7.26JAL原告団を励ます集い
闘いの一段の広がりを力に
被解雇者を必ず元の職場に |
秋に始まる控
訴審に向けて
JALの不当解雇に丸ごと承認を与えた東京地裁の不当判決から四カ月目の七月二六日、日比谷公会堂を会場に、「大きなうねりではね返そう不当判決! 勝ち取ろう職場復帰! 〜JAL控訴審勝利7・26励ます集い〜」が開催された。主催は日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議、不当解雇と闘う日航労働者を支える会(支える会)、日航による不当解雇者を励ます会。
東京地裁の不当判決に対しては、パイロット七一人、客室乗務員七一人の計一四二人が控訴を決め、何としても解雇を撤回させ職場に戻るまで闘い抜く態勢を整えた。弁護団も陣容を補強し、その下で控訴趣意書も最後の詰めに入っているという。集会は、秋に始まると予想される控訴審に向け原告団を励ますと共に、さらに強大な運動を作り出し必ず勝利する構えを、原告団、弁護団と共に固めるべく準備された。
若者たちも応
援メッセージ
集会は八〇〇人の労働者、市民の参加の下に、全国港湾糸谷欽一郎委員長の、「新たに作成したリーフレット(一部二〇円)をも活用し人々の中に分け入り、大胆に運動を押し広げ原告を必ず空に戻そう」との開会あいさつで始まった。激励のメッセージとして登壇した柚木泰子支える会事務局長、女性のアピール呼びかけ団体代表の堀江ゆりさんは特に、今回の解雇が女性の働く権利を大きく侵害するものであることを強調し、支える会入会呼びかけと合わせて、闘い拡大への一層の奮起を訴えた。
弁護団からは、山口泉弁護士が控訴審に向けた決意を述べた。そこでは特に、東京地裁が完全に無視した不当労働行為の追及が強調され、それが空の安全に直結する問題であり、事業再生の根幹を左右するものであることを明確に突き出しつつ闘うと述べられた。今回の不当解雇と東京地裁の不当判決は、国際的にも抗議を呼んでいる。世界のパイロット一〇万人を結集するIFALPAや国際運輸労連(ITF)は無論のこと、政・労・使の団体であるILOも、「結社の自由委員会」による是正勧告を出した。このILO勧告について、牛久保秀樹弁護士が解説を加え、世界の非常識に向かおうとしている日本支配層の労働政策に強力な反撃を出現させようと力説した。
原告団と職場に残る若い組合員は、自らが演者となった朗読劇を通して、長年の分裂攻撃や事故の経験など、現在にいたる闘いの歴史を振り返りながら、今の営利一辺倒「再生」に苦しみ悩む現場の声をも明らかにし、必ず職場に戻り、空の労働者の誇りが生きる職場を復活させる決意を会場に届けた。
若者たちも応援メッセージに登壇。大学四年生だという彼らは、若者の働く権利、意欲を打ち砕く日本企業の昨今のあり方に強く抗議した上で、JALの現状はその象徴だとして、若者の未来のためにも勝ってほしいと原告を激励した。
二組の妨害はね
のけITF決議
これらの激励に応え、内田妙子客室乗務員原告団長と山口宏弥乗員原告団長が決意表明。
内田さんは、JALの不当解雇撤回闘争への支援要請のためクアラルンプールで開催されたITF会合に派遣されたこと、そこには支援妨害のためJALの二組も来ていたこと、しかしそのような妨害など何の力もなく支援決議が満場一致で採択されたことを報告した。そして、行き帰りの機内で乗務に就いていた若い客室乗務員から必ず戻って下さいと声をかけられたエピソードも添えて、私たちには労働者の誇りという守るべきものがある、と決意を語った。山口さんは、解雇されてはじめて企業内、職種内を超える世界に触れる機会を得たと率直に語りながら、不当解雇を許さない社会につなげる闘いにしたいと力説した。
大黒作治全労連議長の閉会あいさつ、東海林MIC議長の音頭による団結ガンバロー三唱に続いて参加者は、秋に向けた運動強化への決意を込めるかのようにガンバローを力強く斉唱、集会は幕を閉じた。
再上場を控えたJALの新経営陣には、七人しかいない役員の一人に元最高裁判事が迎え入れられた。今回の不当解雇裁判をにらんだ布陣、というのはおそらく言いすぎだろう。しかし日航経営が相も変わらず国家権力と意を通じるものであることが歴然と現れている。そのことも含めて控訴審が甘いものではないことを、参加者はしっかり心に留め帰路についた。
