ベネズエラ
マレア・ソーシャリスタはチャベスに行動を訴える
チャベス勝利後の民衆の
要求は官僚制反対の闘い
カルロス・ミランダ
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投票日一週間前あたりから、一般紙で突然チャベス苦戦との報道が一斉に始まったベネズエラ大統領選は、一〇月月七日、約一〇%差をつけたチャベスの圧勝に終った。ベネズエラ民衆は、一四年前に自ら開始した革命の後戻りを許すつもりはないことをきっぱり示した。しかし一般紙も伝えるように今回のチャベスの得票率は過去最低であり、この選挙は、ベネズエラの革命が重大な岐路に差し掛かっていることをも示した。それはどういう問題であるのか、以下に紹介するベネズエラ左翼の投票目前に出された主張はその重要な部分を明らかにしている。なお先に上げた事前のチャベス苦戦報道に一言触れれば、欧州にも一斉に流れたことも合わせ、現在の支配階級のチャベスに対する敵意の強さを示すものとして留意しておく必要がある。票差が小さかった場合の介入に向けた下準備、という背後の思惑も十分に考えられたからだ。しかし今回は対立候補も敗北を認め、そのような思惑が入る余地を与えなかった。〈「かけはし」編集部〉
ベネズエラの大統領選が数日後にある。大統領のチャベスは、四選を目標とし、メサ・デ・ウニダード・デモクラシア(MUD、民主統一会議)として組織された反対派の単一候補者、カプリレス・ラドンスキ(一般紙ではエンリケ・カプリレス)と争っている。後者は個人として、二〇〇二年四月のクーデターに加担した。
すべての世論調査はチャベスを勝者としているが、最終盤それらは、両者間の差が相当に縮んでいることを示している。今PSUV(統一社会主義党)の指導者たちは住民に、差を広げチャベスの勝利を確実にするよう呼びかけている。
「社会的使命」
の事業を足場に
チャベスのキャンペーンは、ここ一年半取られた三つの基本的諸方策に依拠している。それらは、一四年前ボリバリアン(チャベスを中心に結集したベネズエラ革命運動勢力は自身をこう総称する。その呼称は、一九世紀にラテンアメリカ総体のスペインに対する独立戦争を主導したシモン・ボリバールに由来する:訳者)政権が権力を取った後宙に浮かされていた約束である、二つの大規模な社会事業の再開と体系的な労働法規改革だ。
一年半前に始められた「大規模住宅事業」は、次期政権のために構想された二〇〇万戸計画の一部として、国中で二〇万戸のまずまずの住宅を建設し終わり、すでに配分も終わっている。そして、「最大限の慈愛事業」は、社会保障がまったくなかった一〇〇万人近い人々に退職手当を供与した。
第三にこの四月、体系的な改革労働法規が通過した。それには、たとえば、体系的な法令による解雇の防止、母親には六カ月の出産後休暇、父親には同二カ月の休暇、派遣雇用の廃止、新規採用労働者に対する試用期間の三カ月から一カ月への短縮といった、雇用分野におけるいくつかの進歩的な措置、並びに労働者多数から見て進歩的と見られ得る他の措置が繰り入れられている。
このことを背景に反対派のキャンペーンは、チャベス主義が達成した社会的獲得物を彼らが維持するつもりだという主張を基礎に、主には政権の唯一の弱点、すなわち専横、非効率、不利な影響を受けている住民の無視、といったものに狙いを定めている。 革命過程を腐ら
せる国家官僚制
チャベス派政権の一四年においては、民衆の生活基準において重要な前進が見られた。そしてこれは原油価格の例外的な値上がりによって可能となった。その一方これらの前進も十分ではない。
資本の論理との決別が不在な中で、原油収入の主要な受益者は、当地のブルジョアジーと多国籍企業群となっている。国家からの契約受託者という新ビジネス部門と組になったこのブルジョアジーは、ボリバリアンブルジョアジーとして知られているが、政府の官僚制と緊密に一体となって活動してきた。諸閣僚、役人、PSUVの指導者たちは、混合経済モデルを基礎に、資本の論理の国家側要素として機能を果たし、巨大で実に不愉快な特権を享受している。その一方で、労働者に対する大きな負債は未解決なままに残されている。たとえば公共部門の被雇用者や医療労働者に対する団体協約の話し合いは、七年間も引き延ばされた。
