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    かけはし2013.年10月7日号

一日八千万円のムダづかい


9.23 もんじゅを廃炉に関西集会

温存・延命あってはならぬ

 【大阪】とめよう「もんじゅ」関西連絡会、脱原発政策実現全国ネットワーク関西・福井ブロック主催、大阪平和人権センター共催の、もんじゅを廃炉に!関西集会が九月二三日、大阪市天王寺区民センターで開かれ、五〇〇人の市民が参加した。
 池島芙紀子さん(ストップ・ザ・もんじゅ)が主催者あいさつをし、「死んでいるはずのもんじゅがまだ生きている。そのことをいろいろ考えてきたら、米国の思惑に行き当たった」と述べ、もんじゅは廃炉しかないと、一層の闘いを訴えた。

直下型地震の
被害シナリオ
 続いて、DVD[もんじゅ問われている叡智][明かされた真実](解説:小林圭二、朗読:吉永小百合、ナレーション:坂本龍一)のハイライトが上映された。その中で、もんじゅがきわめて危険である根拠として、@核暴走しやすい、A一・四トンの燃料は猛毒のプルトニウム、B冷却剤に液体ナトリウム使用、C地震に弱い構造(耐熱のため配管薄く、地震に弱いために配管が曲がりくねっている)の四点が説明された。そして、予想されるマグニチュード六・九の直下型地震が起きた場合に想定される被害のシナリオが映し出されたが、それはすさまじいものであった。しかし、実際起きればその予想を超えるだろう。すでに一兆円も浪費されており経済的には全く分が合わず、実用化も難しい、そんなもんじゅをなぜつくるのか。
次に、吉岡斉さん(九州大学副学長)が「脱原子力の鍵・核燃料サイクル」と題した講演をした。(別掲)

事実を正確に
伝えること
休憩を挟んで、パネルディスカッション。パネラーは福島みずほ(社民)、福山哲朗(民主)、山本太郎(無所属)三人の各参議院議員。
 福島さん:民主党政権の時の事業仕分けでは、もんじゅは維持はダメで一致したがエネルギー会議で廃炉にできなかった。もんじゅを維持するため一九五億円の予算が付いている。毎日八〇〇〇万円浪費する計算だ。ムダ使いだ。二五年も動かしていないのに稼働できるわけがない。この秋、もんじゅ廃炉に向けた超党派の議員連盟をつくるために枠組をつくっていきたい。日本原子力研究開発機構の改革の時、もんじゅを温存させないようにする。廃炉に向け金を使うべきだ。汚染水のことも取り組む。
福山さん:三・一一のとき官房副長官として事故対策に直接取り組んだ。今も定期的に福島へ行っている。たかだか耐用年数四〇年の原発のために、数百年の危険を強いる権利があるのか、と思う。もんじゅは年限を限って研究に使い、収束計画をつくり実行する。三・一一後ですらもんじゅは点検漏れ事故を起こしている。信じられないことだ。もんじゅは再開の準備すら停止している。事実を伝えていくことが大切だ。
 一F(福島第一原発)では、汚染水処理のために働く労働者は、放射能のため一日一人一時間だ。毎日三〇〇〇人の労働者が必要だ。大変な事態だ。今プルトニウムは四〇トン貯まっている。二年前に提言したが、今になって凍土壁建設が登場した。レッテルを貼らずに声をかけてほしい。小泉さんですら、脱原発を言っているのだから。
山本さん:脱原発は(今の自民党政権では)政治的には夢物語だ。地元が地元出身議員に圧力をかけていくことが必要だ。国民は命を犠牲にされている。もんじゅに金を使わず、福島の人に使うべきだ。
 秘密保全法が通ったら大変なことになる。汚染水はブロックされていると言えばそれが真実になる。お前は子どものこと隠していたといわれるが、私は国民に迷惑かけていない。それと、国家の秘密保全は全く次元が違う。自分は、心ある議員の人たちに教えてもらいながら、知恵をつけていきたい。議員連盟には参加する。政治と国民の距離を縮めるために全国キャラバンを始めている。脱原発の国民運動にしないとダメだ。

