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    かけはし2012.年10月8日号

IMF・世銀年次総会に抗議を

失業・貧困・権利剥奪を許さない

10・13(土)正午・水谷橋公園へ

IMF・世銀
の自己宣伝

 一〇月一二日から一四日までの日程でIMF(国際通貨基金)・世界銀行の年次総会が東京国際フォーラムや帝国ホテルをメイン会場にして開催される。
 IMF・世界銀行とは何か。東京で開催される今年の年次総会にあたって作られた公式サイトから引用しよう。まずIMFである。
 「IMFの基本的な使命は国際システムの安定性を確保することであり、この安定性の確保は、三つの方法により行われます。すなわち、世界及び加盟国の経済状況を把握すること、国際収支が悪化した国に融資を行うこと、加盟国に対して事実支援を提供することです」。
 「サーベイランス:IMFは国際金融システム、加盟国の金融・経済政策を監視しています。IMFは各国、地域、グローバルなベースで、経済活動を把握し、加盟国と定期的に協議を行い、マクロ経済政策・金融政策面のアドバイスを行っています」。
 「技術支援:主として低・中所得国による自国経済の効果的運営を支援するため、IMFは、制度の改善、適切なマクロ経済政策・金融政策・構造政策の立案に関する技術的な指導と研修を提供しています」。
 「融資:IMFは、対外支払いに困難が生じており、妥当な条件で十分な資金調達先を見つけることができない国に対して、融資を提供しています。この資金支援は、各国が外貨準備の再構築、自国通貨の安定化、輸入の支払い(これらすべては経済成長を再開するための必要条件である)によって、マクロ経済の安定性を回復するのを助けることを意図したものです。またIMFは、低所得国の経済発展・貧困削減を助けるため、これらの国に譲許的融資を提供しています」。
 次に世界銀行である。
 「文字通り『世界の銀行』として、開発途上国の貧困削減への努力を支援することを目的にしています。途上国の持続的成長や生活水準の向上につながる事業に対して、融資による支援や政策アドバイスを行っています」。

世界の人々と
共に闘おう


 しかしこの自己宣伝を信じる人は、そう多くはいまい。実際のところIMFや世界銀行が、グローバルな金融資本主義の司令塔として各国に新自由主義政策を強制し、債務危機を口実に「構造調整政策」を導入してさまざまな民衆支援策を解体し、「途上国」の債務奴隷化と、市場競争原理による貧困・格差を拡大してきた張本人であることは、今や多くの人びとが知ることである。
 「加盟国が経済危機に陥った場合、常にIMFが最初に介入します。/ある国の財政が火の車になり、支払いを続けられなくなった途端、IMFは財政消防隊に変身します。ところが、この消防隊は実は放火魔で、構造調整政策という(SAPs)という扇で火を煽るのです」「借り手の国の経済政策は、いまやIMFとそのウルトラ自由主義経済専門家の支配下に置かれることになります。こうして新しい形の植民地支配ができあがります。もはや以前のように、占領軍や行政官をその国に駐在させる必要はありません。なぜなら、債務があるというただそれだけで、債権者に依存し続けなければならない状況ができあがってしまったのですから」(ダミアン・ミレー、エリック・トゥサン『世界の貧困をなくすための50の質問』、大倉純子訳、つげ書房新社刊)。
 そして今や、この債務危機・債務奴隷化の波が、途上国から欧州など先進資本主義国にも押し寄せ、失業・賃下げ・年金改悪・社会福祉の切り捨てによる社会全体の解体と貧困をもたらしていることはギリシャ危機などで周知の事実である。金融資本による過剰貸付の野放図な強制、債務返済の不履行、債務危機の発生と金融資本の救済、そのための「緊縮政策」による労働者民衆への犠牲の押しつけと労働者の社会的諸権利の解体――こうした構図を強制したのはIMF・欧州委員会・欧州中央銀行から成る「トロイカ」だった。
 IMF専務理事のクリスチーヌ・ラガルドは今年、トロイカによる過酷な「緊縮政策」の強制に対して闘うギリシャの労働者民衆を嘲りながら「私は、三人で一つの椅子を分かち合い、教育を得ようと切実に熱望しつつも日に二時間しか教育を受けていないニジェールの小さな村の子どもたちのことのほうを、もっとたくさん考えている」と言い放った。しかしアフリカのニジェールの子どもたちにそうした状況をもたらしたものこそ、IMFが長期にわたって強制してきた構造調整政策であることを彼女が知らないはずはない。
 民主主義・人権を破壊し、貧困と差別、グローバル資本の新たな植民地支配をもたらした元凶である金融資本の総本山、IMF・世界銀行に対して、途上国の人びとも先進資本主義国の労働者・民衆も闘いに立ち上がっている。
 チュニジア、エジプトの労働者・市民が切り開いた「アラブ革命」、そしてスペインの「怒れる者たち」の広場占拠の闘い、ギリシャのゼネストと職場占拠・街頭決起、さらにウィスコンシンからウォール街にいたる米国の「オキュパイ」運動の急速な拡大は、グローバル金融資本に対する怒りの世界的・同時的拡大を示している。
 われわれは、自らの闘いとしてこのIMF・世銀総会への抗議の意思を表明し、世界の人びととの連帯を求めていこうではないか。

