もどる

    かけはし2012.年1月30日号

放射能汚染の輸出を止めろ

緊急集会:原発? ノー・サンキュー
ヨルダンの国会議員と弁護士が福島の被災者と連帯の訴え


国会議員の多数
が原発に反対
 一月一六日、東京・水道橋の在日韓国YWCAで「緊急集会 『原発? No, thank you!』ヨルダンの国会議員・弁護士は訴える」が行われ、一〇〇人以上が参加した。主催はミーダーン<パルスチナ・対話のための広場>。FoE Japan、JACSES(「環境・持続社会」研究センター)、JSR(アル・ジスル――日本とパレスチナを結ぶ)、JIM―NET(日本イラク医療支援ネットワーク)、NINDJA(インドネシア民主化支援ネットワーク)、福島原発事故緊急会議、アジア太平洋資料センターが共催した。
 集会には一月一四日、一五日に横浜で開催された脱原発世界会議のために来日したヨルダンのモオタシム・アワームレさん(国会議員、医師、議会の保健・環境委員長)、ジャマール・ガッモーさん(国会議員・エネルギー委員長)、ムナ・マハメラーさん(弁護士)が発言した。
 昨年一二月、臨時国会はわずか半日ほどの審議でヨルダンとの原子力協定を承認した。
 通常国会では、八月二四日に参考人として発言したJACSESの田辺有輝さんが人口密集地域での原発建設の危険、水資源に乏しい砂漠地帯で冷却水の供給源が首都アンマンの下水処理場の処理水しかない問題、シリア・アフリカ断層の上に位置する地震多発地域であること、さらに被占領パレスチナ、シリアなどと接する紛争地域であることを指摘し、そのこともあって承認は見送られた。だが原発輸出競争で勝ち抜くことに原発延命の活路を見出そうとする資本の圧力によってヨルダンとの原子力協定はついに承認されてしまったのである。
 しかしヨルダンでは国王が議員を任命する上院(六〇人)は別にしても、普通選挙で選ばれる下院(一二〇人)では反対する議員が多数派であり、福島第一原発事故以後は世論でも反原発の気運が高まっている、と言われる。この日の緊急集会は、野田政権が進める「原発輸出」政策を批判し、ヨルダンの人びとの生の声に耳を傾けるために設定された。

原子力産業の
延命策に断を
 田浪亜央江さん(ミーダーン)が進行役をつとめた集会では、最初にフリーランス・ジャーナリストの鈴木真奈美さんが、原発輸出の問題点を鋭くえぐり出した。
 鈴木さんは、日本での原発の新設は、かりに福島原発事故がなかったとしてもきわめて困難であったこと、新設がなければ運転年数の上限四〇年なら二〇四五年にはすべて終わり、仮に六〇年に延ばしても二〇六五年にはなくなることを指摘した。米国では価格競争力、事故リスクなどの面で一九七〇年代以後新設原発はゼロとなり、原子炉の設計能力はあるものの製造・建設の技術と人材が衰退してしまった。米国は核兵器という軍事用技術に特化した形でしか人材を維持できていない。今のままでは世界で運転される発電用原子炉は二〇五五年にはほぼゼロになってしまう。
 こうした中でいま新興市場・途上国市場をねらった原発輸出で原子力産業の延命を図ろうという動きが進んでいる。中国、インド、ベトナムでは電力供給の拡大と将来の原発輸出国となることを目標として、リトワニアではロシアへのエネルギー依存を減らすために、中東・インドネシアでは石油・天然ガス資源を外貨獲得用に残すために、など新興国・途上国の側の思惑はさまざまだ。
 澤明・三菱重工原子力事業本部長はヨルダンを契機に他の新興国市場への原発輸出を進めていくこと、そしてそのためにフランスのアレバ社との協力を強めていく、と語っている。二〇〇六年の「原子力立国計画」では、建て替え需要が始まるまでに輸出により技術と人材を維持し、法的・制度的整備を進めていくと述べている。二〇〇七年の「日米原子力共同行動」では、日本が米国の新規原発建設を支援するとともに日米でパートナーを組んで「世界の原子力拡大に貢献」することをうたっている。こうして、原子力輸出とは核産業の延命策であり、輸出国と輸入国の双方の政治・社会・経済を核のしがらみにしばりつけるものだ。
 鈴木さんは、このように語って「ポスト・フクシマ」の時代での「開かれた議論」の必要性を訴えた。

