ギリシャの人々が今
SYRIZA青年フェスティバルでの演説
エリック・トゥサン
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今回のフェスティバルでは、三〇〇〇人以上の人々が四人の発言を聴くために参加した。四人は、EU議員で左翼ブロックのマリザ・マチアス(ポルトガル)、鉱山労働者労組指導者のリサロ・フェルナンデス(アウストリアス、スペイン)、SYRIZA代表のアレクシス・チプラス(ギリシャ)、CADTM代表のエリック・トゥサン(ベルギー)の順番で登壇した。(IV編集部)
危機、そこへの
回答双方の中心
われわれは今、資本主義システムの世界規模で広がる最悪の危機の一つを経験中だ。しかし資本主義は平和な自然死で死ぬことはないだろう。危機は、資本主義の新陳代謝の一部なのだ。人々による意識的な行動だけが、資本主義を破壊することを可能とし、民主的な社会主義に向かう道を開くためにそれにとって代わることを可能とする。
ギリシャ民衆は現在、資本主義の危機の震央にいる。ギリシャ民衆がこの資本主義の危機に対決し対応するために決起する方法は、国際的レベルで解決を見出す上で決定的な要素となるだろう。あなた方は、危機とこの危機に対する解答双方の震央にいる。
七年前、資本主義に対するオルタナティブの震央は南米に位置していた。ベネズエラ、エクアドル、ボリビアであり、その時期ウーゴ・チャベスは二〇〇五年、もはや第三の道など信じない、二一世紀の世界的規模の社会主義が生まれなければならないと感じている、と語った。今日オルタナティブ――今回の会合の標題がはっきり示すように、まだ形を見せてはいない――の震央は、欧州へと動いた。
ベネズエラ、エクアドル、ボリビアの人々が世界に示したことは、資本家の攻撃に抵抗することは完全に可能であること、富の再配分政策を適用し、大きな戦略的な企業を社会化すること、それらは完全に可能であること、さらに天然資源のような共有財に関する支配を取り戻すことは絶対に可能であり必要である、ということだ。彼らはそれを行った。そして今も政府権力を握っている。そして明日一〇月七日のベネズエラ大統領選挙で、ウーゴ・チャベスが再び再選される、ということを期待しよう。
欧州に偉大な
教訓が届いた
われわれは今日欧州で歴史的な時に生きている。過去六五年のいつであれ、欧州諸国でわれわれが今日直面しているような残酷な攻撃を経験したことは一度としてなかった。欧州ではどこでも、財政緊縮政策を適用するために、債務という口実が使われ続けている――ギリシャだけではなく、すべての欧州諸国でも――。ギリシャでわれわれは、もっとも残酷な表現でそれらの結果をはっきりと見ることができる。しかしギリシャは、すでにポルトガルやアイルランド、スペイン、さらに欧州の他の諸国の人々をも同様に苦しめつつある攻撃の、始まりにすぎない。
われわれが反撃し、正当性のない債務の返済を棚上げし拒むための努力を結び付けなければならない理由こそそこにある。これは、この大陸全体に関するわれわれすべてにとっての基本的な目標だ。
ギリシャ民衆は過去三年で、欧州に偉大な教訓を教えてきた。第一に、彼らは抵抗し続けている。彼らは少なくとも一四回のゼネラルストライキを組織し、そこに参加してきた。しかしまさに基本としての教訓は、そして選挙の敗北があったとはいえ、ギリシャの人々がそれにもかかわらず、SYRIZAによって提起された急進的な働きかけに対し大量の投票で答えたという事実だ。それこそが欧州の残りの部分――そこでの左翼はあまりにしばしば、小心すぎるのだ――に対する基本的な教訓だ。ギリシャの事例は、統一された左翼、人々を一体的に結集し、一二の異なった政治組織の連合を生み出し、SYRIZAの中にそれらを統一しようと努め続けている、そのような左翼の強さを示している。ギリシャの事例は、一つの党あるいは連合が「ノー」と言う時、それが「統治のためにわれわれが選出されればわれわれはトロイカに服従しない」と言う時、その大胆で戦闘的な姿勢が人々の支持を勝ち取ることができる、ということを示している。それこそがわれわれすべてに対する教訓だ。
債務返済は唯一
