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    かけはし2013.年12月2日号

「君が代」不起立でクビ!?


11.15こんな処分を私たちは許さない

被害者の訴えを広げよう

改憲・戦争国家づくりと一体のものだ

 
 【大阪】不起立処分撤回、君が代斉唱時の口元チェックを許さない大阪集会が一一月一五日、大阪市此花区のクレオ大阪西で開かれた。
 黒田伊彦さん(「日の丸・君が代」強制反対、不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク代表)は、「ギリシャ神話にいう怪獣キメラのように、今大阪、日本で頭は市場原理の競争主義、胴は議会の多数を制することによる強権的官僚主導政治、尾は天皇制ナショナリズムである橋下ら維新の会と安倍自民党政権が合体したキメラがわずかに残る戦後民主主義を食い荒らし、憲法体制を破壊し尽くそうとしている。戦争する国づくりのカギである秘密保護法、そして教科書検定への介入。この流れを絶対許してはならない」と開会のあいさつで述べた。 
山田光一さん(大阪ネット事務局長)が基調を提起し、安倍政権は戦争のできる国づくりをめざしていること、大阪においては、一二年は三七名に不起立で戒告処分・二名に再任用拒否、一三年は一〇名に戒告処分と二名に減給処分・三名に再任用拒否の処分があったことを報告。一二年には七名で始めた人事委員会提訴が一一名に拡大したこと(さらに一名が減給処分と再任用拒否で豊中市公平委員会に不服申立)、また九月四日には、大阪府教委・中原教育長が口元チェック指示通知を出し、これについて、被処分者の奥野さんが大阪地裁に提訴したことを報告。さらに中原教育長は、実教出版日本史教科書の採択を阻止すべく維新の会府議団と結託したこと、現在、大阪府議会に公務員政治活動規制条例案が提出されていることを報告。「日の丸・君が代」強制反対と不起立処分・再任用拒否の撤回を結集軸として、安倍政権・維新の会による教育への政治介入と破壊に反対する共同の取り組みをすすめ、全国的な運動のネッットワークの形成をめざそう、と述べた。

提訴した11人が
そろって訴える
 奥野さん:弱きに徹した闘いで勝利していきたい。この改憲の時代、学校に勤めている者として、きちんと闘っていかねばならない。キリスト者として信教の自由を守っていく。
 辻谷さん:人事委員会闘争を闘っている一一人(自らをグループZAZAという)は、不起立で処分されたこと、処分は不当だということでは一致しているが、思想はそれぞれ違う。なぜ私たちは起立しなかったのかを特に若い人に話していきたい。
山田さん:(校長にも府教委にも)君が代斉唱の件は、教師としての良心から譲れない、と言った。日の丸・君が代は侵略のしるしだ。不起立は良心の叫びだと考えている。
 梅原さん:斉唱時に立つことができなくて座った。黙っておれないとき、これをきっかけにみんなと出合えてよかった。これで、誇りを持って教員生活ができる。
 佐藤さん:天皇制に屈服するための君が代斉唱に反対する。招集され戦地に行った天皇の軍隊としての父のことを検証することも自分の任務としたい。愛国心教育に反対し訴訟も考えている。
松村さん:事前に何の指導もなく、式当日斉唱が終わると後ろの席に隠れていた事務長が校長に注進し、処分された。またこれとは別に、クラブ合宿で減額された手当を工面するため、主顧問の指示で一部を休んで手当の流用に協力したことを、橋下知事がつくった密告制度で取り上げられ、停職三ヶ月。「物言う」教職員をあぶり出し処分する強権ととことん闘っていく。
 菅さん:式当日は休みだったが、ビラマキして参加し不起立した。それぞれの人生観など心の内面に国や社会が干渉し、起立を強制することは罪ではないのか。
野村さん:戒告処分され、再任用を拒否された。事実関係で反論書を出したら、事実はどうでもいい、再発防止のために聞いたまでだと府教委は再反論書で述べた。有無を言わせず従わせたいということだ。
吉田さん:昨年は支援する方だったが、今年は処分された。日教組は動きが鈍いが、ぜひ日教組組合員を巻き込んだ闘いをしたい。
 山口さん:式の間中、障害を持つ生徒が発作を起こしかねない状況で寄り添っていた。戦争につながる一切のことに協力しないと考えている。
増田さん:一年間悩んだが、当日不起立した。やってよかったと思っている。保護者の中でも、歌いませんという人もいたし、起立斉唱の強制に抗議してくれた人々もいた。この問題で市民と連帯できると思う。

最初の段階の
攻防が最重要
弁護団からは、重村達郎弁護士と池田直樹弁護士が発言した。重村さんは、ナチスの敬礼を拒んだ人のことにふれ、「密告社会になるまでに、はじめの段階で闘って潰さなければいけない」と述べた。池田さんは、「任意に弁護団を結成した。被処分者一人につき二から三人の弁護士をつけている。今は人事委員会段階だが、いずれ訴訟になる。憲法違反のことを今から勉強し理論武装していく。信念に基づく行動は必ずや子どもにも影響していく。子どものためにもこの闘いは絶対勝たねばならない」と決意を述べた。

