呼びかけ
最大規模の台風による甚大な被害
日本革命的共産主義者同盟/国際主義労働者全国協議会
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一一月九日にフィリピン中部のビサヤ諸島を直撃した超大型の台風「ハイエン」(台風三〇号)はレイテ島、サマール島などに壊滅的被害をもたらした。瞬間最大風速は九〇メートル、高波は五メートル以上に達したと見られる。
死者・行方不明者の数は数千人から一万人に達すると報じられているが、被害の全容が明らかになれば、その数はさらに拡大する可能性がある。水、食料、医療品、衣服などが決定的に不足しており、ライフラインの崩壊ともあいまって、救援体制は遅れている。事態は深刻さを増している。「治安の悪化」など、救援の遅れを被災者の責任にするような報道はきわめて悪質だと言わなければならない。
フィリピンの同志たちは、NGOなどの市民運動体を通じた地元での被災者支援活動、被災者自身の自己組織化に奔走している。そしてアジア、世界の仲間に対し金銭的・物質的支援を呼びかけている。すでに香港、インドネシア、インド、パキスタン、オーストラリア、ニュージーランドなどでこの呼びかけに応える活動が開始されている。
フィリピンの仲間たちは、困難な状況の中で東日本大震災・福島原発事故被災者支援の活動に取り組んだ。われわれは日本でも、緊急のフィリピン救援カンパを呼びかける。読者の皆さんのカンパは、全額フィリピンの仲間たちに確実に届けられる。(カンパ送り先:新時代社 郵便振替口座00290―6―64430へ。フィリピン救援カンパと明記してください)
2013年11月18日
フィリピン
台風「ハイエン」の襲来 浮き彫りになった政治家の無能
連帯の活動が緊急課題だ
ピエール・ルッセ 気候変動と
「異常気象」
ワルシャワで第一九回気候変動国際会議(COP19)が始まったまさにその時、超大型台風の「ハイエン」がフィリピン諸島の中央に位置するビサヤ地方を壊滅させた。この気候変動国際会議がドーハで開催された昨年(COP18)にも、別の猛烈なサイクロンがフィリピンを直撃していた。この会議の終了前に、各国政府の代表たちは犠牲者に哀悼の意を表したが、緊急になすべきことについては何も決められなかった。今年もきっと同じに違いない。シェールガスの問題で山盛りだ。エネルギーロビーがこの取り決めを一元的に取り仕切っている。
こうして、欧州産業家円卓会議にとっては、「競争力」は「二酸化炭素排出削減」と同程度に重要であるべきだ、ということになる。なにものも彼らの利益と権力を脅かすべきではない、ということだ。
破壊された
公共サービス
気候変動ぬきであれこれのサイクロンが起こったということを「証明」するのは不可能だ。しかしそのことが問題なのではない。「ハイエン」は、上陸した台風の中でこれまで記録された最大のものである。フィリピンは不幸にも、太平洋で発生した例外的なまでの気象現象の暴力を、最大限のかたちでこうむってきた。この恐るべき台風のリストを上げれば、さらに長いものとなる。「フランク」(フェンシェン、二〇〇八年)、「オンドイ」(ケツナ、二〇〇九年)、「センドン」(ワシ、二〇一一年)、「パブロ」(ボパ、二〇一一年)、そして今回の「ヨランダ」(ハイエン、二〇一三年)である。最悪のものは、まだこれからだろう。サイクロンの数はますます増え、その進路は変化している。
「ハイエン」のメッセージは鮮明だ。世界の人びと、とりわけ危険地域に住むことが多い最下層の人びとにとって、気象のカオスとは、洪水、土砂くずれ、高潮に脅かされることを意味する。こうした緊急事態では、行政の腐敗ならびに新自由主義のドグマと私的利益の名の下での公共サービズの破壊が、国家の無能さの上にのしかかってくる。
豊かな国際社会の側の無関心に加えて、フィリピン大統領府の側にも犯罪的な無関心が見られる。この惨害は予測されていた。しかし、最も危険にさらされた地域の住民を避難させるための措置は、なにもなされなかった。固く防護された必需品や医療物資のストックは、使用できる状態になかった。当局が危険の到来を知り、通報がまだ容易だった時に、緊急センターは前もって設置されていなかった。フィリピンのエリートたちは、災害予防政策を完全に無視していたようだ。確かに金持ちは脅威にさらされた地域から引き上げることができるが、貧しい人びとにはそのための手段が何もないのだ。地方の当局者は、ほとんどの何の手段もないまま残されて、この状況に直面することになった。
食料よりも
治安維持か!
テレビ放送、ならびに現場にいるジャーナリストや「サイクロン・ハンター」の報告で、われわれは被害の規模を測ることができる。レイテ島の沿岸都市タクロバン(人口二二万)は文字通り徹底的に破壊され、タクロバンだけで死者は一万人に達するという恐れがある。病院は荒廃し、病院スタッフにももはや薬品はない。生存者は水、食料、衣料品、シェルターを建てる資材を見つけるために廃墟をさまよっているが、ベニグノ・アキノ大統領は「略奪」を非難し、「秩序の再建」を誓っている。
配布されない食料支援よりも先に早く来たのは軍の戦車だった! アキノは被災者を犯罪者として名ざすよりも、民衆を守れず、災害を予防できなかった自分の無能さから結論を引き出したほうがよい。
住民自身による
自己組織化支援
災害に襲われた地域はタクロバンだけではない。台風「ハイエン」はメディアが言及したサマール島やレイテ島に加え、ビサヤ地方の多くの島を通り抜けた。四一の州が、多かれ少なかれ台風により重大な被害を受けた。依然として通信はきわめて難しい。現在のところ、犠牲者の数と破壊の規模を見つもるのは不可能だ。国連は、被害の最終的結果については「最悪を予測する」ことが必要だ、と警告している。
こうした災害に直面すれば、怒りを抑えることは不可能だ。しかし今は連帯の時である。国際的援助部隊が設立されている。よいことである。不可欠のことだが、それには限界があることを経験が示している。実際ハイチにおける劇的状況に見られる、国際援助隊の果たした倒錯した影響を、われわれは思い起こし続ける。
援助は、被災住民の実際上の意思決定力を再建するものとして認識されるべきだ。被害者を、慈善を待ち望んでいる寄る辺のない人びととして扱うべきではない! 被災者が大きな混乱に陥り、非常な弱さと依存性を抱えている時に、被災者が自らの利益を守ることができるように、住民の自己組織化を促進するべきである。そうでなければ、最も恵まれない人びとが、自然災害、援助の不平等な配分、カネ持ちの利益となる不平等な再建のために、何回も何倍も犠牲になってしまうだろう。
また緊急援助(水、食料、医薬品など)と復興、再建が結び付けられるべきである。援助は短期的活動に切り縮められるべきではなく、長期に継続されるべきである。
この精神とこの展望を持って「国境なき欧州連帯」(ESSF)は、とりわけ大量の国際援助が届かない地域の被災者を救援する、フィリピンにおけるわれわれの仲間の活動を支える財政的支援のアピールを発した。(「インターナショナル ビューポイント」二〇一三年一一月号)
【追記】カンパは、ミンダナオのTri-People's Organization Against
Disasters(TRIPOD) Foundation(災害と闘う3民族組織・基金―3民族とはキリスト教徒、ムスリム、先住民族の意)、ならびにRanaw
Disaster Response & Rehabilitation Assistance Center
(RDRRAC、ラナウ災害対処・復興支援センター)を通じて、被災者支援の活動に使われます。
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