の救済ではない
二〇一二年三月のギリシャの債務削減はペテンであり、それは罠だ。極めて重要なことは、トロイカが返済を求め続けている債務、今や一五〇〇億ユーロを意味している債務――それがトロイカに対するギリシャの債務――の全体が正当性を欠いたものであり、人民の政府の不服従を通して、民衆の行動によって、無効にされるべきものであるということを、国際的な世論に示すことだ。
支配階級は今、返済凍結はこの国に大混乱を引き起こす、このようにあなたたちを納得させようと試みている。しかし過去一〇年、債務の返済以外に可能な救済策はまったくない、という考えを全面的に否定する三つの事例がある。アルゼンチンは二〇〇一年一二月、その債務、九〇〇億ドルの返済を凍結した。そしてアルゼンチンは、二〇〇三年以来、毎年四%から七%の経済成長を経験してきた。エクアドルは二〇〇八年一一月から二〇〇九年六月の間に、その民間金融機関に負った債務の返済を凍結し、その債権者に対し債務の六五%削減を呑ませることに成功した。そしてエクアドルは、経済的にすこぶる健全にことを進めつつある。
アイスランド、新自由主義のまさしく模範だったこの国は、その銀行システムの全体的破綻をもって、二〇〇八年九月に容易ならぬ諸困難を経験した。アイスランドは、イギリスとオランダに対するその銀行債務の返済を拒否し、そして今も拒否したままだ。そのアイスランドは今、年経済成長率三%をもって極めてうまくやりつつある。
ギリシャは明らかにアイスランドでも、あるいはアルゼンチン、またエクアドルでもない。実際に違いがいくつもある。しかし学ぶべき教訓は次のことだ。つまり、ここであれ他であれ、そして大きく異なり得る環境の下でも、民衆の支持を勝ち得ている政権が不法な債務の返済凍結を決定すれば、その政権は、それらの民衆の生活諸条件改善を達成する可能性をもっている、ということだ。それこそがしたがうべき事例だ。
シナリオは未定
埋めるのは民衆
明らかに債務の帳消しが必要だ。しかしそれで十分ではない。経済の残りの部分並びに不公正な社会経済モデルの変更を欠いたギリシャ債務の帳消しは、ギリシャ民衆の利益になるオルタナティブ建設をギリシャに可能とはさせないだろう。債務返済の凍結、帳消しは必要だが、銀行システムの社会化、富裕層が税を多く払い、商品とサービスに対する課税が引き下げられる、そのような課税システムの変更、これらもまたオルタナティブモデルの絶対に必要な一部だ。
親愛なる友人たち、歴史は前もって書かれるわけではない。われわれの前にはいくつかのシナリオが未定のままに置かれている。われわれは、現在の混沌とした状況の枠内に留まり続けることも、銀行に奉仕する政権の側に立つさらに強烈な権威主義の下に置かれることも可能だ。そしてこれは何年も続き得る。もう一つのシナリオも可能だ。そしてそれはもっと悪い――権威主義のネオファシストシナリオ――。それは大きな危険であり、まさしく今ある脅威だ。しかし他に二つのシナリオがある。すなわち、民衆の圧力の下で、規制された資本主義、一九五〇年代と一九六〇年代に実践されたタイプの資本主義、ケインジアンタイプの資本主義があり得る。それはあり得る解決だ。しかし、この場に今夜われわれがこれほど多くいるという事実が示すものは、資本主義に規律をもたせるという試みにわれわれの闘いを限定することに意味はないとわれわれが感じている、ということだ。われわれは資本主義を超えて進むことを欲している。われわれは、民主的で自主管理的な二一世紀の社会主義を求めている。国際的社会主義万歳。自主管理社会主義万歳。SYRIZA万歳。ギリシャ民衆万歳。民衆的抵抗万歳。同志たち、革命万歳!(一〇月六日) ▼筆者は、政治科学の教授であり、CADTMベルギー代表。創立以来のWSF国際評議会メンバーであると共に、ATTACフランス科学委員会メンバーでもある。著作多数。『債務、IMF、世界銀行、六〇の質問、六〇の解答』は日本語でも出版されている(『世界の貧困をなくすための50の質問―途上国債務と私たち』ダミアン・ミレー、エリック・トゥサン著、つげ書房新社)。(「インターナショナルビューポイント」二〇一二年一〇月号
ロシア
連帯が必要だ!!