東京と愛知から
支援アピール
 東京からは四人が連帯のアピールした。永井さんは、「東京では攻撃が教職員から生徒に向いてきた。最高裁判決は、戒告以上の処分を取り消したが、都教委は被処分者を呼び出し制裁的な攻撃をかけている。また、分限処分規定を改悪し昇給基準を見直すことで被処分者の降給を企んでいる。また再発防止研修を繰り返して適格教員にして分限免職にもっていくのではないかとの懸念がある」と述べ、青木さんは、「宿泊防災訓練と称し、道徳教育の一環として、生徒を自衛隊朝霞駐屯地に連れて行き、二泊三日の訓練をさせている。東京の日の君訴訟団でジュネーブの国連人権委員会に問題提起をしたら、君が代強制について取り上げてくれて、日本政府に質問をすることになった」と報告。
根津さんは「二〇一二年一月一六日の最高裁判決は、「過去の処分歴等、規律と秩序を害する具体的事情が処分の不利益よりも重い場合は、(戒告より)重い処分も可」を判断基準とする判決が確定し、処分にフリーハンドを与えた。不起立を四回繰り返した田中聡史さんには、減給一カ月の処分を強行した。田中さんの支援に全力を上げたい」と述べた。河原井さんは、一二年一月一六日最高裁が河原井さんの損害賠償について高裁差し戻しを判決し、一二年一一月東京高裁での差し戻し審で、都の賠償責任が確定した。さらに、今まで都教委の処分が意図的で故意にした処分だとして都教委の過失を認めるとともに、教師と児童との人格的ふれ合いが教育活動には不可欠だとし、財産的損害の回復のみでは慰謝されないとして損害(三〇万円)を認めた。この考え方を他の裁判官にも広めたい」と述べた。
 愛知県からは小野さんが連帯のアピールをし、全国ネットの結成を強く呼びかけた。

さまざまな分野
と結びつこう
続いて、地元大阪の五人がアピールをした。森さん(橋本市長による入れ墨調査拒否者への不当処分を撤回させる会)は「処分によって人事評価を低くし一時金を下げられた。勤務態度についての指導研修に出席するように強制されている。市は、命令を聞くことが市民の安心につながるといっている」と述べた。
 伊賀さん(子どもに渡すな!あぶない教科書大阪の会)は、高校日本史教科書採択の過程を報告し、実教出版の教科書は採択されたが、補完教材を強制したことについて府民向け説明会を要求していること、公正取引委員会への申し入れををしたことを報告、また、教科書検定に政府見解を反映させるよう検定基準を見直すことを含む「教科書改革実行プラン」が発表されたことについてコメントした。黒田さん(「ピースおおさか」の危機を考える連絡会)は、「「ピースおおさか」は一九九一年、砲兵工廠の跡地に開館された。今年四月に発表されたリニューアル構想では、設置理念を無視しアジアに対する加害展示を外し大阪空襲を中心にした展示にしようとしている。加害の事実を明らかにすることは自虐的であるどころか、平和な未来にとって不可欠なことだ。見学者の七割は小中学生だ」と述べた。
 方さんは、「維新の会は検証プロジェクトで河野談話の見直しをねらい、応援団である桜内文城衆院議員が吉見義明中央大教授の著書が捏造だとし、存在もしていなかった日本軍『慰安婦』を世界にばらまいたと発言したことで、吉見さんは裁判に訴えた。全面的に歴史認識が問われるこの裁判ぜひ勝利したい」と述べた。
井前さん(大阪ネット事務局)が行動提起。一〇月二三日口元チェック通知撤回署名二三五五人分を提出し、さらにその後集まっている二六三九人分の署名を提出すること、不起立処分撤回をあきらめないこと、人事委員会審理傍聴の依頼、明日(一一月一七日)全国の仲間と全国ネットの立ち上げを決めることを提起した。
 最後に、集会アピールと秘密保護法案廃案の特別決議を採択し終了した。 (T・T)

11.9「警察ネット」がシンポ

秘密保護法は公安警察の隠れ蓑

監視・密告・弾圧社会はゴメンだ

秘密保護法と
警察組織の関係
 明るい警察を実現する全国ネットワークは、一一月九日、四ツ谷・ホリナカビルで「シンポ 秘密保護法は公安警察の隠れ蓑だ! 警察の仕事のオモテ・ウラ/オモテが問題。ウラはもっと問題!」が行われ、約六〇人が参加した。
 警察ネットは、警察OBと市民オンブズマン〈設立発起人―原田宏二(警察OB)、斎藤邦雄(警察OB)、辻公雄(弁護士)、清水勉(弁護士)/二〇〇四年一〇月二三日〉によって発足し、警察の不当逮捕、裏金問題、残業手当のない超過勤務、不合理なノルマ問題、警察の不祥事と隠蔽工作批判などを取り組んできた。
 安倍政権による特定秘密保護法制定が強まるなか、法案の「特定有害活動」「テロリズム」の特定秘密が公安警察の扱う領域であり、どちらの定義も曖昧で、無限定に広げられる危険があり、もともと不透明な公安警察の仕事がこの法律でますます不透明になってしまう危険性があると分析。警察組織への秘密保護法というビッグプレゼント反対を掲げた。

