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    かけはし2013.年3月18日号

TPP交渉参加を絶対に許すな


3.5 反TPP官邸前行動に全国から結集

TPPは農業・医療など社会全般を破壊
「自民党は恥を知れ 公約を守れ」

 安倍首相は、二月末の日米首脳会談で、「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」とし、交渉参加に前のめりであり、二八日の施政方針演説では、事実上の交渉参加表明を行い、国内調整に入るとしている。
 日米共同声明は、「両政府は、日本が環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉に参加する場合には、すべての物品が交渉の対象とされること、及び、日本が他の交渉参加国とともに、二〇一一年一一月一二日にTPP首脳によって表明された『TPPの輪郭(アウトライン)』において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する」として、すべての物品が交渉対象になること、さらには「……両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから、TPP交渉参加に際し一方的にすべての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」と最終的には交渉のなかで決まっていくとしか言っておらず、「高い水準の協定を達成していく=規制の緩和・撤廃」というTPPの本質を確認したに過ぎない。また、この確認は、米国との二国間でのものでしかなく、舞い上がっているのは稚拙な安倍だけで、他の参加各国がそれを受け入れる保障などない。

北海道をはじめ
金沢・群馬からも
 毎月第一火曜日に開催されている反TPP官邸前行動は、日米首脳会談後とあって、北海道をはじめ群馬、金沢など全国から危機感を持った農業者や市民、労働者ら約一〇〇〇人(主催者発表)が駆けつけ、安倍のTPP交渉参加の姿勢とそれを煽るメディアに対する怒りの声、そしてなによりも政権公約で「TPP参加反対」を掲げて当選した自民党議員に対する「公約を守れ!」の声で埋まった。共産党、民主党の国会議員も参加して交渉参加反対の声を上げたが、自民党議員は一人も顔を出さなかった。
 日米首脳会談を受けて、今月の行動は緊急拡大行動として、農業団体、消費者団体、生協、医療労働者、社会運動団体、労働組合など三八人の賛同人の呼びかけで開催された。 
 官邸前は、「TPP交渉参加断固反対」と書かれた北海道農民連盟の垂れ幕や医療労働者や農業者のTPP交渉参加断固反対!と書かれたのぼり旗やプラカードが掲げられ、「衆参全議員のTPP態度一覧」も張り出された。
 TPPによって破壊される暮らし、労働、農業、医療、消費者などさまざまな分野からの発言があった。北海道農民連盟は、「TPPは、農業問題ではない。条件交渉ではダメだ。国民全体の問題だ。TPP断固参加阻止まで闘う」と決意。北海道で新規就農したという女性は、「JAが原発反対とTPP反対を掲げていることで、JA応援をしている。JAと繋がって反対運動をしていこう」と語った。  遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーンの西分さんは、韓米FTAでの覚書を示しながら、「韓国では遺伝子組み換えの表示の基準を厳しくしようとしたのに対して米国から制約が入ったことや環境調査(リスク調査)はするなということでそれがストップしていること。それが今の日本の状況と同じで怖さを感じる。交渉参加させないために声を大きくしていきたい」とあいさつ。
 ピープルプラン研究所の白川さんは、東日本大震災、原発事故とTPPの政府対応について語り、「どちらも人間の命と安全を守る政治ではない。命と直接つながる農業の破壊、遺伝子組み換えや安全基準の緩和、皆保険制度の破壊など命と安全を守る制度を壊すのがTPPである。命を大切にした社会実現のためにTPPに反対していこう」と訴えた。市民 の一人は、「国益って、国家の利益や企業の利益ではなく、国民の利益であるべき。国民益を守るにはTPPに反対するしかない!」と語った。医療労働者からは、国民皆保険制度がTPPによって壊され、混合診療導入で富裕層と社会的弱者との医療格差が拡大する危険性が話された。
 過労死問題に取り組む男性からは、「参加すれば、労働条件が米国ルールとなり、過酷な労働が強いられる」とISD条項に絡む問題として反対の声を上げた。青年 ユニオンの河添さんは、「労働へ対する影響はどのようなものか明確にされていない。TPPは生活を破壊するのは明らか。自由貿易の拡大は、労働の規制緩和も求められよう。日本に住む多くの人々の声が届いていない。労働組合としても交渉参加反対の闘いを展開する。ともに闘おう」と訴えた。
 井上共産党参議院議員から、「来週一三日にも安倍首相がTPP交渉参加を正式に表明する」と時事通信が伝えたという報告があり、官邸前の参加者 の怒りはさらに大きくなった。
 「TPP反対で当選した自民党議員よ!政権公約を破ると民主党政権のようになるぞ!」という有権者の力を訴える発言がつづく。
 生活を壊すTPPはいらない!賃金壊すTPPはいらない!労働壊すTPPはいらない!
 食の安全壊すTPPはいらない!農業壊すTPPはいらない!安倍晋三は恥を知れ!自民党は恥を知れ!自民党は公約を守れ!と怒りのコールが何回も官邸前に響いた。
 官邸前アクションは、午後五時から八時まで三時間、途切れなく怒りの声とコールが続いた。アクションの最後に、安倍首相と自公政権は、TPPに関する六項目の公約を守れ!有権者への裏切りは絶対許されない!TPP交渉参加絶対反対!TPPでは生きられない!すべての人たちに、生きる権利と 希望を!とする「緊急拡大行動アピール文」を参加者全員で確認し、安倍首相に届けることにした。最後に、三月一五日経産省前抗議行動、三月二五日本経団連前抗議行動が呼びかけられた。


