台湾 「サービス貿易協定」に抗議する、3・18議会占拠
台湾の青年、労働者の声
区龍宇
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不公正な競争に
関わりたくない
何百人もの学生が三月一八日以来、台湾の立法院(国会)を占拠しており、占拠してから三六時間以上が経っている。場所によっては議会の外側に、二万人もの抗議者が駆けつけた。商品の取引だけでなく台湾の資産の流出を引き起こし、中国と台湾の生活水準の面での終わりのない競争をもたらす「サービス貿易協定」の強盗さながらの本性から庶民の生活を守るために、彼らは抗議を行っている。民主主義への強い思いも抗議者を奮い立たせている。中国国民党政府の法案強行採決という非民主的な手法が、多くの人々を騒乱に駆り立てているのである。 学生たちは声明を発表して、活動への理解を求めた。
「われわれは、一〇年後の未来の台湾の若者たちが二万二〇〇〇台湾ドル(約七二〇米ドル)の月給で生活する姿を見たくない。台湾では、自分でカフェを経営したい、個人事業を始めたいという若者たちが、自分たちの起業の夢を実現することが可能であった。われわれが思い描いていた台湾は、起業の天国であった。身を粉にして一生懸命に努力すれば、社長になることもできた」。
「有識者らの意見によると、『サービス貿易協定』は、政府の主張よりもはるかに大きな打撃をもたらす。台湾政府は『六四のサービス分野を中国に開放しているにすぎない』と主張するが、その六四のサービス分野に付随する数千ものサービス分野(食料品店、地元の飲食店、パン屋、文房具店、理髪店、広告デザイン等)について言及していない。われわれの日常生活、生活のあらゆる場面に及んでいるのだ。まさに『ゆりかごから墓場まで』だ」。
「われわれの「サービス貿易協定」反対の主旨は「中国バッシング」ではない。本協定の最大の問題は、貿易の自由化の恩恵を巨大資本が独占するという点である。巨大な企業共同体には際限なく台湾海峡両岸の拡張の機会を与える一方で、そのツケは中小企業に押しつけるものである。本協定の本質は、WTO、FTA、TPP等の他の貿易協定と同様に、民衆を保護している対象への規制緩和である。中台統一派と台湾独立派の政治的対立、あるいは青(中国国民党)と緑(民主進歩党)の政治的対立とは関係なしに、本協定によって巨大資本による大多数の農民、労働者、中小企業に対する収奪が生じる。台湾のこれからの世代が直面させられる苦難についてはいうまでもない」。
「挑戦、競争を断固拒否する。われわれは不公正な競争に関わりたくない。将来の私たちの生活が少数の支配層エリートやその取り巻きらの手に落ちることを望まない。大陸の巨大資本によるわれわれの職場の支配を許さない。われわれの将来は、自分たちで選択する。若者たちに機会と、公正な競争と発展が可能な社会を!」。
「中国、台湾両岸の企業および政治的な少数の支配層は、いつでも台湾を捨て去ることが可能である。彼らが世界中を点々としながらいつも追い求めているのは、低賃金の労働力である。吸血鬼のように台湾の若者の血を吸い尽くしてしまったら、新たな獲物を求めて他の国に去って行く。われわれは、台湾のすべての若者に「サービス貿易協定」の廃止を訴える」。
人々の生活を売り物にさせない
学生の声明は「小さな企業を起こす」熱意に満ちているが、全国の労働者の「連合ロックアウト」の声明は、台湾の労働者を窮地に追いやっている政府や大企業への責任追求に重点を置いている。
全国の労働者の連合ロックアウトも、初期の段階から闘いに参加していた。全国の労働者の連合ロックアウトは三月一七日に発表した声明で、政府の貿易協定は資本家による労働者の搾取をさらに促進するものであると非難した。
全労働者の六〇%を占めるサービス業に従事する労働者の給与は、過去一〇年間で五・八六%も下落した。製造業の〇・三八%よりもはるかに大きな下落率である。
「新たな資本の飽和した市場への参入により、さらに熾烈な競争が生じ、そのツケは労働者が払うはめになる。問題の核心は、中国に反対するべきか否かではなく、人々の生活が売り物にされているということである。われわれは、立場が弱く、資本家らの貪欲なもくろみに断固として立ち向かう労働者を支援する」。
馬英九総統を「卑劣な中国の野獣」と揶揄する旗を掲げる個人の抗議者もいたが、これは中国に対する台湾のナショナリストのありふれた不満の表現にすぎない。彼らは中国の独裁政権と、中国の独裁政権の本当の犠牲者である中国の労働者を混同している。しかしながらこのような主張をする者は、抗議者の中での少数にすぎない。
二〇一四年三月二〇日
(「インターナショナル・ビューポイント」二〇一四年三月号)
スウェーデン
極右、フェミニストに殺人的攻撃
ファシストへの融和やめよ
「モトクラフト」
以下は、三月八日の国際婦人デーにスウェーデンで起きたファシストによるフェミニスト活動家襲撃事件の速報。以下では、襲撃犯には、ウクライナのマイダン運動に参加後帰国したメンバーがいたことが示されている。ウクライナの事態が欧州の極右を高揚させている可能性が示唆されている。なおこの襲撃に対しては、三月一六日、事件発生地であるマルメ市で数千人が抗議デモに決起した。(「かけはし」編集部)
