2.23原発事故被害者の政策要求実現を集会
分断と差別を許すな 住宅、雇用、医療、生活保障をかちとるぞ
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支援法に基づく
施策整備が急務
二月二三日、福島原発事故緊急会議が主催し、東京・文京区民センターで「原発事故被害者の政策要求を後押ししよう!市民集会」が行われた。集会には八〇人が集まった。
昨年六月、超党派の国会議員による議員立法で「東京電力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるために被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(略称:原発事故子ども・被災者支援法)が成立した。同法には、原発事故被災者の幅広い支援、人びとの在留・帰還・避難を選択する権利の尊重、子ども(胎児をふくむ)の健康被害の未然防止、健康診断、医療費の減免などが盛り込まれている。また国が「これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的責任を負っている」ことも明記されている。
しかしこの原発事故子ども・被災者支援法は、理念法にとどまっており、この法律にもとづく「国の責任」において避難した人、とどまった人びと双方に支援・補償を行う関連法の制定、具体的措置・予算などは全くと言っていいほど実行に移されていない。こうした状況の中で「原発事故・子ども被災者支援法」市民会議が作られ、同法に盛られた基本的考え方を政策として実行に移すためのロビー活動が取り組まれている。この日の集会は、脱原発運動の全体の課題として、福島の被災者や避難を余儀なくされてきた人びとの要求を実現する「後押し」のために設定された。
積極的意味
のある規定
最初に「市民会議」でも活動している国際環境NGO FoE Japanの満田夏花さんが「続く原発震災の被害 『原発事故子ども・被災者支援法』の理念は実現するか?」と題して報告した。満田さんは、被害への補償が年間二〇msvで分断されていること、計画的避難区域以外でも汚染の激しいところが数多く存在すること、除染の効果が限定的なものでしかないことを指摘した上で、「支援法」の意義について明らかにした。
支援法が政府の指示による「避難区域」よりも広い地域を「支援対象地域」としたことには大きな意味がある。ここで言う「支援対象区域」とは「その地域における放射能量が政府による避難に係る指示が行われるべき基準を下回っているが一定の基準以上である地域」である。同法はこうして避難区域に指定されていない地域への「医療の確保、食の安全確保、自然体験活動等の施策、家族と離れて暮らすことになった子どもへの支援、除染、学校給食への放射能物質の検査」を規定する。
また「支援対象地域」から避難した被災者への移動の支援、移動先での住宅確保、就業支援、避難先での公共サービスを受ける権利、家族と離れて暮らす子どもへの支援、帰還する被災者への支援、放射線による健康被害に関する調査と医療の提供、医療費の減免なども盛られている。
しかし二年経った今も、問題はまさにこれからなのであり、今後「支援法」に基づく具体的施策の実現のために、被害者の要求を支える運動を国、自治体に対して作り出していく重要性を満田さんは訴えた。
「棄民」政策と
「留置」政策
次に、いわき市議会議員で前日の福島告訴団の地検、東電に対する闘い(前号参照)でも告訴団副団長として先頭に立った佐藤和良さんが報告した。佐藤さんは原発事故によって一六万人の福島県民が避難を余儀なくされ、一九〇万人の福島県民の多くが汚染地域で放射能から身を守る闘いを行っている中で、国と県は何をやってきたかと厳しく問うた。
「国がやっていることは棄民政策だ。他方県がやっているのは『留置』政策。つまり福島県民を県内にとどめ置くことだ。このやり方を全国の力で押し返していかなければ県民にとっての困難は解決されない」。
「福島では二〇msvによる線引きで県民の分断・差別が行われている。今、いわき市では三三万人の人口に八町村の二万四〇〇〇人が避難してきている。さらに三〇〇〇人が被ばく労働に従事しており、その人たちもいわき市内から出かけている。ゴミ、教育、渋滞などでざわついた空気が流れており、仮設住宅に止めてある車が壊されたり、市役所の庁舎に『被災者は帰れ』といった差別的落書きが書かれたりしている。それは先ほどの二〇msvによる住民分断と関わっており、計画的避難区域の住民には一人当たり月一〇万円の補償が出ているが、そこから少しでもはずれると支払われないことに関連している」。
