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    かけはし2012.年1月16日号

11月30日:労働組合、弱味を抱えた政府に対し一撃加える

イギリス

フレッド・レプラート


  日本での報道は小さいが、一一月三〇日、イギリスでは、ここ三〇年では最大のストライキが決行され、保守・自由党政権に衝撃を与えた。欧州金融危機への対応問題も加味して、保守党と自由党間に緊張も生まれている。以下は、そのストライキがどのようなものであったのかを伝えている。欧州全般の危機の深まりを見る上で、欧州金融危機に対するポルトガル左翼ブロックの対応を紹介する別掲載記事も参照してほしい。(「かけはし」編集部)

金持ちのための
策動に怒り爆発
 
  一一月三〇日のイギリスにおける公的部門の労働者の年金を守るためのストライキは、一世代を通じて見られた最大のものとなった。三つの最大規模の労組、UNISON、UNITE、GMBを含む二九以上の労組が関与した。総計二五〇万人以上の労働者が、国民保健サービス(NHS)、地方自治体、国中の政府出先機関を横断したストライキに決起した。
 二〇〇三年のイラク戦争の始まり以降一つの抗議行動も見たことのなかった小さな町を含め、多くの場所でデモが行われた。ロンドンでは五万人以上が、ベルファストでは一万五〇〇〇人が街頭に出たが、シェットランド群島のラーウィック(訳注)でも一〇〇人のデモがあった! 一一月三〇日に行動を起こした人びとの圧倒的多数にとっては、それはストライキを決行する初めての機会だった。三つの学校のうちで二つが閉鎖され、博物館と裁判所が閉鎖され、多くの病院では緊急を要しない手術が取り止めになった。
 このストライキは壮観な成功となったが、それは、その規模の故だけではなく、それが年金に関わっているばかりではなく公共サービスの防衛に、結局は危機に対する支払いを誰がするのかに関わっているということを、すべての人が知っていたからだ。それは、すべての人々のための公正な年金という課題を議題に載せた。
 保守党が率いる政権は、公的部門の労働者が私有部門で働く者よりも良好な年金を得ているのは不公正だ、と力説してきた。しかしながら彼らは、バークレイズやスコットランドロイヤルバンクの頭取たちがポケットに入れた七〇〇万ポンドのように、銀行家たちが懐に収めている年数百万については何も言わない。しかし、週一七八ポンドという貧困水準以下で生活している年金生活者は、二五〇万人以上いるのだ。イギリスの年金生活者の貧困は、欧州では最悪の部類に入る――イギリスの給付よりも劣悪な年金給付の国は欧州では三つあるに過ぎず、それは、キプロス、ラトヴィア、エストニアだ。フランスは年金に対しイギリスの倍支出している。

指導部の抑制を
下部が突き破る


 このストライキが到来するまでには長い時間があった。保守党主導政権はそれが選出されるや否や、この政権が公共サービス、賃金、そして労働者の諸条件全般に対する戦争を解き放つつもりであることを明らかにした。これらの攻撃に対して、TUC(イギリス労組連合)は二〇一〇年九月に共同の全国的産別闘争を組織することで合意した。しかしTUCは、三月二六日の五〇万人の全国デモを組織するのに六ヶ月もかけた。これは巨大な成功を見たものの、三大労組とTUCの指導部は、行動を組織するのを渋っていた。他の全労組とTUCが組合員にストライキを呼びかけることを決定したのはただ、教員労組のUCU、NASWUT、NUT並びにPCS公務員労組による六月三〇日のストライキが巨大な成功を収めたからに過ぎない。
 ほとんどの労組の指導部は、行動を欲している彼らの労組員からの圧力を受けたが故に、また何かを行う以外にもはやいかなる選択肢も彼らにはなかったが故に、ストライキに向けた組織化に押しやられた。政権は、この年の始め以来いかなる譲歩も行うことなく交渉を長引かせていた。そして、若年労働者に対して退職年齢を六七歳まで延ばすことを含む、年金制度のいくつかの一方的変更を強要することまで行った。
 保守党政権は今、景気後退が今や不況への転落の瀬戸際となるにつれ、労働者階級に対する攻撃を強化しつつある。すでに二年間の賃金凍結に苦しめられている公的部門の労働者は、いかなる賃上げにも一%の上限がかけられることを知るだろう。五・四%のインフレが進んでいる下で、これは実際上、四年にわたる二〇%の賃金カットだ。政府は、昨年発表した四〇万人からさらに引き上げ、七一万人の人員が削減となるだろうと明らかにした! 大蔵大臣のオズボーンは、国家財政赤字の削減のためには「必要になることは何でも」やるつもりだと語った。これが意味することは、われわれその他から金を取り上げることによる資金捻出で、金持ちと企業の税金を免除することだ。

