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    かけはし2013.年3月25日号

秘密裏のTPP交渉反対


資料 米国400団体の連邦議会への書簡

2013年3月4日


 TPP交渉には、米国でも強力な反対の声が上がっている。「市民の貿易キャンペーン」は、TPPが全くの秘密のうちになされていることを批判し、人権・労働・医薬品・食料主権・金融・環境などの面で市民の権利を侵害する危険性に警鐘を鳴らしている。国際的情報共有と連携が必要だ。(「かけはし」編集部)


連邦議員各位

 米国の通商交渉担当者が今年一〇月までにアジア太平洋地域の新しい、高水準の貿易投資協定を締結しようとしており、また、EUとの同様の協定を検討しているとき、われわれは、合計一五〇〇万人余の会員・組合員および支持者を代表して、二一世紀の通商協定についての、そして過去における米国の貿易政策を公正で持続可能なグローバル経済の建設を促進する手段へと転換させるために必要な議会の監視的役割についてのわれわれの期待を伝えたい。

 われわれは、TPPが三月にシンガポールで第一六次の交渉に入るにもかかわらず、米国の交渉担当者がいまだに、彼らが米国市民の名において提案している内容を米国市民に知らせるのを拒否しているということに困惑している。交渉が妥結し、協定が締結された後まで、提案だけでなく合意されたテキストまで非公開とすることは民主主義の原則に反している。
 この点で、TPPはこれまでのいくつかの通商交渉と比べても、より不透明である。たとえば、二〇〇一年に米国は他の三三の国と共に米州自由貿易地域(FTAA)協定の草案を公表したし、WTOの草案のテキストもしばしば公表されている。

 TPPやEU・米国間の協定、あるいは他の貿易協定が実際に米国市民と全世界の人々の生活を改善できるためには、下記の問題に対処しなければならない。

 ?人権と労働権を優先すること。これまでの通商政策のあまりに多くのものが投資家の権利の保護に偏っており、強制労働や児童労働、スウェットショップ(搾取工場)的な労働条件、政治的暴力、環境汚染、先住民族の主権の侵害、政府による言論、集会、移動の自由や独立的労働組合を結成する権利、団体交渉の権利への抑圧などの問題を無視するか、覆い隠してきた。いかなる通商協定においても、それが労働条件の「底辺に向けた競争」や環境破壊の流れを反転させるのに寄与することを意図しているのであれば、人権と労働
権を正面の中央に据えなければならない。

 ?各国の発展目標と、その実現のための調達政策を尊重すること。通商協定は各国政府が各国の発展や環境上および社会的な目標を優先して歳出を決定することを妨げてはならない。貿易協定の調達に関する条項は、従来の「国産品優先」策と、原産国における賃金、
環境、スウェットショップの利用、人権、永年にわたる不平等の克服に向けた政策に対する考慮を維持しなければならない。
 企業を政府と同等の地位に引き上げるべきではない。通商協定は個別の企業や投資家に、国内司法制度に拘束されない紛争解決機関を通じて国内の法律や規則、裁判所の決定に異議を唱えることによって協定の条件を執行させる特別の権限を付与するべきでない。三人の民間セクターの弁護士から成る紛争処理パネルに、企業がある国の法律が彼らの期待する将来の利益を脅かすと訴えた場合に、国家財政からの無制限の賠償を命じる権限を与えるような投資家・国家間紛争処理メカニズムは排除しなければならない。政府が公共の利益に適う規制を実施できることを保証するために、国際投資に関するルールを改定して、投資、収用、待遇の最低基準などの用語をより厳格に定義するべきである。

 Citizens Trade Campaign(市民の貿易キャンペーン)は、通商政策における社会的および環境をめぐる公正を追求する目的で結集した労働、環境、宗教、家族農業、消費者の諸団体の連合であり、以下のことを要求する。

 ? 食糧主権を守ること。貿易協定は、政府が農民や他の食品労働者が公正な報酬を受け取り、消費者が安全で低価格の食品にアクセスできることを保証する政策を導入する権限を尊重しなければならない。同様に、諸国民はダンピングやその他の、農民を土地から引き
離すような不公正な貿易慣行から自己を守ることができなければならない。

