もどる

    かけはし2013.年12月9日号

ストップ辺野古新基地建設


「島ぐるみ」闘争への切り崩しをやめろ

沖縄を脅し続ける安倍政権許さない

日米「対中戦略」の前線


 特定秘密保護法案の強行か廃案かをめぐる攻防がギリギリの局面を迎えている中で、それと軌を一にする形で、安倍政権と自民党執行部は、沖縄・辺野古への基地建設を最終的に受け入れさせるために、強力な圧力を沖縄県政や自民党沖縄県連にかけている。すなわち一月一九日投開票の名護市長選で、「辺野古基地建設反対」の明確な立場を掲げている稲嶺進現市長の再選を阻み、仲井真沖縄県知事に辺野古沖の公有水面埋め立てを受けいれさせることがその目的だ。
 自民党沖縄県連をふくむ「オール沖縄」の「オスプレイ配備撤回・基地県外移設」の意思を解体し、アジア・太平洋地域に焦点を合わせた米軍事戦略の実戦的な日米軍事同盟体制を築き上げることが、安倍政権の改憲戦略全体にとって前提になるのである。今年一月、沖縄全四一市町村の首長・議長が「オスプレイ配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設反対」を求める建白書を安倍首相に提出したようなことは、あってはならないことなのだった。
 一〇月三日に東京で行われた日米外交・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の共同発表文では「普天間飛行場の代替施設を辺野古岬・同沖に建設することが唯一の解決策」であることが明記された。それは明らかに、中国の軍事的封じ込めを焦点にした日米同盟にとって、辺野古新基地移設が重要な位置を占めることを再確認するものであり、そのために自民党沖縄県連をふくめた「オール沖縄」の「基地県内移設反対」の構造を解体することが必要だという安倍政権の「決意表明」でもあった。

自民党沖縄県連への圧力


 来年一月一九日の名護市長選をめぐって、基地反対の意思を鮮明にしている稲嶺進市長の再選を阻止する候補として、保守派は名護選出の末松県議を擁立した。しかし末松候補が、仲井真知事の顔色をうかがいながら辺野古新基地建設容認の態度を明確にしないことに業を煮やした基地建設推進勢力の中から、島袋吉和前市長が日本会議など右翼勢力の支持を得て立候補を声明した。
 このままでは基地受け入れの保守派が分裂し、稲嶺現市長に勝つことができないという危機感が、政府・自民党執行部の中で拡大していった。それが石破茂幹事長を先頭にした自民党執行部の自民党沖縄県連切り崩しへの強い圧力の背景にあったものだ。
 一一月二五日、沖縄選出の自民党国会議員五人全員が党本部の「辺野古移設案」を受けいれた。最後まで抵抗していた国場幸之助衆院議員(沖縄1区)は、「県外移設の公約を堅持」の立場を手帳にまとめ石破幹事長との会談で表明したが、石破は「これは党を出たいと言うことか」と問い詰め、ついに「辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しない」との表明を受け入れたのだという。続いて一一月二七日には、自民党沖縄県連も県議団による議員総会で「辺野古移設」を容認することになった。
 朝日新聞は一二月二日に来日するバイデン副大統領に「辺野古基地建設の前進」をアピールするためにも、自民党沖縄県連の「辺野古容認」への転換が必要だった、と解説している(一一月二六日朝刊)。

名護市長選の勝利へ


 こうして「基地県外移設」を公約にして当選した仲井真知事が「辺野古容認」に転換する外堀が埋められた、ということもできる。一方、名護市議会では一一月二二日に、稲嶺市長の「辺野古埋め立て申請反対意見案」を賛成多数で可決した。稲嶺名護市長は一一月二七日に「埋め立て反対」意見書を仲井真知事に提出した。
 この間、仲井真知事は、辺野古公有水面埋め立て許可申請をめぐって、「承認と拒否の間の中間の選択もある」といったあいまいな立場を表明してきた。石破幹事長を先頭にした自民党執行部は、一方でさまざまな脅しをかけながら、「さらなる基地負担軽減」をちらつかせ、年内に知事の承認をとりつけることに躍起となっている。
 実効的な基地負担軽減なるものが全くの空語であったとしても、言うまでもなく情勢は楽観を許さない。安倍政権はまさに全力をもって沖縄の「島ぐるみ」の闘いを解体しようとしているからである。新防衛大綱と新ガイドラインの策定をはじめとする、米国の軍事戦略と一体化した「戦争する国家体制」づくりにとって、沖縄の米軍基地維持・強化と「離島防衛」を旗印にした自衛隊の沖縄での態勢強化が必要だからである。
 「本土」(ヤマト)の労働者・市民は、政府・自民党による沖縄への強権的脅しを許さない闘いを築きあげよう。一月名護市長選で、稲嶺市長の再選を勝ち取る市民の運動を支援しよう。それは沖縄の自治・自決をめざす民衆的運動と連帯しようとする上で、最低限の前提条件である。
(一二月一日、純)

