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    かけはし2013.年9月23日号

古風な諸習慣を壊したい


革命の中の女性

サラミア共同機関女性グループ

 以下に紹介するものは、シリア革命の自覚的な主体として闘っている女性たちの活動について具体的に伝える、その女性たちによる貴重な情報だ。古い因習をも打破する革命を実現したいとの強い思いが溢れている。(「かけはし」編集部)

デモに次ぐデモ
の中から始まる

 彼女たちは、デモに次ぐデモの中で互いに知り合うことになった。彼女たちの間を共通に結び付けていたものは、専制体制が強奪したこの国に対する責任感だった。その体制は、権力にあった年月、彼らだけの利益に役立てるためにすべてを使い果たした。これが彼女たちを動かし、体制打倒を目標とした革命運動への支援を自由になるあらゆる手段によって提供するための、作業グループを作らせた。
 彼女たちは、彼女たちの都市であるサラミアの男たちと並んで、毎週の平和的なデモに参加した。二〇一一年の八月、サラミアのほとんどの平和的な活動家たちに影を落とした暴力的な大量逮捕作戦として、政権がこの都市の自由な声をもみ消すことを決定した時、彼女たちは、専制政権打倒を主張し、彼女たちの勾留された息子たちの釈放を求める諸々のデモを組織した。彼女たちはこの町のほとんどの街路で座り込みや抗議集会を組織した。中でもっとも知られたものは、二〇一二年五月の母の日直前に行われた、市の中央公共広場での座り込みだった。勾留された者の釈放を求めた彼女たちの要求は、この地域の治安機関指揮者からはその重大さを認められなかった。彼は、抗議に立ち上がった者たちを守ろうとし弾圧を妨げようとしたすべての人々を打ちのめし逮捕するために、シャビハ(政権に連なる民兵)と共に現れることで残酷に対応した。
 抑圧の過酷化、市の監視、逮捕の危険の増大が生まれると、「サラミア市共同機関の女性たち」は、世界並びに国民の息子たちすべてに彼女たちの声を届かせるために、もう一つの方法を見つけ出さなければならなかった。それが、シリア革命の子どもたちと共に毎週自宅での連帯座り込みを組織することだった。また彼女たちは、全般的にシリアでの、また特にサラミア市のできごとに関する彼女たちの立場を説明する声明を書かなければならなかった。声明は座り込みの中で読み上げられ、彼女たち用のページを通してインターネットで発表され、印刷後市の市民たちに配布された。

自由な市民の
国家を熱望し


 彼女たちは、アドラ監獄でストライキ中の女性投獄者たちに対する連帯行動を行った最初の者たちであり、その女性たちに声明を送った。彼女たちはまた、地域治安機関指揮者の住宅に隣接する市役所に対する、サラミアのシャビハによって前もって仕組まれた偽装テロ攻撃の後にも一つの声明を発表した。ちなみにこのテロ攻撃は、無実の市民の命を何十と代償にした。彼女たちの最新の発行物は、子ども、女性、男性を含んで市内の無実の人たちの生命を犠牲にした、サラミア市への無差別的砲撃を厳しく非難した。
 彼女たちは、あらゆるシリアの都市で行われた虐殺を、これらの都市に捧げられ、「シリアっ子の統一」に焦点を絞り、シリア人を分断しようとの政権による宗派的もくろみに警告を発したプラカードを掲げて、強く非難した。先のような政権のもくろみは、確かに、シリア人であれこの町の市民であれ、欺かないわけではない。
 デモの中で彼女たちが叫んだスローガンの内われわれが見出すことのできるもっとも重要なものは、「サラミアの少女たちは自由を欲し、宗派主義を拒絶し、市民の国家を熱望する」だ。それは彼女たちが、シリア民衆のほとんどの構成要素を含んだ美しいモザイクがその社会的構造となっている、そのような自由な都市の中で共に生活を営んだという経験を積んできていたが故だ。サラミアにのみ、イスマーイール(シーア派の一派)、スンニ、アラウィ、またキリスト教徒がいる。その人口比が等しいわけではないとしても、これらの共同体は、彼らの偉大な母国としてのシリア、並びに彼らの小さな町であるサラミアに対する愛の中で彼らをつないでいる市民意識という美を構成している。
 犯罪的かつ不実な体制のために、苦難を抱えこまされた他の都市からの難民たちで彼女たちの町が一杯となった時、「サラミア市共同機関の女性たち」は例外をもたないあらゆる市民への責任と献身によって、自由な反乱青年に混じってこの都市の活動家たちと共に救援の諸行動に参加した。彼女たちは、彼らを歓待でき、彼らの必要を満たすものを提供した。

市民活動の全面
的権利を女性に


 このグループの活動的な女性であるアメルは、「共同墓地に女性が出ることは一般的にわれわれの都市では慣習的行為ではないが、われわれはわが殉教者たちの葬儀の列に参加した。われわれは先のものも含め古風な諸慣習を打ち壊したい。われわれ各自は、殉教者を息子、兄弟、あるいは父親と考え、すべての殉教者はこの町の息子であり、個人の家族だけではないと考えている」と語った。また「この反乱女性たちを際立たせているもの、それは、彼女たちの目標達成のために彼女たちがそれで活動するチーム精神だ。そしてその目的はシリア全土を通じた革命の目的、すなわち、徒党と一族を基礎とした独裁体制の打倒、その構成部分すべてを一体とした全シリア人のための市民的な民主国家の設立でもある」と付け加えた。
 もう一人のヤスミンは、われわれの運動を他と分けているものは、深く平和的な性格だ、と語った。しかしながら政権は、シリアの多くの場で市民に対する虐殺を行うことによって、自身を守るために人々が武器を取るよう強いた。そして「自由シリア軍の設立は、この問題についてはっきりした立場をとるようわれわれを押しやった。これがわれわれが行ったことであり、その理由は、その目的が全シリア民衆に奉仕する民主的で多元的な市民国家の設立にあり、市民を守る任務を引き受け、思慮深く責任ある戦略にしたがって解放と政権の打倒に向け努力する、そのような政治指導部にしたがって単一の命令をもって組織された自由軍に賛成しているからだ」とも語った。
 一方アーラムは「われわれが絶対的に拒絶しているものは、社会に相容れない現象すべて、人々を恐怖に陥れ革命に打撃を与えるために政権の主張に論拠を与え政権に奉仕するにすぎない過激な形態で、またさまざまな名前の下に活動する、シリア民衆の熱望とはかけ離れた課題設定や外国の課題設定双方を隠す現象すべてだ」と語り、「われわれは女性グループとして、自由で現代的な国家の創出は、市民活動の存在なくしては達成され得ない、と信じている。シリア女性の生活の中に新しい側面を準備することが、今やわれわれの責任だ。それは、新たな社会の中で市民活動の全面的な権利を享受する女性だ。われわれの革命は腐敗した体制、また女性に公正さを保障しない古くさく時代遅れの法に反対する革命というだけではなく、国家と社会の建設に対する全面的で有効性ある参加から女性をこれまで遠ざけ、女性を立ち後れさせてきた慣習や習わしすべてに反対する革命でもあるのだ」と続けた。
革命万歳!
すべての投獄者に自由を!
(13年9月5日、「シリア・フリーダム・フォーエヴァー」に掲載)。(「インターナショナルビューポイント」13年9月号)
            【訂正】本紙前号(9月16日号)2面防衛省行動記事5段右から25行目、28行目の「村長選」を「町長選」に訂正します。 


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