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    かけはし2012.年12月3日号

ガザでの虐殺をすぐやめろ


11.18イスラエル大使館に緊急抗議



地上戦も準備
したイスラエル
 一一月一八日、ガザ攻撃を止めろ! イスラエル大使館前緊急行動が有志の呼びかけで行われた。
 一一月一四日、イスラエルはパレスチナのガザで、ハマスの幹部アフマド・ジャアバリ氏の乗った車を空爆し、ガザへの大規模な攻撃を開始した。この空爆はきわめて執拗であり一一月一五日以来で約九五〇回にのぼり、ガザ自治政府の建物も破壊されている。一八日午前九時段階で少なくとも四〇人の死者が出ている。すでにイスラエルの予備役兵七万五〇〇〇人が動員され、大規模な地上侵攻作戦も準備されている。
 このイスラエルの理不尽きわまる暴挙に対して国際的な抗議の声が高まっている。この日の行動は前日に呼びかけられたものだが、緊急の呼びかけにもかかわらず午後二時からのイスラエル大使館前行動には七〇人が集まった。イスラエル大使館方面に曲がる角で待ち受けていた麹町署の警官は、拡声機を使うのは住民の苦情があるのでやめろと不当な規制をかけてきた。今までになかったことだ。参加者はこうした規制を拒否して、堂々と一時間以上にわたって抗議活動を貫いた。

国家テロ擁護
するオバマ
 最初に「ミーダーン・パレスチナ対話のための広場」の田浪亜央江さんが、行動の趣旨を説明した後、パレスチナ現代史研究者の奈良本英佑さんが今回のイスラエルの暴挙の背景について説明した。
 「イスラエルでは来年一月に国会選挙が行われる。今回の軍事作戦は選挙で有利な立場に立つことを狙ったきわめて計画的・意識的な行動だ。そもそもネタニヤフ政権とハマスの間では、停戦交渉がまとまりかけており、その交渉の最中に相手の司令官を殺害するのはぶちこわし以外のなにものでもない。その数日前にはイスラエル軍の司令官はシリア戦線の視察に出向いていた。それはガザ攻撃がないと思わせるための陽動作戦だった。これを『イスラエルの自衛権の行使』として容認したオバマ米大統領も弾劾しなければならない」。
 パレスチナ子どものキャンペーンの仲間は、「四年前のガザ空爆も選挙を目前にした時期だった。シオニズム国家の本質がここに現れている」と批判した。
 その後、行動参加者にマイクをまわして一言アピールが行われ、さらにヘブライ語、アラビア語、英語、日本語で「占領やめろ」「壁はいらない」「破壊はうんざり」などのシュプレヒコールが塀の向こうのイスラエル大使館に向けて何回も繰り返された。アラブ人男性からのシオニスト国家とそれを支える米国への怒りの発言も行われた。
 この日のイスラエル大使館への申し入れ文書は、イスラエル大使館がかつては門に設置されていた郵便ポストも取りさってしまった中で、参加者それぞれが郵送することになった。(K)
 


11.17基地づくり海づくり?

天皇沖縄訪問反対デモ


 一一月一七日、「基地づくり! 海づくり? 天皇の沖縄訪問反対! 緊急行動」実行委は、東京・水谷橋公園で集会とデモを行い、五〇人が参加した。
 天皇アキヒトとミチコは、天皇制統合装置の一つである第三二回全国豊かな海づくり大会出席(一八日)のために一七日から二〇日までの日程で沖縄県を訪問する。天皇制の侵略戦争の推進と戦争責任を反省せず、あいまい化させるために国立沖縄戦没者墓苑(一七日)、久米島(二〇日)にも渡る。天皇訪沖は、「本土資本」による乱開発と環境破壊、オスプレイの強制配備、辺野古と高江の新基地建設、普天間基地の不撤去、基地集中化、米兵による女性への暴力、自衛隊配備拡大など日米安保と沖縄支配を強化するために強行した。
 公園周辺は、大量の公安政治警察と機動隊が配置につき、面割と盗撮、不当な規制を策動してきた。沖縄現地でも天皇訪沖・海づくり大会反対行動への重弾圧態勢が敷かれ、警視庁も特科車両隊と第6機動隊の隊員およそ四〇〇人を派遣した。天皇のための暴力発動を許さず、沖縄現地行動に連帯を込めて集会を開始した。