更なる行動と欧州規模の連帯へ


 一一月三〇日のストライキは保守党主導政権と対決する抵抗における始まりとなり得る可能性を示したに過ぎない。行動は、私有部門の労働者を含んで来年早々に設定された行動日を基にエスカレートされる必要がある。退職年齢の延長を止めることが、二五歳以下の層の一〇〇万人以上、あるいは二〇%という今や記録的な水準にある若者の失業を処理することに直接つながるものである以上、若者と学生は先の行動に関わる必要がある。
 これは単にイギリス経済の危機であるばかりではない。それは、労働者階級にその対価を支払わせようと試みつつある資本主義システムの危機なのだ。一一月三〇日のイギリスにおける行動は、翌日のギリシャのゼネスト並びに翌々日のベルギーにおける共同行動に引き継がれた。戦後の獲得物のすべてに対する新自由主義の猛攻を巻き戻すためには、欧州規模の連帯と共同行動に対する要求が今やかつて以上に必要になっている。
▼筆者は、第四インターナショナルイギリス支部であるソーシャリストレジスタンスの指導部メンバー。(「インターナショナルビューポイント」二〇一一年一一月号)
訳注)シェットランド群島は、スコットランド北東北海洋上一八〇qに浮かぶ離島。古くはノルウェイ領。群島全体の人口は二・三万人(一九九九年)。主産業は漁業と牧羊。ラーウィックはその中心の町。 

ポルトガル

耐えがたい債務の重荷強要反対
民主主義の条件は社会的闘争だ

左翼ブロック

 一二月三日、左翼ブロック全国ビューローは、ポルトガルの社会政治情勢とゼネストのバランスシートを評価し、EUサミットの課題並びに欧州の緊急問題を扱い、債務問題により詳細に取り組んだ決議を採択した。
 この全国ビューローに続いた記者会見でフランシスコ・ルカは、現在のポルトガルの政治社会全般を前提とすれば、「ポルトガル経済の破壊に抵抗する上で十分強力な統一された総体的社会闘争を動員することが必要となるだろう」と力説した。この左翼ブロック指導者は、債務危機と緊急的欧州問題に言及しつつ、一二月九日のEUサミットは、「諸経済を保護し、その優先性という意味における経済の再構成のために、つまり投機を妨げ雇用を促進する経済のために、欧州諸国の国債発行を、世界的な投機的金融システムの支配力並びにアメリカやイギリスのような銀行金融の使用から完全に取り戻すこと」を含んだ諸手段を承認する必要があると警告した。この手段が採用されない場合はユーロは崩壊する危険がある、これがたとえ起こらないとしても、われわれは引き続くユーロの解体と緊縮政策の急速な拡大を見ることとなるだろう、ルカはこうも警告した。

ゼネストを歓
呼で迎える!


 左翼ブロックは反対〇、棄権二で全国ビューローにより採択された決議の中で、「ストライキの諸組織とその統一的な合流を」、また「デモが、すべての人が安全に参加できる、祝祭と人々の憤りの場となるよう確保するための努力を強調していること」を称えている。そこでは、「警察の行動が自分自身を表現する民衆の権利を抑圧することは受け容れがたい」ということが考慮に入れられている。
 さらにこの文書の中で、「またもや需要抑制政策を防衛し、こうして国民の危機を悪化させつつ行われた、予算採決における社会党の棄権」を強く非難してもいる。そして、インターネットを通じて「わが社会における労働者委員会メンバー、労組活動家、議員、社会運動メンバー、年金生活者によって署名される」請願の推進を公表した。この請願は、「公開的な働きかけをもって一月末に最高潮に達するだろう」。

サルコジとメル
ケルの策に反対


 左翼ブロックはこの決議の中で、欧州問題に関して、「サルコジとメルケルによって提案された諸方策――諸国予算の監視、困難に陥っている諸国経済に敵対する制裁のさらなる加重化、あるいはEU基金の棚上げ――に対する真っ向からの反対」を再確認している。実際これらの方策は、「各国の選択能力の権威主義的制約の受け容れがたい諸形態を作り上げる」。
 さらに左翼ブロックは、「緊縮政策並びにドイツとフランス両政府によるEUの収用に関する自身の観点を人々が表すことのできる人民投票のために、あらゆる勢力と共に闘う意志」を表明した。この人民投票にはまた、金融からの脅迫と対決する四つの緊急提案が含まれている。その四提案とは以下のものだ。
a)発行された国債を要求に応じて買い入れる、諸国家が頼る最後の貸し手としてのECB(欧州中央銀行)による直接介入
b)ユーロ債による、国債の置き換え計画
c)金融市場外部で行われるさまざまな欧州諸国内での、短期と中期の公債間における直接交換という手順
d)格付け機関の格付けシステムからの、国債の即時引き離し

