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    かけはし2013.年6月24日号

誰のための経済成長なのか?


6.1 TICAD(アフリカ開発会議)を問う

南アから仲間を迎えてシンポとデモ

 【神奈川】六月一日から三日にかけて横浜・みなとみらい地区では外務省、世界銀行などの主催でアフリカ開発会議(TICAD X)がおこなわれていた。その対抗アクションとして「横浜でTICADを考える六・一国際シンポジウム実行委員会」は、「誰のためのTICADか?」と題して、集会とデモに取り組んだ。
 今回ゲストで来日したチャイナ・ングワネさんは南アフリカの社会活動家であり、大学の奨学金プログラムのコーディネーターとして、排外主義、貧困を課題に掲げて行動している。精力的な地域コミュニティー作りをする原動力は、チャイナさんが出身国であるジンバブエから移住せざるをえなかった事情とも結びついている。
 チャイナさんはこの集会の前後数日間の滞在中に、横浜寿町を訪れ、二日の反原発集会、モザンビーク・プロサヴァンナ計画に反対する集会などにも参加し、各所で討論を重ねた。
 この日もシンポジストの一人としてTICADについてグローバル企業が覇権を持っていること、透明性の欠如を指摘した。また、スライドを用いて、たとえばドルの奴隷を表すロゴ・ジャミングなどを紹介し、具体的には、スラム地域での要請行動の中でタイヤを燃やしながらの路上封鎖などによってコミュニティーの意志を伝えている様子、中国からの不法武器輸出船の入港に反対する行動の様子を紹介した。
 ジンバブエにおける政府軍兵士のダイヤモンド鉱山略奪とアジアへの輸出、などを経験したことにより、外国企業による開発が人命の犠牲をともなうものだとチャイナさんは確信している。TICADも環境破壊を持ち込むものでしかなく、かつての植民地帝国主義諸国同様TICADもまたアフリカでの殺人行為を進めていると語るチャイナさんは、快活ながら揺らぐことのない信念に支えられているのだと感じた。

「多文化共生」
の裏にあるもの
 チャイナさんと並ぶシンポジストとして登場した近藤昇さん(寿日雇い労働者組合)は、簡易宿泊所が集まる横浜・寿町は外国人労働者の町でもあるとし、南アフリカの格差とつながる状況もあるという。山下公園の襲撃後も横浜市教育委員会は人権教育として「(情操教育のため)犬を飼う」という方針しか出せなかったこと、景気の動向に関わらず、毎週金曜日の炊き出しをやめることができない現状、TICADのような国際会議との関連で言えば、APEC開催時に大規模な追い出しが頻発し、それに加担しようとした行政担当者との交渉を通じて勝ち取った成果についても報告した。
 稲葉奈々子さん(NO―VOX「持たざる者」の国際連帯行動)はアフリカから日本に渡る人の多くが、日本での最底辺労働に従事し、多くは難民申請をしては却下されている現状を報告した。「多文化共生」という言葉と裏腹に、消費文化とグローバルな企業展開の中でアフリカからの移住労働者が果たしている役割を考えたいということが提起する一点目であった。
 そして、バングラデシュ出身の活動家と知り合ったときの例をひきながら、欧米NGOの貧困支援活動の中から、微妙だが、先進国の基準をそのまま当てはめている側面があるのではないかという、二点目の提起をおこなった。

ソマリアの海賊
とされた人々
 提起を受けて、質疑が続いた。なぜ横浜でTICADが開催され、営利のための企業進出に肯定的な報道が多いのかという質問、排外主義に対する労働組合の闘い方はどうかという質問があり、アフリカから移住して難民申請に取り組む人についての発言もあった。
 また、横浜でTICADを考える会の小倉利丸さんは、TICAD外交の問題点としてアフリカ諸国の成長率の高さにのみ着眼している点などをあげ、歴史的な格差の放置を棚に上げて、アフリカ人民が等しく文明化を成し遂げるかのような幻想が矛盾に満ちていることを強調した。ついで、日本政府の矛盾のひとつとして、ソマリアで海賊行為を働いたとして捕まり、日本で拘留されている青年たちについて、ソマリ語通訳の確保など刑事手続き上の基本的な権利も担保されていない現状を小倉さんは訴え、支援継続の決意を表明した。
 チャイナさんは、労働組合についてはワークショップを開き、「仕事がないのは外国人のせいではない。政府の腐敗のせいだ」ということを説明し続けるという。厳しい環境の中で培われた明快なメッセージは、グローバル企業の横暴と、排外主義の暴力に対抗する運動体にとっても寄与するところが大きいはずだ。

