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    かけはし2013.年11月11日号

民衆的抵抗への抑圧を許すな


ブラジル

六月の風は今も吹いている

ジョアオ・マチャド

 一〇月二五日、リオデジャネイロ州の教員は、七八日間のストライキの後、そして彼らの背後に連帯運動の成長を残して仕事に戻った。当地の教育当局は、一五%の賃上げ、ストライキで失われた賃金分の支払い、そして他の一定数の手当支払いに同意した。その一日前、ブラジル全土の石油労働者もまた、リオデジャネイロ沖合の深海にある巨大なリブラ油田の採掘権の第一回入札に反対する一週間のストライキの後仕事に戻った。彼らは競売を止めるにはいたらなかった。しかし同時に、半国家石油企業ペトロブラスから重要な賃上げを勝ち取った。PSOL内部の新たな革命派潮流の「インサージェンシア(反乱者)」による以下の声明は、両者のストライキが最高潮にあった昨週末に発表された。(IV編集部)

ほとんど毎日
闘いが次々と

 今年の最後の数カ月、われわれは多数の闘争と衝突という過程を通過しつつある。その過程は、六月の大衆的抗議から帰結している新たな力関係を示すものだ。
 これは、大衆的な街頭デモや当地の議会ビル占拠などと並んで、さまざまな部門における重要な社会的諸闘争、衝突、ストライキという形態をとっている。
 まさに今、二つの大ストライキ、リオデジャネイロの教育労働者のストライキと石油労働者のストライキが鍵となっている。後者のストライキは、ブラジル深海に眠る油田の最初の競売、すなわち巨大なリブラ油田の私有化に対する反対と、賃金を求める闘いを結合している。この情勢は、ディルマ・ルセフ大統領が売り渡しを保証するために、軍と国家公共治安部隊(注一)に支援を求めた時に、劇的な展開の姿を見せ、石油労働者の一九九五年の記憶をよみがえらせた。その時フェルナンド・エンリケ・カルドソ大統領は、歴史的ストライキを打ち砕くために、軍を出動させたのだ。
 これらの展開は、この社会で分極化が深まりつつあることをあらわにしている。六月以来、ほとんど毎日という単位で、さまざまな闘争が起きてきている。銀行労働者や郵便労働者のストライキ、自治体議会の占拠、フォルタレザにあるココ公園の防衛のような大衆的環境闘争があった。そして今、居住、交通、保健をめぐるデモや封鎖に加えて、学生ストライキ、そして民主的諸要求によるサンパウロ大学の占拠がある。
 特にリオデジャネイロは、市政府と州政府双方を掘り崩してきた連続的衝突を経験してきた。そしてここでは、それが静まる兆候はまったく示されていない。この市の六月以来で最大のデモは、教員のストライキ支持のデモとなった。また、レンガ職人、アマリルドの殺害に象徴された、国家と軍警察によって遂行された駆逐政策に反対する諸都市での反乱の成長が続いてきた。しかしここでは、マングインホス・ファベラでの先週の反乱のように、毎日、新しい事件を経験している(ファベラとは、ブラジルの大都市周辺部にできあがった貧しい人々が住む地域を指す:訳者)。

自由の凍結に向
かう政府の対応


 上記に対し国家と地方政府がとってきた対応は、抑圧の程度を引き上げること、これらの諸闘争とそれに関わった活動家たちを犯罪とするよう追及することだった。当局は広がる民衆闘争を前にして、強硬な対応を採用している。しかし決起、闘争、抗議は減退していない。われわれがワールドカップと選挙がある二〇一四年に近づき、広がる諸闘争が継続していることに応じて、社会的諸闘争を犯罪とする政策(彼らはそれを一〇年以上にわたって準備してきた)が新たな局面に入っているがゆえに、今は微妙な時だ。
 法と秩序、並びに諸々の武器に対する大量の投資(ワールドカップに関する支出の一部)、二〇一一年に制定されたワールドカップ一般法、つまりカップ期間中の諸抗議活動をテロリズム犯罪にすることを計画している法、そして大都市近郊の貧しく周辺化された共同体における若者と黒人の駆逐の継続、こうしたことはすでに、この国に現れつつある自由の凍結という底に潜むものの表現だった。
 今やわれわれは、六月の諸抗議への対応における、抑圧と犯罪化という反攻の真ん中にいる。この兆候のいくつかには、嫌がらせのためのまた催涙ガス弾投下のためのますます「普通となった」警察ヘリコプターの使用、さらに一時的麻痺を起こす手投げ弾やゴム弾の使用、貧しい居住区における治安警察部隊による急襲や恣意的逮捕が含まれる。
 法律的に言えば、支配的ブロックの州政府は、それが労働者党(PT)とその連携相手によって運営されるか右翼のPSDB(ブラジル社会民主党、最大野党)やその同類によって運営されるかに関わりなく、抗議活動におけるマスク着用を非合法とするリオデジャネイロの法のような法採択を手段に、あるいは抗議活動参加者を国家安全保障法の下に引き出すか彼らにギャング形成の罪を着せる、そうしたリオとサンパウロ両者における試みを手段に、法廷を通して対応することを準備しつつある。
 この政策はリオにおける州知事のセルジオ・カブラルと市長のエドアルド・パエス(注二)のような、PT率いる連邦政府の一定の連携相手によって遂行されつつあるにすぎないとの幻想すべてを払いのけるものとして、PT地方政権もまた直接に、運動とその活動家たちを虐げ犯罪としてきた。その例はリオグランデ・ド・スルー州とブラジリア市にある。とはいえこの不吉な光景の仕上げとしては、背景にあるものとしてのディルマ・ルセフ政権であり、この政権は、ブラジル深海油田の私有化を保証するために、軍を頼りとしているのだ。
 社会運動を犯罪に変え、若者や黒人を駆逐し、先住民や農民指導者また彼らを支持している人々を暗殺する年月を経て、抑圧の規模はそのレベルを一段上げるにいたった。

