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    かけはし2013.年6月24日号

脱原発・改憲阻止の参院選を


アベノミクス・「労働ビッグバン」許さない

沖縄の反基地闘争に勝利を!

自公・維新・「みんな」を敗北させよう

資本攻勢の本番
はこれからだ

 七月四日公示、七月二一日投票の参院選は、発足後半年を経た安倍政権の政策遂行のテンポを決める重大な意味を持っている。
 七月参院選を前に安倍政権は、依然として六割を超える高支持率を維持している。しかしアベノミクスのいわゆる「一の矢」(大胆な金融緩和)と「二の矢」(財政出動)は、急激な円安と株価高を引き起こしたものの、この株価急騰を引き起こした米ヘッジファンドによる投機的金融操作によってまた元の水準に急落するなど、「一の矢、二の矢」の効果なるものがまったくの砂上の楼閣に過ぎないことが明らかになった。
 そして、これまでの「二本の矢」が、円高による燃料・食料価格の高騰をもたらしただけで労働者・市民の生活改善になんのプラスにもなっていないことへの批判が高まっている。そして六月一四日に閣議決定された「成長戦略」「骨太の方針」「規制改革実施計画」は、さらに大胆な「規制緩和」を要求していたブルジョアジーの側から見て、「骨抜き」だとの批判が集中するものになっている。
 たとえば「成長戦略」から「株式会社による農業参入の全面自由化」や「諸外国並みの法人税引き下げ」が、「規制改革実施計画」から「混合診療の大幅拡充」や「解雇ルールの明確化による自由化」が、また「骨太の方針」から「年金・医療費の削減」「財政再建の具体策」などが、それぞれ削られたことが、「市場の失望」を買って株安を招いている、という批判だ。これは資本の「成長戦略」にとって不可欠な解雇規制の全面撤廃、社会保障の大幅な引き下げ、消費税率のさらなる引き上げ、小規模農漁業の破壊が、まだまだ不十分だという批判に他ならない。
 真の「成長戦略」にとっては、まだまだ官僚・労組・農協ら「既得権にあぐらをかく抵抗勢力」を一掃するという課題が残っている、というキャンペーンが、参院選を前後してさらに強まってくるだろう。「アベノミクス」のメッキが剥げてきたという事実に安心してはならない。それは本格的な資本の攻勢の「本番」は、これからだということをも意味している。
 TPP交渉への参加は、そうした「成長戦略」本番にとってきわめて重大な位置を占めることになる。

再稼働・原発
輸出前のめり


 安倍自民党政権は、侵略・植民地支配・軍隊「慰安婦」強制動員などの「歴史認識」問題で、中国・韓国のみならず米国からも、その危険な「歴史修正主義」、復古的「国粋主義」を批判され、弁明に躍起になっている。九六条を前面に出した改憲問題でも、自民党の長老たち(古賀誠元幹事長、中山太郎元憲法調査会長など)や改憲派の憲法学者(小林節慶大教授)らからの批判を受け、世論調査でも「九六条改憲」反対が賛成論を上回っている。安倍首相はもともと「九六条改憲」を公約の前面に掲げて参院選を闘う、と語っていたが、一歩しりぞいて「九六条問題でもまだまだ国民的議論が煮詰まっていない」と言わざるをえなかった。
 「歴史認識」問題においては安倍らと同根の橋下徹「維新の会」共同代表の「慰安婦発言」「風俗産業利用」発言は、改憲問題に関しては安倍・自民党の最も強力な盟友である「維新の会」の失速状況をもたらしており、それは自民党の改憲戦略、少なくともそのための工程表作成にも重大な影響を及ぼすことになるだろう。
 しかし一方で安倍自民党は、参院選公約で「教科書採択の構造の抜本的改善」「領土教育の充実」を打ち出そうとしており、また教科書検定の見直しを検討している自民党の部会では「記載事項を国が事前に決める」「確定した学説以外は教科書本文に記述しない」などの方針を出そうとしている。この点では安倍らの極右ナショナリスト的歴史認識が「教科書」検定制度を通じていっそう広められようとしている。
 さらに沖縄・辺野古への新基地建設については自民党沖縄県連の「県外移設」という立場を押し切って、参院選公約に「辺野古移設」方針を明記することになった。当初、参院選公約では「辺野古移設」については明記しないという妥協案も考えられていたようだが、歴史認識で米国の不興を買った安倍政権が、対中戦略で「日米同盟」を堅持する必要性から、この点では自民党沖縄県連や沖縄の世論に妥協する余地はなかったのである。
 同様に、原発問題に関しては昨年末の総選挙の時よりも一層鮮明に原発依存・原発輸出推進の方針を明確にしている。世論調査では、脱原発支持が依然として絶対多数であるにもかかわらずである。それは安倍政権が参院選公約の中軸に据えた「成長戦略」にとって原発再稼働・核燃料サイクル政策の追求、そして原発輸出はまさに中核的な位置を持っているからである。
 安倍政権は、規制委員会の新安全基準をもって原発再稼働に拍車をかけようとしており、また安倍の一連の外交は、連休中のトルコ、サウジアラビア、UAE訪問、五〜六月のインドやフランスとの首脳会談、そしてG8サミットを前にしたポーランド訪問・中欧四カ国(ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー)首脳との会談を含め、原発輸出への前のめりの姿勢が際立っている。
 七月参院選は、まさにこうした安倍の極右ナショナリズムイデオロギーに貫かれた改憲・原発・新自由主義戦略と対峙する批判的勢力をどのように築き上げていくのか、という方向性を持って取り組む必要がある。