 ?低価格の医薬品にアクセスできること。低価格のジェネリック医薬品へのアクセスを維持することは、米国における医療コストを引き下げるため、また、世界中の人命を救うために決定的に重要である。通商協定は医薬品特許の期間を延長する手段ではない。米国の政策は医薬品へのアクセスに関してドーハで設定された基準を明確に支持するべきである。

 ?為替操作を阻止すること。通商協定は米国および他の政府が通商を歪める為替操作を規制するための措置を取ることができるようにする規定を含むべきである。通商協定はまた、ルールを遵守する国が協定の恩恵を得られるようにするために、厳格な原産国ルールを含むべきである。

 ? 強力な金融規制と公共サービスを可能にすること。通商協定は銀行、保険会社、ヘッジファンドおよびその他の金融機関の規制においては、制限を引き下げるのではなく引き上げるべきである。通商協定のサービス条項は、それらの協定のいかなる条項も民間および公共のサービスの規制緩和や民営化を要求しているものと解釈してはならないことを明確かつ具体的に記述した文言を含むべきである。

 ?消費者保護および環境基準を改善すること。同様に、通商協定は環境、食品、製品の安全、消費者の知る権利に関する措置においては、制限を引き上げるのではなく引き下げるべきである。

 われわれは、TPPや他の通商協定がこれらの高い基準を実現しようとするのであれば、公衆や議会によるより広範な監視が必要であると考える。オバマ政権に通商上の政策決定に関する何らかの特別の権限を付与する前に、政府に対してTPPのテキストを公開することを要求されたい。

 われわれは、議会が憲法によって委嘱されている対外通商を監督する権限を、ファーストトラック(大統領貿易促進権限)のような時代遅れで異常な手続きを通じて行政機関に委任するのではなく、米国の通商協定に関わる交渉と承認のプロセスに次のような新しいやり方を導入することを要求する。

 ?米国通商代表部が、すべての関心を有する利害関係者と協議し、通商協定の影響を受ける事項についての管轄権限を持つすべての委員会の公聴会に出席し、想定されている各相手国が提供する具体的な雇用創出や輸出拡大の機会と、協定が人権・労働権、環境、食糧主権、医薬品へのアクセス、為替操作、関係国間の貿易収支に及ぼす影響についての広範かつ公開のアセスメント(評価)を提供するよう求める。

 ? このような拡張された参加プロセスをTPP交渉において可能な限り速やかに開始する。

 ? 議会において設定された交渉目標が最終的な合意において実際に達成されていることを確認するための客観的なプロセスを確立する。

 ? 政府が協定に署名し、米国がその条件に拘束されるようになる前に、議会の過半数による議決によって、その協定が公衆の利益に適うものであり、議会が設定した交渉目標が達成されていることが承認されなければならないようにすること。

 ?このような強力な監視と大衆の参加を通じてのみ、われわれはすべての人々のためになる通商政策についての新しい国内的および国際的なコンセンサス(合意)を形成することができる。

敬具

3.2 朝鮮独立運動94周年集会

安倍・朴政権登場の中で
日韓民衆の連帯強めよう

 
軍事的緊張激化
する朝鮮半島
 三月二日、文京区民センターにおいて、「3・1朝鮮独立運動94周年/安倍・朴政権登場と私たち―3・2日韓民衆連帯集会」が、同実行委員会の主催で行われた。集会には一五〇人が参加した。
 はじめに主催者を代表して開会のあいさつを行った渡辺健樹さん(日韓ネット共同代表)は、昨年一二月の選挙で安倍と朴政権が登場し、朝鮮のロケット打ち上げとそれに対する国連安保理の制裁決議、それに反発するかたちで実施された北朝鮮の三回目の核実験という状態によって、再び朝鮮半島の軍事的緊張が高まっていることを指摘した。
 その上で、こうした緊張関係の根本的な問題は「朝鮮半島の分断と休戦状態が六〇年も放置され続けてきたことだ」とし、「休戦から六〇年目にあたる今年こそ、休戦協定を平和協定に変更させる運動を大きく作り上げて行きたい。また二〇一五年は日韓条約から五〇年目にあたり、そこに向けた取り組みも本日の集会をステップにしていこう」と訴えた。