そして翌日連続的行動として提起された全都一斉駅頭宣伝は、家路を急ぐ労働者に向けて、かけつけた多くの支援の労働者と共に力強く繰り広げられた。まさに鍵は、運動をどれだけ広げることができるかに絞られている。
(谷)
7.25厚生労働委員会を傍聴
密室談合で有期雇用規制骨
抜き、三時間の審議で可決
厚労省、均等待
遇追求投げ捨て
厚生労働委員会での質疑は、五年を超えて反復更新された有期労働契約を期間の定めのない労働契約への「転換権付与制度の創設」=無期雇用への転換、判例法理として確立している「雇止め法理」の法定化、六カ月の空白期間(クーリング期間)がある時は五年の契約期間に通算しないとされている点などが審議となった。
最初に質問に立った自民党の田村憲久理事は、「無期雇用への転換」について「派遣法は三年を超えたものは派遣先責任となっているが、労働契約法は、5年で派遣元責任と複雑になっているので整理すべき」とし、「派遣も含めた有期労働は、自由に働ける選択の利便性があるが、そこの無期雇用が導入されると選択が限定される」として、無期への転換に消極的は立場であった。さらに無期雇用になった後の解雇について質問し、「派遣先で仕事がなくなれば、派遣元が探さざるを得ない。それでも仕事がない場合は、解雇となるのか」と質問。厚生労働省は、「できるだけ派遣先を探すよう指導するが、派遣労働者と正社員とは違うので整理解雇条件がそのまま適用されることにはならない」と答弁した。答弁に均等待遇の姿勢はすでにない。
「国民の生活が第一」の三宅雪子委員は、五年としている無期雇用への転換で対象になる労働者がどのくらいいるのか質問し、「それらの労働者が正社員として安定した雇用につけるのか懸念している。どのように対応するのか」と求めた。答弁は、五年以上反復更新している労働者は三六〇万人(二九・五%)いるとして、無期雇用後の正社員へのステップアップへの必要な対応を実施していくという答弁に留まった。無期雇用になったとしても、今法案は、「転換後の労働条件は従前と同じ」としていることから均等待遇は実現しないのである。
公明党の古屋範子委員は、五年目の無期雇用への転換について、「五年目直前の雇い止めもあり、実効性に懸念がある」として対策を求めたが、周知、徹底を図るという答弁でしかなかった。雇止めについては、「雇止め法理」の法制化をはかるので省令等で円滑な対応をとるという小宮山大臣発言があったが、今法案には、確定した法理にない要件も含まれており、十分とはいえない。また、「無期転換後の労働条件が従前と同じでは、格差の固定化ではないのか」と迫ったが、「無期雇用になれば、権利行使もできるようになるし、正社員への推進の基盤にもなる」とこの法案の不充分を覆い隠す答弁に終始した内容だった。
「規制」の内容
のなさあらわに
共産党の高橋千鶴子委員は、「今回の委員会開催と短時間での不充分な審議で、かつ参考人質問もないなかで可決まで行うことは認めることはできない」と強く抗議し、「なぜ、有期雇用の原則であり『入口規制』をしっかり盛り込まないのか」と質問。「紛争を拡げることになるし、雇用の機会を失う原因になる」と労政審答申の内容と同じ答弁に終始し、小宮山大臣は、「入れるに至らず、一歩でも進めるように法案にした」と答弁して自公の圧力を吐露した。
高橋委員は、五年の根拠、無期雇用の均等待遇について「新たな階層」を作り出すだけのものとして法案の修正を求めたが、答弁は、「反復更新や解雇権の乱用防止」「円滑な運用を図っていく」という内容のない答弁であった。
社民党の阿部知子委員は、高橋委員と同じく審議のあり方に抗議し、福島第一原発で働く労働者の被曝線量隠しについて、初めに追及。違法した企業を外すこと、違法派遣の調査と対策を求めた。
続いて、無期雇用への転換をはじめとした今回法案の政府の理念について回答を求めた。政府側は、反復更新や雇止めの乱用防止、次へつながる第一歩であるという答弁に終始した。無期雇用を逃れるためにクーリング期間が利用されるので撤廃を求めたのに対して、「それを設けなければ、期間がオーバーし雇用できなくなる(雇止め)ので必要だ」と言い切った。正社員として雇用すれば問題は解決するのである。雇用契約書の不更新条項については、「雇止め法理」の法制化で対応できると明確な回答を示さなかった。
みんなの党、最後に民主党から二人が質問。民主党委員は。野党委員の二倍の時間を使って政府の用意した答弁を引き出す質問をしていた。