「いま除染・帰還が大きな流れになっている。大熊町の町長も、町内に住めるとろはあると言いだした。しかし実際は『除染』したところで帰ることはできない。避難した住民が次の生活に踏み出せるためにも全面的な補償が必要だ。しかし国や東電は計画的避難区域指定解除によって一円でも補償を値切ろうとしている。健康管理手帳によって医療費を全額保障すべきだ。働けなければ生活できないのだから。全国的な運動として被害者を支えることが、いま何よりも重要だ」。
佐藤さんの報告に続いて、フロアから郡山市の森園かずえさんも発言した。
除染・被ばく
労働と国の責任
次に、被ばく労働を考えるネットワークから中村光男さんが報告した。
中村さんは、二〇一一年の三月に足立区の武道館に震災・津波と福島原発事故から避難してきた住民への炊き出し支援をしてきたことから取り組みが始まったと報告。「住宅は人と人とのつながりを維持するための保障だ。公的住宅とコミュニティーを国の責任で作らせなければならない」と強調した。
その上で、除染・被ばく労働の現状について次のように訴えた。
「いま、いわき市湯本の旅館街には三〜四〇〇〇人の原発労働者と三〇〇〇人の除染労働者が入っている。原発労働者が除染労働者と重なっている。除染労働には一日当たり一万円の危険手当が支払われることになっているが、二次下請けではそれが二〇〇〇円、三次下請けでは一〇〇円という例がある。すさまじいピンハネだ。田村市の除染でのピンハネでは東電の下請企業が関わっている。国は労働者と企業の間の契約問題で国は関知しないと言っているが、国の責任だ! この除染・被ばく労働における国の責任をただし、原発の抑圧システムを撃つ必要がある」。
質疑応答の後、三月一一日の「原発事故から2年、フクシマを返せ、再稼働反対 東電前アクション〜賠償、被ばく労働の責任をとことん取らせよう」(午後7時、東京電力本店前)と三月一二日の「原発事故から二年、早く被害者への支援・補償政策を」国会前アクション(午後六時〜八時)の呼びかけが行われた。
「原発事故 子ども・被災者支援法」を具体的な政策として実現させることが求められている、 (K)
2.17「日の丸・君が代」強制反対・集会とデモ
国家主義的教育統制・処分
乱発に抗する社会的反撃へ
【神奈川】二月一七日、「日の丸・君が代」の強制を跳ね返す神奈川集会・デモをおこなった。開港記念会館の集会では「日の丸・君が代」強制反対ホットライン・大阪の寺本勉さんを呼んで、前年に引き続き「橋下状況」にどう対抗していくかを考えた。
大阪の学校教育
現場から報告
寺本さんは、安倍首相と橋下大阪府知事の近似性を指摘した。安倍が教育再生実行会議を中心に、家庭教育から変えようという決意は、中教審委員に桜井よしこ、男女共同参画委員に高橋史郎をすえた布陣にもあらわれている。高橋はかつて大阪で「維新の会」が提出して頓挫した「家庭教育支援条例」案のなかで「発達障害は親のせい」という発言をして問題になった。
そして二〇〇八年に橋下が府知事就任して以来の「日の丸・君が代」状況を参加者は寺本さんと振り返った。それまで普通に不起立が出来ていたのが、門真でのキャンペーンに始まって、二〇一二年卒業式後に起立斉唱強制条例による処分にまで橋下の攻撃は行き着いたのである。寺本さんは、教員の梅原さんを支援する会の出すニュースを配布して紹介した。日本維新の会・西田薫府議会議員が来賓として「ルールを守れない教員がいることは残念」だという発言をしたときに、不起立をチェックされた当の教員が梅原さんだった。梅原さんは処分に対して人事委員会申し立てをして、たたかっている。当時の生徒などに便りを出して近況を伝え、激励の電話をしたり、面会しに来る卒業生もいるという。
橋下は学校教育に対して何から手をつけたのか。非正規職員クビ切り(三四六人)、非正規職員賃金カット、私学助成打ち切り(一部無償化)である。その結果、大阪府財政が好転したと橋下は豪語したが、計算方法をすりかえているため負債がかえって増えているといわれている。
その結果、学校教育にどのようなことがおきたのか、それは退職金切り下げにともなう早期退職騒動を引き起こし、非常勤講師の欠乏ともなった。また受験者の定員割れ続出も見られるが、、学校選択制とあいまって橋下など新自由主義者が公立校の統廃合を狙う口実ともなっているという。
学校の空洞化は採用辞退者の増加、また校長公募制の結果、教頭などの管理職を引き受けない傾向となって現れた。非正規職員の率は二二・一%(二〇一二・五)と上昇した。