11.30 沖縄一坪反戦が「公開審理学習会」

私はなぜ契約を拒否したのか

藤川佐代子さんが思いを語る



新たに契約を
拒否した地主
 一一月三〇日、東京・中野商工会館で、米軍基地用地の契約拒否地主に対する「公開審理学習会」が沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの主催で開かれた。
 二〇一二年五月一五日以降の軍用地の契約を拒否した地主に対する一〇年強制使用についての公開審理が始まっている。審理対象は、普天間飛行場、嘉手納基地、ホワイトビーチ、金武ブルービーチ、キャンプ・ハンセンなどの一六施設の一部土地(30万2642平方b)。土地所有者は一〇七人。一九九七年米軍用地特措法の改悪により、収用委員会の裁決に関わらず土地の強制使用が可能になり、収用委員会の審理が形骸化した側面がある。今回の公開審理で、地主の方々は防衛局を捕まえ、追い詰めようとしている。今回の特徴は過去二度の更新を行った地主が契約拒否に転じたことである。
 今回契約を拒否した藤川佐代子さん(神奈川在住反戦地主)が講師となり、契約を拒否した思いを語った。

キャンプシュ
ワブ内の土地
 「辺野古出身の父は嘉手納飛行場やキャンプシュワブ基地建設の仕事に携わった。辺野古では殺人事件や事故が起きた。浜のガマにあったウガジュ(拝所)の中の遺骨を何度注意しても米兵は取り出してもてあそぶようなことをした。ベトナム戦争当時、辺野古弾薬庫には核爆弾があると言われた。基地があることでマイナス面がある。恩恵もあった。基地から資材・生活物資をただで持ち出した。暮らしていくにはこれぐらい当たり前だ」。
 「沖縄を離れてみて、見える沖縄を実感した。本土と沖縄の違い。沖縄には高度成長がなかった。子どもの頃、電気が通っておらずランプと薪の生活をした」。
 「今回私が契約拒否したのは論理だててのことだ。一日でも早く普天間基地を撤去し、辺野古代替案を破棄してほしい。地主は地代がもらえて良いではないかという人がいるが、そういう人には自分の裏庭に基地と振興策も含めて持っていってもらいたい。基地と共存できない」。
 「キャンプシュワブの土地を持っている。辺野古出身の父から譲り受けた。一九九二年に拒否しようと思ったら、すでに母が三年前にハンコをついたという。その時は公民館に集められ、土地の一覧表があり、仮契約をするから委任状を出すように言われ、一括で集められた。契約期限切れの二、三年前にやっている。
 私の土地は辺野古基地建設予定地・V滑走路の一部にある。自分の土地の上に基地が作られる。民間の契約では事前にどういう建築物をつくるのか、相談するものだ。こうしたことがいっさいない。基地の中なら何をしてもよいということがまかり通っている。補償では、カネではかえられない。いったん壊れた自然は戻らない。抗議しつつ、生活の安全を確保していく」。
 「今回、契約問題で話がしたいので、神奈川に来てくれと要望したが、あなたの拒否の姿勢が分かっているので、いかないと防衛局から拒否された。収用委員会の公開審理がどのように進められるのか知らされない。当日になって分かる。公開審理の第一回は地主がなぜ拒否するのか思いを真剣に語った。第二回目は防衛局に対していろいろ質問したが、安保にかかわることでなじまいという拒否回答ばかりだった。第三回目は防衛局が饒舌になり、少しぼろを出した」。
 次に藤川さんは、地主たちの思いの一端を紹介した。金武町並里区は生活環境を守るためブルービーチ訓練場の返還を求めた。宜野座村城原区は一九九五年に米軍車両が児童をはねる死亡事故が発生した村道にかかる区有地の契約の拒否など。

生活に根ざす
闘いとして
 藤川さんは話を続けた。
 「契約地主には自民党支持者もいる。地元がかかえている基地の圧迫は過重負担になっている。イデオロギーではなく、生活から根ざしている。返ってこないと困るのだ。「沖縄はがまんしろ」「沖縄の土地は自由に使っていい」と押しつける。怒りという言葉では言い表せない。情けない、これが自分たちの国なのか」。
 「アリの穴でもつついて堤防を決壊させることができる。反戦地主の闘いの意義はそこにある。公開審理は文章として記録に残る。あちこちでいろんな理由で反対している。このことがますます明らかになってきている」。
 「先週から腹だたしいことが起きている。特定秘密保護法は基地問題を隠すために沖縄にかけられたものだ。また、辺野古基地移設受け入れの画策がなされ、自民党沖縄選出の五人の国会議員が移設容認に変わった。一一月三〇日には、自民党沖縄県連会長も受け入れに変わった。オール沖縄を壊し、名護市長選に向けていっている。そこを打ち返していくことが大切だ。怒りを力に変えさせる。稲嶺現市長を勝たせる。安倍政権の思うようにさせない」。
 第四回目の公開審理は一二月一八日沖縄で。最後に名護市長選応援のカンパ、辺野古の海の埋め立て申請の不承認を求める緊急署名、一二・四辺野古への基地を許さない、オスプレイ反対集会参加が呼びかけられた。名護市長選の帰趨が、辺野古基地建設が進められるかどうか極めて重大なものとなっている。 (M)

 


もどる

Back