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    かけはし2012.年9月17日号

死刑制度をなくそう!

8.27死刑に抗議する初の院内集会


再審を願っていた二人に執行
今年になつて五人が殺された


議員連盟と市民
団体が共催集会
 八月二七日、衆議院第二議員会館で「再審が出来なかった二人への滝実法相による死刑執行に抗議する緊急院内集会」が死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、死刑廃止を推進する議員連盟、(社)アムネスティ・インターナショナル日本、NPO法人監獄人権センター、「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク、死刑に異議あり!キャンペーンが主催して行われた。国会内院内集会は初めて開催された。
 滝実法相は就任後二カ月たらずの八月三日、服部純也さん(40歳)と松村恭造さん(31歳)の死刑を執行した。今年に入り二度執行が行われ、五人が殺された。
 死刑廃止を推進する議員連盟会長の亀井静香さんが最初に議連の活動を報告した(別掲)。次にかつて議連事務局長だった山花郁夫さん(民主党、衆議院議員)と橋本勉さん(民主党、衆議院議員)が連帯のあいさつをした。

国会に廃止議案
を出してほしい
 安田好弘弁護士が死刑をめぐる全般的状況を報告した。
 「死刑廃止議連は死刑廃止に向けて一歩をやってほしい。それは国会に法案を出して欲しい。韓国では法律に手をつけないで一四年間死刑を執行していない。フランスではミッテランの時に、死刑廃止の法律を作ったがその前五年間執行をしなかった。執行しないことによって、死刑存置の世論は下がっていった」。
 「八月三日というのはお盆前で執行しないことになっていたがこのタブーが打ち破られた。松村さんは本人が一審死刑判決後、控訴を取り下げ、それが確定してしまったので一審の判決だけで執行された。国際人権規約では恣意的な死刑を排除するために上訴権を保障しなければならないとなっているので、これに反している。さらに、強盗殺人とされているが、数万円を奪っただけなので殺人と窃盗ではないか。精神的にも大きな問題を抱えていた」。
 「服部さんは一審が無期で、死刑判決が出るはずがない事件だった。永山最高裁判決では、いろいろ総合的に考える、なおかつ死刑が許される。死刑しか選択がない時のみ死刑は許される。この基準に照らしても誤判の可能性がある。二人とも再審をしようとしていた。再審を願うと執行される。年四回執行体制に戻そうとしているのではないか。このままでは年内に後二回はあるだろう。検察が死刑執行の維持を強く進めている。死刑廃止に向けてハードルの低い法律を考えてほしい」。
 この後、執行された二人の担当弁護士が裁判の問題点、面会の様子など詳しく報告した。宗教者ネットワークの「死刑は殺人だ」の訴え、集会決議を採択し法務大臣に届けた。静岡県清水市で起きた袴田事件で袴田さんは死刑が確定しているが新たなDNA鑑定結果、再審の可能性が高まっている。何人もの死刑囚が再審無罪をかちとってきた。死刑制度の廃止を実現しよう。      (M)

亀井静香議員の報告から

自民党政権時と同様に
死刑を乱発する民主党


 残念ながら死刑廃止が出来ていない。刑の厳罰化を望む風潮が増して、国民のほとんどは目をそらしている。弱者を強者が押さえつけて豊かになっていく。これが当然だという考え方が強く覆っている。純ちゃんが総理になってブッシュ大統領との約束でネオコン政策を持ち込んだ。私の力では止めることはできなかった。
 いま中東、ヨーロッパ、アメリカでも抵抗する流れが生まれている。日本でも起きている。民主党が自公と同じようになってしまった。消費税、原発、オスプレイ、三年前とはまったく違ってしまった。
 死刑についても、民主党は当初、命を大事にすると対応したがかつてに戻ってしまった。自民と同じように死刑を執行している。死刑廃止議連は一〇〇人程度いたが大きな政治混乱の中で、前に進めていこうという状況にないが、少しでも前に進めていきたい。

