今も再び拘置所に引き戻されるのではないかとの不安、そして、未だ死刑執行の恐怖から完全に解放されたわけではありません。
私たちは司法権力への責任追及、誤判原因の究明、そして、捜査機関によるデッチ上げ、えん罪の構図を厳正かつ徹底的に明らかにしなければなりません。
今回の再審開始決定で、捜査機関によってねつ造された証拠によって獲得されたという重大な疑義が指摘され、裁判所によって厳しく指弾されたことについて、検察官は厳粛に受け止めなければなりません。
したがって検察官は、再審開始決定に対して即時抗告を行わす、これ以上袴田さんの人生を脅かし、死刑の恐怖を抱かせないよう改めて強く求めます。
袴田さんは無実だ!
2014年3月30曰
再審開始決定報告集会参加者一同
袴田巌さんのための
募金をお願い致します
3月27日、待ちに待った袴田巌さんが解放されました。
今までのご支援、ありがとうございました。
しかしながら、今後、再審公判で無罪になり、刑事補償を受けるときまでは、まだ相当の時間を要することは確実です。48年間の拘禁のため,巌さんの健康状態は,完全ではありません。その間、巌さんの生活を支えなければなりません。
そこで、私たちは、袴田救済ファンドという基金を作り、広く募金をお願いし、今後の費用を賄っていきたいと考えています。ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。
袴田事件弁護団団長 西嶋勝彦
下記の口座に一口一〇〇〇円以上で,余裕のある方は一〇口程度をめどに振り込んでいただけると幸いです。今後、銀行にも、口座を開設する予定です。
ゆうちょ銀行 二三八支店
普通 3833391
名義人 岡島順治
郵便局から振り込む場合は手数料の関係でこちらが便利です。番号が似ていますが違いますのでお気を付けください。
記号 12350
番号 38333911
名義人 岡島順治
3.25
取り調べの可視化を求める市民集会
全過程の録画が必要だ
誘導・強要によるえん罪の根を断て
警察官僚の抵抗
と人権侵害許すな
三月二五日、日本弁護士連合会は、弁護士会館で「取調べの可視化を求める市民集会『取調室にシナリオは要らない〜骨抜きを許さない!取調べ全過程の録画を〜』」が行われ、二四〇人が参加した。
法務省は、大阪地検特捜部の押収資料改ざん・犯人隠避事件(一〇年九月)を通した検察機構の危機と社会的批判を収束するために法相の諮問機関である新時代の刑事司法制度特別部会(二〇一一年六月)を設置し、取り調べの可視化をめぐる審議を行ってきた。賛成・反対派の委員(裁判官、検察官、弁護士、警察、学者、民間人二六人、幹事一四人)の構成で論議し、二〇一五年の通常国会に向けて法案化をめざしている。
すでに試案として@「裁判員裁判の対象罪名で逮捕された場合は原則的に全過程の録音・録画を義務付ける」案と、A自白の誘導と強要、「拷問」に近い脅迫場面を記録せず、えん罪防止には程遠い「録音・録画の範囲を取調官の一定の裁量に委ねる」案を併記した。可視化反対派の警察官僚は、徹底して抵抗するとともに新たな刑事司法制度と称して人権侵害に満ちた「供述証拠の収集/客観的証拠の収集/公判段階の手続き/捜査・公判を通じた手続き」を導入しようとねらっている。
法案化に向けた
大きなステップ
日弁連は、密室で作られた自白調書によるえん罪を繰り返させないために取り調べの全面可視化を実現するために集会を行った。集会は、日弁連の山岸憲司会長のあいさつで始まり、可視化実現にむけた決意表明を行った。
小坂井久弁護士(法制審特別部会幹事)は、基調報告として「法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会の議論状況について」て提起し、「警察関係の抵抗は厳しいものがある。しかし、民間委員五人[神津里季生(連合事務局長)/周防正行(映画監督)/松木和道(北越紀州製紙株式会社取締役)/村木厚子(厚生労働事務次官)/安岡崇志(元日本経済新聞社論説委員)]が『原則としてすべての事件を録音・録画の対象とすべきである』(一三年二月)という意見書を提出した。長い審議過程において歴史的な出来事であり、可視化の法案化にむけて大きなステップとなる」と強調した。
えん罪被害者の
生々しい証言
えん罪被害者報告では桜井昌司さん(布川事件)、上田里美さん(北九州爪ケア事件)が発言した。
桜井さんは、「一九六七年に茨城県利根町布川で発生した強盗殺人事件で私ともう一人が逮捕され、長時間におよぶ強引な取り調べによって虚偽の自白に追い込まれた。無期懲役の判決を受け、二九年間受刑させられていたが、二〇〇五年に再審決定され、一一年五月、水戸地裁土浦支部で無罪判決が言い渡された。現在、国賠裁判を取り組んでいるが、権力はいまだに反省することなく開き直り続けている。可視化はえん罪を防ぐ前提だ。私の全体験を通して言えることだ」と訴えた。
上田さんは、「北九州市の病院に勤めていたが、二〇〇七年七月、高齢者の患者の爪を剥がしたと傷害罪で逮捕された。警察のシナリオにもとづいて取り調べが行われ、爪切り行為そのものを楽しみとしたなどという供述調書が作られた。福岡地裁小倉支部は、それを証拠採用し、正当業務行為との推定が働かないとし、懲役六カ月執行猶予三年の判決を出した。控訴審では、看護行為として必要であり、正当業務行為だとして無罪判決(確定)をかちとった。供述調書は、誘導されたものと疑いが残るとして信用性が否定された。えん罪を防ぐためには可視化がもちろん必要だし、さらに弁護士接見、立会いの実現も必要だ」と指摘した。
喋れなくなる
のは取調官だ
パネルディスカッションは、菊地幸夫弁護士 (第二東京弁護士会所属)がコーディネーター、パネリストが北尾トロさん (ライター)、小坂井久弁護士(法制審特別部会幹事)、周防正行さん (映画監督/法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会委員)。
とりわけ周防さんが特別部会の審議状況を報告し、「警察関係委員は、自らの取り調べを絶対正しいという立場からウソをしゃべったえん罪被害者こそが悪いという主張だった。さらに被告にマイクとカメラをつきつけたら、喋れなくなるということを理由にして可視化に反対し続けているが、実は喋れなくなるのは取調官なのだ。それだけ酷い取り調べをやっていることを証明してしまっている。可視化反対派の警察、揺れ動く検察と裁判官という構造があり、へたをすると可視化の実現さえも危うい状況にある。だからこそ私たちは『意見書』をまとめた」と批判した。
(Y)
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