これらの特権に付け加えられるものとして、ボリバール派民衆に対する圧迫がある。労働組合指導者や労働組合に対する迫害。殺し屋に対する無処罰。社会事業の受益者に対する差別。ビジネスの改善との対比における満たされない約束。そして多くのものの中でも非効率。これは、公的企業経営における腐敗した手続きを隠し、それらの企業を危機に入れるか麻痺の瀬戸際に置いている。これは、チャベス主義と革命過程の駆動力の一つである住民層内部に生まれた疲労感、幻滅、さらに厳しい批判の基礎となっている。ボリバリアン民衆を統合しているチャベスに対する愛情は今、大統領自身によって庇護されている官僚たちの管理手法によって台無しにされている。 形伴って新しい
希望ある現象が
この国におけるもっとも躍動的な歩みは、労働者階級および民衆運動の前衛層の、官僚制との間で発展中の決別だ。チャベスを防衛しつつも、PSUVに対する批判が成長したという、そしてこの党がもはや過程内部における戦士の党ではなくなっている、という事実がある。
その指導者たちは同時に、国家の官僚制と密接に協力する、知事や市長や代議士たちであり、党は当初の推進力を失ってしまい、基層の党員大衆の戦闘性を枯渇させてしまった。
この過程と平行する形で、チャベス派活動家内部における、また民衆運動や共同体運動の中間レベルの指導者内部における、刷新現象の始まりがある。チャベス派労働組合指導部の非民主的な手法に対する批判の成長があり、官僚たちと直接衝突している基層の労働者や共同体運動の中での、民主的実践の強化がある。ここ数カ月における、シドル製鋼所労組多数派のアリアンサ・シンディカルによる獲得、並びにマレア・ソーシャリスタが率いる政綱グループによるクライスラー労組における勝利は、変化が起きつつあることを示している。これらの指導者たちは、シドルで見られるようにチャベスに立ち向かうことができている。シドルに関しては、アリアンサ・シンディカル指導者であるホセ・メレンデスとマレア・ソーシャリスタが、チャベスのTV生放送とラジオ放送の一つで、大統領に彼がかつて行った約束を果たすことを要求した(カプリレス陣営はこの出来事に飛びつき、チャベスが労働者の支持を失っているとして、反チャベスキャンペーンに利用した:訳者)。 M・ソーシャリ
スタの選挙運動
PSUVの批判的潮流としてのマレア・ソーシャリスタは、政府、党、そして「グラン・ポロ・パトリオティコ(偉大な愛国的極)」が繰り出す公式キャンペーンとは異なる内容で、重要な選挙キャンペーンに数カ月取りかかってきている。中心的には国家官僚制に対する批判に依拠しつつ、労働者、若者たち、共同体活動家を動員しながら、街頭には「一〇月七日、チャベス大統領―一〇月八日、革命からの官僚一掃のために」というスローガンを掲げた。
何十万枚ものチラシと何万枚ものポスターを配布する中でこのキャンペーンは、PSUVの批判的層内部に反響を見出した。それは、マレア党員数における現在のかなりの成長という形で計られ得る。
さまざまな部門の労働者、共同体活動家、社会事業のメンバー、学生、これらの人々が党と国家の官僚制に対する厳しい批判に合流した。ベネズエラの民衆は数々の問題に直面している。そして彼らは、カプリレス・ラドンスキが代表する過去に戻りたいとは思っていないものの、それゆえ再度チャベスへの支持投票を行うとしても、党と国家の官僚制につきまとっている無視、専横、さらに不愉快な特権を公然と拒否している。選挙そしてチャベスの勝利の後、官僚制反対の闘いは、大統領の下にあるベネズエラ民衆によって練り上げられる一つの要求となるだろう。民主的なそれゆえ革命的なオルタナティブの構築に対する必要は国中で感じられつつある。
▼前記論文は元々、アルゼンチンのMST機関紙「アルテルナティヴァ・ソシアリスタ」向けに書かれた。マレア・ソーシャリスタは、ボリバリアン政権に批判的支持を与えているベネズエラの革命的潮流。
▼筆者はマレア・ソーシャリスタの指導者。(「インターナショナルビューポイント」二〇一二年一〇月号
ポルトガル
緊縮に反撃する総決起への呼びかけ
トロイカをたたき出せ! 求めるものはわれわれの生活だ!