安倍極右政権の
朝鮮蔑視を批判
 次に「安倍・右翼改憲政権と私たちの課題」と題して、浅井基文さん(前広島平和研究所所長)の講演が行われた。
 浅井さんはまず、北朝鮮の核開発とロケット打ち上げについての国連安保理決議(安保理決議1718は朝鮮に対して「いかなる核実験又は弾道ミサイルの発射もこれ以上実施しないことを要求」し、加盟国による対朝鮮経済制裁を決定―06年10月15日。安保理決議1874―09年6月12日と安保理決議2087―13年1月22日はその再決議)の「二重基準」的な不当性について明らかにした。
 この中で「朝鮮の核は中国がそうしてきたように、アメリカの核先制攻撃に対する自衛措置という性格のものだ。朝鮮が核放棄に応じるための前提条件は、米朝平和条約と米朝国交樹立であり、朝鮮半島全体の非核化としてのみ核が放棄されるだろう」と語った。また、ロケット・弾道ミサイルの開発は「宇宙条約ですべての国に認められた国際法上の権利行使であり、軍事への応用・転用は条約自身が織り込み済みである。それを朝鮮に対してのみ認めないというのがアメリカの立場であり、国連安保理決議だ」と、その差別的な不当性を明らかにした。
 その上で「ロケット打ち上げに対する安保理決議がなければ、三回目の核実験はなかっただろう。米日韓の新たな制裁を実行させないことで、その後の事態によい影響をあたえることになるだろう」と語った。
 また日本の対朝鮮半島政策は「拉致問題にのみ硬直した強硬姿勢で、それ以外は米韓次第の主体性の欠如があり、いずれの国からも相手にされない影の薄い存在だ」。それにとどまらず「伝統的な朝鮮蔑視と深刻な歴史認識問題、領土問題での頑迷な立場。朝鮮脅威論を利用した軍事大国化策動など、右翼小児病的な感情論で六者協議の妨害者であり、マイナス要因になっている」と厳しく批判した。

平和を求める
韓国民衆運動
 ノレの会による歌(君のための行進曲・心の扉をひらいて)の後、この日の集会に参加した三名の韓国からのゲストが紹介され、「パク・クネ保守新政権登場と韓国民衆の闘い」についての報告講演が行われた。
 自主統一委員長のチェ・ウナさんは、情勢と活動方向について報告。チェさんはパク新政権の「朝鮮半島信頼プロセス」(南北の信頼構築を土台に、非核化前進による政治、経済的相応措置を行うのが中心政策)は、「米朝関係が緊張しているなかで、まずは北が核を放棄しろということになるだろう」。また、「南北の軍事緊張も深まっていて、西海(黄海)での韓米合同軍事演習やミサイル配備などが行われており、ささいなことから戦闘が始まる危険性は排除できない」と、パク政権の「信頼プロセス」が、もはやその内容が伴わなくなっていることを明らかにした。
 チェさんはこうした状況のなかで「朝鮮半島の非核化と米朝の対話がまず必要であり、韓米同盟を変化させることで平和を構築していきたい。平和体制は東北アジア全体の問題であり、日韓民衆の闘いがこれまで以上に重要になってきている」と訴えた。
 次に韓国進歩連帯共同代表のハン・チュンモクさんが、朝鮮戦争停戦六〇周年にむけた闘いの取り組みについて報告した。ハンさんはまず「朝鮮戦争停戦後、いまが一番危険な状態にある」とし、「パク政権下で最初の韓米合同軍事演習(三月一日から二一万人を動員したフォールイーグル)が行われ、安倍政権もこうした対決構造に乗って、日本の軍事強化と改憲をねらっている」ことを厳しく批判した。そして「反戦平和勢力が団結して、対抗していかなければならない」と訴えた。
 その上で、「停戦六〇周年を平和元年にしよう」を合言葉に韓国で準備されている行動について報告した。韓国では七月四日、済州島から二七日、イムジン閣までの全国網の目大行進と、七月二七日の数万規模の集会が予定されている。また、国際平和宣言や国際平和討論会が準備されていること、韓国での大行進と合わせての世界の主要都市での平和行進の要請などが提起された。
 この日の集会の最後に、沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック、許すな!憲法改悪・市民連絡会、VAWW―RAC、「高校無償化」から朝鮮高校排除に反対する連絡会の四団体からアピールを受けた。  (R)



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