10.25がくろう弾圧から一年で集会
新たな治安政策を検証する
「安心・安全」名目に自由と人権を剥奪 |
【神奈川】がくろう弾圧から一年 忘れてないよ!一〇・二五集会には、約一〇〇人の参加者が集まった。神奈川県警は、パソコン遠隔操作を見抜けず大学生を冤罪逮捕したばかりだ。司会の中森圭子さんは、集会前に神奈川県警本部に対して行った抗議申し入れの様子、弾圧前後の状況を交えながら進行をつとめた。被弾圧者の池上さんから基調報告があり、がくろう弾圧の性格と警察・司法・メディアの傲慢、怠慢を網羅的に振り返った。
警察が作り出す
イメージの欺瞞
講師の清水雅彦さんは労働者としても、警察を研究する身としても、このがくろう弾圧は見過ごせない事件だとして、治安政策から分析を試みた。警察と関係する憲法の条文をはじめ、「安心・安全」フレーズに見られる生活安全警察の成り立ち、公安警察だけでなく交通警察、地域警察にも増えている「ゼロ・トレランス」(微罪を重大犯罪と同等に取り締まる手法)の具体例を紹介した。警察理論誌,情報誌における、たとえば職務質問イコール荷物検査と言い張る文章などからは、憲法を無視する警察の姿しか浮かんでこない。二〇〇三年から刑法犯認知件数は減少しているにもかかわらず、「体感治安」などの言葉を駆使して、警察組織は一〇年間で約二万人の増員を果たす。その中で、警備部門の縮小と生活安全部門の増大に清水さんは着目する。安心(主観)・安全(客観)という言葉を警察はわかっていて織りまぜているという注意喚起は、警察が作るイメージの欺瞞を見るうえで重要だ。そしてがくろう弾圧も、立川、サミットをはじめとしたこれまでの弾圧とあわせ、萎縮、印象作り、警備部門のリストラ対策、自治体・民間人との連携などの点で特徴付けた。
団体アピールは、まず竪川弾圧救援会から、園さんに対する裁判の様子、迫っているといわれる第二次行政代執行阻止の攻防について報告があった。生存権、居住権とあわせ、交渉する権利を主張しながら危機感を持ってたたかう、という発言があった。寿日雇労働者組合の近藤さんからは、警察官OBを生活保護の相談窓口に配置する問題について報告があった。横浜市との三回の交渉で明らかになったことが簡潔にまとめられている。暴力団対策に用いるリストの恣意性、不正受給の実態誇張、先行して導入した都市での実態などを紹介した。竪川、OB配置、いずれの問題にも警察の腐敗がからんでいる。警察組織は焼け太り、生活困窮者は排除されていくという構造に対抗するために、憲法、警察法などに立ち返り、警察官に突きつけるということを再確認した集会だった。
がくろう神奈川
に再びの弾圧
なお、一一月一三日同じがくろう神奈川の組合員が免状等不実記載容疑で神奈川県警公安三課によって逮捕され、新聞報道もされるという事態となった。「微罪」ですらないためか、横浜地裁は拘留請求を却下し、被弾圧者は一四日釈放された。情報収集と嫌がらせ以外何の意味もない逮捕、家宅捜索を糾弾し、公安警察の好き勝手を許さないために、この弾圧の不当を宣伝していこう。 (海)
10.30大阪WTCビル住民訴訟第4回口頭弁論
移転費用支出は違法だ
橋下前知事の責任追及を
【大阪】大阪WTC住民訴訟の第四回口頭弁論が一〇月三〇日、大阪地裁大法廷で開かれた。第三回で被告側は長周期地震振動について検討した結果を出してきたが、カラーの部分が白黒だったので、改めてカラーにして出すことになった。今回、これについて原告側が反論した。
WTCビル
問題とは?
