4.21チェルノブイリ原発事故から27年
大飯の運転を即時停止せよ
――子どもたちを放射能にさらすな
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武藤類子さんが
福島の現状報告
四月二一日、日比谷コンベンションホールで「チェルノブイリ原発事故から27年 チェルノブイリ・フクシマを忘れない!」集会が原発とめよう!東京ネットの主催で行われた。
伴英幸さん(原子力資料情報室)が「東京電力は柏崎刈羽原発を動かすための準備をしているが許してはならない」と主催者あいさつをした。
次に武藤類子さん(ハイロアクション福島・福島原発訴訟団団長)がスライドを使いながら「フクシマの最新状況」を報告した(別掲)。この後、武藤さんは、チェルノブイリ事故が起きるまでは原発問題について関心はなかったが、その事故から勉強をし、生活スタイルを変えるために、どんぐりの森に家を建て、自然エネルギーを使った生活をしていったこと、カフェを作り、憩いの場所を提供してきたことをスライドをまじえ説明した。しかし、震災によって閉じていたが二週間前に廃業したことを明らかにした。原発事故の残酷さは生活を奪うことだと結んだ。
柏崎・刈羽を
廃炉にせよ
続いて山口幸夫さん(柏崎刈羽原発の閉鎖を訴える科学者・技術者の会/原子力資料情報室共同代表)が「私たちは柏崎刈羽原発をどうしたいのか」を報告した。
山口さんは「いろんな所から事故調の中間報告が出されているが、どれもどのような事故がなぜ起きたのかを解明できていない。福島第一原発事故は津波以前に破局が始まったと国会事故調は認めているが東電は認めていない」ことを紹介し、制御不可能な核エネルギーの使用をやめるべきだと話した。そして、「二〇〇七年の中越沖地震では、想定していた揺れをはるかに超え、原発にダメージを与えた。大事故につながらなかったのは運がよかっただけだ。自分たちは廃炉を訴える会を作り、活動してきた。東電は防潮堤やフィルターベント工事を行っているが、県知事は福島事故の検証なしには再稼働はありえないとしている。原発直下の活断層について四〇万年前にさかのぼって検討するという新基準が適用されること、安全管理に関する技術委員会などの検討もあり、簡単には再開できない状況にある」と報告した。そして「化石エネルギー資源に頼ってきたハードパス社会からソフトパス社会への転換、エネルギーをわたしたちが選ぶ主権在民が必要だ」と訴えた。
集会後、東電前、銀座を通り東京駅近くまでデモを行った。 (M)
武藤類子さんの報告から
説明ぬきの「除染・焼却」
住民への責任を果たしていない
汚染水もれ
と除染労働
福島第一原発4号炉には一三〇〇本以上の燃料棒がプールに保管されている。大きな地震がまだ続いているので、崩壊したらどうしようと心配になる。ねずみが電気盤に入りショートしたり、汚染水漏れ事件が起きたりでがっかり、びっくりしている。汚染水処理の作業をしている人は汚染水を浴びるのがいやでやめる人が増えている。毎日三〇〇〇人がフクイチで働いているが六〇%が福島県民だ。
除染について。二〇一一年一二月に野田首相が事故収束宣言し、二〇二〇年までに県民を戻すことを目標にして、除染して復興へと大号令がかけられた。除染の作業員は仕事のなくなった人、仮設の人がやっている。一日一万円の日当。マスク、布・ナイロンの手袋が支給されるだけ。木の枝を切ったり、表土を五センチはぎ、新しい土を入れる。かなりの重労働。それから出た放射線廃棄物は袋に詰められ道路わきに野積みされている。
焼却実験炉は
安全なのか
焼却実験炉について。原発から五〇キロメートル離れ、線量が低い鮫川村に八〇〇〇ベクレルの放射線廃棄物を焼却する実験炉を作る工事が進められている。この場所はいわき市や高萩市の水源地であり、湧き水が豊富だ。安全なのかと反対運動が起きた。三分の二の地主が承諾を撤回し、工事がストップする攻防になっている。川内村や飯舘村にも作る予定だという。山林地帯の塙町には復興事業のひとつとして、木質バイオマス発電所を作る計画が出ている。この材料に放射能を浴びた木材を使うとされている。もちろんフィルターなどで除去するとはしているが果たして放射線を全部除去できるのか。こうした事業は住民にきちんとした説明がなされないまま、よく分からないままに進められている。
