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    かけはし2012.年12月10日号

イスラエル、米領事館に抗議


11.21

住民虐殺を許すな!

攻撃を止めるのは国際連帯


 

 【大阪】イスラエルとその最大の支援国アメリカからの情報を拠りどころにしている日本の多くのマスメディアは、「原理主義・ハマス・ロケット弾…暴力の連鎖」などと、四年前と同じように歪められた報道しかしていない。私たちが「知らされない・知らない」ことによって、イスラエルは堂々と戦争犯罪を繰返している。この一週間で、ガザでは一四〇人の住民がイスラエル軍によって殺害されているのだ。

日本の役割に
も警戒が必要
 〈パレスチナの平和を考える会〉や〈ATTAC関西〉などの市民グループによる『イスラエルによるガザ攻撃を許さない11・21緊急申入れ行動』が行われた。限られた時間の中で、最初に在神戸イスラエル名誉領事館で、その後すぐにアメリカ領事館に行き、警察の露骨な妨害が続く中で抗議集会が持たれた。
 まず、〈パレスチナの平和を考える会〉からイスラエル名誉領事館に行き糾弾の声をあげてきたことの報告があり、現状について「二、三日前からエジプト・米国を中心に停戦の動きがあるが、イスラエルの空爆は続いている。地上戦か暫定的な停戦になるか現時点ではよくわからないが、はっきりしているのは、この一週間でガザでは一三〇数人(うち二〇数人が子ども)が殺され、一〇〇〇人近くが負傷していることだ。イスラエルはガザからのロケット弾に対する防衛だと言っているが、四年前と同じだ。イスラエルは挑発によって、ハマスなどがロケット弾で反撃せざるを得ないような状況に追い込んで、今回の攻撃を開始している。国際世論の動向―パレスチナへの関心が薄れてきた――ことを計算に入れて、そして選挙を意識しての行動だ。『ハマス=敵』の歪められたマスメディアの報道が続く限り、ガザへの攻撃は止まらない。
 私たちの国際的な連帯が大きなポイントになっている。イスラエルはこの間のボイコット運動の盛り上がりと経済不況に直面しており、日本・韓国・中国などの東アジアの国々で経済・文化・学術交流などに相当の資金・エネルギーを投入している。(国交樹立60周年)の日本には特に力を入れており、去年は『日本・イスラエルーエコビジネス・フォーラム(大阪)』が、今年は『イスラエル・セキュリティー・フォーラム(東京)』が開催された。特にイスラエルは今、―ガザ・西岸を占領支配する中で培われた技術を基に――民事用に開発されたセキュリティー商品(監視カメラなど)、また軍事用には(対ミサイルの防御システムや無人機など)の武器を売り込もうとしている。そのためにも、イスラエルとの関係の強い国会議員や企業を利用しようとしている。自民党の山谷えり子はイスラエルに行って軍需工場を見学し、日本もこの無人機を導入すべきだと主張している。イスラエルも失業や貧困問題を抱えており、ネタニヤフ首相は予算を福祉のためではなく軍需ビジネスに使おうとしている。日本の右派とイスラエルの右派の交流にも注意すべきだ」と語った。

身近ににもイ
スラエル製品
 続いて、イスラエルの入植地でつくられ、日本でも身近なデパートなどで販売されているソーダーストリーム(炭酸水製造機)について〈「ストップ!ソーダーストリーム」キャンペーン〉からの呼びかけと市民からのアピールがあった。その後、元気いっぱいのシュプレヒコールが警官に守られた領事館周辺に響き渡った。   
※追記 二二日「停戦」した。イスラエルにはすぐにガザの封鎖を解き、住民虐殺の責任を取ってもらおう。アメリカにもすぐにイスラエルに対する軍事援助を止めてもらおう。 (努)                               
                                 

