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    かけはし2012.年8月27日号

パキスタン フンザの政治囚を即時釈放せよ

地滑り災害被災者に公正な補償を
反テロ法による反対派弾圧許すな

イスラマバードでの記者会見 二〇一二年七月二九日

  パキスタンでの人権・民主主義を求める活動への過酷な弾圧に対して、反撃する闘いが広がっている。さる六月二七日、アジア連帯講座はパキスタンの仲間たちの国際的呼びかけに呼応してババ・ジャンら政治犯の即時釈放を求め、人権侵害に抗議するパキスタン大使館申し入れ行動を行った(本紙七月九日号)。フンザ・ファイブのうち二人は七月二日に保釈を勝ち取ったが、ババ・ジャンら三人は「刑務所暴動」を組織したなどのでっち上げで、いったんは保釈が決定されたにもかかわらず、なお獄中にある。パキスタンからの報告を掲載する。(「かけはし」編集部)

住民の抗議活動
に発砲し虐殺


 二〇一一年八月一一日、アリアバードで武器を持たずに抗議行動を行っていた無実の二人、シェール・アフザルとその父ウッラー・バイグがフンザ警察によって殺害されてから一一カ月たった今も、テロ容疑で逮捕された進歩的青年戦線の三人のメンバーは、依然としてギルギット市の監獄に拘留されている。虐殺の犠牲者たちは、アッタバード・レーク災害の救援物資の分配において、その正当な配分が約二五の家族に対して奪われるという不正行為に抗議する活動に参加していた。フンザ警察は、警棒や催涙ガスを使っても抗議活動参加者を説得できなかったため、道路の封鎖を解きギルギット・バルチスタン州知事シエド・メフディ・シャーの通行を確保するという理由で、至近距離から発砲した。
 怒りを爆発させたフンザの住民は暴動に決起し、警察署を攻撃して十数人の警察官を叩きのめした。住民の怒りが正当なものであることを知ったギルギット・バルチスタン州政府の法相は記者会見を行い、勾引状を作成し、事件に関わった警察官への法的措置がなされると主張した。司法尋問も行われると発表された。人々は平穏を取り戻し、当局はそれを利用して大量逮捕を開始した。記者会見で示された勾引状は偽物であることが判明した。人々は再び抗議し、自分たちをまとめて逮捕しろと主張した。当局は恐れて後ずさりし、彼らが活動家だと疑った者だけを逮捕しはじめた。司法尋問は行われたが、その勧告は当局によって抑え込まれた。

残忍な拷問と
保釈決定拒否


 監獄では幾度かにわたって、拘留された者のうち六人が警察と公安関係者によって連れ出され、殴打や拷問を受けた。かれらの足は重い靴で踏みしだかれ、一人の同志はあまりにひどく殴られたため、拘置房に歩いて戻れないほどだった。もう一人の性器には溶けたワックスが注がれた。その目的は、被拘留者の自白を引き出すことにあった。反テロ法によれば自白が証拠と認められるからである。しかし同志たちの多大な勇気によって、当局のテロ行為は打ち砕かれた。当局は被拘留者に着せられた罪状を支えるいかなる証拠をも発見することに失敗したのである。
 それにもかかわらず、州当局は同志たちへの嫌がらせと拘留延長のために、法廷において引き延ばし戦術をとり続けた。それに対して労働党と、パキスタンならびに世界の支持グループ、諸個人は、フンザ・ファイブと呼ばれるギルギット・バルチスタンの五人の政治囚の釈放を確かなものにするために、二週間の行動を発表した。
 カラチでは三日間のハンスト・キャンプが設置され、ラホールとイスラマバードで抗議行動が組織された、海外では支持者たちが東京(日本)、ジャカルタ(インドネシア)、フランクフルト(ドイツ)、パリ(フランス)などでパキスタンの外交機関に対する抗議を行った。国際左翼内での労働党の多くの同盟者たちは、議員に対してパキスタン大使や高等弁務官に手紙を書くようロビー活動を行った。この共同したキャンペーンはフンザ・ファイブの孤立状況を打ち破り、専制的なギルギット・バルチスタンの体制に対して、弾圧を無期限に続けられないことを覚らせた。
 ついに二〇一二年六月二六日、ギルギット・バルチスタンの最高上訴裁判所は、この事件の主犯とされたババ・ジャンの保釈申請を受け入れようとした。その時、彼に対して反テロ法を名目に新たな罪状が科された。この罪状は、二〇一二年四月二六日、すなわち新たな告発の二カ月前(!)に起きたギルギット刑務所の暴動事件と関連している。ギルギット・バルチスタンを支配する徒党が、自らの不処罰性と不正な手段で得た特権を保持するために、司法手続きを最大限に妨害しようとしたものであることは、きわめて明白である。

