12.6JAL不当解雇撤回
控訴審 勝利をつかむ大集会
無法な働かせ方を打ち砕く 力合わせ一段の連帯拡大へ
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運動の広がり
の追求に力点
一二月六日午後六時半から豊島公会堂を会場に、JALによる不当解雇を撤回させる闘いの一段の強化をめざし、「12・6控訴審 勝利をつかむ大集会」が開催された。東京都知事選、総選挙とふだんに増して活動が立て込むさ中ではあったが、六六〇人以上の労働者市民がかけつけた。主催は日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議(以下支援共闘)。
東京地裁は三月末、合理性のかけらもなく、労働組合破壊だけが目的であることが明白な日航による整理解雇をそのまま認めるという、言語同断な不当判決を下していた。会社更生下では何でもありとばかりに、整理解雇四要件はいとも簡単に踏みつけにされ、露骨異様な不当労働行為は見向きもされなかった。まさに、今社会に広がりつつある無茶苦茶な労働者の権利破壊に先鞭をつけるような判決だった。
この屈辱の日から七カ月、原告団と支援共闘はあらためて闘争態勢を固めさまざまな行動を重ねながら、この日ついに乗員原告団について第一回の控訴審を迎えることになった。一二月一四日には客乗原告団の控訴審が予定されている。この日の集会は、この節目をとらえ、社会に広がる無法な働かせ方の横行を打ち砕く闘いの一翼にJALの闘いをしっかりと組み込み、その中で文字通り「勝利をつかみ取る」べく準備されたもの。
その決意を込めて集会前段企画として、姫路を出発点、今集会を終結点とし、二府六県を貫く東海道キャラバンが成功の内に展開された。一方本集会とまさに一体の闘いである昼の控訴審には、約二〇〇人の労働者市民が結集、抽選で入場できた傍聴団が大法廷を埋め尽くし審理を監視した。
この法廷では会社側は相も変わらず傲慢に、第一回での審理打ち切りと控訴棄却を要求した。それに対し原告側は、解雇の不要性並びに不当労働行為の十分な立証要求を迫力をもって展開、東京高裁は結局来年二月に第二回審理を開くと決定した。会社の虫のいい期待は打ち砕かれとりあえず第一関門は突破したがもちろん先行きに予断は許されない。依然として決定的な鍵は運動の盛り上がりであり、この日の集会はこのことをこれまでに増して強く意識したものとなった。
労働者の権利破
壊に反撃めざし
こうして集会はまず、先に触れた東海道キャラバン隊の入場で幕を開けた。このキャラバンには、近畿、名古屋、静岡の国労三地本が全面的に協力したという。そして国労近畿地本の園秀樹委員長が、延べ一〇〇〇人の参加と一〇〇団体への要望を通して共鳴、連帯を広げたとキャラバンの成果を報告した上で、国鉄闘争の経験にも言及しつつ、この闘いでは連帯をいかに広げるかが鍵だと檄を飛ばした。
これを受けて金澤壽全労協議長が開会あいさつ。運動にいまだ立ち後れがあることに支援共闘としての反省を表明した上で、日本維新の橋下大阪市長が最賃廃止を打ち出したことなど、労働規制の解体を策す動きがあらためて公然化していることに注意を喚起し、JALの闘争がそのような動きに釘を刺す闘いの重要な一翼を占めていることをはっきり心に留め、訴えの広がりを形にし物理力に変えなければならないと強調した。
次いで弁護団長の上条貞夫弁護士が高裁における裁判闘争の展望として、不当労働行為が会社更生手続きの中に構造的に組み込まれていること、つまり今回の整理解雇が従来の日航労務に貫かれてきた異様な不当労働行為と一連のものであることをえぐり出して闘うと提起した。その上でさらに、七〇年代以降の整理解雇闘争のせめぎ合いをたどり、あきらめないで闘う限り運動の力で勝つことができると実績を明らかにし、粘り強く闘うことの重要性を強調した。