市民による債務
監査を支持する


 左翼ブロックはまた、最近始められた市民債務監査実行の過程に対する支持を表明し、「民衆には投機的利益、不法あるいは有害な契約に由来し、また耐え難い重荷となる債務を支払わない権利がある」ことを力説した。左翼ブロックは三日に採択された決議の中で、公的なマネーを基にした銀行の再資本化に反対し、ポルトガル人民に対する借りの支払いを求めた。
 最後に左翼ブロックは、政治的オルタナティブの提起における努力に対し左翼ブロック――マデイラにあいさつを送った。
▼左翼ブロックは、元毛派のUDP、共産党を離れた潮流であるポリティカ21、第四インターナショナルポルトガル支部であるPSR、この三組織の連合として、二〇〇〇年に形成された急進的な左翼政党。この政党は今日、国会とEU議会に選出された代表をもつよく知られた政党だ。(「インターナショナルビューポイント」二〇一一年一二月号)


 
「フペリョード(前進)」と「社会主義レジスタンス」


「ロシア社会主義運動」結成し
新しい左翼政党をめざす闘いへ

ダンカン・チャペル


 二〇一一年に行われた社会主義運動「フペリョード(前進)」第六回大会は、二つの社会主義組織が結集して「ロシア社会主義運動(RSD)」を結成すると決定した。この大会で注目すべきことは、並行して行われた「社会主義レジスタンス」(注)の大会と同時に開催されたことである。多くの論議、討論においてメンバーたちはロシアにおける左翼勢力の統一と、残された全体的に整理された政治課題を発展させる必要性について発言した。こうした課題が、大会の主要な要素として取り上げられた。

 「フペリョード」の大会は、組織を解散し、「社会主義レジスタンス」に統一することを決めた。「ロシア社会主義運動(RSD)」と名づけられた新組織の結成会議は翌日に行われた。RSD活動家の新しいネットワークは第四インターナショナルのメンバーを組織的に結集し、ロシアにおける第四インターナショナルの革命組織の公式支部となるだろう。
 二〇一〇年二月、「フペリョード」は第四インターナショナルのロシア支部の資格を付与された。今回の大会は、新たに設立された組織の憲章草案に概括的に示された構想を採択した。さらに大会は、二〇一一年における左翼の統合に向けた「ロードマップ」草案と、ロシアの他の左翼組織や社会運動の代表とともに広範な反資本主義左翼政党を建設しようというその焦点的課題を採択した。
 統一組織の中央評議会が、「フペリョード」と「社会主義レジスタンス」の八人の活動家で構成されることも合意された。さらに中央評議会には左翼戦線の代表一人に諮問的権限を付与することが採択された。逆に左翼戦線(将来におけるより広範な左翼連合組織)には統一組織の執行委員会の代表一人が諮問投票権を持って加わることになるだろう。将来における二つの中心的組織の執行機関におけるこうした「大使交換」は、広範な連合、ならびに統一へのわれわれの意思の真剣さを示すものである。また新組織では出版センター(IC)が作られる。ICの任務は、新聞、書籍、パンフレットの刊行を含むものであり、それは、ウェブサイトを維持し、シンボルや装備一式、そして他の出版活動の分野を作り出しつつ、組織の立場を表現するものとなる。
 「フペリョード」の大会と同じ日に行われた「社会主義レジスタンス」の大会は、同様の課題について討論し、同様の決定を採択した。

(注)「社会主義レジスタンス」は二〇〇八年まで「労働者インターナショナルのための委員会(CWI)」(英ミリタント派[社会主義党]を中心とするトロツキスト国際組織)のロシア支部だったが、南オセチア戦争をめぐってCWIから分かれた。「フペリョード」も二〇〇五年にCWIから分かれた組織である。

▼ダンカン・チャペルは第四インターナショナル・イギリス支部の「社会主義レジスタンス」のメンバーでIIRE(International Institute for Research and Education――第四インターナショナルが中心となってアムステルダムに設立した研究・教育機関)のスタッフ。
(「インターナショナル・ビューポイント」二〇一一年一二月号)

 


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