5.18声を上げたら“逆ギレ”ばっかり
ブラック企業に立ち向かう
仲間たちの集会PartU
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マスコミに訴え
ると「業務妨害」
五月一八日、東京・文京区民センターで、「声を上げたら“逆ギレ”ばっかりpartU ブラック企業に立ち向かう仲間たちの集会」が「逆ギレ」ネットワーク5・18集会実行委員会主催で開催され、一二〇人が集まった。
集会は第一部、ブラック企業と闘う“激しい”現場報告から始まった。
「取材理由に配員停止」。阪急トラベルサポートと闘う全国一般東部労組HTS(阪急トラベルサポート)支部。観光バス(海外ツアーも含む)の添乗員は朝の四時半から夜中の一二時くらいまで休みなく働き続けている。それに有給もなく、残業代も払われない登録型派遣労働だ。こうした劣悪な労働環境を改善するために、二〇〇七年に労働組合を結成した。その結果、雇用保険、社会保険への加入、有給もとれるようになった。また未払い残業代の支払いについて、裁判所に提訴した。その結果、会社は組合敵視に走り、二〇〇九年二月に『週刊金曜日』のHTS塩田卓嗣支部委員長のインタビュー記事(登録型で働く添乗員の過酷な労働環境と組合結成の経緯を取り上げた)に対して業務妨害だとし、三月からアサイン(仕事の割当)の停止を通告し、事実上の解雇を強行した。
組合は都労委・中労委に提訴し勝利したが、会社は命令に従わず、塩田さんはいまだ仕事に復帰できていない。マスコミに訴えるのを「業務妨害だ」とするのなら、企業のひどい労働環境を改善などできない。労働組合運動へのあからさまな攻撃だ。
アルバイトは
業務委託関係
「牛丼の帝王は団交が嫌い」。すき家と闘う首都圏ユニオン。二〇〇六年渋谷の「すき家」でリニューアルオープンのためにアルバイトを解雇した。そこで組合を結成し、解雇を撤回させ、残業代の割増賃金を払わせた。これが約一万人いるアルバイトに波及するのを恐れ、「業務委託関係で雇用関係にない」として団交を拒否し、組合の疲弊をねらった。都労委・中労委は団交に応じるように命令を出した。ゼンショーはパートを食い物にして、外食産業のトップ企業になり社長は大金持ちになった。
二〇〇九年仙台泉店で、「商品用のご飯どんぶり五杯を食べたことが窃盗罪にあたる」と刑事告訴までしてきた。しかし、これはご飯に洗浄用ブラシの毛が入ったために、まかない用のおにぎりにしたものだった。地検は嫌疑不十分で不起訴とした。仙台泉店の福岡淳子さんが報告した。「大震災で仙台の各店舗も休業せざるをえなかったが、四月になって何店舗か開くようになった。そこに休業中の店から応援に行くようになったが、泉店の従業員は認めなかった。就労証明書があれば休職手当てがもらえるということで会社に要求したら、すぐ再開するのだから、証明書を出す必要がないなどと最初渋った。何度か要求してようやくもらって、三週間の休業手当をもらった」。
「私は一二年働いているが同じ処遇だ。役職にもつけない。こうしたひどい待遇を改善するために、間違っていることを正したい。これから夜勤の仕事があるので仙台に帰る」。
ストの報復に
一億円損賠請求
「ストをしたら損害賠償?」。ベルリッツと闘う全国一般なんぶBEGUNTO。ポール・ケネディ委員長が参加できなかったのでメッセージを寄せた。
語学教室のベルリッツ・ジャパンは一六年以上働いてもベースアップやボーナスがなかった。組合を結成して闘った。二〇〇八年春闘では三五二一回の指名ストに逆ギレ。一〇月にベネッセコーポレーションが親会社になり攻撃をしかけてきた。春闘ストライキの報復に一億一〇〇〇万円という法外な損害賠償訴訟を組合に対して仕掛けた。地裁では組合が完全に勝利したが、控訴審での争いが続いている。
労組が先頭に
立ち闘う必要
