かけはし重要記事

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国労第70回全国大会                 かけはし2002.12.9号より

闘争団切り捨て除名と国労の流れ解散を許さず闘いぬこう

政府与党に見放された本部執行部

 十一月二十四日〜二十五日、東京・社会文化会館で、国労第七十回定期全国大会が開催された。一日目、解決案を引き出せなかった執行責任を無視した経過報告の本部原案は、賛成七十四票、反対二十四、保留と白票十二で賛成多数で承認された。
 二日目は方針案討議が行われ、「四党合意」反対派の二つの一部差し替え修正動議は両方とも少数否決され、四党合意にしがみつき闘争団を切捨てる本部方針原案が、賛成七十五、反対二十七、白票七、棄権一で承認された。
 また査問委員会の報告案件は、国労から分裂脱退しJR東日本ユニオン労働組合を結成した元新井中執ら十五人の除名を賛成多数で承認、鉄建公団訴訟の原告闘争団に関しては査問委員会解散の動議が出されたが小数否決、継続設置扱いとなった。またスト基金の取り崩し(注)の案件については運用規則に従わず一年間の職場討議に付することになった。
 大会冒頭、高嶋委員長は「政治解決を見極める」ために開催延期となったなど「四党合意」の破産を認めざるを得ない経過にもかかわらず、開き直り、破綻の責任をすべて「一部闘争団」に押しつけ、「毅然かつ適切な措置を取る」などと闘う闘争団憎しに満ちあふれた「委員長あいさつ」を行った。
 議案の経過報告では、「与党は、鉄建公団訴訟と最高裁第三者申し立て取り下げに結果を出したら解決促進すると言うが、現状では取り下げは困難だ」と、こう着状態を説明、事実上の敗北宣言を行った。にもかかわらず寺内書記長は「鉄建公団訴訟原告二百八十人が二ケタまでなれば解決案が出る」と発言、解決案が出たとしても甘利の「ゼロかプラスアルファしかない」等の回答については「最高裁で敗訴したらゼロ。プラスアルファとはJR復帰もあるということ」と自分勝手な解釈を行った。
 書記長集約では「四党合意を破棄すべきという対応は、国労自身が政治解決を否定し閉ざす選択であり絶対取ってはならない選択」と発言した。委員長あいさつと寺内答弁は、解決を政府与党に白紙委任してでも国鉄闘争を終結するために「闘争団を切り捨てる」と言っているに等しい。
 本部支持派の代議員の主張のトーンは、「最高裁判決前にどんな解決でも出させるべき」「国労の連合体化は必然」という発言や、労使共同宣言に道を開く「総合労働協約」の締結に踏み込もうとする発言に見られるように、闘争団を切り捨て、労使協調に積極的に踏み出そうとする基調を示していた。
 「四党合意」反対派は「四党合意」の破綻を強調、ILO闘争の再建、政府JRの責任追求、査問委員会の解散、生活援助金凍結への非難、スト基金の取り崩しに反対することを基調としていた。
 (注)スト基金取り崩しとは、運用規則ではストの救済でしか使用できない十三億円あると言われるスト基金(一人月五百円)から八億五千万円を取り崩し、書記などの退職基金として四億二千万円、組合機関離職専従役員の退職基金として儀救基金一億三千万円、エリア基金に三億円振り替えるというもの。
 それはストはもう打たない、書記と専従役員の退職金のために取り崩せ、ついでにエリア本部にも手切れ金を出し好きに使わせろという、組合員の財産の破壊と分捕りのこと。他にも専従役員によるカンパ金、組合資金の流用、マネーロンダリングの事実が暴露され追及されようとしている。
 総辞職を求める動議と、方針案の全面差し替えの動議は、提案者不足で議事運営委員会で却下され、結果的に方針案に関わる修正動議は前述した二本に絞られた。
 一本は政府・JR・鉄建公団の責任を追及する大衆運動の強化と、単一組織防衛を求める東京地本中央支部代議員他九人による修正動議。二本目は、四党合意破棄、裁判闘争とILO闘争の再構築と鉄建公団訴訟の組織的取り組みを求めた、高崎地本代議員他九人の修正動議で、それぞれ二十三票、二十一票の賛成少数で否決された。
 そして「四党合意」にしがみつき闘争団切捨てを基本とした本部方針原案が承認された。基礎票の比率は前回大会とほとんど変化がないが、本部支持票はぎりぎり代議員総数の三分の二を超えていて、臨時大会でどんな内容であれ除名処分を含む本部方針を強行する危険があるという結果を残した。
 紛糾した議題は二つあった。一つは査問委員会報告で、鉄建公団訴訟闘争団原告については「対象者が多数で物理的に時間が必要」ということで査問委員会継続を報告したのに対し、「その大会のみ効力がある」という査問委員会規則や大会決定をもとに、査問委員会解散の動議を提出。紛糾するなか、七十三票の賛成多数で査問委員会継続が強行決定された。
 二つ目は、スト基金の取り崩しをめぐる問題。「スト基金の運用について」という議題で、ストライキでの賃金補償以外に使用できないという運用規則第一条も無視して取り崩してしまおうという提案。直前に公表され批判にさらされていた問題である。
 当日になって「一年間の職場討議にかける」という提案のし直しに、削除の動議が出され紛糾。しかし動議は少数否決された。
 規約、規則の改正には大会で三分の二の代議員の同意が必要であるにもかかわらず、「運用」で取り崩すことは規則違反である。組合民主主義の限りなき破壊と、組合費・闘争資金の目的外使用、組合資産の背任横領と私的散財の増大は、自治労以上に国労が頭から腐ってしまっていることを明らかにした。
 しかし高嶋・寺内執行部は、総辞職せず、旧社会党党員協の締めつけと革同(共産党)の中間的立場によって居残り、残り一年の任期を確保した。
 大会後、自民党の甘利は「誠意ある対応がなければ、四党合意離脱を」と述べ、採用差別裁判最高裁訴訟の取下げと鉄建公団訴訟の取り下げに応じない闘争団原告の除名を求めるどう喝をかけてきている。
 このどう喝を後ろ盾とした高嶋・寺内執行部による、臨時大会開催などでの闘争団切捨て除名攻撃と国労流れ解散の攻撃に反撃していかなければならない。