競争・自己責任
思考停止を強制
寺本さんは、大阪公教育から人が流出するという事態の他に、橋下は教員に職務専念ではなく、首長に対する忠誠義務を課そうと試み、競争、自己責任、思考停止を生徒に求めているとみる。
そのうえで橋下以前から「君が代」起立強制、教員評価システムについて変化はあったことを思い起こさなければならないし、変化を加速させる上で条例が持つ縛りの効果は予想以上だったことを感じているという。西成などに見られる教育特区構想は地域を作り変えるもくろみであり、教職員組合の有名無実化をすすめれば、教育民営化への道をより進むことになるだろうと結論付けた。
この流れに対し、「橋下でいいやん」というふわっとした支持の層にどう切り込むかという課題がある。橋下の支持の源は、世論の吸い上げ、転換のすばやさ、恥のなさ、である。そして、日本維新の会は大阪府内の選挙ではほぼ負けなしである。非正規労働者を組織できなかった労働組合の問題、若い人が憲法を支えとしていない状況などからしつこく取り組もうと寺本さんは呼びかけた。また、組合活動アンケートの撤回、ウイスコンシン州でアメリカ憲法に依拠しておこなった議会占拠闘争など、反撃の事例を寺本さんと共有できた。
神奈川と各地
を結ぶ闘いを
寺本さんの話に先立ち、神奈川から「君が代」不起立教員氏名収集が条例に違反している件で、最高裁に上告中の裁判の経過を外山喜久男さんが紹介した。高裁では思想信条情報であることさえ認めなかったが、二〇一二年は式の後に指導主事などが訪ねてくるということがあり、何が起こるかわからない。国際人権擁護委員会への働きかけを紹介し、最高裁へ提出する署名活動を呼びかけた。
この裁判を担当する阪田勝彦弁護士から自民党の憲法改正草案について解説があった。「公共の福祉」、「自由をおかしてはならない」という文言などを巧妙に書き換えていると指摘し、「人権尊重というより人権制約できるという宣言だ。上から目線、やりすぎ草案に対抗していく」と述べた。九六条発議要件改定問題については、代議制と直接民主主義の問題点を含め、見解が示された。なお、ふぇみん婦人民主クラブの山下治子さんからも憲法審査会の状況報告があリ、付帯決議をおろそかにさせないためにも監視していく必要を訴えた。山下さんは、集団的自衛権について「安保法制懇」答申が憲法に反しないと言い切った様を批判し、「日本国憲法のままでは占領下にある」というプロパガンダがばら撒かれている、と憤然としたアピールをおこなった。
アピールは続き、田中聡史さん(板橋特別支援学校)は、二〇一二最高裁判決に至る経緯と意義と不当性を淡々と述べ、裁判所でさえ過剰な処分を戒めたにもかかわらず、田中さんの場合十回以上「再発防止研修」に呼び出すという新たな嫌がらせを糾弾した。
木元茂夫さん(すべての基地にNO!を・ファイト神奈川)からは、カリフォルニア州での日米合同演習でオスプレイMV22に陸上自衛隊員が搭乗して着陸訓練をおこなったが、実戦的ともいえず、導入決定していない機種について隊員が「活用の機会」を持った件、PKO参加自衛隊員一六八人と天皇皇后の面会(二月一四日)した件について注意喚起し、毎年七〇人以上の自殺者を出す一方で自衛隊が、米軍などとの演習で対外的な挑発を続ける状況を報告した。
「やってる場合か!東京国体」梶川彩さんからこの間の集会報告、国体のゆるきゃら「ゆりーと」が三多摩地区に氾濫している状況など報告があり、体罰問題などが明らかにしたスポーツと国家主義の矛盾、儀式に天皇をすえるというやり方に対し、抗議するためデモを企画するという告知があった。
女性と天皇制研究会の首藤久美子さんからは、引き続きの「反逆の女たちに出逢いなおす」連続講座企画の紹介、大阪府警による被弾圧者への救援呼びかけ、なかでも病気にかかわらず長期拘留を強いられているぱぉんさんの釈放を求める署名の呼びかけがあった。 今回も伊勢佐木町モールを通るデモは「日の丸・君が代」強制、教職員の処分、不当弾圧、憲法改悪を止めろと訴えて進んだ。警察は、特高風に遠目から分散して監視する私服警官、不祥事報道続出で意気の上がらない制服警官を多数動員してきた。寺本さんが言うように、軍隊時代の体質そのままに教育現場、労働現場に持ち込まれた体罰、いじめの体質は「日の丸・君が代」強制とつながる問題でもあると、警察を見てなおさら感じる。デモに参加した約五〇人は街頭での行動を終了した。 (海)
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