以下に紹介するものは、ポルトガルで九月一五日に全国で一〇〇万人が決起したデモの発端となった、二九人の市民によるアピール。このデモは現在ポルトガルの政権を深刻に揺るがしている。警官や軍下士官の代表者がデモ抑圧に加担しないことを公然と明らかにしたことなどを含む、このデモに関する現地からの報告は次号以降に掲載する予定。(「かけはし」編集部) ここに掲載するアピールは、二九人――社会運動活動家、文化人、関係するジャーナリスト――が署名し八月二七日に発表された。それは、一九七四年五月一日以後では最大の大衆的デモである今年九月一五日のデモを実現する源となり、一〇〇万人(リスボンの五〇万人を含む)を動員した。九月一五日という日付は、同日マドリードでスペイン政府の緊縮政策に反対しデモを行うために出された、怒れる者たちの運動並びに数多くの組織(九〇〇以上)による呼びかけに基づいて選ばれた。このアピールは、共闘組織「トロイカをたたき出せ!われわれの求めるものは自分たちの生活だ!」に始まっている。そしてこの組織は、緊縮政策と投機の犠牲となっている債務を抱えた諸国にトロイカが強要している指令に反対する闘いを統一しようと挑んでいる。(「IV編集部」)
われわれは常識を超えた何かをしなければならない。われわれは街頭と広場、さらに地方をも押さえなければならない。われわれの声と手をつなぐために。
沈黙はわれわれを殺しつつある。支配的なメディアシステムが出す騒音はわれわれの沈黙をそのまま垂れ流し、それを再生産し、そしてそれが、望みを根絶やしにし眠り込ませるためにわれわれに届けられる嘘の網を張り巡らせる。
われわれは、屈服とあきらめに抗する、考えを狭めることに抗する、集団的に死を願うことに抗する、そのような何かをしなければならない。われわれは、現在と未来が決せられるところは街頭であると分かっているすべての人々の声と腕と足に、再度訴えなければならない。われわれは、巧妙に広められている恐怖をきっぱりと克服しなければならない。失うものをほとんど何ももっていないということを、われわれがあきらめてしまい、沈黙し孤立しているままに留まるならばそのためにすべてを失ってしまうというその日が近づいているということを、はっきり理解しなければならない。
略奪(貸し付け、援助、救援――これらの名前は、彼らがまとめ上げたいと思っている嘘のタイプにしたがって、彼らが与えたものだ)が来た。そこに付随しているものは、失業、不安定雇用、貧困、社会的不平等の並外れた増大と、国家資産多数の売却を含んだ破壊的な政治方策の実施であり、社会保障、教育、医療(そこでの計画は国民健康システムを私有化すること)、文化、さらに住民にとっては必須のすべての公共サービスにおける支出削減であり、こうしてすべてのカネが返済に回され、国債に投機した者たちを豊かにすることが可能となるのだ。外国からの干渉によって強要された緊縮政策から一年以上経て、われわれ、ポルトガルで暮らす大部分の人々の前にある見通しは、ただ一方的な悪化の進行だけだ。
彼らが強要中の、そしてわれわれの尊厳と生活を破壊中の緊縮策は機能していない。そして民主主義を今破壊しつつある。トロイカのメモランダムにしたがって統治している者たちは、ジャングルの掟、最強の者の掟を基礎とする経済モデルを適用しつつ、一つの社会としてのわれわれの利害、われわれの生活諸条件、われわれの尊厳を見下しながら、この国の管理のための基礎的な道具を、投機者とテクノラートに引き渡しつつある。ギリシャ、スペイン、イタリア、アイルランド、ポルトガル、このようなトロイカと金融投機屋から人質に取られた国々は、こうした緊縮政権が強要されたすべての国々同様、主権を失いつつある。
何事か常識を超えたことをやる必要がある、このように迫られつつあり呼びかけ広められていることこそ、この死の不可避性に対決することだ。
われわれは、これらの国々の民衆の決起から強さを得つつ、そのようにして自分たちの生活のために闘い、声を合わせながら、ギリシャ、スペイン、イタリア、アイルランド、ポルトガルの市民たちとすべての民衆が合流し、行動を同調させるよう、一歩一歩オルタナティブを構築する必要がある。
彼らがわれわれに頭をたれることを欲し、われわれに失業や貧困や人生の道として社会的不平等を受け容れることを強要するとすれば、われわれは、民主主義、自由、決起、闘争、これらの力をもって応答するだろう。われわれは、未来の建設のために、現在の決定を自分たちの手中に確保することを欲する。
ここに述べたことは、さまざまな分野の社会団体、並びにさまざまな政治潮流に属する市民集団が発したアピールだ。われわれは今、すべての人々と、すべての共同行動団体、運動、市民組織、非政府組織、労働組合、政治組織、そして諸政党と、この呼びかけの基本を共有し、九月一五日街頭でわれわれに合流するよう話し合いを重ねている。
彼らは抑圧するためにわれわれを分断してきた。われわれを解放するために統一しよう!
以下二九人の署名(省略)(「インターナショナルビューポイント」二〇一二年一〇月号)
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