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    かけはし2012.年4月9日号

ストライキは成功した
団結の力の再発見進む

インド

2・28ゼネストの第1次総括

クナル・チャトパディアイ



 中国に次ぐ人口を抱えるインドはBRICSの一角を占めるだけではなく、その中でも高い成長率を誇り、市場の潜在的大きさから多国籍資本の注目の的となっている。それは日本の大資本の場合も例外ではない。そのインドで二月二八日、近年では最大規模のゼネストが決行された。多国籍資本のもくろみが思い通りになるわけではないことをそれは指し示している。このゼネストについての現地からの速報を以下に紹介する。なお、『労働情報』八三五号にもこのストライキの報告記事が掲載されているので参照願いたい。(「かけはし」編集部)

政府の執拗な妨害をはねのける


 一一の全インド労組連合並びにおよそ五〇〇〇の単位労組が、二〇一二年二月二八日のストライキ呼びかけに合流した。それは、一つのゼネストとなるべくあらためて機能させられた。これは、裁判所命令の連発に反対するものだった。その命令によれば、全面的な業務の停止は、それはもちろん、個々の経営者の頭を飛び越えた政府への反対に向けられた政治的行為なのだが、寛容に見逃されることなどない、とされていた。一定数の州では政府が鋭く反応した。
 ケララ州では国民会議派主導政権が、仕事を止めた者たちの賃金は差し引かれると明言した。西ベンガル州ではトリナムル会議政権が、諸サービスの中断に対し脅迫を加え、しばしば前の晩から職場に留めることによって、約三五%が欠勤していたとはいえ、政府職員の多くの部分を強要して働かせた。しかしストライキは、全体として考えた場合まったくの成功だった。
 炭鉱、発電所、建設のように、いくつかの部門の労働者は、労働組合が発した呼びかけに対して彼らの連帯を示した。「われわれは、炭鉱労働者、発電部門、運送部門から大きな支持を受けた」、インド全国労組会議(INTUC)委員長のG・サンジェブ・レッディーはこう語った。諸要求の中には、同じ仕事をする正規労働者と契約労働者に対する平等な賃金、という要求があった。
 各州の諸政権は公衆向けに、動じていない様子を装い、ストライキは失敗したと明言した。しかし事実は重い効果を与えている。インド商工会議所(Assocham)は、経済上約二〇〇〇万ドルの国民的損失に帰結する可能性のあるストライキに正当性などまったくない、と語った。

銀行、商店…軍需工場まで


 労働組合の要求の中には、全国最賃、五〇〇〇万人の契約労働者に対する職の恒久化、生計費上昇を抑制するためのより多くの政府の努力、そして、収益力のある公的企業における株式売却の停止、がある。伝統的な労働組合拠点であるコルカタでは、タクシーとリキシャは街路を離れて留め置かれ、ほとんどの銀行支店、商店、他の仕事が閉鎖された。市のメトロ(市の全域的な地下鉄サービス)は正常に動いていた。そして、ストライキの呼びかけを強く非難してきた西ベンガル州の攻撃的な首相のママタ・バネルジェは、州が所有するバス一〇〇〇台を市に引き入れた。
 コルカタ警察長官のR・K・パクナンダが語ったところでは一万人の警官が市内全体に配置された。そこには、労組活動家による脅迫的なピケットを阻止するための、政府庁舎、バス発着所、地下鉄駅に対する特別部隊が含まれている。インドプレストラスト(PTI)通信社は、鉄道と道路交通を妨害したとして、親ストライキ支援者がさまざまな州でおよそ一〇〇人逮捕された、と伝えた。インドの金融首都であるムンバイでは銀行部門における「全面的な停止」が起きた、と全インド銀行従業員組合書記長のヴィタンシュワス・ウタギは強調した。中央銀行での取引のための手形交換所は閉鎖され、「こうしてわれわれが存在していない私有銀行や外国銀行もまた影響を受けた」、PTIに彼はこう語った。
 ニューデリーでは、交通手段は通常よりは少なく、首都の主な鉄道駅に到着した人々は、市の他の地域に向かう交通手段を探すために争った。空っぽの首都の中心部にある公的銀行、インド銀行の支店にはわずか数人のスタッフだけが通勤したが、仕事はまったく行われなかった。通勤者は、州が運営するバスの循環の頻度は低い、と愚痴をこぼした。
 一日ストライキは、商店、銀行、工場、食堂、映画館の閉鎖、さらにタクシーとオートリキシャが街路に出ないが故の公共交通の縮小を伴って、バンガロールを含んでカルナカタ州全域での生活に影響を与えた。全インド労働組合会議(AITUC)やインド労働組合センター(CITU)傘下の組合、また銀行従業員を含むさまざまな組合を代表する一万人以上の被雇用者が、UPA政府の反労働者政策に反対する抗議デモに繰り出した。
 ナグプールでは、交通サービスや銀行が打撃を受けただけではなく、ここ近年では初めて、大砲砲弾に加えて最新のピナカロケット砲を作っているオルドナンス工場が一日閉鎖された。この工場は毎日、二四基のピナカロケット砲を仕上げるほかに、一五五o口径の砲弾を含むさまざまな口径の砲弾ほぼ六〇〇個を製作している。この仕事はストライキのおかげですべて妨げられた。