肩身の狭い
死刑存置国
 第一に、法務省が三年に一度やっている死刑問題での国民意識のアンケートによると八十数%が死刑存置。このアンケート調査のやり方がおかしい。深層心理まで出るような結果になっていない、と法務省に変えるように申し入れ議論した。法務省は中身を検討すると謙虚さをもって始めている。検察をめぐるさまざまな不祥事で法務省は自信喪失状態だ。これは非常に大事だ。
 いっきょに死刑廃止にもっていけなくても、近づける一里塚があればということで衆参でぜひ調査する調査会の設置を求めている。これは全員一致でないともてない。また議員立法でも、会派の政調のOKをとらなければならない。特別無期刑の導入に対して、日弁連は最初ダメだと消極的だったが変わってきた。それを進めたい。国会議員は選挙違反や汚職などでやられるのではないかということで、検察・法務省に弱い。そういう困難さを抱えているが次の臨時国会に向けて進めていきたい。
 死刑廃止運動が強い圧力となっている。法務省は国際会議にいくと肩身が狭いという。犯罪人引渡しでも日本に引き渡さない理由に、日本に死刑制度があるからという。事務上の障害になっている。みなさん、死刑廃止に向けてがんばろう。(発言要旨、文責編集部)

8.31石原・都教委の暴走止めよう

不起立理由の「長期研修」、
新たな懲戒処分を許すな



「思想転向」迫る
都教委の報復
 八月三一日、石原・中村東京都教育委員会の暴走を止めよう!ネットワークは、都庁第二庁舎前で都教委包囲、要請行動を行い、一〇〇人が参加した。
 午前は、水道橋の都教職員研修センター前で「日の丸・君が代」強制不起立を行った田中聡史さん(板橋特別支援学校教員)に対する都教委の「服務事故再発防止研修」強要への抗議行動(八〇人)が取組まれた。
 都教委は不起立ゼロに向けて処分を乱発してきたが、田中さんの不起立で頓挫してしまった。都教委はその報復として、この五カ月間に研修センターの研修(二回)、統括指導主事の学校での研修(三回)、学校長研修(毎週一回が二〇回)を集中的に続け、人権侵害の「思想転向」を迫ってきた。三回目の研修センターでの再発防止研修は、服務指導、受講報告書の作成、研修部長訓話を行ってきた。
 行動後、田中さんは、「都教委は『今後は二度と服務事故(不起立のこと)をおこさない』とチェックしてきたが、思想・良心の自由、教育の自由から断った」とアピールした。

東京・大阪、全国
の連携で反撃を
 午後四時から都庁前で前段集会が行われ、見城ア樹さん(ネット)から開催あいさつが行われ、「都教委包囲行動は、今回九回目だ。『日の丸・君が代』強制の一〇・二三通達と「君が代」不起立処分を撤回させるまで続ける。大阪・橋下の教育関連条例による攻撃も強化されつつある。東京と大阪、全国の闘いを連携させ、跳ね返していこう」と訴えた。
 近藤順一さん(累積加重処分取消裁判)は、都教委による田中さんへの再発防止研修強要に対する抗議行動の報告を行い、「五ヶ月にわたる長期研修が継続して行われた。研修の成果がないと判断して、分限免職をねらっている。都教委に対する抗議を強化していこう」と強調した。
 第二庁舎一〇階の会議室に移動。都教委から波田・教育情報課長らが出席した。
 見城さんは、ネットの要請書を提起し、「都教委による『北朝鮮による拉致被害者の救出を目指す署名への協力依頼及びブルーリボンの紹介について』は、明らかに石原知事のお墨付きによって行われたものであり、都政の私物化、地位利用、政治行動だ。署名用紙を撤回し、石原知事は責任をとって辞任せよ」と突きつけた。
 さらに@学校の管理統制の強化A業績評価制度B教育の不平等C全国学力テストD一〇・二三通達について批判し、「『いじめ』が再び社会問題化している。だが都教委は何ら反省せず、開き直っている。教育の機会が大きく損なわれる状態にあるのに、オリンピック招致にカネを使うくらいなら、子どもたちに十分な教育を保障する手立てを講ずるべきだ」と要求した。
 高嶋伸欣さん(琉球大学名誉教授)は、都教委が七つの基本的事実の誤りがある扶桑社版歴史教科書を使っていることに抗議し、「怠慢、不作為の責任の自覚と都民全体に対する謝罪(「恥宣言」)を表明せよ」と糾弾した。
 続いて町田市公立学校教職員組合などから「一〇・二三通達の撤回。懲戒処分撤回。服務事故再発防止県市有の中止。新たな懲戒処分をやめろ」と要請した。
 都教委は、高圧的に「承りました」などと事務対応を繰り返し、参加者の抗議の中、逃げるようにして退室した。
 ネットは、都庁前に戻り集約集会を行った。不誠実な都教委の態度を許さず、抗議のシュプレヒコール。橋下大阪市政と闘う大阪の仲間たちから報告と連帯アピールが行われた。 (Y)

