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    かけはし2012.年5月21日号

「TPPは排他的な地域囲い
込みで地球を切り刻むもの」

4.28大阪で浜矩子さん講演会


 【大阪】大阪でも、様々な立場の人々からTPPに対する参加反対や懸念の声が上がっている。四月二八日、「TPP問題を考える」講演会実行委員会主催による浜矩子さん(同志社大学教授)の講演会がエルおおさか南ホールで行われた。約二〇〇人が参加した。

私たちはもう
だまされない
 最初に、大野進さん(全港湾大阪支部)が「港湾では法律によって登録された港湾労働者しか働けないという制度がある。これを規制緩和しようとした小泉に対して抵抗した歴史がある。だから、このような非関税障壁撤廃の動きに危機感を持っている。TPP参加には皆で反対していこう」と主催者代表のあいさつをした。
 この後、服部良一さん(社民党・衆議院議員)は国会内の動きを中心にして「先日の野田訪米前、『TPPを慎重に考える会』が国会内で決起集会をしたり、超党派の緊急署名を集めたりした。アメリカの国民や業界がすべて賛成しているのではない。日本でも、国会も世論も二分している。こういう集会を積み重ね、大きく拡げていこう。今年は消費税・原発・普天間・TPPという重要な課題が目の前に集中している。共にがんばろう」と発言した。
 また、和田貞夫さん(元衆議院議員、全中連)も「小泉改革で郵政民営化された時、『大店法』や『派遣法』も改悪された。特に『大店法』改悪は中小企業に大きな打撃を与えた。トイザラスが日本に上陸すると、日本の玩具小売店が総なめで倒産した。一貫して地域に寄与してきた中小企業は、TPPでもう騙されてはいけないと頑張っている。皆さんと一緒にTPPを潰したい」とアピールした。

TPPに反対
する視点とは
 連帯メッセージの後、メインの浜矩子さんの講演があった。浜さんは、@TPPは同床異夢の世界ATPPは何の略?B元祖TPPはTPPではなかったC切り刻まれる地球経済D地球経済を切り刻まないための勘所―をテーマにして語った。
 「@(中味が明らかにされていないので)賛成する側も反対する側も、自己都合の色眼鏡をかけて見ることになってしまっている。A確認することが必要。TPPはトランスパシフイック・パートナーシップの略となっているが、私にはトータリィ・プロテクショニスト(プレフェレンシャル)・パートナーシップと見えてしまう」。
 「プロテクショニストは保護主義、プレフェレンシャルは差別的という意味である。TPPは日本に例外なき貿易自由化を迫るどころか、その正反対で、『例外なき貿易不自由化』あるいは『例外なき囲い込み貿易』を迫るものだ。つまり、環太平洋エリアという特定の地域を囲い込んで、その中だけで貿易関係を強化することになる」。
 「特定の市場を囲い込んで自国の利益を上げていくということを、どこの国もやり出すとどうなるか。一九三〇年代、国々が自国に有利な市場を囲い込んでいこうと競ったため、世界は地域ブロックに分断され、その分捕り合戦が戦争に道を開いた。戦後は、その反省として新しい通商理念『自由・無差別・互恵』の下にGATT体制そしてWTOが生まれた。TPPは、その三原則のうちの無差別に反する。自由貿易協定ではなく、『地域限定排他的貿易協定』である。このような視点に立って批判せずに、自分だけは例外を認めてもらおうとしたり、個別的な利害から分捕り合戦をやっていると敵にはまってしまう。保護主義的、差別的なパートナーシップには組しない姿勢が基本だ」。
 「BTPPは、最初TPSEPがオリジナルだった。いつの間にか、そのうちのSEが消えた。Sはストラティジーで戦略、Eはエコノミーで経済の意味だ。消したのは戦略的な経済の意図を隠すためか、アメリカが参加してきた頃からだ。もう一つ。もともと口火を切った国々はシンガポール・ニュージランド・チリ・ブルネイだ。これらの四国は各々すぐ近くに大国が存在する小さい国ゆえにしたたかさが、つまり自国の存続を守っていくためにはTPPが必要であった」。
 「Cグローバル時代は国境を越えて工場が移転し、国境を越えて金融が暴走する。そして深刻な問題を引き起こす。しかし、国は国境を越えることはできず、財政危機に陥っていく。世界の国々が、自国の利益・存続だけを考えて地球経済を切り刻んでいる姿があり、TPPはハサミの役割を果たす」。
 「Dそうさせないために、二つの勘所がある。一つは均一性や排他性ではなく、『多様性と包摂性』を。もう一つは『国富論を超えて』である。もう少し踏み込んで言えば、僕富論(=究極の排他性)ではなく君富論(=究極の包摂性)に立つことだ。アメリカも中国も日本も、そして企業も僕富論にしがみついている。地球経済を切り刻まないためには、このような発想の転換が必要だ」と語った。
 この後、浜さんの発言に刺激(!)されて、納得・疑問含めて色々な意見が交わされた。
 最後に加来さん(広範な国民連合・大阪)が「福島に原発事故を、大阪にファシズムを発生させてしまった。過ちを繰り返さないためにどう発信していくのかが問われている。TPPに反対していこう」と閉会のあいさつをした。  (努) 
 