ズールー語で
デモのコール
 デモは会場である横浜市従会館を出発し、桜木町駅、赤レンガ倉庫横を経由して象の鼻パークで解散した。参加者は五〇人あまりだったが、「トーイ、トーイ」「ハイ」というかけあい、「パワーは、私たちのもの」、「うそをついているのは、あいつら」など、チャイナさんの指導でズールー語のコールを織り交ぜて街頭に呼びかけることができた。神奈川県警本部の裏手ではこの間の不当な弾圧にも精一杯抗議をおこない、楽しくデモを完遂した。
 TICAD V開催期間中、天皇なども呼びながら第二回野口英世賞授与式が行われ、安倍首相は「横浜宣言」を発表して閉幕した。「横浜宣言」は農業従事者は主人公、女性の権利向上等もうたい、アフリカの「オーナーシップ」,日本の「パートナーシップ」をうたってきている点は従来どおりだ。しかし小農の権利、都市での失業にふれず成長と開発をうたうことは欺まん以外の何ものでもない。そして、自衛隊派兵などで企業進出の安全を確保するという思考は、アフリカ人民による平和構築を妨げるものでしかないということは、継続して発信しなければならない。   (海田)

5.21 96条改憲反対院内集会

多数派の暴走をも縛るため

「立憲主義」の本質を把握しよう


 五月二一日、参院議員会館で「立憲主義を破壊し、憲法改悪を容易にする九六条改憲に反対する院内集会」が開催された。主催は「2013年5・3憲法集会実行委員会」。この日の集会は「九六条先行改憲論」に対して、「九条改憲論者」を含めて反対の意見が広がっている中で、「護憲」「改憲」の枠組みを超えた「立憲主義」擁護の意義を明らかにするために企画された。集会には一一五人が集まった。
 高田健さんの司会で進められた集会では、まず国会議員から糸数慶子参院議員(無所属)、福島みずほ社民党党首・参院議員、井上哲士参院議員(共産党)、山内徳信参院議員(社民党)、笠井亮衆院議員(共産党)があいさつ。山口菊子豊島区議(憲法を愛する女性ネット)が主催者あいさつを行った後、「憲法九六条改正論の問題点と狙い」と題するメインの報告を清水雅彦さん(日本体育大学准教授・憲法学)が行った。
 清水さんは初めに、憲法とはもともと「国家権力制限規範」であり、人権規定よりも統治規定が多いのが通例であることを説明。憲法の最高法規性は九八条(最高法規性、憲法に違反するすべての法律、命令等の無効)、九九条の公務員の憲法擁護義務、さらにあらゆる法律、命令、規則などが憲法に適合するか否かを決定する権限を最高裁判所が持つ八一条の「違憲審査制」によって担保されていることを明らかにした。そしてこの憲法が「人類普遍の原理」であることを明らかにした前文、基本的人権の永久不可侵性を宣言した一一条(基本的人権の不可侵)や九七条(基本的人権の本質)によって根拠づけられていることなどから、憲法の基本原理に反する「改正」が不可能とする「憲法改正の限界」説について説明した


有権者を改憲に
慣れさせる意図
 清水さんはさらに「現憲法は世界的に見ても改正しにくい憲法」という自民党などの主張があてはまらないことを明らかにするとともに、これまで住民投票(産廃施設、ダム、原発など)について「議会制民主主義」を口実に否定的だった自民党が、憲法国民投票には「国民の意思=民主主義」をふりかざして実現を迫るという矛盾を指摘した。さらに「立憲主義と民主主義」という角度から、立憲主義は権力を縛るだけでなく憲法の根本原理に反する「多数派の暴走」、すなわち「民主主義の暴走」の可能性をも縛るものだという論点を明確にした。
 清水さんは最後に、九六条改憲論が「憲法改正に国民を慣れさせ、『決定できる民主主義』という口実で迅速な改悪を推進するためのものだ」と警鐘を乱打した。
 集会では最後に、超党派の議員で新たに作られた「立憲フォーラム」の近藤昭一衆院議員、辻元清美衆院議員、そして吉田忠智参院議員(社民党)からも連帯の発言を受けた。
 九六条の改正を突破口に九条を含む現憲法の全面的改悪に踏み込もうとしている安倍政権の戦略は、改憲派もふくめた「九六条改正反対」の声の高まりで揺らぎはじめている。しかし油断することはできない。改憲派を追いつめる多様な運動の展開を。    (K)