ウラの活動領域
と権限が拡大
 第一部は、警察ネットが取り組む事件と裁判について報告した。
 @警視庁目白署事件(軽犯罪法違反で取られた指紋データと顔写真データ抹消請求事件/東京地裁)
 A警視庁万世橋署事件(警察官による職務質問と所持品検査事件に関する国家賠償請求、指紋データ抹消請求訴訟/東京高裁)
 B新宿署違法捜査憤死事件(旧新宿駅痴漢冤罪暴行事件/東京地裁)
 C神奈川県警事件(ノンキャリア警察官が県警の不法行為を損害賠償請求訴訟/横浜地裁)
 D長崎県警違法捜査事件(拳銃摘発ノルマ達成のために違法・捏造に対する損害賠償請求訴訟/長崎地裁)
 E立川署事件(違法取り調べ、家宅捜索・押収に対する損害賠償請求訴訟/東京地裁)
 F秋田県警事件(津谷弁護士殺害事件―秋田県と犯人に損害賠償請求/秋田地裁)
 第二部は、清水勉弁護士(警察ネット代表)が「報道されないけど、しっかり考えなければいけない秘密保護法と公安警察の関係」について報告した。
 「法案の主語に『行政機関の長』『警察庁長官』が異常に多いが、権限法になっている。警察は、『特定有害活動』『テロリズム』を対象とする活動をすでに行っており、それを法律によって国家機密にして重い処罰による牽制で漏えいを防止しようとしている。公安警察は市民運動、住民運動、個人の言論活動も『テロリズム』と位置づけ、警察業務として監視しているが、その運用が秘密であるため制定後は、運用が遥かに広がる」。
 「公安警察は犯罪の摘発をしているのではない。犯罪ではない市民生活を監視している。その活動は刑事警察に従事する警察官にすらわからない。秘密保護法によって、より権限を強化し、より自由に活動し、より多くの予算を獲得することが本質だ。逮捕と取り調べは、脅しと情報収集が目的だ。捜索差押は、携帯電話、パソコンの差押、全データのコピーにより当該個人のすべての情報を入手でき、いつでも自由に使えることにある。いつでも自由に使われていることが本人にはわからない」と述べ、「秘密保護法は、公安警察にとって圧倒的に旨味のある法律だ。日本弁護士連合会は、過去の漏えい事案から秘密保護法ではなく情報管理システムの適性化を提起している。国民の知る権利を保障する情報公開法・公文書管理法改正こそ必要だ」と結論づけた。

警察国家化へ
の条件整備だ
 続いて「パネルディスカッション:それでいいのか?/秘密保護法で公安警察の闇は真っ暗闇に!」と題して原田宏二さん(元北海道警察釧路方面本部長)、青木理さん(ジャーナリスト)が問題提起した。
 原田さんは、秘密保護法案の「第五章 適性評価」を取り上げ、「適性評価の一〜七は、いずれも公安警察がスパイ工作するときの基礎調査だ。このようなことを合法的に膨大な予算と公安を使って、秘密裏に個人情報のデータを蓄積し、いつでも使えるようにしておくのだ。警視庁公安部外事三課の公式文書のネット流出事件(2010年10月28日)があったが、在日イスラム教徒たちをテロ関連捜査対象、捜査協力者として個人情報(国籍、氏名、生年月日、旅券番号、職業、出生地、住所、電話番号、家族、出入国歴、出入りモスク)、銀行口座まで調べあげていた。このようなことを大きなレベルで組織的にやろうとしている。人権侵害を許してはならない」と厳しく批判した。
 青木さんは、公安警察のI・S(インテリジェンス・サポート/左翼、右翼だけではなく政界、マスコミ関連など幅広情報の収集組織)を取り上げ、「國松孝次警察庁長官狙撃事件の不祥事後、警察庁警備局の組織も再編・統合に追い込まれ、その過程でI・Sを密かに組織した。うまくいってないらしいが全貌はまったくわからない。秘密保護法は、I・Sの延長で公安が活躍してしまうであろう。つまり、与野党を問わぬ政治情報やマスコミ動向に関する情報までを掻き集め、その情報を極めて恣意的に使い始めたら危険だ。すでに実行しているかもしれない」と指摘した。
 「公安部外事三課から流出されると言われるテロ情報流出事件は、結局、時効となってしまった。こんな事件も解決できないくせに秘密保護法というオモチャが与えられたら何をするかわからない。まさに警察国家だ」と糾弾した。
 最後に主催者として「まとめ」を行い、秘密保護法に反対していくことを確認した。 (Y)

 


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