WTCビルは、一九八八年大阪市が中心になったテクノポート大阪計画に基づき、第三セクター方式で建設され、一九九五年に完成した。総事業費一一九三億円、高さ二五六mの大阪南港北の咲洲コスモスクエア(埋め立て地)に建設された超高層ビルである。アクセスの不便さやバブル崩壊により、周辺開発が進まなくなり、オフィス入居の予測が外れ、空フロアーが多かったため、大阪市の部局を入居させたりしていた。二〇一〇年大阪府が八五億円で購入した(現在は大阪府咲洲庁舎という名称になっている)。
長周期地震動について、〇七年度に大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会が設置された。専門家による検討委員会は一年かけて検討した末、〇七年度末(橋下知事は〇八年一月に就任)に一応の報告をし、その内容は学会の近畿支部のシンポジウムで報告された。断層の新しい評価手法によって予測される揺れは、従前の指針による想定の五倍以上の可能性があり、長周期地震動については継続して検討する必要がある、という内容であった。
お手盛りの
「耐震調査」
第四回口頭弁論で原告側が、@長周期地震動について被告側の提出した準備書面について反論した。橋下前知事は〇八年八月に検討委員会をつくり、議会に間に合わせるためにあまりにも拙速に結論を出した。長周期地震動は十勝沖地震で注目され、いまだ解明されていないことがあることは認めつつも、時間をかけて検討せずに、形だけをそろえただけだった。
橋下前知事は、大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会の検討結果を無視し、WTCの建築設計をした日建設計に長周期地震動の耐震調査を従前の基準でさせたのである。日建設計は利害関係のある会社である。橋下知事は、WTCビルのことをよく知っている設計会社に依頼する方がいいというのが調査依頼の理由だそうだが、そのやり方は、例えば福島原発の耐震調査を東電や経産省に依頼するのと同じことだ。公正なやり方で調査会社を選ぶべきであった。長周期地震動については、研究機関もたくさんあるし、大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会に引き続き依頼することもできたはずだ。
購入費用も移転
改修費用も違法
Aまた、WTCの購入自体が違法だから移転改修費用も当然違法な支出だと反論した。地方自治法四条一項によれば、事務所を移転するなどは条例で定めるとなっている。現在WTCには府庁機能の四割が移転し、二〇〇〇人の職員が勤務している。住宅や町づくり関係の住民生活に密着した部署が移転している。二〇一一年につくられた府市統合本部もここに入っている。移転のための条例案は二度にわたって否決されたが、それでも橋下知事は、府庁の全面移転を主張していた。彼がそれを断念したのは二〇一一年の東日本大震災の巨大な被害を知った後である。そのような経過でWTCビルは現在は咲洲第二庁舎といっている。
地方自治法四条二項によると、事務所の移転には、他の官庁との関係や交通の利便性等を検討しなければならないとされている。橋下知事は、府庁に来る府民は多くないといっていたが、府庁には毎年四〇万人が来庁している。明らかにWTCビルは利便性を欠いている。そして、その移転費用の支出も違法である。
次回口頭弁論は、一三年二月七日となった。
(T・T)
国際主義労働者全国協議会第24回総会コミュニケ
世界的危機下の闘いの
探求が求められている
(1)
国際主義労働者全国協議会は、第二四回総会を一〇月下旬に開催した。
今総会は、昨年総会以降の一年で一層の深まりを見せた世界的危機、並びにその危機の中で、ある種世界的普遍性をもってこれまでとは異なる姿と性格で登場し、事態の決定要因としての重みを見せつつある労働者民衆の新しい決起を強く意識して準備された。そこに通底していたものは、支配的上層と労働者民衆の具体的衝突の発展を伴って深まる世界的危機の只中における、そのような歴史的一時代としての特有の条件の中で、勝利を引き寄せることのできる闘いのあり方を新しい光に照らして探ることが求められている、とする問題意識だ。さらに言えば、必要な闘いは、戦後われわれが慣れ親しんできた闘いとはもちろん、ロシア革命から始まる二〇世紀の革命とも相当に異なる可能性がある、との問題意識だ。