勝ち誇る新自由主義への反抗へ


 工業の労組、未組織労働者を組織している労組、銀行労組、そして教員労組、これらすべてが結集した。全インド大学教員組織連合(AFUCTO)はストライキの呼びかけを承認した。現在国中で、フルタイム教員が五年間未払い賃金が払われるのを待っている。一方で、低賃金の契約教員の数は増大の一方だ。その光景は政府従業員の間でも等しく、寒々としている。
 職場のアウトソーシング、契約化、臨時化は、一九九三―九四年に始まったものだが、現在までに一〇〇万に近い期限に定めのない職の喪失に帰着した。結果としてその圧力は、政権与党の国民会議派が支配するINTUCまでが、CPI、CPI(M)、社会主義者、その他が率いる労組に並んでストライキの呼びかけに足並みをそろえるよう強制されるほど、高いものだった。諸労組は、デリーから伝えられている二〇〇人の逮捕者、ジャムとカシミールからの二〇〇〇人の逮捕という報告と共に、労働者数百人が逮捕されたと語った。彼らは、州政府がストライキの呼びかけに反対していた西ベンガル州でも、似た数の逮捕者が出ていると語った。
 二〇年に近い期間、労働者の力は極めて不均等なやり方で行使されてきた。支配階級は大なり小なり彼ら自身のやり方で成果を得てきた。このストライキは支配者たちを、労働者は再びその力を認識しつつあるという警告の前に立たせている。
 数え切れない何百万人もが理解したことは、支配者たちは稼ぐのに一度も苦労したことはないが、われわれの筋肉と頭脳なしには、ただ一つの車輪も回すことなどできない、ということだ。労働組合がわれわれを強くするということを学ぶ時、われわれは、支配者のおごり高ぶった力を打ち壊しわれわれの自由を得ることができる。
(「インターナショナルビューポイント」二〇一二年三月号)

声明

政府の私有化・労組破壊と闘う
メキシコ電力労働者との連帯を

 第四インターナショナル執行委員会の呼びかけに応じてオランダのアムステルダムに集まった全世界の革命組織・反資本主義組織は、フェリペ・カルデロン大統領率いるメキシコ政府に対して、中央電灯・電力公社(訳注:LFC 国営の電力企業体。発送配電部門を一元的に統合)の不法な閉鎖が引き起こした紛争を、ただちに解決するよう要求する。
 われわれ各組織にとって、メキシコ電力労組(SME)に組織された四万四〇〇〇人の電力労働者の解雇が、電力産業の民営化と民主的・戦闘的労働組合の破壊以外の目的を持たないことは、完全に明白である。争議の開始から二年たった現在、SMEは模範的で、国際的に組織された反撃を続けている。
 二〇一一年九月一三日、フェリペ・カルデロン政権は、政府官房長官を通じて、同企業の解散に反対して闘ってきた一万六五九九人の女性・男性労働者の再雇用、ならびに不当に拘留されている政治犯である一四人の電力労働者の釈放を確約した。しかし今に至るまで、政府はその約束を尊重していない。
 われわれは、闘っている労働者の即時復職と政治犯の即時釈放を求める。