東電汚染水
漏れの実態
  小出裕章さん(京大原子炉実験所)の汚染水問題についての緊急ビデオインタビューが紹介された。その中で小出さんは、安倍さんは犯罪者だと断言、東電は破産処理をすべきだと主張した。
 ウランを分裂させると、放射能は一億倍になる。原子炉は停止しても炉心を冷やし続けなければいけない。福島第一原発の場合も水で冷やす。水が汚染されるのは必然。しかもその水が地下水と一体化している。その水をくみ上げてタンクに移す。パッキンで止めていても当然漏れる。トレンチ・格納容器・建屋からも漏れていく。コンクリートは必ず割れる。地震のためあちこちで割れているだろう。だから、目に見えないところでどんどん漏れている」。
 「汚染水を隔離する遮水壁を提案したが、東電は採用しなかった。原発周辺やタンク付近で作業する労働者は、被曝しながら仕事しなければいけない。仕事はゆっくりとしかできない。タンクからは濃度八〇〇〇万ベクレルの汚染水が漏れている。京大では三〇ベクレル以下にして敷地外に流している。八〇〇〇万を三〇〇万分の一にすることは困難だ。最後は海に流すことになるだろう」。
服部良一さん(前衆院議員)が、九月五日に行われた汚染水漏れの視察(現役国会議員七人と元国会議員三人)の報告をした。
最後に、朴保さんのうたのライブと集会決議。そして、終了後約三キロの行程を難波までデモ行進した。
        (T・T)

吉岡斉さんの講演から

日米原子力同盟を
無力化させるために


 核燃料サイクルは、無限のエネルギーをつくり出すとの触れ込みで始められた。高速増殖炉はウランを節約し、良質のプルトニウムをつくり出すといわれた。原発をつくり稼働させる技術(ウランの濃縮、高速増殖炉、使用済み燃料の再処理)は、原爆をつくる技術に直結する。このような技術を機微核技術(SNT)とよんでいる。この技術を持っている国で、核兵器保有国以外は日本だけだ。日本は一九六七年に核不拡散条約(NPT)に加盟した。日本は既得権(SNT)を手に入れてから加盟したので、SNTそのものを問題にされてはいない。一度だけ一九七七年にカーター政権の米国から、東海再処理工場でのプルトニウム抽出を許さないとの注文がついたが、結局ウランとの混合抽出ならよいということで一段落した。
 日本のウラン濃縮技術は、一九七二年にナショナルプロジェクトに格上げされ、一九八九年には年間二〇〇トンのウランを濃縮するレベルに達したが、現在は七五トンだ。また、再処理については、一九九三年六カ所再処理工場の工事を着工したが、ガラス固化について今も失敗している。高速増殖炉もんじゅもトラブルが続出し、故障停止状態にある。
 増え続けるプルトニウムを減らすとの名目で、ウランとプルトニウムの混合酸化物MOX燃料を使った原発は玄海3号を皮切りに始まった。しかし、新核燃料政策は技術的にも社会的にも困難で矛盾している。
民主党政権下の一二年九月に発表された「革新的・エネルギー環境戦略」では、二〇三〇年代に原発ゼロを打ち出す一方、再処理政策の継続、もんじゅも廃炉ではなく研究施設として期限を限った継続という方針を打ち出したが、自民党政権はこの戦略を無力化し、エネルギー政策も東日本大震災以前のエネルギー政策が復活した。
 脱原子力国家に向け、原子力の軍事利用や日米原子力同盟もなくしていくために、脱原子力市民委員会を発足させた。一四年三月には提言を発表する予定。原発による電力は一次エネルギーの一〇%程度だが、技術革新や人口減少などにより、将来ゼロになっても何ら問題はない。むしろ、再処理に巨額の資金を投入する余裕があるなら、それを福島原発事故の収束・復興にまわすべきだ。日本が今後原発から撤退していくのであれば、核燃料再処理そのものが無意味となる。
 しかし、核燃料サイクル事業からの撤退は「国家安全保障のための原子力」という原子力利用推進の公理を放棄することにつながる。米国にとって、「日米原子力同盟」の解体は、最も信頼できるパートナーを失うことだ。原発は米国が主として設計を、日本が主として製造を担当している。脱原発がすすめられれば、アメリカの原子力ビジネスそのものが不可能になる。「核武装スタンバイ戦略」(産業的、技術的なポテンシャルを維持する。日本は何時でも核兵器が持てるぞ!)をとってきた日本が、それを捨て去ることにより、日米同盟の安定性にも微妙な影響が出るであろう。それゆえ、今後米国からの脱原発路線への政策転換を阻止しようとする政治的介入が展開される可能性がある。私たちは日米原子力同盟をどう無力化するか。知恵を絞ろう。(講演要旨・文責編集部)

 


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