腐敗しきった
徒党的支配集団

 パキスタン労働党(LPP)書記長のヨウナス・ラフは、最もきつい言葉でギルギット・バルチスタンの支配徒党集団と全国政府の既得権が、この地域の司法、正当な手続き、さらには最も基本的な人権すらも嘲笑していることを非難した。それは抑圧された人びとを支援する良識ある人々が、テロリストとして犠牲にされ、二人の非武装の抗議活動参加者、シェール・アフザル・バイグとその父シェール・ウッラー・バイグを二〇一一年八月一一日にアリアバードで殺害した警察官が、公的な保護を受け、昇進をもって報われたためである。
 労働党のラフ書記長は、最も宗派主義的な要素とさまざまな腐敗しきったジハード部隊を支持してきた強力な情報機関がババ・ジャンを消そうとしている事実に注意を喚起した。それはババ・ジャンが、この地域において宗派主義やジハード組織を公然と批判してきた唯一の指導者だからである。
 彼は、ギルギット・バルチスタンに住むさまざまなコミュニティーの人々が、ともに社会的・政治的諸権利のために闘うよう大変な努力をしてきた。ババ・ジャンは、自らの目的を追求するために宗派主義的ラインに沿ってこの地域を分裂したままにとどめ置こうと願う強力な権力機関にとって、大きなハードルである。
 パキスタンの強力な権力機関に敢えて挑戦しようとする者は誰でも、恐ろしい結末に出会うことは秘密ではない。数カ月前、部族地域でジャーナリストのサレーム・シャフザードと数人のメディア関係者が殺されたことは、パキスタンの強力な情報機関の怒りを買った者は誰でも、生き延びることはできないだろうことをきわめて明らかにしている。

緊急の支援が
求められている


 パキスタンと海外の人権組織に向けたパキスタン労働党のアピールは、この事件を取り上げ、全国政府がギルギット・バルチスタン州政府首相サイエド・メフディ・シャーの無責任きわまる体制への統制を取り、フンザ・ファイブへのあらゆる根拠なき告発を取り下げるために、緊急の行動を開始するよう訴えるものである。
 パキスタン労働党は、さらにパキスタン最高裁にアピールし、以前の「弁護士運動」の期間中(訳注:二〇〇七年、ムシャラフ軍事独裁の末期に最高裁長官をふくむ裁判官、弁護士などが非常戒厳体制の下で逮捕、拘禁された。弁護士たちは街頭デモでこの戒厳体制に立ち向かった)デモへの組織化と参加を繰り返し、警棒にさらされ、催涙ガスを浴び、勾引されたという経験を持っている行政機関から独立した人々が、事実上パキスタンの支配下にある地域でなされた犯罪行為に注意を払い、ギルギット・バルチスタンに正義を復活させる支援をするよう呼びかけた。
 パキスタン労働党は、殺害、ならびにその後かれらに振り当てられた不正義の出来事を通じて押しつけられた恐怖を打ち破ったフンザの人々の勇気に敬意を払う。かれらは七月二三日にナシラバード・ヒンディ(フンザ峡谷)で開催された大衆集会に多数参加し、決意をこめて州機関への「長征」に出発し、要求が満たされるまでとどまる覚悟である。今朝、七月二九日の早朝、別の大衆集会がナシラバードで行われ、地域社会のリーダーと地域の政治家たちが、アリアバードの殺害事件の犠牲者への正義を求め、フンザ・ファイブの無条件釈放を求める運動を一段と強化することを決意した。
 われわれはフンザ・ファイブのうちの二人、アミール・アリとラシド・ミンハスが七月二日に保釈された事実に励まされている。われわれの基本的人権の擁護者が抵抗を続けるかぎり、不正はいつまでも続くことはできない。われわれはわが同志であるアメール・カーン、イフティカル・フサイン、ババ・ジャンの早期釈放を求め、起訴された活動家たちへの罪状が撤回されるまで闘い続ける決意である。いまやフンザの人々が問題を自らの手に握ることを決めた以上、われわれの勝利は否定できないのだ。
 この集会への参加者には、進歩的青年戦線、全国学生連合、バッタ・マズドール・ユニオン、国際社会主義者、パキスタン労働者党(PWP)、パキスタン労働党(LPP)が含まれている。われわれはギルギット・バルチスタン、マルダン、スワト、ファイサラーバード、グジランワラ、ラホール、タクシラ、そしてもちろんイスラマバードとラワルピンジから参加している。
 ババ・ジャン釈放キャンペーンは、集会に参加し、われわれの要求と憂慮を多くの大衆に伝えてくれた報道機関の方に感謝する。
ニザール・シャー、パキスタン労働党(LPP)スポークスパースン