反政府勢力に政治裁判の攻撃 ロシア社会主義運動(RSD)
ロシアでは昨年後半から今年春にかけ、メドベージェフ、プーチンの権力たらい回しに対する怒りが幅広い民衆の中に広がり、それは巨大な大衆的街頭抗議運動として発展した。今ロシアでは、この民衆的決起に対するむきだしの強権的抑圧が始まっている。以下は、その抑圧の実際を伝え、でっち上げ的な罪状で弾圧の対象とされた人々を守るための国際的連帯を訴えている。(「かけはし」編集部)
「由緒正しい」
デッチ上げ宣伝
中傷に満ちた嘘と逮捕は、反政府勢力の指導者たちに対する大規模な政治裁判がロシアで準備されていることを示している。コンスタンチン・レベデフ(RSD)は今勾留されている。ロシアの活動家たちは国際的な連帯を必要としている。
ロシアにおける一〇月の前半は、反政府勢力に対する抑圧の強化を特徴としていた。今のところ一九人の人々が、五月六日のいわゆる「公共秩序の大規模騒乱」事件(注一)で告発されてきた。現在彼らのほとんどは獄中にある。
この春の行動への参加者に対する恣意的な逮捕が続く一方、反政府勢力の指導者たちに対する大規模な政治裁判が準備中であることはすでにはっきりしている。一〇月五日ロシアの主要なテレビチャンネルであるNTVが、反政府派、特に左翼反政府派のもっとも良く知られている人物、セルゲイ・ウダルツォフに対する前例のない告発を含んだ、「調査ドキュメンタリー」スタイルで製作されたフィルムを放映した。ジョセフ・ゲッベルスの紛れのない伝統を踏襲して製作されたこの宣伝フィルムの中でわれわれが知らされていることは、ウダルツォフが外国の情報機関との連絡を維持していること、そして彼が代表を務めている左翼戦線の主な活動が、外部の敵と共に国に対する陰謀をめぐらすこと、というものだ。証拠としてこのフィルムは、セルゲイ・ウダルツォフ、左翼戦線活動家のレオニード・ラズヴォジャエフ、ロシア社会主義運動メンバーのコンスタンチン・レベデフ、そしてグルジア大統領のもっとも緊密な顧問であるギヴィ・タルガマーゼの間の非公式会議なるものについて、記録を再生した。この非公式会議は特に、ロシアを「不安定化させる」目的での、グルジアからの資金送金という問題を呼び出している。この録画では人の顔はほとんど見えず、音声はすでに収録済み、そして録画に別に乗せられている。しかしそれでもわずか二日後それは、連邦検事局調査委員会――今日抑圧を組織する上で指導的役割を果たしている機関――によって指揮された刑事捜査の口実となった。
抗議運動を試す
ストレステスト
一〇月一七日、われわれの同志、コンスタンチン・レベデフが逮捕され、セルゲイ・ウダルツォフは、モスクワ圏を離れないという約束に署名するということを条件に釈放された。第三の「事件」関係者であるレオニード・ラズヴォジャエフはどうかと言えば、彼はウクライナで政治難民を申請したが、ロシア秘密警察に雇われた者によってキエフ中心部で拉致された。検事局はスパイ嫌疑を口実に行動しながらも、この三人の個人を最終的に告発したのは「公共秩序の大規模騒乱」を理由としていた。これも留意されるべきだ。その狙いは、今後の可能性として大規模な裁判を始めることにある。そこでは、いくつかの事件が一体として扱われ、政権に対する運動の挑戦という活動全体が、巨大な陰謀として現れることとなるだろう。
「スパイ活動」の事件で告発された者たち、また五月六日の「公共秩序騒乱」への参加を理由に逮捕された者たち、この両者は左翼のさまざまな派に属しているが、それに留意することもまた重要だ。ロシアにおける新たな緊縮政策の実行、労働者の諸権利に対する攻撃と年金改革、これらの前夜、プーチン―メドベージェフ二人組を恐れさせているものは、既に存在している民主運動が社会的抗議の諸要素と結びつくことを見る可能性だ。
今日われわれが目撃している抑圧の波は、われわれが地歩を守るのか、それとも恐怖としらけの新たな時期をくぐり抜けなければならないのかの、抗議運動にとってのストレステストだ。この前例のない警察の抑圧を前にわれわれは、欧州並びに世界中のわが同志たちの連帯を必要としている。われわれは、コンスタンチン・レベデフの即時釈放、セルゲイ・ウダルツォフ、レオニード・ラズヴォジャエフに対する刑事訴追の停止、そしてモスクワにおける五月六日の抗議に参加した政治的拘留者の釈放を求めるピケットの組織化を依頼する。(一〇月二七日)
▼ RSDは二つの組織、社会主義運動フペリョード(「前進」)、第四インターナショナルロシア支部、並びにソーシャリスト・レジスタンスによって、二〇一一年三月に創立された。それは、二〇一一年と二〇一二年の選挙ねつ造に反対する抗議の中で形成された連合、左翼戦線の一部である。
注一)二〇一二年五月六日のモスクワで、プーチンの大統領指名に反対する数万人のデモが行われた。警察は抗議に立ち上がった人々を殴打し、左翼戦線指導者のセルゲイ・ウダルツォフを含む四〇〇人を逮捕した。(IV12年10月号)
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