9.9WORLD PEACE NOWが官邸前行動
安倍政権は米国の戦争に加担するな
|
九月九日午後六時から、「シリアを軍事攻撃するな! 日本政府は米国のシリア攻撃に追従するな! NO ATTACK ON SYRIA!9・9首相官邸前緊急行動」がWORLD PEACE NOW呼びかけで行われた。
オバマ大統領の要請を受けて、米議会は九日から採決に入る予定だ。安倍首相は九月三日、オバマ大統領への電話で「シリア情勢悪化の責任はアサド政権にある」との立場を強調し、日米両国が緊密に連携していくことを確認した。日本政府が米国のシリア軍事攻撃に同調しないことを強く要請する行動として行われた。
イラク反戦運動
を受け継いで
主催者あいさつを高田健さんが行った。
「九月九日以後、シリア軍事攻撃問題でアメリカ議会が上下院で最終審議をする。G20では米国に追随しない国が多数であった。全世界の民衆も攻撃に反対だ。WPNは二〇〇三年、イラク戦争に反対するために作られ、日本で最大五万人の集会を実現した。多くの若者が立ち上がり、その人たちは今日人権・平和や反原発運動でも活動しているだろう」。
「イラク、アフガン攻撃は重大な破綻をきたした。その教訓を学ばなければならない。明確な証拠もなくシリアをミサイルで攻撃しようとしている。こうした攻撃を行えば多くの市民が巻き込まれて死ぬ。黙って見過ごすわけにはいかない。八月三〇日に米大使館への抗議行動の時、米大使館は要請書を受け取らず郵送しろというひどい扱いを初めて行った。これは米国政府のシリア攻撃の正当性のなさを表わしている」。
「安倍首相はこの攻撃に賛成している。本当に悔しく、恥ずかしい。紛争の解決の手段として戦争をしないとしいう憲法九条を持っている国がなぜ加担するのか。オリンピック招致では平和を語り、シリア攻撃に加担する二重基準は許されない」。
武器では平和
をつくれない
次に参加した団体・個人がアピールした。日本山妙法寺。「シリア攻撃をすれば中東全体が戦争に巻き込まれる。殺すな 殺されるな」。ふぇみん婦人民主クラブ。「米国の世論調査で六割が反対している。平和は平和的手段でしかもたらされない」。平和を実現するキリスト者ネット。「武器を使っての平和はありえない。報復だけが起こる。平和憲法を犯すことは許されない」。
個人として参加した米国人のミシェルさんが「自国の戦争に反対する運動を行っている。日本が外国の基地により被害を受けていることを知り衝撃を受けた。ブッシュから代ったオバマは『チェンジ、平和を』と言って大統領になった。イラク戦争の時、アメリカ国民は戦争を支持していたが、今はほとんど支持していない。『戦争反対』」と訴えた。
反安保実の国富さんは「イギリス議会は武力介入に反対した。オバマ大統領は議会を説得できる材料がない。攻撃を止めるために戦争反対の声を。もう一方で、アサド政権の責任は大きい。内戦で一〇万人が死亡し、二〇〇万人の難民が国外に逃れている。アメリカに追随する安倍政権に反対しつづけることが大切だ」と語った。その後、毎週金曜日首相官邸前で楽器を使って反原発行動を行っているグループ「ラミアン」が軽やかなラップ調で「殺しをやめろ 市民を殺すな 攻撃するな シリアに平和を」と訴えた。日本消費者連盟富山洋子さん、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの上原成信さん、憲法を愛する女性ネットが、「軍事攻撃ではなく、医療団を送れ」などと訴えた。
?追記 この後、ロシアが「シリアへ国際的な化学兵器の査察と廃棄」の提案を行った。シリア政府がこれを受け入れた。アメリカやフランスがロシアに同調し、どのようなプロセスでこれを実現するか、駆け引きが行われている。アメリカの軍事攻撃はいったん延期されている。
(9月13日 M)
9.7 アジ連公開講座「マルクス取扱説明書」
現代世界の変革へ、どう読むか
今「プロレタリアート」とは?