この励ましに応える形で、今では恒例となった原告団制作・演出・出演の構成劇が始まった。日航の現場に今露出している労働者酷使と安全無視の実態が、五場の場面転換を通して痛烈に風刺された。会場は時に爆笑に包まれたが、フィクションではなく事実に材を取ったというその内容は実に空恐ろしく寒々しい。この構成劇には今回初めて「必ず勝つで、ごJAL」との演題がついた。スクリーンにパワーポイントで工夫を凝らした背景を映し出すなど、演出も回を追う毎にバージョンアップ。JALの不当性を何としても伝える、という原告団の思いとエネルギーがにじみ出ていた。
御巣鷹事故遺
族を裏切るな
この原告団の意気込みに対する連帯が、「JAL闘争を支える静岡の会」増田和明事務局長、「新日本婦人の会」平野恵美子男女平等働く女性部長、「日本乗員組合連絡会議」馬場嘉浩LEG委員長から表明された。合わせて、世界のパイロットが結集するIFALPAから届けられた闘争全面支援のビデオレターも映し出された。
中で全日空の機長でもある馬場さんは、日本の航空会社全体を通して、空の職場の空気が仲間を大事にできなくする方向にじわじわと変わりつつあると指摘、空の安全にとってあぶない、と強い危惧を明らかにした。その上で、先のIFALPAのリーガル委員会が来年日本で開催される機会をとらえて、JALの不当解雇に象徴される「日本の常識は世界の非常識」状況に強力な反撃を加えたいと決意を語った。
ここで思いもかけないサプライズゲスト。東京都知事選に立候補している宇都宮けんじさんが、忙しい選挙運動の時間を割いてかけつけたのだ。どよめきと万雷の拍手に迎えられて登壇した宇都宮さんは開口一番、東京地裁判決は一人の弁護士として決して許すことはできないときっぱり言明。さらに御巣鷹事故の犠牲者遺族の願いは「いのちを守るJALになって欲しい」というものだったと指摘し、整理解雇と現在のJALの経営はその犠牲者遺族の願いを裏切るものだと厳しく指弾した。
JAL経営の反民衆性をズバッとえぐったこの連帯表明に会場が一段と盛り上がる中、支援共闘津惠正三事務局長、支える会柚木康子事務局長から行動提起と支える会メッセージが続き、貪欲な運動強化と支える会強化が訴えられた。
ネバーギプアッ
プの闘いを共に
これらの連帯に原告団を代表し、乗員、客乗各原告団長が決意表明で応えた。まず山口宏弥乗員原告団長が、キャラバンで連帯の広がりに手応えを実感したと語りつつ、同時に、従業員が突然放り出されるというリストラの生々しい現場と交流した経験に触れ、無法な雇用破壊の蔓延に歯止めをかける一助となるためにも勝つまで闘う、と力強く述べた。
次いで内田妙子客乗原告団長。内田さんもキャラバンの経験から始めた。出発点となった姫路の宣伝で、「高給取りの君たちよりも労働者の四割にもなる非正規をどうするんだ」との声を浴びせられたという。訴えの真実がまだまだ伝わっていないことを痛感させられたと正直に述べた彼女は、それに応えられる運動にしたいと語り、JALが今年一年で九四〇人もの客乗要員を新規に採用し、その上来年にも二〇〇人の採用を図っていることに対し、国際的には信じがたい不正義だと受け取られていることを紹介、それをも力にネバーギプアップの精神でさらに訴えを広げると決意を語った。
集会は最後に、国民の安全を託せる会社ではなくなっている日航の実態をも含めて、この不当解雇を撤回させる重要な意味を日本国中に広く知らせていこうとの大黒作治全労連委員長の閉会あいさつ、そして原告団の決意をしっかり受け止め、一二月一四日の客乗原告控訴審(午後二時半開廷)、一二月二一日の銀座デモ(一九時日比谷公園中幸門)への結集を含め、共に闘い抜く意志を込めた団結ガンバロウをもって閉会した。
(神谷)
12.5
竪川河川敷公園で行政代執行
野宿者排除への固執糾弾 行政は何を守るつもりなのか
チリ一つなくて
も代執行なのか
一二月五日、竪川河川敷公園で、江東区による行政代執行が行われた。これは公園内の野宿の仲間の小屋に対してかけられた強制排除の攻撃であったが、一二月三日から七日までの代執行期間に入る以前に野宿の仲間達は公園から退去し、公園の隣の「副堤」と呼ばれる場所に引っ越して、対象地にはチリ一つない状態になっていたため、本来代執行は必要なくなったはずであった。