交渉参加は
重大な局面
 「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」とTPP交渉参加に対する公約で自民党議員の多くが当選を果たしたが、「自民党TPP参加の 即時撤回を求める会」には、二四〇人の国会議員が参加している。
 自民党の政権公約は、「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉参加に反対」だけではない。「自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れられない」「国民皆保険制度は守る」「食の安全安心の基準を守る」「国の主権を損なうようなISD条項は合意しない」「政府調達、金融サービス等はわが国の特性を踏まえる」と六項目。「自民党TPP参加の即時撤回を求める会」は、下記のように表明している。
 「政権公約を持して総選挙に勝利したわが党は、TPPにかかわる六項目を堅持しなければならない。また、過日外交・経済連携調査会が改めて決定した六項目は、まさに一体のものである。政権公約は、結果としても守られなければならない。      
 TPP交渉の直接的俎上に載らなくても、TPPに乗じて二国間交渉で譲歩を迫られる可能性や、間接的に国益が損なわれる可能性にも備えなければならない。ところが残念なことに、新政権誕生後も、これら六項目の具体的な考え方や、これまでの事前協議の内容が全く開示されていないし、国民的議論も行われていない。
 この段階で、首脳会談におけるTPP交渉参加の判断は、絶対に認めることはできない」。
 自民党の外交・経済連携調査会は二月二七日に、コメ、麦、牛肉、乳製品など農林水産物の重要品目は関税を残すこと、自動車の安全基準を損なわない、国民皆保険制度と公的薬価制度を守る、食の安全安心の維持、ISD条項拒否、政府調達や金融サービスは日本の特性を踏まえると自民党政権公約 の六項目を列挙した決議文をまとめたが、「国益が損なわないように」と交渉参加容認に退きはじめている。
 TPP交渉参加は、重大な局面に来ている。参加表明させない闘いを院内外で展開していくことが重要だ。自民党は政権公約を守れ!職場、地域から反対の声をあげよう!
          (H)

3・5緊急拡大行動アピール文

TPP交渉参加断固反対

 二月二三日の日米首脳会談で、「日米共同声明」なる文書が出され、安倍首相はTPP交渉参加に踏み出す意向を表明しました。その後、マスメディアはTPPを「関税問題」だけに矮小化し、日本の交渉参加があたかもきまったかのような報道を繰り返し流しています。
 しかし今回の日米首脳会談は、あくまでも日米のおもわくのすり合わせにすぎません。日本の「交渉参加」は表明されておらず、しかも日本が正式にTPP交渉に参加するには、すべての参加国の承認が必要です。
 TPPは、農業、医療、雇用、労働、保険、食の安全、地域経済など、私たちの暮らしのあらゆる面に影響する協定です。また、TPPは単なる貿易協定ではなく、米国・日本の大企業の利潤追求の手段に他なりません。TPPは、私たち一人一人の暮らしと社会そのものを大企業に従属させ、人間が生きる根本である農業を解体させ、仕事を奪い、主権を奪います。それは、弱肉強食と自己責任がまかり通るすさまじい新自由主義への道です。
 今日ここに集まった私たちは、国境や国籍、人種や民族を越えて平和と平等と民主主義、すべての人間尊重、自然との共生を大切にしたいという思いを持っています。TPPはその理念と真っ向から対立します。いま、日本全国では、さらにTPP反対の声が巻き起こっています。先の総選挙で自民党を信じ、投票した有権者も、大きな不安と不信を抱いています。私たちはその人びとと強く連帯しつつ、改めてTPP交渉参加反対を訴えます。
 安倍首相と自公政権は、TPPに関する六項目の公約を守れ! 有権者への裏切りは絶対許されません! TPP交渉参加は、絶対反対!TPPでは生きられない! すべての人たちに、生きる権利と 希望を!
 二〇一三年三月五日
 STOP TPP 首相官邸前アクション三・五緊急拡大行動 参加者一同