「ハシズムの嵐に抗して」。大阪市と闘う大阪教育合同。報告を山下恒生副委員長が行った。「逆ギレではなく、マジ切れの橋下だ。府知事時代の約四年間で二五〇〇億円の負債が増えた。政策の柱は公務員攻撃と都構想だ。教員の給与は全国最下位。採用されても職に就かない辞退率は一三・四%だ。二〇一一年五月時点で府の教職員の非正規率は二一・五%」。
「なぜ公務員を嫌っているのか。それは市長選で前市長の平松を組合が応援したからだ。公務員はスト権もなく、実質的な団交権もないので、待遇を改善するためには、自分たちの支援する首長にするしかない。橋下は通報制度をつくり、平松を支援した組合員を追い落としていった。アンケート調査、組合事務所の撤去、組合費のチェックオフの拒否そして刺青調査。刺青問題は採用時にはなかったものを過去にさかのぼって責任を問うやり方だ。横にいる人が信用できなくなる。組合の団結が破壊されている」。
「では、どう闘っていくのか。労働組合が前面に立って闘わないとダメだ。三月には、大阪市役所包囲を全国から四〇〇労組の賛同申し入れ行動、三・一六非常勤教員のストライキ、アメリカ・ウィスコンシン州で闘っている教員組合との交流などを行ってきた。ストはマスコミが取り上げインパクトがあった。従来のナショナルセンターの分断を超えた統一集会を準備している。ハシズムは大阪で止めよう」。
宮古毎日新聞の
組合つぶし攻撃
「南の島の組合つぶし」。「宮古毎日」と闘う宮古毎日労組。恩川順治さんが報告。
「宮古島は人口五万五〇
〇〇人、そのうち一万五六
〇〇人が宮古毎日を購読しており独占状態だ。ワンマン経営が三〇年以上続いている。従業員は五〇人だが二〜三年でやめてしまう。どう喝経営だ。弱い者に寄り添う中から権力に横暴に立ち向かうというジャーナリズムの原点に立つ新聞発行になっていない」。
「二〇〇六年に対抗するために組合を作った。四五人のうち三九人が組合に参加した。半年後、脱退攻撃を始めた。〇七年に過半数を切った。組合攻撃がエスカレート。有期の雇い止めを始めた。若い編集記者をねらいうちにした。今若い人がいなくなり、一番若い人が三七歳だ。今の攻撃は契約社員二人に対して、いやがらせの広告職場への配転。もの言う記者らへの減給。今年三月末から指名ストを続けている。四月二日、出社したが席に座るのを拒否され、八時間別の所に留め置かれた。四月三日、出社すると契約を結んでいないので業務命令できないと就労拒否。五月九日、労働委員会の斡旋が出た。素案は@労働条件の変更の時は義務的団交Aまとまらないと従前のものが適用されるB労働時間の問題など。解決に向かうと期待できるものだった。五月一〇日、一四日から時間帯、部署を指定する出社命令を出してきた。現在二人はそこで働いている」。
「組合員以外はあからさまに正社員化し昇給させている。この組合差別については中労委に提訴中だ。支える会が市民によって作られ、地域住民・読者がスト支援にきてくれた。組合があるから闘っていける」。
要求実現まで
スト継続は当然
第二部は「労働組合の権利について語ろう」という内容で、東海林智さん(新聞労連委員長)が質問し、水谷研治さん(都労委斡旋員)が答えるトークが行われた。
――現場報告を聞いた感想は。
かつては違う労働運動をやっていたが一九八九年連合が出来て以後大きく変わった。郵政や国鉄など職場交渉権が奪われた。闘えない労働組合が増えた。民間では労組がない所で攻撃が強まっている。何とかしなければならない。
――都の労働委員を一六年やってこられたが質的な変化はあるか。
かなり変わった。毎年一〇〇件ぐらい案件がある。かつては労基法の一号、三号問題であったが、今は二号問題。すなわち団交拒否が増えてきた。労働組合は何なのか、労働法は何のためにあるのか。@最低基準を守られるAそれは労働組合を作ってはじめて担保できる、この二つだ。セーフティネットとしての労働委員会がある。
――紛争の増加は合同労組の存在か。
労働相談によって組合に加入し団交をやる。そうしたことが大きく広がっている。
――賃下げ、組合がある場合とない場合は。