 JR東日本では、完全民営化達成のもと、大会を前にしたJR総連内部分解と警察権力の介入、国労へのさらなるどう喝を通して、JR内労組の再編攻撃が政府・JRによるコントロールの枠組みのなかで進められようとしている。
 当日急きょ挿入された議案に、JR総連活動家の退職強要容疑での逮捕とJR総連事務所・松崎前顧問宅・JR東日本会社などの家宅捜索が二度にわたって行われたことに対して、国労内に「労使正常化委員会」を設置することを中心に、JR東日本の労務政策の転換を求める取り組みを書き込んである。
 問題なのは労務政策転換の柱として「明るく働きやすい職場つくり」を掲げていることである。東日本本部の方針原案でも「心から笑顔でサービスができる仕事総点検運動」とか「心から笑顔で仕事ができる」とかの文言があふれ出ている。反合理化闘争とか点検摘発、不当労働行為根絶の取り組みの強化などがおざなりにされる方向性がよく表現されている。
 それは国労を、JR総連に代わる会社にとってより都合の良い労使協調的パートナーとして押し出そうとする傾向をはっきりと示している。国労の名称変更、全国単一労働組合の解体と連合体化、JR連合との合流を推し進めようとする九八年補強五項目の本格的動きが、総合労働協約の締結問題、スト基金問題、「労使正常化委員会」(仮称)の設置に関わる方針、などを通して先行的に開始されていることで、この方向性が浮き彫りにされている。
 国労の流れ解散を許さず、闘争団切捨てを許さず、一人の首切りも許さない労働組合の基本を守る闘いで反撃に打って出よう。
 大会が開催された社会文化会館周辺は、数百の重装備機動隊と装甲車、機動隊のバスによって今まで以上に密集包囲され、大会代議員と極端に制限された傍聴者以外はアリ一匹通さない、労働組合の大会とは信じられない警戒下に四度目も置かれた。
 入場できなかった闘争団、国労組合員、支援の仲間たち約三百人は、二日間とも封鎖された会場前のバリケードと鉄柵の狭い通路にひしめき合うように、立ったり座ったりしながら冷え切った空気や降りしきる雨の中で大会を見守り、集会を行った。「四党合意を破棄しろ」「闘争団の切捨てを許さないぞ」などのシュプレヒコールが繰り返され、代議員を激励し本部に抗議し、警察の介入を糾弾した。
 高崎地本の旗の下、同地本国労組合員の司会で始められた会場前集会では、勝利させる共闘会議の星野副議長、闘う闘争団の代表や全国の鉄建公団訴訟の闘争団原告、国労に人権と民主主義を取り戻す会の共同代表、十月に不当逮捕された国労組合員の家族、鉄建公団訴訟弁護団、生活援助金凍結禁止の仮処分弁護団、国鉄闘争女性応援団、「人らしく生きよう」上映実行委員会、全国の国労闘争団、千葉動労争議団、国労組合員、支援の仲間が次々に発言に立った。
 それぞれが闘争団の切捨てを糾弾し、四党合意を批判し、政府・JR・鉄建公団の責任追及を要求し、一〇四七人の解雇撤回をかちとろうと決意表明や連帯のあいさつを行った。
 集会の幾つかの発言から、「人らしく生きよう」上映運動や連鎖集会は全国に若く新しい国鉄闘争の支援者を生み出し、闘争団を勇気づけ団結を強化し、ますます活動的な闘争団に打ち鍛えられているのが実感できる。またJR職場国労組合員も、本部不信と四党合意の混迷による集中力の拡散に抗しながら本部に抗議をたたきつけ、国鉄闘争の再建の取り組みを闘争団とともに推し進めている報告があった。会場前集会は二日目の大会終了の真っ暗な夜まで続けられた。
 大会終了後、会場前集会に駆けつけた代議員の報告後、最後に立った闘う闘争団内田代表は、昼の集会での「解雇された事実は変わらない。小手先ではどうにも進まない。大会がどう決めようが道理を尽くして闘う以外にない」という発言を引き継いで、「数が少なくたってめげずに団結して頑張れば展望は開かれていく」と淡々と決意を述べ、団結頑張ろうで行動を締めくくった。
 十二月十六日、鉄建公団訴訟第三回公判が開かれ、全一日行動の夜には全国連鎖集会の締めくくりとして全国大会と同じ社会文化会館で東京集会が開催される。鉄建公団訴訟の勝利のために結集しともに闘おう。(11月28日 蒲田 宏)