岩国 3月5日〜8日連続行動

オスプレイ低空飛行訓練に抗議

米軍と日本の二重基準を許すな



突然「オレンジ・
ルート」に変更
 沖縄で傍若無人の訓練を繰り返しているオスプレイの本土初訓練が行われると二月二八日報道あり。二〇一二年六月に公表されたオスプレイの「環境レビュー」を振り返ると、「一定の訓練については、キャンプ富士及び岩国飛行場にて、また日本本土及び沖縄北方の太平洋上にある六つの航法経路に沿って実施されると見込んでいる。加えて、MV―22中隊の一部が時折、他の米軍施設に飛行することもありうる」。さらに「米海兵隊は、毎月二、三日間、二〜六機のMV―22をキャンプ富士及び岩国飛行場に派遣する」ことを見込み、「航法訓練は、展開中、一日当たり一つ、または一つ以上の航法経路を使いながら、航法経路上で実施される」とある。
 三月五日地元岩国では、岩国市への申し入れ、市役所前での抗議集会、夕方の屋内集会が開催された。広島市内でも「オスプレイの配備と米軍機低空飛行を許さない市民ネットワーク準備会」が街頭宣伝を行った。ピースリンク広島・呉・岩国は東京での反安保実行委員会の防衛省抗議行動にあわせて申入書を提出した。
 九州各地との監視行動の連絡を取り合っているさ中、米軍は、突然、飛行ルートを九州の「イエロールート」から、四国・和歌山の「オレンジルート」に変更すると防衛省に伝えてきた。三時頃、防衛省が発表。陸自が日生台で迫撃砲の演習をするので変更とのことだが、日米の事前の調整も何もしてないことの証拠だ。米軍側は、従来から自分で決めて勝手にやってきているということ。
 三月六日朝から岩国基地周辺では抗議・監視のために大川清さんやピースリンクのメンバーが集まった。この日の監視活動担当団体は「住民投票の成果を活かす会」。
 結局、午後一時、沖縄・普天間を離陸したオスプレイは、岩国に直接来ずに、四国オレンジルートで低空飛行訓練をしてから四時前に岩国基地に飛来した。このとき、現地の人々は怒りのシュプレヒコールをあげた。
 七日、まったく動きが見られず、午後七時から三〇分間、岩国基地の周りを二機編隊で、離陸・旋回・着陸するのを四回繰り返し、七時四六分に四国方面に飛び立ち、夜間飛行訓練を行い、八時半に岩国基地に着陸。八日午後一時、三機が岩国基地を離陸して、三時一九分、普天間に着陸。

本格的訓練の
ための地ならし
 湯浅一郎さんは言う。「米軍が低空飛行訓練について、ここまで予告するのは戦後日本史で初めてのことではないか? ある意味では画期的なこと。関係自治体がこぞって反対することを無視する、民主主義否定の現実を告発することが重要」。
 「これは、民主主義の否定であり、日米政府にとって一番痛い部分。申入書を受け取った日本政府に響き、重荷になるような内容が含まれるべき。日本政府としての姿勢を変えねばならないと思わせる部分が重要。米国と日本で、あまりにもやり方が違う二重基準を追及する運動が必要だ 」。また、三日間張り付いた戸村良人さんによると「本格的訓練にはいきなりでは入れず、様子見、地ならしだけで帰ったようだ」との感想があった。
 今後の低空飛行訓練にも各地のネットワークで米軍を監視・包囲し広範な市民の怒りの声を沖縄の世論と結び付け、日米地位協定・日米安保条約そのものを問題にする運動につなげていこう。    (久野成章)


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