ベンサイド―
若き日の映像
アジア連帯講座は、九月七日、豊島区民センターで公開講座「今どきのマルクスがわかるやさしくない入門講座 『マルクス 取扱説明書』」を行った。
講座は、グローバル資本主義にいかに切り込んでいくのかという問題意識からフランスの思想家であるベンサイドの『マルクス 取扱説明書』(ダニエル・ベンサイド/つげ書房新社/二〇一三・三・五)を学習材料にして深めていった。
講座の冒頭は、「ダニエル・ベンサイドの生涯」が上映された。一九六八年フランス五月革命、その中でベンサイドが学生集会で激烈なアジテーション、デモの先頭でスクラム、大学・工場占拠闘争などのシーンが次々と迫ってきた。
さらにベンサイドが共産主義者同盟(LC)の結成に参加し、第四インターナショナル・フランス支部である革命的共産主義者同盟(LCR)の創設に加わっていくプロセスのシーンではアラン・クリヴィンヌをはじめ政治局での討論、LCR政治集会でのアピールなどが映し出された。
ベンサイドの『マルクス 取扱説明書』出版キャンペーン(パリ)シーンでは、挿絵を担当したシャルブと対談し、ベンサイドのテキストとシャルブの挿絵によって相乗効果を生み出していることを確認する。そしてベンサイドは、「反グローバリゼーション運動を契機にして参加してきた新世代に対してマルクスといかにアクセスできるかをテーマにしてこのテキストを作った。活動に奉仕していくのが本書の任務だ」とまとめた。
「資本論」を推理
小説として読む
中村富美子さん(ジャーナリスト)は、一九九八年からフランスで生活していた当時、ベンサイドが教師をしていたパリ第8大学での講演会やゼミに参加したり、交流したことなどについて語った。
さらにベンサイドが「マルクス」の出版にあたって「資本主義社会を批判していくためにはマルクス主義は有効だ」と強調し「資本論は推理小説だ。一九世紀半ばからフランスでは近代的都市ができあがり、資本主義が形成されていくが、同時に次々と資本主義による犯罪が発生した。どこが犯罪現場なのかを探し出すことが求められる。それは犯罪の源である資本家による労働者の搾取を解明することだ。犯人が市場を経てカネを洗浄し、富をふくらませていくプロセスの全貌を掌握していくことが、まさに推理小説そのものなのだ」と発言していることを紹介し、「マルクスに接近していくためにユニークなアプローチを試みている」と指摘した。
湯川順夫さん(翻訳家)は、ベンサイドが「マルクス」で提起しようとした問題意識について「べルリンの壁崩壊後、かつての立場や、古い戦後世界のあり方にしがみつくのではなく、大きく変わってしまった二一世紀の現代世界の変革にとって、マルクスの思想はいかなる点で有益な示唆とヒントを与えるものなのか、という立場からマルクスの思想に取り組むのである。現代世界に生きるわれわれにとって、マルクスの思想がいかなる点で有効なのかを考察することが重要であって、昔のマルクスの思想それ自体を完全な体系として再構築することを問題としてはいない」と確認した。
そのうえでベンサイドが提起する@マルクスに対する「生産力主義」という批判に対する反論A「科学」に対する見方B現代世界と宗教C「歴史、革命、戦略、党」D新自由主義と今日の恐慌などについて解説した。
現在進行形の
「強搾取」構造
とりわけ「プロレタリアートと階級闘争」では「二〇世紀の基幹産業のプロレタリアート、大工場に集中化されたプロレタリアートの時代は終わった。プロレタリアートはたえず変化していくものだ。次のプロレタリアートの中心になるのはどのような層なのか、まだ決定されていない。闘争を通じてその歴史を通じて明らかになる。自己の生産手段をもたず、自分の労働力を売る以外に生活するすべがない人々は、全世界的に見ると、中国、インド、ブラジルなど考えるとプロレタリアートは数的に増大している」と過渡的局面であることを明らかにした。