どこから見ても
危険ばかりだ
 次にヨルダンからの三人のゲストが報告した。
 ジャマール・ガッモーさんは「福島の悲惨な事故がヨルダンでも世界のどこでも起こってはならない」と述べ、次のように語った。
 「ヨルダンは被占領パレスチナ、イラク、シリアに接しており、そうした地域では数々の戦争で禁止された兵器が使われてきた。木も枯れ、植物も育たなくなった。イラクでは劣化ウラン弾が使われた」。「二〇〇三年以前、ヨルダンはイラクから非常に安く石油を輸入してきた。半分は無料、半分は半額だった。したがってエネルギー自立など考えてこなかった。二〇〇三年以後、イラクからの石油は止まりそれへの代替戦略として、国内備蓄への依拠、エジプトからの天然ガス、国内のウラン採掘などが挙げられた。そして国内のウランを使って貧しい国から豊かな国になることができる、との希望が呼び起こされた」。
 「このウラン開発で中国、ベルギー、フランスとの交渉が始まったが、三年後中国とベルギーは撤退した。国内には十分な量のウラン鉱がないことが分かったからだ」。
 「いまどこに原発を作るのかの場所もはっきりしないまま、入札が行われてきたが、ヨルダンには十分な冷却水供給源もないし、人材面でも運営に限界があり、廃棄物処理技術もない。結局、利益だけを求める企業に食い物にされてしまうだけだ」。
 モオタシム・アワームさんは「ヨルダンでは代替エネルギーとしての太陽光の発電の可能性が大きい。しかしその可能性は意図的に無視されてきた」と語り、次のように批判した。
 「核大国クラブは原発ルネッサンスの計画で途上国を説得している。しかしそれは技術を持つ国への依存を深めるだけだ。私は議会の環境委員長として、また医師として放射能の危険性を認識しており、その影響は一時的なものではない。米国、ソ連、日本といった先進国でも事故が起こった。こうした事故がヨルダンで起こればどうなるのか。ヨルダンはトルコから紅海に至る断層の上に位置している。政治情勢も不安定だ。かつてイラクやイランの発電施設が攻撃された。廃棄物処理はだれが責任を持つのか、その費用はだれが負うのか。被害をもたらすエネルギーではなく、農業などへの支援をこそ期待する」。
 弁護士のムナ・マハメラーさんは「ヨルダンは世界で最も水資源の乏しい国の一つであり、電力を化石エネルギーに依存している。その九七%が輸入だ。うち七五%がエジプトからの天然ガスだ」と説明した。
 「パレスチナの正義と平和を求める国連決議は一貫して無視されてきた。近隣にはイスラエルという核保有国、そして核兵器開発を進めているとされるイランがある。事故や戦争の危険性に私たちは取り巻かれている。もし日本がヨルダンに原発を輸出すれば、ヒロシマ・ナガサキの惨劇に同情してきたヨルダン人の日本へのイメージが変わるだろう。ぜひ日本政府に原子力協定を取り下げる運動をしていただきたい」。
 この呼びかけに参加者たちは共感の拍手で応えた。
 原発輸出政策をやめさせ、世界の人びととともに脱原発を実現しよう。    (K)

巨大空港のどまん中で現代文明のありようを問い続ける

木の根ペンション太陽光発電に出資カンパをお願いします


地球的課題の実験村(2012年1月)

 以下に掲載する「木の根ペンション太陽光発電計画に出資カンパの協力」は、地球的課題の実験村の平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)が一月一五日に行われた三里塚芝山連合空港反対同盟旗開きで呼びかけました。三里塚の地から脱原発のアピールを行っていきましよう。協力御願いします。          (Y)


 周知のように木の根ペンションは、成田空港第1ターミナル南側数百メートル、2本の誘導路にはさまれ、すぐ脇を大型機が行き来する所にあります。ここは今まで、実験村や反対同盟の活動・行事だけでなく、コンサート・イベントや会合・合宿など、様々に利用されてきました。また近年は、近隣の有機農業志望者の寄宿所あるいは交流拠点ともなっています。そして基本的にはこれら利用者の宿泊費・寄宿費で維持・運営がなされています。
 この場所で昨年夏に木の根プールを再建した「続・木の根物語プロジェクト」から、ペンションで消費するエネルギーを自給していく提案を受け、実験村で会合を持ち、所有者の反対同盟とも協議し、ペンション敷地内に連結型太陽光充電(約3・5kw)を建設することにしました。
 3・11原発震災以降、各地で多くの人が脱原発の声をあげ、生活やエネルギーのありようを変える闘いが広がっています。「再生可能なエネルギーを、木の根の地に建設することをとおして、豊かな大地と原発のない社会を目指して、交流ができる場としていきたい」、「私たちの生活の場から『豊かさ』を問い直し、大量消費社会から、今後のエネルギー政策において、誰もが参加し地域主体の分散型エネルギー構造を整えていく」と、木の根プロジェクトの提起にはあります。「また、太陽光発電の建設過程では、木の根ペンションで基礎から学べるエネルギーとして、太陽光セル(発電素子)から製作する学習工房を企画する」予定とも。埼玉県小川町を拠点に、日本・アジア各地で太陽光発電に取り組んでいる桜井薫さんの協力をえながら、できるだけ自分たちの手で作り上げたいと考えています。
 みんなの力で太陽光発電への転換をなしとげることを皮切りに、様々なエネルギーや有機農業への可能性を広げることで、木の根ペンションが地域社会の自治・自律の確かな拠点となるとともに、農的価値を基礎として地球的課題に取り組む世界への発信基地としての姿をより明らかにすることができると考えます。
 皆様方のご参加ご協力と、より一層の木の根ペンション利用を御願いするしだいです。

