命を危険にさらすな基地即時撤去へ
9・9沖縄県民大会をバネに全国から反安保のうねりを |
島ぐるみの闘い
に連帯するぞ
八月五日に予定されていたが台風のために延期になっていたオスプレイの配備に反対する沖縄県民大会は、九月九日午前一一時から宜野湾海浜公園多目的広場で開催されることになった。来月にも沖縄への配備が予定されている米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの沖縄配備に対して、いま沖縄では島ぐるみの反対闘争の気運が高まっている。
九月九日の沖縄県民大会は、故障続きで危険極まる殺人機オスプレイに対する闘いの大きなステップとなるだろう。同時に現在オスプレイ一二機が駐機している岩国基地や全国各地でも、沖縄県民大会と同日、北海道を除く「本土」全域でのオスプレイの危険な「低空飛行訓練」が予定されていることに反対する行動が呼びかけられている。東京では午前一一時から「国会包囲」のアクションが行われる。沖縄とともにオスプレイの配備・飛行を阻止する闘いをさらにいっそう広げ、米日両政権にオスプレイ配備を断念させよう。
操縦士の未熟
さに責任転化
今年四月、六月にもモロッコと米本土フロリダで、あいついで墜落事故を引き起こしたオスプレイは構造的欠陥を内包したとりわけ危険な機種である。それは垂直飛行と水平飛行の二つの機能を併せ持つ特徴そのものに由来する構造的な「事故多発機」なのである(詳しくは『オスプレイ配備の危険性』真喜志好一、リムピース+非核市民宣言運動ヨコスカ 七つ森書館刊参照)。
ところが米国防総省は二人の乗員が死亡した四月のモロッコの事故も、六月のフロリダの事故も「操縦士の人為的ミスであって機体の欠陥によるものではない」との報告書を提出した。墜落事故について「独自の検討を進める」とした防衛省の調査チームも、米国の結論を鵜呑みにして八月二七日に、米側の説明は合理的だとして「操縦ミス」によるもので事故は機体の欠陥によるものではない、と結論づけた。
「副操縦士が風の状況を適切に把握しないまま、マニュアルで回避すべき追い風状態に機体を置いたことなどが、複合的に重なったことが主たる事故要因で、人的要因によるところが大きい。機体自体が事故の要因になったとは認められない」というのだ。
それでは「マニュアル通り」にやれば事故は起きないのか。副操縦士は一六〇時間程度の飛行経験しかなかった、と副操縦士の「未熟さ」に事故原因を押し付けているが、そもそも人為的ミスは不可避ではないのか。不可避な「ミス」を想定した多重的な事故回避機能を持たないのは「構造的欠陥」ではないのか。短時間の飛行経験しか持たないパイロットは沖縄に配備されるオスプレイでの操縦をさせないのか?
現に分析結果では、一定の条件ではオスプレイがコンピューター制御できないことにも触れられており、八月二九日に「安全性」を説明に来た森本防衛相に対し、宜野湾市の佐喜真市長はこの点について「一定の条件でコンピューター制御できないことは機能的欠陥ではないか」と厳しく追及した。また同日の自民党外交・国防部会でも、説明にきた防衛省幹部は「米国が説明した報告書には副操縦士の明確な証言がない」ことを明らかにせざるをえなかった。
米国の「報告書」とそれを受けた防衛省の「分析結果」なるものは、副操縦士の未熟に責任を押し付け、「機体の欠陥はない」ことを強弁するための、初めから結論ありきのものでしかなかったことは明白なのである。
米国基準では
飛行できない
そもそも人口密集地である普天間飛行場のような場所に、軍用機を配備し、飛行を行うことは米軍の安全基準ではありえないことだ。米軍の安全基準では住宅、学校、病院、集会所などがあってはならないクリアゾーンや事故危険区域が設定されている。クリアゾーンについては滑走路の端から九〇〇メートル、事故危険区域(APZ)Tが一五〇〇メートル、事故危険区域Uが二一〇〇メートルに及び、その総延長は滑走路の両端から四五〇〇メートルに達する。この基準を普天間飛行場にあてはめた場合、APZの範囲は宜野湾市を越えて、浦添市、北中城村にも及んでいる。