原発被害を切り
捨て「防災」論議

 IMF・世銀総会が東京で開催されるのは、一九六四年以来、四八年ぶりである。
 IMF・世界銀行年次総会準備事務局長である財務省の仲浩史は同年次総会のサイトで東京開催の意味について次のように語っている。
 「東京での開催は一九六
四年以来、二度目となります。一度目の総会は、同じ年に開かれた東京オリンピックと共に、日本を世界へとアピールする舞台となり、戦後からの『再出発』の原動力となりました。/そして半世紀たった今、日本が再び国際通貨基金・世界銀行年次総会の開催地として立候補したのは、もう一度『再出発』を実現したい、という思いからでした。/大震災から力強く復興するこの国の姿を、世界のみなさまに見ていただくために……」。
 そして一〇月九日から始まる多くのIMF・世銀総会関連企画の中には一〇月九日、一〇日に仙台で開催される「防災と開発に関連する仙台会合」が含まれている。ここでは「災害に強い社会を構築して持続可能な開発を支えていく」という観点からのパネルディスカッションが企画されている。
 しかしこの企画においては、被災者の生活再建をなおざりにした資本主導の「復興」の問題点が排除されているばかりか、何よりも現在、さらに深刻化している福島原発災害の問題が完全に切り捨てられている。原発事故の惨状と被害の実態を語らずに、どのようにして「災害からの復興の教訓」など語られるのか!
 このような問題を改めて前面に押し出しながら、貧困、失業と飢餓、差別と権利破壊、環境破壊を押し付けるグローバル資本主義の司令塔であるIMF・世界銀行年次総会に抗議の意思を示そう。
 一〇月一三日正午、東京・水谷橋公園に結集しよう。          (純)

自民党安倍総裁の選出

原発推進・改憲右翼勢力の
攻勢と対決する運動形成へ

いっそう極右化
とげた自民党


 九月二六日投開票が行われた自民党総裁選で、党員投票で過半数を占め第一位となった石破茂・前政調会長を決選投票で破った安倍晋三・元首相が総裁に選出された。今回の総裁選では五人の候補者がいずれも父親が自民党政権の閣僚だった二世、三世以上の世襲議員だった。また五人の候補がいずれも、原発推進、日米同盟の強化と集団的自衛権の行使・憲法改悪の促進、「尖閣・竹島」など「領土防衛」への「強い意思」の表明といった点では完全に一致していた。かつての自民党内で、改憲右派勢力に対して一定のバランスを取る勢力になっていた「保守リベラル」的要素は消え失せ、きわめてイデオロギー的な極右の主張が表舞台を独占する構図が、前面に押し出されることになった。
 ここには資本主義のグローバルな危機を背景にして、「成長」を土台にした「経済主義的国民統合」の不可能性、米国の圧倒的な「覇権」の衰退と中国の急速な台頭、当初は中道左派的色合いをまとっていた民主党政権のみじめな迷走と支持率の急速な低下が反映している。鳩山・菅・野田と首相の首がすげ替えられるたびごとに右翼的転換を加速させていった民主党への対抗が、自民党のイデオロギー的極右化を加速させていったことは明らかである。
 「三・一一」の東日本大震災、福島原発事故の被災者・避難者たちの悲しみと苦しみと怒りは、この政争の中でかえりみられることはなかった。

議会政治の危機
と政治再編動向


 自民党の総裁選と安倍の選出は、日本政治の軸が大きく右翼の側に移行してきた現実をあらためて示している。そしてその経済政策は、破綻した「小泉・竹中構造改革」以来の新自由主義路線の復活である。「資本の階級権力の強化」がその本質である。
 現在、民主党の急速な支持率の低下の中で各種世論調査では、自民党が国政選挙での投票対象第一位にのし上がっている。そして大阪市長・橋下徹の新党「日本維新の会」がアプローチを試みている政治家も安倍晋三である。
 安倍自民党は、当面の国政選挙で「日本維新の会」と闘わなければならない以上、自民・維新連合は容易に成立しないだろう。しかし、次期総選挙で、自民党が第一党となった場合、選挙結果によっては「自民―維新連合」が成立する可能性については大いにありうる。その際、野田民主党の再々度の分裂をふくめて、新たな政界再編が想定されることになる。そしてここにおいては集団的自衛権の行使を突破口に、憲法改悪の過程が一挙に進むことが当然のように予測される。

新しい政治勢力
の形成に向けて


 こうした原発推進・憲法改悪・新自由主義の反動連合に対して、これまでにない大衆運動の新たな可能性が現に存在している。言うまでもなく、それは第一に「三・一一」の福島原発事故の惨禍を起点にした反原発・脱原発運動の持続的な高揚である。第二に、オスプレイの配備に島ぐるみの怒りをたぎらせている、沖縄の反基地闘争の展開である。
 この闘いを支配階級の政治的攻勢に最も鋭角的に切り込む運動としてさらに自立的に強化していくために全力を上げよう。「再稼働阻止」「原発ゼロ」実現をめざす運動、オスプレイ配備阻止の運動の全国化と連携は、運動自身の政治的・戦略的方向性をめざす論議を現に必要としている。
 われわれは運動の方向性と来るべき国政選挙をめぐる論議の中で、必然的に新しい政治勢力をめざす闘いに踏み込んでいかなければならない。そのための論議を着実かつ意識的に積み上げていこう。その条件をさまざまな現場から作り出し、突き合わせていくことが求められている。 (K)


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