5月 日、東京
地検包囲行動へ
IAEAについて。昨年一二月、IAEAと日本政府は世界閣僚会議を福島県で開いた。日本政府は福島産の生産物を振る舞い、復興をアピールした。参加国の多くは安全な原発を作り、推進していくとした。
私たちは申し入れ・抗議行動を行った。IAEAは福島県に常駐するとなった。現在は県庁の隣りに事務所を構えたが、三春町に六〇億円をかけて環境創造センターを作り、その中に緊急事態対応センターとして、アジア・太平洋での核緊急事態の訓練をするという。県はIAEAは最高のレベルであり、責任をとれという意味もあると容認しているが、市民派の科学者などを入れさせるなどいろいろ発言していきたい。
甲状腺がん検査によって三万八〇〇〇人(一八歳未満)の子どもの中から、一〇人が悪性、三人ががんに罹っていることが分かった。心臓疾患で亡くなっている人が福島が一番多いという結果も分かった。こうした状況にも関わらず、「これぐらいなら大丈夫だ」という安全神話が宣伝されている。多くの住民がくたびれてしまって、ここで暮らすしかないから、仕方がないと思わされてきている。分断・細分化されてしまって、放射線被害の問題を話題にすることが難しくなっている。3・23県民集会でも、がんばっているが方向がちょっとずつずれて、ひとつになっていかない。
福島原発事故告訴団を結成して闘ってきた。二月二二日の東京地検・東電行動で、一番言いたかったのは「東電は自首しろ」だった。なんで、われわれがこんなにも苦労しなければならないのか。三月中に結論を出すという話もあったが結論が出ていない。一月から緊急署名をやり、一〇万筆を超える署名が集まった。追加がまだ来ているので四月二六日に地検に提出する。五月三一日に東京地検包囲行動を起こす。
(発言要旨、文責編集部)
4.21ノーモアヒバクシャ関西のつどい
ツケを未来に残さないために
中嶌哲演さん、山本太郎さんが対談 【大阪】ノーモアヒバクシャ関西のつどいが四月二一日、エルおおさかで開かれた。
午前の部では、映画「福島 六ケ所 未来への伝言」(島田恵監督)が上映された。
福島第一原発から五キロの大熊町に住んでいて、避難地の東京で第二子を出産した一家。一四代続く有機農業家の一家は、放射能による影響に苦しみながら、田植えをし、稲を刈る。東京に住む女性は、核燃料施設のあるふるさとの六ケ所村を憂う。六ケ所村の泊で漁業を営む一家は、太平洋沖でとったマダラから基準値をこえるセシウムが検出され、捕った魚を海に捨てる。
映画は、福島と六ケ所村をつなぐ原子力施設を抱える地域で、暮らす人々の生活と苦悩を通し、放射能という負の遺産をこれ以上増やし続けることの責任を問う。核燃施設が来ることに激しく反対運動を展開する泊漁港の漁師たちの闘いも、当時の映像を使って紹介された。泊の人たちの「自然の海と山が残っていたら、生きていける」、「リスクだけを地方に押しつけることは許されない」という言葉の重さを感じた。
これからは教育
を変える闘いを
午後の部では、三つのトークと対談がひとつ行われた。
はじめに、佐藤幸子さん(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)が「福島の母の願い」と題して話をした。
原発事故の年の五月一日会が結成され、放射線量の測定や、年間許容線量の二〇ミリシーベルトの件での文科省交渉、行政が始める前の自主的な除染、保養相談、保養のため県外に出ることは認められず、県内のみに補助が出ること、子どもが外で遊べないことによる体力等への大きなマイナス、行政が始めた「手抜き」除染と仮置き場のこと、阿武隈川沿いが線量が高いこと、近くの競馬場の馬が人より早く避難させられていたこと、ビール祭りや花火大会で実態以上に安全をアピールしている県や行政、学校給食では父母の要求を受け入れず福島県産の米が使われていること、農家は被曝しても米を作る、でないと百姓とは言えない、つくっても値はつかない、仕事がなくなった農家は除染の仕事に行く、甲状腺共同診療所のこと、などなど。
佐藤さんは、最後に「直ちに原発を止めなければならない。すぐ止めても、廃炉になるまでには何年もかかるのだから。これからは、教育を変えることに努力したい。今までのようなものの考え方ではダメだから」と述べた。
脱原発で経済
はよくなる!
