原発再稼働を絶対にやめさせよう
「意見聴取会」の傍聴排除に抗議
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寄付金貰った
委員は辞任を
一月一八日、経産省、原子力安全・保安院で行われる大飯原発三、四号機の再稼動に係る「ストレステスト」の意見聴取会に対して緊急の抗議行動が取り組まれた。
日本で稼動している原発はあと五基となった。これは言うまでもなく、昨年の福島事故に対する政府・東電・電力資本への怒りと反原発運動の高揚、原発立地地域住民と自治体の再稼動を許さない闘いの広がりの成果だ。
「このままでは日本のすべての原発稼動ゼロが現実のものとなる」と危機感を募らせた政府と電力資本は、菅前首相が導入した「ストレステスト」を突破口にして、なんとしても原発再稼働を強行しようとしている。しかも、すでに保安院は、大飯原発の「ストレステスト」をパスさせる方針であるということがメディア報道で伝えられているという茶番ぶりだ。
しかし、この「ストレステスト」自体が、「原発の耐久性」を机上の数字の計算によって証明するものでしかなく、その「確度」は現実の地震や津波でしか証明することができない。また、欧米では「ストレステスト」において、飛行機の激突やミサイル攻撃、隕石の衝突まで含めて耐久計算がなされるべきだ、という議論が主流になりつつあるが、今回の原子力安全・保安院による「テスト」ではそこまでの計算はなされていない。
保安院自身が、福島事故を起こした当事組織の一つとして責任を問われ、環境省への移管と再編が既定コースとされている状況であり、なにより電力資本と一体となって原発を推進し、原発立地自治体における原発の住民説明会で「やらせ」を指南するような組織だ。こんな中立性にまったく欠ける組織が、福島事故を経ても「原発の安全性」を審査する資格などあるわけがない。
そして、この「ストレステスト」の審査に関わる三人の委員は、原発メーカーである三菱重工から献金を受け取っていた御用学者たちである。
このような見え透いた「茶番」で、原発の再稼働の是非を決めることなど許されるわけがない。この「ストレステスト」の結果は、一月二三日に来日が予定されているIAEA(国際原子力機関)の委員の審査に合わせて急ピッチで進められているのだ。要は「先にスケジュールありき」としか言いようがない。
二人の委員も
ボイコット
この日「福島原発事故緊急会議」の仲間は聴取会の傍聴闘争を組織し、また、「東電前アクション」は「殺されてたまるか!保安院前を埋め尽くせ!」と聴取会への抗議アクションをたった一日の呼びかけ期間という緊急行動として行った。
この日の聴取会は、なんと前回まで認められていた傍聴を実際の聴取会会場ではなく、別室でモニターを見せる、と保安院は発表していた。午後三時に保安院がある経産省別館前で行動を開始した仲間たちは、「インチキなストレステストが、さらに傍聴まで封じ市民を排除して原発を再稼働させるなんてことは許せない。私たちは堂々と傍聴の権利を求める」として、午後四時に経産省の建物に入って行った。
傍聴団は、保安院が用意した「傍聴室」のある一〇階ではなく、聴取会が行われている一一階に向かい、受付を通過して堂々と聴取会会場に入り、「市民の傍聴を認めろ」「民主主義を守れ」と主張。一部のマスメディアは、このときの様子を「反原発派が乱入」などと報じたが、実際は当然の権利を求めて入室しただけである。
そして傍聴団は「審査の公平性のために、原発メーカーから献金を受けた三人の委員を辞任させろ」と要求。この傍聴団の当然の要求に、委員たちは黙りこくるのみ。その結果、聴取会の開始は遅れに遅れることになった。
会場で堂々と
保安院を追及
次第に、経産省の周囲は警察車両で埋め尽くされていく。そして、機動隊の部隊が経産省に入っていこうとする。建物の外で集会を行っていた仲間たちは、機動隊に「なんの任務で建物に入るんだ?」「傍聴団の強制排除を許さないぞ!」と横断幕やスクラムで二度に渡って、機動隊の介入を阻止して追い返した。しかし、経産省の別の玄関から機動隊は建物に入って行った。
弾圧の機会を虎視眈々と狙いながら威嚇する機動隊に対して、傍聴団の「傍聴させろ」というあまりに当然の要求と毅然とした態度に、機動隊は最後まで介入することはできなかった。
結局、保安院は、聴取会の会場を経産省本館に急きょ移して、約四時間遅れで会議を開始することになった。しかも、「市民を傍聴させないような会議で審査することはできない」と二人の委員は、場所を移しての聴取会をボイコットする事態となった。枝野経産相は、記者会見で「もうストレステストの傍聴は認めない」などと発表。もはや、政府・経産省・保安院自身が、「ストレステスト」などに一片の正当性がないことを吐露したにも等しいところにまで追い込まれることになった。
午後八時頃、傍聴団は堂々と外で行われていた市民集会に合流。「今日の行動は、保安院の目論見を完全に破産させた。これからは、ストレステストなど無効だと訴えていこう。そして、次々に予定されているストレステストの聴取会に波状的な抗議行動を展開していこう」と呼びかけ、傍聴団と外の抗議団合わせて一五〇人で「原発再稼働を許さないぞ!」「殺されてたまるか!」「原発ゼロを実現するぞ!」とシュプレヒコールを上げた。
(F)
原発再稼働させるためのシナリオ
データを隠した「電力不足」
キャンペーンの嘘が明らかに
一月一四日、愛媛県の伊方原発2号機が定期検査のため運転を停止した。これで日本全国の原発五四基のうち稼働中の原発は五基となり、ついに一割を切った。一月中にはさらに東電柏崎刈羽5号機、中国電力島根2号機も運転を停止し、日本中で動いている原発はわずか三基になってしまうのだ。残るは関電高浜3号機(二月二〇日停止予定)、東電柏崎刈羽6号機(三月下旬停止予定)、北電泊3号機(四月末停止予定)のみ。
稼働原発が一割を切った今でも電力不足で停電が起きたり、生産活動に支障をきたすという事態は起こっていない。
原発の「再稼働」が進まなければ四月末には、ついに稼働原発はゼロとなる。そうであればこそ政府・経産省、財界、電力会社はいよいよ危機感を深め、夏の「電力不足キャンペーン」を強めるとともに、電気がない恐ろしい事態を避けるために停止中の原発の「再稼働」を進めることが不可欠だと騒ぎ立てているのだ。
しかしこの電力不足宣伝がデタラメであったことを一月二三日の毎日新聞が一面トップで報じている。同記事によれば昨年七月にまとめた政府試算では、過去最高の猛暑だった二〇一〇年夏の需要と全原発停止の際の電力供給をベースにすれば九・二%の供給マイナスという数字になる。
しかしもう一つ別の未公表シナリオが存在した。当時の菅首相が国家戦略室に置いた補佐チームに電力供給の実態把握を指示し、経産省に対して発電所ごとの設備容量・稼働可能性、地域ごとの再生可能エネルギーの稼働状況などの試算根拠データを出させて、再試算させたものだ。この計算によれば、電力会社が調達できる再生可能エネルギー容量は七五九万キロワットあり、その再生可能エネルギー分を入れれば、電力供給余力はプラス六・〇%となる。つまり十分足りる計算になる。あろうことか政府発表シナリオは、この再生可能エネルギー分をゼロと計算するという、まったく実情にそぐわないインチキだ。だまされないぞ。原発をいますぐ止めろ。 (K)
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