全国大会直後に政府与党が「四党合意」破棄を通告

高嶋・寺内執行部は総退陣せよ


 国労全国大会後の十一月二十九日、与党三党担当者会議が開かれ、週明けに社民党に「合意破棄」を通告することを決定したと新聞報道された。「いままでより後退し事態が悪くなった」大会で解決案を示すように求めたことについて「責任を転嫁している」との与党の発言である。これは、国労本部執行部が、採用差別最高裁訴訟の取り下げも、鉄建公団訴訟の切り崩しも、闘う闘争団の除名もできなかったことに対する報復措置である。政府与党が国労闘争団に責任を押しつけ、白紙委任ばかりを求め、解決の責任を取ろうとしないことを糾弾する。
 その報道に対し、高嶋委員長は「国労が条件整備で努力している時点で与党が解消方針を決めたことは到底納得ができない。翻意を強く促したい」とコメントを発した。政府与党に国鉄闘争を終結させる指導力のなさを批判され、突き放されたのに、まだ与党三党にすがりつこうとしているのだ。
 「四党合意」は名実ともに崩壊した。最高裁判決が早まる危険が生じてくる。大会で承認された「四党合意」を実現するILO勧告にもとづく解決の方針では闘えないことは明らかである。地裁、高裁判決がILO条約違反とする条約勧告適用専門委員会への取り組みから初めて、ILO闘争の再構築を図る必要がある。
 同時に鉄建公団訴訟の闘いを組織として取り組むこと、当然それは生活援助金の凍結を撤回することでもある。そして政府、JR、鉄建公団追及の闘いを通して国労の崩れかけた団結を取り戻し、闘争団のJR復帰の闘いと不当労働行為根絶の職場での取り組みを強く結びなおすことでもある。しかしそれには高嶋・寺内執行部の総退陣と執行部の刷新が必要であるだろう。(11月30日 蒲田 宏)

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