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    かけはし2013.年9月23日号

原発被災者の声を聞け! 再稼働阻止


9.8「子ども・被災者支援法」を守ろう

基本方針案批判し緊急集会

生活・健康・権利を保障させるために


 九月八日、午前一〇時から飯田橋の東京しごとセンターで、「『原発事故・子ども被災者支援法』を守ろう――被害者の声を反映して実行を!! 東京緊急集会」が開催された。FoE Japanとパルシステム生活協同組合連合会が主催し、福島老朽原発を考える会が協力した。
 復興庁は八月三〇日、成立してから一年以上店ざらしにされていた「原発事故子ども被災者支援法」の「基本方針案」を発表し、二週間という限られた期間で「パブリックコメント」(一般からの意見聴取)に付した。しかしこの二週間という期間(九月一三日まで)はあまりにも短く、かつ方針案の内容は、「支援対象地域」(福島県浜通りと中通りの三三市町村)の範囲が狭すぎる上、「準支援対象地域」とされた地域は既存の施策の適用地域の呼び変えに過ぎず、かつ支援の内容も既存の施策の寄せ集めにすぎない。これは「支援法」の理念と根本的に異なり、被災者の分断、「帰還」促進キャンペーン、避難者を切り捨てることにつながっている。

避難者からの
切実な訴え
 この日の集会は、八月三〇日の緊急記者会見(本紙九月九日号参照)に続いて「支援法」基本方針(案)の問題点を訴えるために急きょ設定されたものである。
 集会では最初に、郡山から家族で静岡に避難した長谷川克己さんがアピールした。
 長谷川さんは、福島第一原発事故により放出された大量の放射能が縦断した郡山市は、放射線量が通常の三〇倍にも達する汚染地域となり、チェルノブイリ事故にあてはめれば多くの割合で甲状腺ガンや心臓病が多発する地帯となってしまったことを指摘。自分が取締役になっている介護事業、子どもの幼稚園のPTA会長、連れ合いの親戚関係などのさまざまの葛藤・しがらみにもかかわらず、家族との論議を繰り返して、何よりも子どもの健康にだけは責任を持たなければ、という合意のもとに静岡に避難することを決めた苦しい胸のうちを語った。
 しかし行政や企業の側が意図的に「復興」ムードを作り出し、避難者への支援を切り捨てていると長谷川さんは語った。長谷川さんは、現在福島原発告訴団・静岡の代表としても活動している。長谷川さんは復興庁による支援法「基本方針案」を付け焼刃にすぎないと批判し、東京五輪招致のプレゼンテーションで安倍首相が得意げに語った「状況はコントロールされている」「今までも、現在も、これからも健康には全く問題がない」という言葉を厳しく批判した。
 「日本は確信犯として福島を切り捨てるのか」「この国でオリンピックが開催されることにより、国際社会の厳しい監視にさらされることになるだろう」「だから問題を世界に訴えるチャンスなのかもしれない」と長谷川さんは語った。

復興庁・基本
方針案の問題点
 次にFoE Japanの満田夏花さんが、「骨抜きにされる!? 原発事故子ども・被災者支援法」と題して「基本方針(案)」の問題点を説明。満田さんは、あらためて「放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていない」ことに鑑みて、「居住」「避難」「帰還」の選択を被災者が自らの意思で行うことができるよう国が支援する、という支援法の理念を確認した。つまり医療の支援、移動の支援、移動先における住宅の確保、学習等の支援、就業支援、保養について国が支援責任を負うということなのであり、とりわけ胎児をふくむ子どもの健康影響の未然防止、健康診断および医療費減免などが織り込まれている。「しかし基本方針(案)はとうてい被災者の声を聞いたものとは言えない。いったいどこが新規の政策なのか」と満田さんは疑問を投げかけた。
 満田さんは公聴会の実施を国に求めること、自治体議会や首長からの意見書提出を働きかけることを呼びかけた。
 次に「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」(SAFLAN)の江口智子弁護士が一九人の原告で提訴した「支援法具体化訴訟」について、@基本方針を一年二カ月経っても定めないことの違法性A原告が支援法に基づき国が定め諸施策を受ける地位にあることの確認(公法上の当事者訴訟)B国は原告に対してそれぞれ一円を支払えという、象徴的な意味を持った国賠訴訟であると説明。その背景には被災者の困窮、県民健康管理調査の不十分、低額な東電賠償などの問題があると説明。
 また原告側は追加訴状として、年間1ミリシーベルトを放射線防護の基準とすることをも加えることなどを考慮している、という説明もあった。
 九月二一日の「原発事故被災者の救済を求める全国集会1n福島」への参加、全国五〇〇万人署名の成功などがパルシステム生活協同組合の瀬戸大作さんから呼びかけられた後、大熊町から会津若松に避難している大賀あやこさんが連帯の発言。最後にパルシステム東京理事長の野々山理恵子さんが「宣言」を読み上げて緊急集会を終えた。
 真に被災者の求めに応える子ども・被災者支援法の具体化を求める運動を、原発再稼働阻止の闘いと結びつけて作り出そう。 (K)
 