大いに違う。組合があれば勝手に労働条件の変更はできない。必ず協議が必要だ。配転は@業務の必要性A対象者としての理由B配転先の労働条件を満たしていなければ不当労働行為だ。JAL解雇判決は整理解雇四要件を踏みにじるひどい判決で抗議しなければならない。勝ち取った法理は残していかなければならない。
――宮古毎日労組の発言で、労働委員会に斡旋をしたが期待していなかったと発言したが。
公益委員が露骨に使用者側につくことがある。公益委員は労働者側委員と使用者側委員の同意がないとなれない仕組みになっている。ひどい委員であれば選ばなければ良い。ひどい公益委員に対しては徹底的に抗議行動をやるべきだ。都労委命令が出された企業に対して、都道府県はその企業を使ってはならないとなっている。都労委はいろんな活用方法がある。
――労働基本権への侵害が起きているが。
街宣活動への妨害、不当逮捕などが起きている。ストが当たり前にやられている時は、裁判官も当たり前と思って判決を出していた。ドイツではストを構えない労働組合は組合ではないというのがある。ストは要求貫徹まで続けるのが当たり前だ。憲法で定められた労働三権は当然の権利だが、行使しない限り意味がなく、どんどん後退してしまう。それにつけこんで司法反動が起きている。
不当労働行為に
集団で反撃を
次に、業務が奪われ解雇撤回と闘うKDDIエボルバユニオン、六五歳解雇裁判を闘う郵政労働者ユニオン、組合団交に対して不当逮捕攻撃にあったがくろう神奈川の仲間たちが経緯と闘う決意を述べた。続いて全国一般なんぶ平賀委員長が「三年前にパートTの集会をやった。その時はたまたま逆ギレする会社に合うがそれは不幸なことだが負けずにがんばるだった。今は個別の不幸ではなく、集団的行動に対する攻撃になってきている。逆ギレが普通になり、公権力を前面に出して対抗してきている。少しずつ勝ち、跳ね返していく。呼び集めて集団的力にする。やめさせるだけでは対抗できない。会社に間違ったと認めさせる。それには労組が団結するしかない。組合のつながりが必要だ。広がり、深めよう」とまとめた。最後に集会宣言を採択した。 (M)
5.14国会前で「ゆうき緊急連帯行動」
抜け穴だらけの法案はダメだ
実効ある有期労働規制実現を
徹底審議と修正
見直しを求めて
実効性のある有期労働契約法の成立を求めて共同行動を積み重ねてきたMIC(日本マスコミ文化情報労組会議)、全労協、全労連は、四月二五日西谷敏大阪市立大学教授を招いての「実効ある有期労働規制を求める共同集会」を成功させ、それに引き続き、五月一四日昼休み、三者の共同実行委員会による「五・一四ゆうき緊急連帯行動」を衆議院第二議員会館前で展開した。
派遣労働、有期労働の規制を公約に掲げて政権交代を実現した民主党は、労働者派遣法改正と同じように民主、自民、公明三党の取引で、有期労働契約に関する法案(労働契約法改正法案)をわずかな国会審議時間で成立させようとしている。そうした動きのなかで、徹底した審議と法案の修正・見直しを求めて緊急行動は取り組まれた。
同改正案は、有期労働を「臨時的、一時的なものに限る」とする「入口規制」は労働者派遣法改正と同様に盛り込まれず、五年でやっと「無期労働契約への転換申し込み権」を付与するという内容であり、更に、無期労働へ転換後も「従前と同一の労働条件」のままで良いとされるなど、均等待遇も置き去りにされている。一定のクーリング期間を設ければ、これまでの繰り返し雇用してきた契約期間を通算しないとしており、使用者側の使い放題の法案になっている。労働者保護が欠落しており、西谷敏大阪市立大学教授は、四月二五日の集会で「つぶしてもおしくない法案」と命名したが、この法案が成立すれば、細切れ契約の繰り返しが続き、「転換申し込み権」を得る五年直前での大量雇い止めが発生することになるのは明らかである。
雇用は無期が原則
均等待遇は当然
抜け穴だらけの法案を変えていくために国会前には、平日の昼休みにもかかわらず一〇〇人を超える労働者が結集した。