そして、「ロシアでの最初の革命は、ロシア資本主義の特殊なパターンがあった。それはフランス資本の導入、世界の最先端の工場、大都市における集中した工場労働者、膨大な農村の土地なき農民、ツァーの専制体制の存在だ。不均等・複合的発展の法則と永続革命論から分析を深めていくことができる。この分析を今日の中国に適用するとどのように見えてくるだろうか。『発展』の実態は、多国籍資本を最大規模に導入した沿岸部の急速な資本主義的発展、取り残された農村部、労働者の無権利状態と放置された公害が拡大している。まさに資本主義の『むき出しの強搾取期』のロンドンに似たような情況だ。このようなヒントを契機にしながら分析を深め、『現代世界の変革』に向けて戦略を提示し挑戦していくことがわれわれの課題だ」とまとめた。 (Y)
コラム
プロ野球の呪縛
九月一一日、ヤクルトのバレンティン選手が王やローズ、カブレラの持つシーズン最多本塁打記録に並んだ。翌九月一二日、オランダ(出身はカリブ海のオランダ領キュラソー島)から駆けつけた母親の見守る前で新記録を狙ったが、力みもあり三打数一安打一四球で新記録の達成は後日に持ち越された。だが広島投手陣との真剣勝負はスタンドを沸かせ、テレビを見ている者をも興奮させた。一二三試合で五五本塁打はシーズン換算では六四本ペース。
私が一番驚いたのは最下位ヤクルトと広島の試合に平日にもかかわらず二万五〇〇〇人以上のファンが詰めかけ、報道陣も一〇〇人以上が陣取ったこと。普通最下位チームの「消化試合」なら観客は七〜八〇〇〇人くらい。神宮球場に詰めかけた多くのファンは「新記録」を期待し、その瞬間を見届けようとしたのであろう。つくづくと「時代が変わった」と思う。
私の中で最高の「外国人助っ人」は阪神に在籍したバースであるが、そのバースが一九八六年に五四本塁打を放って巨人との最終戦に挑んだ時、巨人の投手陣は二試合とも露骨な敬遠を繰り返し最後までバットを振らせなかった。この時巨人の監督は王その人であった。翌日のマスコミ報道の一部だけがチーム全体に「打たせないという暗黙の了解があった」のではと疑問を掲載したがそれは極少数であった。
二〇〇一年には近鉄のローズが、〇二年には西武のカブレラが五五本を打ち、新記録の五六本を目指しダイエー戦に挑んだ。しかしここでも敬遠が続き、後一本は出なかった。この時もダイエーの監督は王貞治だった。しかし試合後ダイエーのコーチであった若菜嘉晴が「王、長嶋は野球の象徴。記録として残して欲しい」と発言し、あたかも「敬遠を指示した」と受け取られマスコミを賑わしたことを覚えている。
テレビを通してだが、バレンティンが打席に入るとヤクルトファンだけではなく広島のファンもスタンド全体が新記録を期待し、「新しいプロ野球の歴史がつくられる」ことを後押ししていた。
バース、カブレラと違うのはバレンティンが二十数試合も残し五五本に並んだことであり、誰から見ても新記録は達成されると思わせた迫力の差が大きい。さらに「巨人・大鵬・卵焼き」の時代は去り、サッカーなど他のスポーツも盛んとなり、プロ野球の地盤沈下が進み、盟主「巨人」は遠い過去になりつつあるという事実。加えて野茂のメジャー進出以来、イチロー、松井、ダルビッシュのメジャーリーグでの活躍が伝えられ、閉鎖的な「壁」は打ち破られつつある。だがこの現象が「排外主義」の後退を意味しないことも明白。
昨日、バレンティンは阪神戦で五六・五七号の本塁打を放った。日本プロ野球の「呪縛」がまた一つ崩れた。バレンティンよ!六〇本を超せ、王の五五本もコント55号も記憶に残るだけで十分である。 (武)
|