9.11 「再稼働より汚染水対策!」

原発立地住民を先頭に
規制委に抗議・要請行動




再稼働適合審査
やってる場合か
 九月一一日、経産省前テントひろば二周年にあたっての「経産省包囲ヒューマンチェーン」行動が予定されていた。それに先だって、同日正午から「再稼働より汚染水対策! 規制委前抗議行動」が東京・六本木一丁目、原子力規制委員会の入る六本木ファーストビル前で行われた。主催は再稼働阻止全国ネットワーク、協力は原子力規制を監視する市民の会。行動には、川内、伊方、大飯・高浜の各原発に反対する現地住民運動の代表を含めて、平日の昼間にもかかわらず六四人が参加した。
 この日の行動は、規制委自ら「レベル3」の重大な異常事象と認定し、国際的にも大きな批判を浴びている福島第一原発の「汚染水漏れ」「海洋流入」にもかかわらず、再稼働審査にうつつをぬかしている規制委のあり方を批判し、「再稼働適合審査を中止して、全人員を汚染水対策に!」と求める趣旨で行われた。

大飯原発に活
断層ないのか
 愛媛・伊方原発に反対する「原発さよなら四国ネットワーク」の代表は、全国で唯一内海に面した伊方原発では、「閉鎖性海域」であるため一度汚染してしまうと被害が長くその地域にとどまることは明らかだと指摘し、プルサーマル発電である伊方3号機の再稼働に断固反対と申し入れた。
 川内原発に反対するかごしま反原発連合の松元成一さんは、「川内原発のある南九州は、世界にも稀な火山地帯であり、地震と噴火による火砕流や火山弾などの心配から逃れることはできない」と訴え、九月二〇日にも行われる川内原発現地調査は「まず再稼働ありき」の姿勢が見え見えであまりにも早すぎる、と批判した。
 福井から原発を止める裁判の会の小野寺恭子さんは「今月二日、大飯原発のF―6断層に関して、原子力規制委員会は『活断層ではないという見解で一致した』と報じられました。しかし、活断層の評価にあたって、『三〇〇mの南側トレンチを掘るように要求したにも関わらず、関西電力は、七〇mの短いトレンチしか掘っていない』のみならず、F―6でない三つの活断層『FoA―FoB―熊川断層』の連動について議論していない等、不十分極まりないもの」と指摘した。
 泊原発反対運動の仲間は、この規制委行動に飛行機の都合で間に合わなかったが、首都圏の主催者から読み上げられた。
 安倍首相はオリンピック東京招致のプレゼンテーションで「状況は完全に政府のコントロール下にある」「汚染水は完全に港内の〇・三平方キロの狭い地域でシャットアウトされている」「過去・現在・未来に渡って健康被害は出ない」などの誰が見ても虚言とわかる言辞を吐いたが、問題は深刻さの度合いを増しているのだ。
 行動参加者たちは、規制委の職員に申し入れ書を手渡し、「再稼働反対」「汚染水垂れ流し反対」の声を大きく上げていった。 (K)

9.12テント裁判第3回口頭弁論

公訴権の乱用許さない

安倍首相の厚顔無恥を糾弾


福島切り捨て
安倍の大ウソ
 九月一二日午後二時、東京地裁一〇三号法廷で脱原発運動の重要な拠点・経産省前テントひろばの撤去を国が求めている裁判の第三回口頭弁論が行われた。今回の後半では、冒頭に被告の淵上太郎さんが、訴訟却下を求める追加の意見陳述を行った。淵上さんは、ブエノスアイレスで行われた安倍首相による二〇二〇年東京五輪誘致のプレゼンテーションを厳しく批判した。
 淵上さんは東電も真っ青となるような厚顔無恥のウソを述べたて、「福島第一原発事故などなんの問題もない」と言い張る安倍首相を厳しく批判し、オリンピックのために経産省前テントを撤去させようという裁判の不当性を糾弾した。
 弁護団も「原発事故が未解決で、汚染水漏えいを止めるために全力を上げなければならない時に、脱原発テントの撤去を求めて提訴したのは公訴権の乱用」と鋭く追及し、請求はすべて棄却するよう訴えた。被告とされた正清太一さんの写真を別人のAさんと取り違えた件については、検察側は経産省の担当者のたんなるミスと処理しようとしているが、そうした言い逃れは許されないと弁護士は訴えた。

上関原発反対に
「スラップ訴訟」
 午後四時からは、参議院議員会館講堂で会場が満杯となる三三〇人が参加して「第三回テント裁判報告集会」が開催された。神田香織さんの司会で行われた集会では、テントひろばの江田忠雄さん、正清太一さんが報告。原発と沖縄、そしてオリンピック開催として表現される安倍政権の攻撃を跳ね返そうという力強い訴えが行われた。正清さんは「安倍のウソを世界的に明らかにさせよう」と強調した。
 続いて「原発いらない福島の女たち」から渡辺美代子さんと佐々木慶子さんが発言。脱原発テントの存在が、自分たちにどれほどの勇気を与えたかを語り、テントひろばを守り抜こうと訴えた。
 さらに山口県上関原発反対運動に加わり、中国電力から工事を妨害したとして四八〇〇万円もの損害賠償請求(スラップ訴訟)を提訴されている岡田和樹さん(ハチの干潟調査隊代表)も発言、豊かな海と海洋生物、漁民の生活と権利を破壊する上関原発を作らせない運動への支援を訴えた。
 経産省のボロはますます明らかになっている。テント裁判を支援する広がりをさらに大きく! 次回の口頭弁論は一一月二九日(金)。注目を!   (K)

 

 


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