?発電計画規模 約3・5kw/太陽電池パネル一枚の公称最大出力95Wh(540mm×1500mm)
?電力会社へ売買する連結型
?予算 他の部品・機材・工事費等含めて一二〇万円前後。
?出資カンパ 一口三〇〇〇円(何口でもありがたいです)/一口につき二回または二名様までペンション宿泊費一〇〇〇円を五〇〇円にいたします。

?振込み先 郵便振替口座 00140―3―92555 地球的課題の実験村

?連絡先 〒286-0046千葉県成田市飯仲297―4 平野 靖識方

?地球的課題の実験村ブログhttp://members2.jcom.home.ne.jp/jikken-mura/

よびかけ

「危機」の時代の天皇制を問う
2・11反「紀元節」行動へ

同行動実行委員会

 「女性宮家」創設に向けた政府の検討が本格化した。かつて、女性・女系天皇を認める方向で検討された「皇室典範」改正案は、秋篠宮家に悠仁が生まれ たことによって棚上げになった。しかし、このままでは天皇を支える皇族がいなくなるという危機感が、こうした方向性に踏み切らせたのである。
 天皇主義者にとっては、この焦りには、別の意思も含まれている。次の天皇制を担うべき皇太子夫妻が、きわめて「頼りない」ことがそれである。病気の 妻は「皇后としての役目」を果たせるのか、皇太子は次の時代の天皇像を明確に示せていない、昨年、明仁天皇が入院した。時間はないのだ。
 昨年の3・11以後の時間は、あらためて、日本の戦後社会の暗部を引きずり出した。原発・安保・基地・新自由主義・生存・ナショナリズム・排外主 義・・・・・・多くの解決されるべき問題が、危機的な状況としてわれわれの目の前に広がっている。だが、それを隠蔽し、この日本の戦後社会のありかたを文 字通り象徴し、肯定し続けてきたのが天皇制である。絶対敬語にまみれた天皇への賛美は、そのような「日本」を賛美することと同義である。
 今年の「紀元節」を、われわれは、こうした状況自体をとらえかえし、それに対する反撃の陣形を見出していくための抵抗の日としていきたい。さまざまな社会運動に取り組む方の問題提起を受け、集会後のデモにも取り組んでいきたい。
 われわれは、さまざまな意味で危機の時代に生きているが、天皇制の「危機」は、もちろんわれわれにとっては危機でもなんでもない。それは世襲の人間が国家 の「象徴職」を独占していることの矛盾の現れだ。それ自体が身分差別であり、家柄や社会的な差別、民族差別を再生産していく装置である天皇制はいらない。 天皇神話にもとづく建国記念日=「紀元節」反対行動へ!

?日時: 2012年2月11日(土・休)午後1時開場集会後デモ

?場所: 日本キリスト教会館4F(地下鉄東西線早稲田駅3b番・2番出口から穴八幡神社方徒歩5分)

発言: 京極紀子(「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会)
桜井大子(女性と天皇制研究会)
なすび(福島原発事故緊急会議・被曝労働問題プロジェクト)
村上陽子(ゆんたく高江)

?主催: 「危機」の時代の天皇制を問う!2・11反「紀元節」行動実行委員会
?呼びかけ団体: アジア連帯講座/ アンポをつぶせ!ちょうちんデモの会/ 国連・憲法問題研究会/ 立川自衛隊監視テント村/ 反天皇制運動連絡会/ 「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/ 靖国・天皇制問題情報センター/ 連帯社/ 労働運動活動者評議会
?2・11反「紀元節」行動実行委ブログ http://2012-211action.blogspot.com/

 


もどる

Back