4.25みんなの力でTPPにNO

五〇〇〇人が参加して
集会とキャンドルデモ


失業の連鎖も
たらすTPP
 四月二五日、日比谷野外大音楽堂で「―みんなの力でTPP参加を止めよう!―STOP TPP!! 1万人キャンドル集会」がTPPを考える国民会議、STOP TPP!! 1万人キャンドル集会実行委員会、4・25TPP反対市民アクション実行委員会の三者の主催で行われた。集会途中で激しい雨が降ってきたが全国から農民、漁民、生協、労働組合、市民団体など五〇〇〇人が参加した。
 最初に、山田正彦さん(TPPを考える国民会議副代表世話人、民主党衆議院議員)が「野田首相の四月二九日の訪米があり、TPP参加問題がヤマ場を迎えている。四月二四日、参加反対の院内集会を開いた。議会の一一会派の二九〇余人の議員・代理が集まった。議員の賛同署名は三二一人になっている。今年アメリカに行ったが約七割の人がTPPに反対している。なぜなら、メキシコとのFTAによって、とうもろこしが自由化され、安くメキシコに入り二〇〇万人が失業した。そうしたメキシコ人がアメリカに入り、アメリカの五〇〇万人が失業したからだ」とTPPがもたらすものが人々の生活を破壊すると訴え、開会のあいさつとした。

被災地の農漁民
も反対アピール
 集会はトークと歌・合奏が代わりがわりに行われた。四月に訪米した篠原孝さん(民主党、衆議院議員)が「アメリカの中も意見が割れている。韓米FTAは締結されたが韓国では粘り強い反対運動がある。今後韓国がどうなっていくのか、これを見ればTPPの本質が分かる」と報告した。鈴木宣弘さん(東京大学大学院教授)は自分が職を賭して、TPPに反対する理由を「入るかどうかの事前協議をしているだけだと政府は言うが、それはウソで実質的な協議に入っていて、密約条件をさぐっている。TPPは農業生産自給率、医療、食品の安全、ISD条項、雇用の確保などすべてがウソに塗り固められ、失うものが最大で得るものが最小の史上最悪のFTAだ。がんばったけれど通ってしまったではすまされないものだ」と警告を発した。「サルでもわかるTPP」と安田美絵さんが分かりやすく問題点を訴えた。ヒューマン・ファーマーズ、チグリハーブ、三宅洋平、Yae、喜納昌吉が歌を披露した。
 被災地の農民、漁民、医療、労働など各現場から、「TPP締結によりいっそう新自由主義の波が現場に押し寄せ、生活が破壊される、日本における国家・社会のあり方が変わってしまうという強い危機意識」が一言メッセージで語られた。海外からの連帯メッセージ(韓国、米国、ニュージーランド)、集会宣言の採択の後、キャンドル・デモを銀座を通り、東京駅まで行った。     (M)

 


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