労働政策審議会労働条件分科会の答申をまるごと法案化した「有期労働契約に関する労働契約法の一部改正法案」が厚生労働委員会で、民自公の賛成多数で可決、衆議院本会議に送られた。
(H)
7.15原子力資料情報室第78回公開研究会
「原発ノー」の声を結集し
現状温存の思惑をつぶそう 七月一五日午後、旧総評会館大会議室を会場に、「脱原発のエネルギー政策へ」と銘打った、原子力資料情報室の第78回公開研究会が開催された。後述する二〇三〇年時点における原子力発電比率決定に向けて、〇%案を要求する声を大々的に巻き起こそうとの趣旨が込められた研究会であり、当日会場を埋めた参加者にも、〇%を要求する観点からの積極的なパブリックコメント応募が呼びかけられた。パブリックコメントの応募期限は当初七月末とされていたが、〇%案を主張した委員による強い抗議により、八月一二日まで延長されたことが当日報告された。
「国民の討論
を聞く」ふり
さてこの研究会直前、総合資源エネルギー調査会の基本問題調査会は、二〇三〇年時点での原子力発電比率を、〇%、一五%、二〇〜三〇%、とする選択肢案をエネルギー・環境会議(議長、国家戦略担当大臣、現職は古川元久)に報告することを決定した。しかしこの決定については、原子力業界との秘密会議が二三回も開かれていたこと、「落としどころ」としての一五%案への誘導が見え見えであることなども含め、審議の最中から各方面から批判が強かった。加えて、野田政権が標榜する「国民的議論を通して」という決定方式もまったくあいまい。その無内容さ、むしろ羊頭狗肉ぶりは、「国民的議論」の一環として設定された「意見聴取会」が、始まった途端に「やらせ」の発覚を通してアリバイづくりでしかないことの馬脚が現れることで、もののみごとにあらわとなってしまっている。
「国民の議論を聞いた」ふりをしながら原発温存を図るという旧来手法を、文字通り草の根の力で打ち砕くことが求められている。全国に広がる巨万のデモに加えて、この日呼びかけられた嵐のようなパブリックコメント応募も、確かにその一つの方法と言える。
一五%案はイカ
サマ一〇〇%だ
この観点から当日の議論は、先の調査会委員として〇%案を報告とすべく奮闘してきた、伴英幸さん(原子力資料情報室)、阿南久(全国消費者団体連絡会事務局長)さん、高橋洋(〈株〉富士通総研主任研究員)さんからの報告と観点提起、三人のトークセッション、会場を交えた意見交換という形で進められた。この中では高橋さんの主張が異色であり、自由競争市場を通じて原発ゼロをめざすというもの。その立場から、電力自由化とはどういうものかが説明された。この問題はトークセッション、会場との意見交換でも一つの論点として活発に議論された。
同時に三人に共通だった点は、原子力発電比率の問題とはエネルギーシステムそのものの改革に踏み込むのか否かの問題、という観点。〇%要求はそのような改革なしにはあり得ないものである以上、〇%派は調査会でこの問題を繰り返し議題として提起した。しかしこのような問題掘り下げの要求は、委員長の独断でことごとく退けられたという。逆に言えば、一五%案、二〇〜三〇%案とは、そのような改革を排除したシナリオということとなる。
この点では特に、二〇三
〇年から先を何も決めていない一五%案の危険性に警戒が呼びかけられた。このシナリオでは、その先は二〇三〇年に決めるとされており、その段階で原発増設へ復帰の道が残されているのだ。その意味で、見え見えの一五%案への誘導とは原発温存のもくろみに他ならなず、野田政権の「脱原発依存」の真意がここにも覗いていることをはっきり指摘できる。
いずれにしろエネルギーシステム転換の問題は、再生可能エネルギーへの転換をどう具体的に進めるか、省エネ推進のあり方など、〇%シナリオと切り離せない。そのための議論が不可欠のものとして求められている。その点で、会場からも電力自由化を含めて、予定時間をオーバーしてもこなしきれないほどの数多くの発言、質問の挙手があった。
しかし同時にその改革も、原発をゼロにするという決断があってこそ真剣な課題となる話しだ。今回の参加者にその問題意識は共通であり、主催者のパブリックコメント応募の呼びかけは、翌日に控えた一〇万人集会への参加と一体のものとして積極的に受け止められたように見える。ともかくも今はまず、あらゆる形で全国津津浦々から「原発ノー」の声をとどろかせることが急務だ。(谷)
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