投書

靖国神社に反対する集会
デモに参加して考えた

須藤正司


日本は、侵略戦争で二〇〇〇万人以上のアジア人を殺りくし、三一〇万人以上の日本人を死に追いやった。アジアの国ぐにを植民地にして、人びとを苦しめた。その最高責任者は、天皇だった。侵略戦争と植民地支配の最高責任は、天皇制にある。靖国神社は、国家と天皇のために死んだ人びとを「神」としてまつり、戦死を名誉なこととすることで、侵略戦争を美化し、侵略戦争へと人びとを動員した。「国家のため・天皇のために死んでくれてありがとう、国家のため・天皇のために死ねば神になれる、あなたも国家のため・天皇のために死ねる人間になりなさい」として、侵略戦争を推進した。
 日本は、戦争に敗北した。アジアは、解放された。だが、今の日本が侵略戦争とアジアの植民地化を真摯に反省しているとはいいがたい。戦後補償の問題は、何も解決していない。天皇制も靖国神社も存続した。全国戦没者追悼式では、靖国神社がやってきたことを無宗教の形でやっている。軍隊も復活し、憲法9条を改悪し・天皇を元首化しようとする動きも存在する。マスコミは、「二度と戦争を起こしてはならない」などといいつつ、天皇制を賛美し、全国戦没者追悼式を肯定している。領土問題やオリンピックでも、ナショナリズムをあおっている。自衛隊と日米安保を容認し、憲法改悪に賛成するか・きっぱりと反対していない。靖国神社に反対する非暴力のデモには右翼が押しかけ、デモへの突入を繰り返す。警察は、デモ隊を守るふりをしつつ、右翼がそばでデモに暴力的に敵対し・デモへの突入を繰り返し試みること自体は許している。「安全のため」と称して、デモ参加者を押したりしてデモ隊に暴力をふるっている。マスコミは、この状況を黙認している。日本は、これでいいのか。
 日本は、人種差別撤廃条約を批准したが、条約の第四条(a)(b)の適用を留保している。条約第四条(a)(b)は、人種差別助長煽動を犯罪として処罰することを義務としている。条約第四条(b)は、人種差別団体を規制することを義務としている。日本は、このことで国連(国連人権理事会)から批判されている。前田朗(まえだ・あきら)さんは、『ヘイト・クライムーー憎悪犯罪が日本を壊すーー』(三一書房労働組合発行、教育実務センター事業部発売)で、このことを批判している。警察・検察・裁判所に対する不信感から立法趣旨に反した法適用の恐れを警戒した上で、「具体的な人種差別禁止規定を検討する必要がある」と主張している。「戦争犯罪やジェノサイドには時効がない」とも主張している。「人種差別表現の自由などというものは、ナンセンスだ」という意味のこともいっている。
 日本は、侵略戦争とアジアの植民地化を真摯に反省し、靖国神社や天皇制を解体するべきだ。全国戦没者追悼式は、やめるべきだ。日の丸・君が代は、禁止するべきだ。戦後補償の問題を解決するべきだ。差別禁止法や軍国主義禁止法のようなものが必要だ。マスコミの反戦平和は、ニセモノだ。天皇制は、世界共通の敵だ。日本は、世界共通の敵だ。東洋のナチスは、世界共通の敵だ。天皇制とナショナリズムを支持したり容認したりするようなメディアでは、ダメだ。私は、そう考える。
(2012年8月19日)


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