メガイベントに
奉仕する抑圧

 犯罪化の広がりというこの政策は、大企業の事業に道を開き、ワールドカップのようなメガイベント、また連邦政府の成長加速計画(PAC)や大都市での土地投機に結びついたメガ構想を軸に取引するという、資本とそれに奉仕する政権当局者たちの狙いに対応している。この構想の一部には、労働者階級と若者たち全部門の抵抗を打ち壊すことが含まれている。
 資本のためには、ファベラでの追い立ては進行しなければならず、都市への流入は、最貧困層を紛れもないゲットーに閉じ込めつつ統制されなければならない。ワールドカップの場合には、それは二〇一〇年に南アフリカで行われたことに似ている。つまり、ワールドカップに関する支出は、FIFAの私的事業の利害に役立つことを目的に継続しなければならない。そしてそうである以上、国家は、ワールドカップが近づくと共に二〇一四年には抗議のもう一つの波が起きるだろうと実感しつつ、街頭から登場する人間の波を力で封じ込めるために、できることは何でもやろうとしている。

警察の非軍事化
を求める運動へ

 この情勢を前提に、またブラジルにおける社会的諸闘争の広範な成長の一部として、警察の非軍事化を求める政治的で民主的なキャンペーンに差し迫る必要性がある。われわれは、ここ何十年も抑圧の主要な国家的道具となってきたものに、またビジネスシステムの防衛において、駆逐と犯罪化というこうした政策と一体的にその役割を強めつつあるものに、終止符を打つキャンペーンを組織する必要がある。ブラジル国家の法と秩序政策の実質は、私的ビジネスを保護するために、残忍な国家機構を使うことにある。われわれはこの国の隅々で、委員会を組織し、この要求をあらゆる抗議活動、フォーラム、また運動の他の活動家の中に持ち込み、大学や居住区、また労働組合の中で討論を行う必要がある。そしてこれらの活動は、社会中で非軍事化を求める要求を高めるために、最大限の幅広さで、可能な限りもっとも統一されたやり方で、構築される必要がある。このキャンペーンと並んでわれわれは、抑圧と諸闘争や活動家や貧しい者たちに対する犯罪視に対する、幅広い有罪宣告を必要としている。われわれは、運動の諸側面を禁圧するか非合法化するあらゆる試みに反対し、あらゆる抑圧法と自由を凍結しあるいは制限する他の手法の取り消しを求めて闘う。それは、それらが直接ストライキ運動とその指導者に向けられているか、共同体の諸闘争に向けられているか、あるいは若者の活動家に向けられているかに関わりはない。また彼らが、党のメンバーであるか自治主義者であるか、さらに「ブラックブロック」であるかにも関係がない。
 この時において重要性が小さいなどとはまったく言えないものは、あらゆるストライキ、街頭デモ、占拠、そして交通、居住、教育、また保健に関わる社会的諸闘争に対する、幅広く精力的な連帯キャンペーンだ。そしてわれわれは、それらすべての中でもっとも重要なこととして、深海油田の私有化並びに軍の展開に反対する、石油労働者のストライキを支援するキャンペーンを必要としている。
 われわれは、石油労働者、リオの教員、住宅を求め追い立てに反対して闘っている民衆運動、大学事務所を占拠しストライキを続けている学生、アグリビジネスと対決し自分たちの土地のために闘っている先住民衆と並んで立っている。

直ちに抑圧をやめ、警察を非軍事化せよ!
抑圧をやめ、軍を街頭から撤退させよ!
リブラ深海油田の私有化反対!
石油労働者とリオデジャネイロの教員ストライキにあらゆる支援を!

二〇一三年一〇月二一日
インサージェンシア全国執行委員会

▼筆者はPSOL並びにその一潮流であるエンラスの指導部メンバー。

注一)国家公共治安部隊は第一次ルラ政権時の二〇〇四年に設けられたものだが、連邦警察トップの監督下に置かれた、さまざまな州レベルの機関の共同を図る軍警察部隊であり、この国のどこでも使用できる特別緊急展開旅団というエリート部隊を含んでいる。
注二)セルジオ・カブラルとエドアルド・パエスは両者ともブラジル民主運動党(PMDB)のメンバー。同党は、ブラジル最大の中道右派政党であり、PTにとっては連邦政権内でのもっとも重要な連携相手でもある。
注三)インサージェンシアは、PSOL内部の一潮流。第四インターナショナル支持者を組織する潮流であったエンラスと、ブラジルのモレノ派の伝統を引き継ぐトロツキズム勢力から生まれたいくつかの潮流の一つであるCSOL(社会主義と自由コレクティブ)、そして「赤い闘争コレクティブ」や他の小さなグループと諸個人間の合同によって、ここ数カ月の間に形成された。(「インターナショナルビューポイント」二〇一三年一〇月号)

 


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