集会の始めに主催者の三団体からあいさつ。「繰り返し雇用を五年間続ければ無期に転換するという制度は、おかしいし酷すぎる。仲間が本当に不安になっている。西谷敏大阪市立大学教授が『つぶしてもおしくない法案』といったが、法案を修正させる闘いを強めよう」とMICの東海林委員長は訴えた。
全労連の小田川事務局長は、「このような不十分な法案を成立させてはいけない。経済産業省は、二〇二〇年まで一〇〇〇万人の雇用不足が生じるとして、女性、高齢者を多様な働き方などと言って働かせようとしている。企業の儲けのために法整備を行うというのがこの間の動きだ」と政府の雇用政策を批判。
全労協の中岡事務局長は、「雇用は、直接で無期が原則であり、均等待遇は当然だ。有期雇用は、一時的、臨時的なものとして、労働者の保護、実効性のあるものに法案を変えていく必要がある。多くの労働者を結集して法案の見直しを求めて闘おう」と訴えた。
続いて行動に結集した有期労働現場から闘いの報告と決意が述べられた。二〇万人の非正規労働者を抱える郵政職場から郵政労働者ユニオンが報告。六五歳以上の非正規労働者の雇い止め裁判と非正規労働者の正社員への転換試験について報告があった。昨年は、受験者の二五%の八〇〇〇人が正規社員になったが、今年は、二万二千人受験して一〇〇〇人(5%)が合格したが、「落とすための試験」である実態が報告された。JMIUの日本IBM支部の労働者は、六年目で雇い止めをされて組合に加入して闘い勝利した報告、出版労連からは、会社要求したら逆切れされた企業の実態や雇用更新を利用して労働時間を増やす契約を結ばせるなど労基法違反の実態が報告された。
一九年間三カ月契約で七六回反復更新してきて解雇されたユニオンヨコスカの稲葉さんは、「自ら選んで契約したものであり、法的には問題ないという使用者側の姿勢には、国が規制するしかない。今回の法案は、有期労働者を助ける法になっていない。助けてください」と心情を吐露した。
国公労連の仲間からは、実に公務員の三分の一になっている非正規公務員の実態と「期間業務職員制度」について報告があり、「二回までは自動更新で三回目からは公募になっているがこの法案が通れば五年以上の公募もなくなる可能性がある」と新たな雇い止めの問題が生ずる法案であり、見直しが必要だと訴えた。
偏見に満ちた
キャンペーン
働く女性全国センターの伊藤さんは、「労働者派遣法改正も有期契約法も労働法制改正の国会審議の始めからこれは毒入りだと言ってきた。高齢者、女性、若者が喜んでいるとか、被災地のためになどということに怒りを覚える。有期労働者は、有休など当たり前の要求をすれば雇い止めで雇用を失う。この法案は雇用に不安を持ち続けなければならない有期労働者を増やすものだ。『有期労働者は誰かに養ってもらえば良い』という偏見がある。」と有期労働が存在し続ける社会的背景を指摘し、「クーリング期間などが法制化されれば、雇い止めが合法化されることになる」と法案の問題点を示した。
青年ユニオンの河添さんは、五年での無期労働への転換についての問題として「細切れ雇用で、四年上限の雇い止めが先取り的にやられること」を指摘して法案の修正を訴えた。
神奈川シティユニオンの藤原さんは、「組合員の九割が派遣労働者であること、有期契約法案は雇い止め規制法案としてあるべきだが、均等待遇も雇用の原則である常用、直接雇用も全くない」と批判。生協労連、下町ユニオンなど現場からの報告が行われ、最後に「実効性のある有期労働規制法を実現しよう!」「有期雇用を規制しろ!」「労働者の声を聞け!」「徹底審議を行え!」のシュプレヒコールを国会に向けて叩きつけた。
西谷敏大阪市立大学教授は、四月二五日の講演で、ディーセント・ワーク実現のなかで有期労働の基本的な問題点を明らかにしつつ、法案の修正を「選挙区で議員に求めていく運動」を労働組合の課題として「草の根立法運動」を提案した。
不安定雇用である有期労働を規制するための法案修正、見直しを求める運動が求められている。 (H)
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