しかし江東区は五日朝九時に職員とガードマン一五〇人以上で公園内に押しかけ、急を聞いて監視行動に駆けつけた支援者や、弁護士の「何をしにきたのか?」「どんな工事をやるつもりなのか?」という問いかけにも全く答えることなく、五〇人ほどの警官隊とともに公園内になだれ込んだ。
排除一辺倒で一
貫した行政方針
竪川河川敷公園は江東区亀戸にほど近い首都高小松川線の下にあり、二・五キロほど細長くのびる公園である。二〇〇六年に工事計画による野宿者排除の動きがあったが、仲間たちの反対で、一旦は頓挫していた。だが、二〇〇九年より公園のリニューアル工事が始まり、公園に住んでいたテントの仲間は公園を三つに分けたA工区の端、五の橋のたもとに集められた。この間、区との間では三〇回ほどの話し合いがもたれ、区は「排除はしない」と明言しており、仲間たちはそれを信じてのことだった。
それが昨年暮れ、A工区の工事が完成に近づくと前言を翻し、強制排除の挙に出てきた。江東区がここに移れと指定し、川を埋め立て造成した場所(五の橋のたもと)にいた一〇数人の仲間に対して行政排除の法的手続きを始めた。そのため仲間たちは代執行の指定地域から工事の完成した多目的広場へと引っ越しを行い、難を逃れたが、一人だけ引っ越しが遅れていた高齢の仲間の小屋に対して二月八日、行政代執行が行われ、体の悪かったその仲間は体調を崩し救急車で運ばれる事態となった。
その後、江東区は公園をフェンスで封鎖し、「野宿者が占拠しているので公園が使えない」などとデマを飛ばしたり、なんとか仲間たちを追い出そうとしてきたが、竪川の仲間たちは団結して闘ってきた。
そのような中で江東区も仲間の求める話し合いに応じざるを得なくなった。話し合いは三回行われ、四回目の話し合いの日程を調整している途中に、突然、江東区は「話し合いは中止します」と通告してきた。
生活困窮者切
捨てが露骨に
そして一〇月には「弁明機会通知書」が配布され、行政代執行に向けた動きが始まった。今回は公園全域が対象である。仲間たちは公園の外側にある副堤という場所に引っ越した。ここは公園ではなく、今回の代執行の対象から外れている。しかし、江東区はここのテントにも「警告書」をはり、出て行けと迫ってきた。副堤はかつて公園が川だった時代に避難路として使われていたもので、いまは使われていない。そのため地域の住民なども、物置をおいたり、植木をおいたり、駐車場にしたりと利用している。しかし区は野宿の仲間のテントにだけ警告書を貼り、排除しようとしている。
竪川の仲間たちは二月の代執行時には「弁明機会通知書」に対して「弁明書」を提出して強制排除をしないでほしい、と訴えたが、今回は強制排除を進める区・水辺と緑の課に出向いて、みんなで弁明機会通知書を破り捨てた。
一一月二六日、区は「代執行令書」を野宿の仲間達に配布し、一二月三日から七日の間に代執行を行うことが明らかになった。区は五日、多くの仲間の抗議の声の中、公園内を封鎖し、副堤のテントや小屋の周りをフェンスで囲った。副堤の小屋そのものには手を付けることが出来なかったが、小屋にそって貼られた鉄板フェンスで野宿の仲間達はきわめて狭いエリアに閉じ込められることとなった。代執行の数日前には公園内の水も止められているし、六日には仲間達の住むエリアの街灯が消されるという事態となっており、事態は未だきわめて深刻である。
いま、首都圏では各地で野宿者や炊き出しの排除が激しさを増している。また生活保護制度や受給者に対する攻撃を含め、貧困者や、弱者に対する激しい逆風が吹き荒れている。そんな中、山谷では越年越冬の闘いが始まろうとしている。多く人々のカンパによってこの闘いは支えられている。竪川と山谷の闘いに注目と支援を。 (板)
山谷労働者福祉会館ブログ http://san-ya.at.webry.info/
山谷労働者福祉会館郵便振替口座 00190―3―550132
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