11.25

STOP!ガザ攻撃緊急集会

平和を望まないイス
ラエルにどう臨むか


 一一月二五日、東京・文京区民センターで「停戦しても占領とガザ封鎖は続いている STOP!ガザ攻撃 11・25緊急集会」が行われた。前週一一月一八日にイスラエル大使館行動(本紙前号掲載)に取り組んだ緊急行動実行委員会が主催したもので、約七〇人が参加した。
 一一月二一日の米国政府とエジプト政府の仲介で「停戦」が発効した。しかし一一月一四日、イスラエルによるハマスの軍事・外交交渉責任者の空爆による暗殺から始まったガザへの連日の空爆によるパレスチナ側の死者は少なくとも一六一人、負傷者は一二〇〇人以上に達し、その多くは市民である。ガザ市内はガレキの山となった。この「停戦」がきわめて不安定なものであることは言うまでもないし、封鎖による市民の苦境は一向に改善の気配はない。
 集会では最初にパレスチナ現代史研究者であり「アル・ジスル―日本とパレスチナを結ぶ」の奈良本英佑さんが発言。奈良本さんは「イスラエルの政権は決して平和を望んではいない。周到に準備し、最も効果的な方法で挑発を行った。イスラエルが殺したジャアバリ氏はハマスの軍事部門の司令官だが、イスラエルとハマスとの停戦交渉の担当者であり、捕虜になったイスラエル兵の釈放交渉をも担当していた。イスラエルはテロリストを攻撃したと言っているが、被害が一般市民に及ぶことは当然織り込みずみだ」と説明した。
 奈良本さんは「今回の攻撃で気になったことは、欧米諸国が一致してイスラエルのガザ攻撃を支持していたことだ。今までEU諸国は、イスラエルの行為に批判的態度を表明していた、今回『イスラエルの自衛権を支持』したことには、なぜという思いが残る。その一方で、アラブ・イスラム諸国はガザに対して一致して強い連帯の意思を表明していた」と語った。

ハマスの政治
にも問題指摘
 田原牧さん(東京新聞デスク)は、違った角度から問題提起した。
 「レバノンの難民キャンプでのパレスチナ人大虐殺事件=サブラ・シャティーラから三〇年の今年、こういう事件が起きたことにため息が出る思いだ。イスラエルのガザ攻撃が許されないことは当然だが、私はハマスのやり方に対しても批判しなければならないと考えている。ハマスはイスラエルからの攻撃で住民に被害が及ぶのを承知の上で、ロケット攻撃をやっていることも確かだ」。
 「ハマスの冒険主義にはどういう政治的背景があるのか。この間、カタールの首長が初めてガザを訪問したことに示されるように、反シオニズムの大義を掲げるイラン、シリア、ヒズボラのブロックに背を向けて、ハマスは湾岸王制諸国とつるむようになっている。ハマスの軍事的挑発は、『アラブの大義』を誰が訴えるのかをめぐるシリア・イラン・ヒズボラブロック対ハマス・湾岸王制諸国ブロックの構造の中で起きている。戦火が広がればシリアのアサド体制を利するという判断で、エジプトのムルシ政権は、これ以上の激化を望まず米国とともに停戦を仲介したが、こうした中で『アラブの春』が国家の論理の中に取り込まれてしまうことを恐れる」。
 伊藤和子さん(弁護士、ヒューマンライツ・ナウ事務局長)は二〇〇八年一二月から二〇〇九年一月にかけたイスラエルによるガザへの攻撃(白りん弾をも使った大虐殺)を戦争犯罪として告発し、国連の独立した調査委員会による調査と報告を求めた二〇〇九年のゴールドストーン報告を中心に報告した。伊藤さんは、イスラエルによる国際法違反のパレスチナへの入植地建設を国連としてその責任を追及するとともに、ガザへの封鎖と軍事攻撃の中でなされた「人道に対する罪」としての戦争犯罪に対して、国際刑事裁判所で裁かれるべきことを強調した。
 鵜飼哲さん(一橋大学教員)は、エジプト革命が曲がり角にさしかかっている状況の中で今回のイスラエルによるガザ攻撃が起きていることに注意を喚起した。そしてわれわれがイスラエルを批判する際に、植民地支配への謝罪・清算もないままに北朝鮮への排外主義が挙国一致でかきたてられる日本の現実を見据えることを忘れてはならない、とも語った。
 討論の中で田原さんは、ハマスの問題に再度立ち返り「ハマスの路線は武装解放ではない。彼らは一九九〇年代にすでに武装闘争を捨てて政治の次元に移行した。しかし問題はその政治の方法だ。民衆を盾にした瀬戸際外交的政治をやめるべきだ。西岸や難民キャンプの人々も含めたパレスチナ人の一体化はきわめて困難な状況にあり、そこでもう一度主体としてのパレスチナ人をどう立てるか、を考えなければならない」と指摘した。  (K)

【訂正】本紙前号(12月3日号)1面「冬期カンパのお願い」の下段、労働者の力社の郵便振替の00110=2=41520を、「00110=2=415220」に、前々号(11月26日号)1面「集会案内」の12月2日(日)立川自衛隊監テント村10周年記念集会を「40周年」に訂正します。 


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