襲撃は孤立した
事件ではない
三月八日深夜、マルメ市(スウェーデン南部)中心部で数人がファシストのスウェーデン人党メンバーに襲われた。彼らは、国際婦人デー記念イベントへの参加を終えて帰宅途中だった。
事件は、女性への暴力反対の夜間デモがメーゲンヴェングストルゲット(マルメ市の多文化・左翼地区中心部にある広場)で真夜中頃終わった直後に起こった。今一人は、頭部に負った重傷に対する集中治療を受けている。他の三人は腕や肺にナイフの傷を受けた。ナチスは、フォルケットパークのモリスカ・パビリオンでの「3・8フェスティバル」を挟んで一晩中、政治的犠牲者を捜し求めていた。この襲撃は言葉を換えれば偶然の遭遇ではまったくない。
三月八日のデモに対する襲撃は、孤立した事件と見られてはならない。昨年一〇月のマルメ市近郊の高校に対する放火攻撃は、マルメ市周辺におけるナチの暴力がエスカレーションする始まりに過ぎなかった。左翼の地域と建物は落書きで汚され、窓を割られてきた。SSU(スウェーデン社会民主青年組織)の一六才になるメンバーが一月に二人の男に襲われ、彼女の考えを広めることに警告を受けた。ナチスは他のいくつかの地域や都市で、国際女性デー期間のデモへの参加者を記録していることが確認されている。
重傷を負った二五才のショワンは、現在病院で安静状態に置かれ治療を受けているが、サッカー界、つまりサッカー協会メンバーやマルメFFの熱烈なファンのレイシズムと同性愛嫌悪に反対する闘いの指導的人物だ。彼はまた、「同性愛嫌悪反対サッカーファン」という組織を創設することに力を貸した。彼は近頃これを基に、スウェーデン人党がリンクするウェブサイトの「リアリステン」に張り出されることになった。
政権の融和姿勢
が事件を後押し
事件現場の目撃者によれば、スウェーデン人党の高位メンバー――アンドレアス・カールソン――が殺人未遂に関わっていた。彼は、ナイフでフェミニストたちを襲っているところを見られたのだ。
カールソンは、権力奪取に努力していたスヴォボダ党を支援するために、ウクライナボランティアとしてキエフに旅したスウェーデン人党メンバーの一人だ。彼は「リアリステン」に、スウェーデン人民族主義者派遣団の作戦を報告している。この派遣団参加者の何人かは、彼ら自身の報告によれば、「ウクライナ軍の徴募に応ずるために」とどまっている。一方カールソンのグループは、三月八日のほんの数日前にスウェーデンに戻った。
公安警察(セポ)首席調査官のアーンザ・ハグストレムは、帰国に際して彼らは、政治的動機に動かされて犯罪を犯す意志あるいは能力に関し、その増大を何一つ見せていない、などと三月八日に言明した。しかしまさにその夜ナチスは襲撃したのだ。
外務大臣のカール・ビルトはスウェーデン語ラジオのPIチャンネルでの一番新しいインタビューで、スウェーデン人党の姉妹政党であるスヴォボダ党は「われわれがもつ価値のために活動する欧州の民主主義派」である、などと語った。ファシスト党に対するこうした最小に見積もる行為、あるいは正常と見せる行為が、スウェーデン人党と彼らの「ウクライナボランティア」に、彼らの暴力行為にはフリーパスがあるとの確信を与えた。
公安警察だけではなく普通警察もまた、殺人の企てを「敵対し合う過激派グループ」間の「ギャング戦争」と描くことで、極右の暴力を黙殺してきた。今回の事件は、類似のナチス党である「スウェーデン人抵抗運動」がケルトルプでの反レイシズムデモを襲撃する計画を立てている、との警告を警察が無視してから半年も経たずに起きている。
ファシストの脅
威の直視が必要
スウェーデンと欧州に対する、そして諸個人と社会運動に対するファシストの脅威が深刻には見られていない、ということは十分に明確だ。政府も公安警察も、さらに警察も、この問題に対するはっきりしたそして首尾一貫性のある取り組みを示すことができないできた。ファシストの暴力は、たとえばビルギッタ・オールソン政府の過激派捜査のように、若者の戦闘や極端な現象であるかのように切り縮められてはならない。
こうしたことで人は以下のことを見逃しているのだ。それは、欧州のファシスト諸党が強力な政治勢力になっていること、それがここスウェーデンの対応する諸党に与えている勢いだ。そして人が無視していることは、スウェーデンの右翼過激派がここ二、三ヵ月の旅行と訪問でハンガリーのジョッビク、ウクライナのスヴォボダ、ギリシャの黄金の夜明けと交流する中で得た、武器の訓練と街頭戦闘技術の深刻さだ。
彼らは今日は、街頭で暴力にしたがっている。そして九月には彼らは、議会選挙に臨んでいる。
注)この英文記事は、ウェブサイト「モトクラフト」にスウェーデン語で掲載された。(「インターナショナルビューポイント」二〇一四年三月号)
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