沖縄現地から
熱いメッセージ
 どしゃぶりの雨という悪天候だったが主催者から力強く開催あいさつが行われ、「沖縄の石油基地では原油が漏れ出しており、収束作業中だ。環境破壊は続いており、辺野古に新基地を作ろうとしている。『海づくり大会』の欺まん性は明らかだ。天皇は、人々の怒りを抑えるために訪沖する。日米の方針にもとづく政治行動だ。琉球処分と沖縄戦、米軍政支配、『本土復帰』と踏みにじり続けてきた象徴天皇制の犯罪を許さない」と発言した。
 沖縄現地からまよなかしんやさん(「海づくり大会」への天皇出席反対アクション)の「久米島への発上陸は、皇軍による朝鮮人虐殺等をわい曲する動きであり断じて容認できない。アキヒトは皇位を継承したのであるからヒロヒトの戦争責任を担っている存在である。謝罪や反省をしないままの来沖を容認しない。琉球民族の自己決定権、先住権確立、脱植民地化運動を潰そうとする日米のアメとムチに屈することなく前進していこう」というメッセージが紹介された。
 吉田正司さん(沖縄・一坪反戦地主会・関東ブロック)は、「沖縄ではオスプレイ配備反対行動に対して米軍は、報復弾圧として基地周辺にある市民駐車場、市民ひろばを閉鎖してしまった。だがゲート前で毎週金曜日抗議行動が続いている。辺野古新基地のアセス評価書が出た。埋め立てして海を破壊して、なにが海づくりだ」と糾弾した。
 井上森さん(やってる場合か!「スポーツ祭東京」実行委員会)は、「天皇訪沖でメディアに出てくるのは、『歓迎』ばかりだ。国体も天皇のための行事だ。二〇一三年九月二八日から東京国体が行われる。一〇〇〇億円以上の金が使われる。無駄使いもはなはだしい。東京国体反対運動を公然と登場し続けていくことが大事だ」とアピール。
 続いて中川信明さん(靖国・天皇制問題情報センター)、国富建治さん(反安保実)の発言が行われた。
 デモに移り、銀座一帯にわたって「天皇は基地づくり海つぶしの現実を隠蔽する儀礼をやめろ!」「沖縄を日米安保の道具にするな!」のシュプレヒコールで訴えた。
 解散地点で渡辺健樹さん(日韓民衆連帯全国ネットワーク)の発言。
 続いて松本和史さん(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)は、「一一月一三日、がくろう神奈川の組合員が免状等不実記載容疑で神奈川県警公安三課によって不当逮捕された。だが横浜地裁は拘留請求を却下し、被弾圧者は一四日釈放された。県警の弾圧を許さない」と報告した。    (Y)

コラム

週刊朝日問題をどうみるか


 
 「週刊朝日」(以下・週朝)に掲載された作家・佐野眞一の記事をめぐる一連の経過が、波紋を広げている。当該文章は、差別的かつ信憑性に欠ける記述で橋下本人の怒りを買い、連載は中止に追い込まれた。
 週朝は一一月三〇日号で検証記事を掲載。活字にするまでのやりとりや、「朝日新聞社報道と人権委員会」の見解も載せている。
 総じて、今回の騒動のもっとも大きな原因は、佐野の文章そのものにある。「東電OL殺人事件」はじめ、これまで数多の労作で業界を先導してきた佐野は、本人コメントで書いているように、人物の「生まれ育った環境や〜家族の歴史を遡って取材する」ことが鉄則だと言い切る。この作風が高じたのか。「ハシシタ―奴の本性」などと敵意丸出しの見出しを掲げ、すでに他誌で書かれてきたネタを思わせぶりに再利用して、行数を稼いでいる。
 橋下は会見で「DNA論は極めて危険。ここからナチスだってユダヤ人の虐殺につながった」などと憤慨。記事の問題点を喝破して見せた。橋下に言われたくないセリフではあるが、正論である。
 今なお根強く日本社会に残る部落差別を無視しているのか、あるいは無知なのか。当該地域を特定し、マイナスイメージで取り上げ、一方的に公表することに、佐野と週朝の人権感覚が見て取れる。その行為は橋下当人ではなく、そこに住む人々を傷つけ、有形無形の不利益をもたらすことになる。
 民族や国籍や性別、出身や血脈を理由に人を貶めることは、決して許されない。橋下徹は、たとえそれが卑劣な手段であったとしても、自身に降りかかるさまざまな困難や逆境を乗り越え、はい上がってきた勝者である。複雑な人間関係の狭間を巧妙に浮遊しながら、弱者に打撃を与え、一方で人心を引きつけるノウハウを習得した強者である。
 彼は、ネット上でこれでもかと敵対勢力を罵りながら、どうにもならない出自を持ちだされれば、理路整然とした反論を公然化。そこでも民衆を味方につけていく。自身のルーツを隠したりはしなかった。むしろ出自すら権力を強化する「道具」として利用してきた。うがった見方をすれば、「リベラル朝日」はわきの甘さで、橋下が待ち望んだ大失態を演じた。佐野と編集部は、戦う前に墓穴を掘ってしまったのだ。
 こうした出来事のたびに、メディアは委縮し「言論の自由」の幅は狭められていく。ジャーナリズムは、じわじわと後退を余儀なくされる。「総理大臣になるかもしれない」と噂される橋下徹、石原慎太郎ら危険な極右ポピュリストに対し、正攻法で闘ってきた人々にとっては、迷惑千万な話である。


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