コラム

廃炉への道

 原子力規制委員会の委員長に「原子力ムラ」の田中俊一が任命されようとしている。首相官邸や国会前では、こうした人事に反対する抗議の声が上がっている。核燃料サイクルも放棄していない原発推進派が、どうして原発を規制できるのか!と言うわけだ。
 そんななか、規制委員会ではなく廃炉委員会を設置しろという意見が出ている。
 現在、日本で廃炉が決まっている原発は、東海発電所、浜岡1・2号機それに福島第一1〜4号機の計七機だ。全原発廃炉だと、あと五〇機の追加ということになる。ちなみに現在までに廃炉を完了させた原発は、全世界で一五基ほどしかない。
 とにかく原発の廃炉には、時間と金と人がかかる。一般的な廃炉の工程は、燃料棒を取り出す―配管・容器の除染―放射線量が減るのを待つ―配管・容器の解体―建屋の解体―さら地にするというものだ。言うまでもないが、これら全工程が放射性物質との闘いだ。完了までの期間は約三〇年。費用は約七〇〇億円。作業員数は延べ約五〇万人。
 人類はとんでもない「怪物」を作りだしてしまった。日本だけでも、こういうつを五七基退治しなければならないのだ(全世界で五〇〇基以上)。しかも福島の四基は「ウルトラ怪物」に変身してしまった。そのために通常の廃炉は無理、チェルノブイリで行った「石棺」方式しかないと指摘する専門家もいる。
 いずれにせよ五七基の「怪物退治」には一〇〇年(三〜四世代)、作業員数で延べ二八〇〇万人以上が必要だということだ。
 さらに廃炉にするには、燃料棒を含めた核廃棄物の長期保管場所(ゴミ捨て場ではなく!)が不可欠である。それらは放射線量の高低で分類して、数十年、数百年、数千年、数万年の単位で安全に保管されなければならない。当然そこには今回の福島事故で発生した大量の放射性物質も含まれる。
 問題は、それらを日本のどこで保管するのかということだ。原発の立地と同様に、いくつかの過疎地にドカーンと巨大な核廃棄物を作ればよいということになるのだろうか。
 まずは、原発による電力を最も多く消費してきた東京圏が手を上げなければならないだろう。次に手を上げなければならないのが大阪圏だ。
 政治家・官僚・財界人が、原発推進政策に反省を込めて核廃棄物保管場所を作るのであれば、たぶんその最良の場所は皇居前広場ということになるだろう。場所が足りなければ、日比谷公園・代々木公園も使えばよい。そしてそこに、天皇や政治家や官僚や資本家どもが自分たちの命と生活を守るために、絶対安全な世界最強の保管場所を建設すればいいのだ。
 しかし、じぶんたちの出したゴミの焼却場建設をめぐってすら目くじらを立てるのが都市住人だ。原発の廃炉の道もまた前途多難ということか。(星)


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