米軍の基準を適用すれば普天間飛行場はただちに撤去しなければならない。しかし、糸数慶子参院議員がさる四月一七日に政府に対して「クリアゾーン、事故危険区域が普天間飛行場において設定されているか」との質問主意書を出したところ、四月二七日に政府が出した回答は「政府としてお答えする立場にない」というものだった(真喜志好一「沖縄のオスプレイ問題」、前掲『オスプレイ配備の危険性』所収)。
環境面でも同様のことが言える。環境影響評価法(アセス法)に基づく書面は「方法書」、「準備書」、「評価書」の三段階にわけて提出・縦覧される。辺野古新基地建設では、方法書は二〇〇七年八月、準備書は二〇〇九年四月に縦覧された。しかし環境アセスメントにあたって方法書、準備書の段階でも使用する飛行機の機種を明記しなければならない。だがすでに一九九六年の段階で、新基地へのオスプレイの配備が明確になっていたにもかかわらず、オスプレイについては隠して「回転翼機(ヘリコプター)」という虚偽記載になっていた。昨年一二月二八日未明に沖縄防衛局によって沖縄県庁守衛室に投げ込まれた「評価書」で初めてオスプレイの配備が明らかにされたのである。
沖縄ではこうしただまし討ちによって持ち込まれたアセス評価書だが(沖縄防衛局長の「レイプ発言」を伴って)、米国では環境影響評価書の段階で、オスプレイ訓練が中止になっている。ハワイ島のウポル空港、モロカイ島のカラウパパ空港では、隣接する遺跡への影響、騒音に対する住民の懸念を考慮してオスプレイの訓練に使用しないことになった、と報じられている。
ここでも米国の沖縄に対する差別に満ちた軍事植民地支配と、住民を無視した日本政府の米国への無条件的追随の構造が明らかとなっている。
米国の軍事戦略に
追随した一体化
沖縄・普天間基地へのオスプレイ配備と「本土」六あるいは七ルートでのオスプレイの低空飛行訓練は、「中国の軍事的脅威」に焦点をあてたアジア太平洋重視の米国「新国防戦略」と、「動的協力」の名の下でアジア太平洋全域において自衛隊を米軍と一体化させようとする日米安保の新段階に対応している。
テニアン島での日米両軍の共同演習場の建設、米日韓豪の共同作戦態勢の構築の中で、辺野古新基地建設の事実上の不可能に直面した米国は、グアム島の海兵隊基地の強化のための移転を先行させながら、普天間飛行場の永続的使用を見据えた改修に踏み切ろうとしている。オスプレイの普天間配備はその一環である。高江ヘリパッド(オスプレイパッド)工事の再開も、普天間へのオスプレイ配備と連動していることは言うまでもない。
そして政府・防衛省は自衛隊の先島配備体制の強化によって、「動的協力」体制の確立を進めている。野田首相は八月二七日の参院予算委員会の答弁で、オスプレイの普天間配備に関して「有用性もしっかりと訴えないといけない。こういう厳しい状況で、南西方面の防衛力、抑止力を考え、沖縄とコミュニケーションをしていくことが大事だ」と述べた。
「尖閣(釣魚)諸島」問題を利用して、「固有の領土」を防衛するためにもオスプレイの配備は「有用」だというキャンペーンが、領土主義的ナショナリズムの鼓吹の中で始まろうとしている。
オスプレイ普天間配備阻止、辺野古・高江の新基地建設を阻止する闘いは、沖縄の人々の命を守る闘いであり、日米の植民地主義的支配と差別に反対する闘いであり、あらゆる領土主義・排外主義に反対し、アジア太平洋全域での日米実戦体制にむけた「動的協力」に反対して基地のない沖縄、日米安保の廃棄を求める闘いである。
沖縄の人々とともにオスプレイ配備を絶対に阻止しよう。(九月三日、平井純一)
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