第四インターナショナル国際委員会/労働者革命党(PRT、メキシコ)/パキスタン労働党(LPP)/ナバサマサマジャ党(NSSP、スリランカ)/社会主義統一運動(MUS、メキシコ)/社会主義左翼(ケベック・カナダ)/革命的社会主義者同盟(RSB、ドイツ)/NPA青年グループ(フランス)/OKDE―スパルタコス(ギリシャ)/革命的共産主義者同盟(ベルギー)/革命的社会主義人民組織(APSR、ポルトガル)/PSOL(社会主義と自由党)エンラーチェ潮流(ブラジル)/反資本主義新党(NPA、フランス)/社会主義党(スウェーデン)/反資本主義左翼(スペイン)/反資本主義組織(バスク)/労働者社会主義同盟(チュニジア)/永続的闘争(LC/ペルー)/バングラデシュ共産党ML/労働者社会主義運動(MST、アルゼンチン)/マレア・ソシアリスタ(ベネズエラ)/国際社会主義左翼(ドイツ)/ソリダリティー(米国)/国際社会主義組織(ISO、米国)/ソーシャリスト・アクション(米国)/PSOL―MES(ブラジル)/アル・ムナーディル(モロッコ)/人民解放党(インドネシア)/革命的労働者党―ミンダナオ(フィリピン)/革命的社会党(オーストラリア)/フェミニスタ・コレクティヴォ(エクアドル)/日本革命的共産主義者同盟(JRCL)/批判的左翼(イタリア)/革命的社会主義グループ(マルティニク)/社会主義運動(ロシア)/反資本主義青年(ベルギー)/社会主義レジスタンス(英国)

二〇一二年二月

コラム

怒りこそ すべて

 二〇〇九年九月。戦後史に残る政変劇を経て成立した民主党政権が、有権者の期待を裏切り続けている。首相野田佳彦は三月三〇日、消費税増税を閣議決定した。とんでもない話だ。消費税は、貧しい者ほど高負担になるという逆進性を持つ。購買力が削がれて消費が落ち込み、景気がさらに悪化することは明らかである。
 かたや法人税は優遇され続け、資本は空前の内部留保を抱えている。一一年の時点で約二〇五兆円。だがこれらは、雇用の拡大や設備投資には向かわず、強欲な役員への報酬や、金融投資、株主配当に浪費されている。徹底した合理化でバブル崩壊後の危機を乗り切った経営陣は、乾いた雑巾を絞るように、成果主義・能力主義の美名のもと、労働者を競争に駆り立てている。うつ病や精神疾患患者の増大が、職場の極限の荒廃を裏づけている。まさに「去るも地獄、残るも地獄」である。
 ひたすら沈黙を続け、耐え忍んでいれば、いつかはいいこともあるだろう――そんな厭世感に浸る一般組合員と一部の管理職。同僚が不安や不信を口にした数少ない機会が昨年末の「年金問題」だった。財政難を理由に将来の支給額引き下げの是非を問う回覧が流れた。その結果も知らされぬうちに、今度は「AIJ問題」が発覚。厳しい運営を迫られる基金が手を出し、みごとにだまされたのだ。損害額約一四五〇億円。倹約生活の代償としての「虎の子」の被害回復は望み薄。ふざけるなと言いたい。
 「3・11」以降、この国の何がどう変わったのか。そして変わらないのか。特集記事で横並びした一年目の各紙。北海道大教授の山口二郎は、次のように書いた。
 「福島第一原発の事故は、日本の権力における無責任の体系を改めてわれわれに見せつけた。国を動かすエリートが保身に走り、国民全体の生命や安全に対する責任感を失い、希望的観測と現実をあえて混同し、その場の空気に付和雷同することで、国全体を破滅に追い込んだのが、無責任の体系であった。」(東京新聞・本音のコラム)。その通りだ。
 私の二、三月は、「脱原発」の集中した取り組みになった。とりわけ、フォトジャーナリスト・樋口健二さんを講師に招いた集会は有意義だった。
 「おれは日本一口が悪い。文句あるか」。激しい身振り手振り、熱のこもった解説で聴衆を釘づけにする。「売れない写真家」は昨年、五二社のメディアに対応し、七〇回の講演をこなした。感動した来場者が地元に迎える好循環。「うれしいね」を繰り返す。
 農民と労働者、国と企業に使い捨てられる弱者に寄り添い、巨悪にケンカを売る。抑えきれない憎しみ、怒り。樋口さんの豊かな感情表現は、忘れかけていた原点を呼び起こす。新鮮な驚きとともに、学ぶべきものも少なくない。    (隆)


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