所源亮さん(一橋大学イノベーション研究センター特任教授)は「脱原発で経済はよくなる」と題して話をした。
日本の電気は総計二五単位(一単位は一〇〇〇億キロワット時)、そのうち火力が一五単位、水力五単位、原発五単位で、一〇単位しか必要でない。つまり一五単位は余っている。だから、原発をゼロにしても、日本には二〇単位の電気があり、まだ一〇単位は余っている。原発をなくすと、この関係で働いていた一三万人が失業するからそれは無理だという人がいるが、果たしてそうか。ドイツは原発をゼロにして三万五〇〇〇人が仕事を失ったが、代替エネルギー等で三八万人の雇用が新しく生まれた。これを日本に当てはめると、一三万人が失業し、新たに一四〇万人の雇用が生まれることになる。
電気代はどうか。原発と揚水による電気代は一二〜一八円キロワット時だが、水力と火力による電気代の平均は七円キロワット時だから、原発ゼロで電気代は半分近く安くなる。原発の本当の電気代は、核のゴミ処理費を加えると三〇〇〇円キロワット時にもなる。日本にある核のゴミは、使用済み燃料一万二五〇〇トン、低レベル放射性廃棄物一八万三〇〇〇トン、研究所放射性廃棄物一一万二〇〇〇トン、そしてプルトニウムが一四六トンもある。以上、直ちに原発は止めるべきだ。
藤波心さんが
語る未来の希望
この後休憩をはさんで、山本太郎さん(俳優)と中嶌哲演さん(原発設置反対小浜市民の会)が池島芙紀子さん(ストップ・ザ・もんじゅ)のエスコートで対談した(対談要旨別掲)。
次に藤波心さん(高校二年生、アイドル)が「どうなる、私たちの未来」と題して話をした。高校生のみずみずしく、明快な主張だった。心さんは話の後、「ふるさと」を歌った。
原発数は一位の米国、二位のフランスに次いで日本は三位。でも、日本は米仏に比べ地震が圧倒的に多い。経済のために原発がいるといまだに言っている人もいるが、最優先課題は、第二のフクシマを起こさないこと。原発がいる、いらないの論議はもう終わっている。なくてもやっていける社会をどのようにしてつくるかだ。莫大なツケを子孫に押しつけるのは本当の経済発展ではない。人間が自然をコントロールできると思うのは大間違いだ。人がつくった原発は人が止められる。土地や海は祖先からあずかり子孫に伝えるもの。これを汚しておいては豊かな社会とは言えない」。
トークにはさまれた時間帯に、「食品の放射能汚染」について(松尾由美さん、生活協同組合コープ自然派)と「福島四号機使用済み燃料問題」について(池島芙紀子さん、ストップ・ザ・もんじゅ)の取り組みの報告があった。
(T・T)
中嶌・山本対談から
考えて来なかった自分
たちの責任を問うべきだ
中嶌:先日大阪地裁で大飯原発再稼働差し止め訴訟の判決が出たが、敗訴だった。裁判所は関電の主張だけを採用した。このことを関西の人たちも自分のこととして考えてほしい。
山本:原発事故は終わったことにされているが、今も原発労働者や福島地元の人たちの被曝は続いている。ホットスポットから避難した人たちには補償はない。脱原発は脱被曝でもあるはずだ。日本はこのままなら破滅だ。私の母は、海外(フィリピン)に今避難して体調が良くなった。今も居座っている。脱原発が無理でも、脱被曝のものにバックアップしてほしい。
中嶌:小浜では、市議会請願と連続の議会傍聴等で、原発建設を阻止してきた。でも、七、八〇年代には和歌山・兵庫・京都北部などあちこちの市町村で食い止めた。これとおなじことを国政レベルでもやるべきだ。
山本:がれき広域処理、食料品の東西移動の制限、放射能からの避難者などのことで、国会議員に踏み絵を踏んでもらった。反応はよかった。ところが、突然国会が解散し選挙に。国会議員にいくら電話をしても出てくれない。選挙のことで精一杯の様子。橋下さんと対決するつもりで、ツイッターでも誘ったがのってこない。そこで、メッセージを発するために石原と対決して杉並区で出ることにした。反応はよかった。市民の多くは必要な情報を知らないから、怒ることもできないでいた。
中嶌:以前は福井県でも南部の若狭は冷や飯を食わされた。原発は若狭だけにある。最近は、北部も原発問題では人ごとでなくなってきた。若狭の原発というが、その本当の地元は関西だ。いま、原発問題は風化が進んでいるといわれるが、若狭の電気六二〇億キロワット時のうち、若狭の消費量はわずか六億キロワット時だ。このことを考えてほしい。
山本:広瀬隆さんとドイツに行った。ドイツは廃炉に向けてすでに動いていて、あと九年で完了する。最終処分はまだ決まっていないが、地下に埋めて蓋をしておしまいにしようとしている。日本とあまりかわらない。埋めると、必ず地下水につながってしまうので、水をくみ出しているところもある。人に影響を与えても経済には影響しないようにと、考えることは、原発推進派はどこの国でもおなじだ。ドイツにも幻想は持てない。今まで、最終処分地は原発立地しかないと思ってきたが、今は最終処分地は大都市圏につくるべきだと思う(拍手)。
中嶌:倫理的責任を問い直すべきだ。立地差別を考えるべきだ。子どもたちを守るために、全国が福島の子どもを引き取るぐらいの国民運動を考えるべきだ。人の罪を問うことは、原発のことに思いを寄せてこなかった自分の責任を問うことでもある。前門の虎、後門の狼といってきた。政治家は、本当に何をすべきか真剣に考えてほしい。
山本:選挙では何も変わらない。裁判も難しい。本当に止めるには、大都市から出ることかも。自分のライフスタイルを変えるしかない。選挙に出ろといわれているが、自分の考えは揺れている。
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