福島・沖縄の
怒りとともに


 こうした状況の中で、われわれは労働者・市民が現に取り組んでいる運動課題との関係で、七月参院選への立場を設定しなければならない。
 七月参院選の第一の柱は、脱原発を明確にすることである。事故の原因も解明されず、事故の収束も行われず、大量の放射能汚染を拡大して、住民や被曝労働にたずさわる労働者の生命・健康・生活に甚大な被害をもたらし、帰るべき故郷も奪ったまま、原発再稼働・原発輸出に突き進む安倍政権を許さず、脱原発の立場を明確にした政党・候補者を支持しよう。
 第二の柱は、米軍基地の「県内移設」反対、オスプレイ配備撤回、普天間基地の即時返還のために島ぐるみの運動を繰り広げている沖縄の闘いを支援することである。沖縄選挙区・糸数慶子議員の三選と、比例区で山内徳信議員からバトンを受け継いで闘う山シロ博治さんの挑戦を全力で支援しよう。それはまた中国・韓国に対する排外主義的「領土ナショナリズム」に反対し、東アジアの平和のための国際的な共同の取り組みに向かう条件でもある。
 第三の柱は、「アベノミクス」とTPPの下で展開される、「労働ビッグバン」=雇用・労働規制の破壊、社会保障・社会支出の切り捨て、民営化、農漁業の破壊などがもたらす貧困と格差の拡大に反対し、公正な社会を求める労働者・民衆の運動を国際的な観点に立って創り出すことである。
 そしてこうした闘いの広がりとともに、憲法改悪反対の柔軟かつ広範な共同戦線を「立憲主義擁護」を基礎に意識的に作り出していくことに挑戦しよう。
 われわれがめざす新しい左翼=反資本主義的左翼のための闘いは、こうした共同戦線的な構造の不可欠な構成要素として準備されるのである。
 なお七月参院選の前哨戦としての意義を持つ東京都議選が六月二三日投票で行われる。「都バスの二四時間運行」や「標準時の二時間繰り上げ」などの「企業にとって最も活動しやすい」新自由主義政策を打ち出し「二〇二〇年東京五輪招致」に全力を上げている猪瀬都政を批判する政党・候補者を都議選で一人でも多く当選させよう。われわれはその立場から「脱原発」を前面に掲げて中野区から急きょ立候補した杉原浩司さん(緑の党)、ならびに共産党・社民党候補への投票を呼びかける。
 (六月一六日 平井純一)

夏期カンパのお願い


 全国の同志、友人、「かけはし」読者の皆さん。日本革命的共産主義者同盟(JRCL)と国際主義労働者全国協議会(NCIW)は夏期カンパへのご協力を訴えます。
 今やアメリカを中心として押し進められた新自由主義は完全に破産し、資本主義体制そのものの危機に転化し始めています。そのため必死で延命を計ろうとする資本家や大企業はなりふり構わず労働者人民に犠牲を押しつける攻撃に出てきています。だがこれに抗する闘いもまた全世界に広がり、ギリシャやスペインで始まった闘いはキプロスにまで及び、「民主主義」を求め独裁体制を打ち破ろうとする「アラブの春」は、シリアのアサド独裁政権を追いつめ、今日トルコ全土に燃え広がっています。
 こうしたグローバル資本主義の危機の深化、そして世界全体の中でその比重を増加させつつあるアジア太平洋地域における米中間の「覇権」をめぐるせめぎ合い。この激しく揺れ動く政治と時代に対し民主党政権はなんら積極的役割を果たすことができず自壊しました。これに変って登場した自民党政権は、「改憲と新自由主義」の極右路線を掲げ遮二無二突破しようとしています。
 安倍政権の政策の中心は「アベノミクス」と「戦争のできる国家」をつくるための憲法の改悪です。無制限の財政支出と未曾有の金融緩和を軸とする「アベノミクス」は大企業やカネ持ちだけを富ませ、労働者人民には消費税増税と物価の値上がりに明らかなように一切の犠牲を押し付けるものです。さらにTPPは多国籍企業の利益のために農業を破壊し医療・年金・食・雇用までもぶち壊してしまうものです。
 また安倍政権の憲法改悪のねらいは「戦争の放棄と国軍を持たない」と定めた憲法九条の改悪であり、そのハードルを下げるために改憲手続きを定めた九六条の改悪が進められようとしています。だが一連の政策の根底にある排外主義と民族主義を体現する「靖国神社参拝」や「軍隊慰安婦発言」はアジアの人たちからの激しい反撃に直面しています。
 安倍政権は七月の参議院選挙後一挙に攻撃をかけてくることは明白です。福島第一原発事故の収束も目途が立たないのに被災者を置き去りにし、原発の再稼働・原発輸出にかじをきりました。沖縄県民の意志を無視しオスプレイを配備し、辺野古新基地建設を進めようとしていることも全く同じものです。
 私たちは全世界で始まっている闘いの一翼をともに全力で担っていこうと決意しています。ぜひ夏期カンパにご協力をお願いします。
 
●送り先 
労働者の力社
郵便振替:00110=2=415220

新時代社
郵便振替:00290=6= 64430



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