5.26 東恩納名護市議が報告

辺野古に基地を作るな
公有水面埋立をやめろ

 

 五月二六日、千駄ヶ谷区民会館で「辺野古に基地を作るな!公有水面埋め立てを許さない!」集会が辺野古への基地建設を許さない実行委の主催で開かれた。
 ジュゴン保護キャンペーンセンターが辺野古基地建設のための政府による埋め立て申請とその攻防について報告した。
 「三月二二日の国の埋め立て申請に対して沖縄県が三三項目にのぼる補正要求を出し、六月一一日までに回答を求めている。問題は政府の埋め立て申請のずさんさであり、県の態度に腹がすわっていないところがある。論点になっているのは埋め立てのための購入土砂の採取先の特定(沖縄、九州、瀬戸内)、航空写真を図にしたものを出しているが、現地で実測したものをだせ、などである」。
 「今後、所定の図書が不足している等出願手続上、瑕疵がある場合、免許基準に適合していないことが明白である場合を除き、次に利害関係者による一般公衆(公告縦覧)になり、内容審査に入る。地元市町村長の意見聴取が次にある。一二月頃、名護市長は市議会の意見に従い意見を言うことになるだろう。来年一月には名護市長選がある。これに勝ち抜くことが埋め立てを止める最重要だ」。

埋立申請を
めぐる攻防
 続いて、東恩納琢磨さん(名護市議会議員)が沖縄からの訴えを行った。
 「三月二六日、政府による辺野古公有水面埋め立て申請に抗議する意見書を名護市議会で採択した。賛成一六人、反対八人。政府は沖縄の理解を得て基地問題を進めると言っているが、それなら事前に協議すべきだが今回の申請は不意打ちだった。反対した自民党系の八人は基地誘致のために防衛省などをまわっている」。
 「埋め立ての認可は知事にあり、いつでも結論を出すことはできる。われわれは運動によって、知事の判断をぎりぎりまで延ばさせ、来年一月の名護市長選で辺野古基地建設問題を争点とし、そして勝利する」。
 「皆さんにお願いしたいのは、公告縦覧になれば三週間の間、だれでも利害関係者になれるので意見を出してほしい。辺野古基地建設は日本の税金が使われ、一兆円がかかると言われている。そんなことを許していいのか。そして、豊かな海とジュゴンを守ろう」。
 「私も会ったことがあるハワイ州知事は沖縄の海兵隊をハワイに誘致してもいいと言っている。軍事戦略的に米軍基地は沖縄でなければならないと言われるが、沖縄でなくてもよいという選択の幅としてこの提案は重要だ。ただし、ハワイでも基地に反対する人たちがいることは承知しているので、そうした人たちとも話し合っていきたい」。
 「私たちは辺野古基地建設に向けたアセスメントをやり直させようという裁判を起こしたが一審で敗訴した。いまキャンプシュワブでは七一億円をかけて兵舎の移転工事を行われている。これは辺野古新基地建設のために行われている。これはアセスの対象なのにやられていない。こうしたことを暴く闘いが重要だ」。
 「一八年間辺野古基地建設に反対してきたが、ちょうどひとつひとつ基地をなくすことができるかどうか分岐点にきている。名護市長を逮捕してまで基地建設を強行はできないだろう。名護市長選はすごい重みがある。政府はなにがなんでも介入してくるだろう。正念場だ。市長選に勝利し、辺野古への基地建設をやめさせよう」。

名護市長選に
勝利しよう
 この後の質疑の中で、沖縄自民党の動きについて、東恩納さんは「衆院選の前に県外移設を訴えていた自民党沖縄選出の二人の議員は当選すると基地建設を容認するに態度を変えた。参院選で辺野古移設を容認すれば当選できないので、辺野古問題をあいまいにしようとしているにすぎない。だれが反対してきたのはしっかりと見極めて選挙に投票してほしい」と答えた。
 次にオスプレイ配備に反対する首都圏ネットワークがオスプレイ配備反対六・六文京区民センター集会に参加の呼びかけを行い、最後にシュプレヒコールで集会をしめた。この後、原宿から渋谷までデモ行進で「辺野古への基地をやめさせよう」と訴えた。(M)



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