より身近に引き寄せても、たとえば労働組合運動にあってさえ、労働者民衆の抵抗の武器であろうとする限り、あるいは民衆世界内部の生きた存在であろうとすれば、危機の時代の労働組合として、そのあり方の刷新が否応なく迫られざるを得ない。反面教師として現実にも連合はこの一年で、原発に対する姿勢を始めとして、民衆のさまざまな要求に敵対する存在としての姿を急速にあらわにしつつある。この連合の姿は、世界の中でももっとも先を行く反動事例だとはいえ、日本にのみ特有の事例ではない。まさにそれ故、世界の新しい民衆決起に刻印された、既存の労働組合運動との半ば意識された断絶は、深まる危機という時代の特性をその底におかない限り、おそらくその克服の手掛かりを与えないだろう。
(2)
二日間にわたった総会討論は、先のような問題意識を背景とした二人の同志によるレジュメ、A.「世界危機の構造と新しい民衆決起の位置―民衆の自己決定か、ブルジョア独裁の再確立か」、B.「大衆運動、労働運動の動き―日本の大衆運動 変化が始まったのか」、を導入口に進められた。
Aは、この一年世界各地に現れた危機の特徴とそこで発展している階級対立の非和解化に向かう基本的趨勢を具体的に確認した上で、危機の相乗的悪化として作用している力学を素描的に探り、特に新しい民衆決起に焦点を当てながらそこで浮上している中心的対決軸を通して、この時代を民衆の未来に向けて突き抜ける力をもった闘いの展開方向について検討点を提起した。そこでは一つの問題として、支配的上層による政治の簒奪と民衆排除の進行を前に、民衆の抵抗が、不服従の拡大、民衆的自己決定要求の高まりとして発展する趨勢と、その結果として民主主義の機能のあり方そのものが俎上に上がっていることを確認した上で、民主主義の問題が一つの重要な検討課題として提起された。そしてこれらの検討点が抽象的あるいは理論上の課題ではもはやなく、ラテンアメリカの「党なき革命」、「アラブの春」、そして現下の欧州の闘いという姿の中に具体的手掛かりが提供され、インターナショナルレベルの先端では同志たちの実践的課題となっていることが指摘された。
Bは、まず日本で新しく発展している脱原発の民衆的決起の展開を具体的に振返った上で、そこにはらまれた積極的な意味を受け止め、共に進みつつその一層の発展をになうことを前提に、維新を押し上げた動きや排外主義を煽る動きとの対抗、また沖縄の闘いとの結合などにどう準備するのかを、検討すべき課題として提起した。さらに、この一年の連合の足取り、そして支配層があらためて労働の全面的な規制解体に乗り出していることを具体的に検証した上で、われわれが歴史的に活動の足場を置いてきた労働組合運動が重大な分岐点にあるという観点から、最初の提起とも重なるものとして、労働戦線の再編にわれわれの側から踏み込む実践が必要となっていると提起した。
(3)
以上の提起に対し討論ではまず、ユーロ危機の性格、金融資本の収奪が現実の課題となっていることの意味、中国で発展する矛盾の性格とそこにおける新たな闘争主体登場の重要性などを中心に、資本主義の危機の進展が検討された。さらにその危機の進展が政治においては、世界的に民主主義を絞め殺す形で問題化している構造が検討され、事実上ブルジョアジーと労働者の共同統治体制として世界的に確立された戦後民主主義を維持する余裕がブルジョアジーになくなっていることとして、ブルジョアジーがその清算へと駆り立てられていること、それ故に、生活破壊への抵抗と民主主義要求が一体化せざるを得ないことが確認された。
また、それらに対応し得る闘いのあり方を労働運動の刷新を一体として追求する観点から、現実にぶつかっている問題を素材とする意見交換の上で、いくつかの具体的提案も行われた。その議論の中では、支配側が仕掛けている中国との「領土」問題が検討され、日本が行った「領有」が帝国主義的簒奪であったという事実の確認とその自己批判を出発点とすべきこと、その上で、「旧に復する」ことの現在的意味を、特に民衆のアジアをめざすという観点から民衆の共同として探求する方向性が確認された。
総会はこれらの討論がほんの入り口であることを確認し、討論を継続し深めるために論点をさらに整理することを運営委員会の任務とした。なお、日本における政治再編、差し迫る総選挙への対応については、労働者民衆の抵抗の拡大を基本任務とした上で、具体的要求を軸とした対応を行うこととした。
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