かけはし重要記事

frame01b.html

もどる

                                  かけはし2002.12.2号より

公務員労働者に労働基本権を

弾圧に屈せず年休闘争や自治省長官室占拠籠城闘争など広がる闘い


腐敗共和国の公務員たちの闘い

 国民の88・6%が公職社会の腐敗は深刻だと考えている国。許・認可、事件・事故処理など行政業務を早く処理するために「急行料」を出すという人は25・6%だが、金品や饗応を提供することが民願処理に影響を及ぼすと考えている人が80・6%にもなる国。
 全国公務員労働組合(委員長チャ・ボンチョン、以下・公務員労組)が9月末に全国の成年男女千人を対象にハンギル・リサーチに依頼して実施した世論調査の結果を見ると、「テ〜ハンミングク(大韓民国)」は明らかに腐敗共和国だ。ところで、これはなぜなのか。腐敗共和国の公務員たちが労働組合を結成し、団体行動まで繰り広げた。

公務員社会にも構造調整の嵐が

 11月4日と5日の2日間にわたって進められた公務員労組の、いわゆる年休闘争の過程で10人が拘束され、454人が不拘束立件された。これに先立ち11月1日、年休闘争についての記者会見の後には指導部5人が拘束された。また10月にチャ・ボンチョン委員長と行政自治部(自治省)長官室の占拠籠城に加担した組合員2人もすでに拘束された状態だ。そもそも公務員らが、なぜ自らを労働者だと主張し、「弾圧」を自ら招いているのだろうか。
 「徹底して身分が保障されている公務員が、何が不満だからと言って労働組合を作るのか」。公務員労組が年休闘争に入るやいなや、数々のマスコミ社のインターネットも掲示板を中心に批判の声が沸きあがってきた。代表的な「安全パイ」と考えられてきた公務員たちの団体行動を理解できない、というのだ。
 事実、大企業よりも賃金水準がいささか低いだけで、公務員社会はこれまで安定的な身分や定年保障、各種年金の恵沢など特恵を享受してきた。だが公務員労組キム・ジョンス政策企画団長は「90年代末の経済危機を経験するとともに状況は180度、変わった」と語る。公務員社会にも構造調整の風が吹きはじめ、雇用不安の暗い影が色濃く垂れこめ始めたというのだ。
 「98年以後、公務員社会にも職権免職制度が導入された。3度にわたった公共部門の構造調整は公企業ばかりでなく、公務員社会でも強硬に進められた。公務員の総定員制導入とともに超過人員は容赦なく切り捨てられた。今日まで10万余人の公務員が職権免職や名誉退職(肩タタキ)、定年短縮などによって現職から離れた。このうちの90%ほどが技能職、雇用職など立場の弱い下級職だった。公務員も、もはや身分保障の確実な『安全パイの食いぶち』ではない」。
 成果給制、開放型賃金制などさまざまな競争の論理が公職社会にも象徴と考えられていた公務員の年金さえ株式市場などに対する無理な投資によって不実化するとともに、危機感はさらに加わった。公務員社会も、わが社会全体を揺るがしている雇用不安や老後への不安の二重苦から自由であることはできなくなったのだ。
 「公務員は、いかなる労働者か。官公署に行ってみればいまなお国民の上に君臨する権力者にすぎない」。公職社会に対する国民の厳しい叱咤は続いている。高位職から下級末端官僚に至るまでビッシリと編まれた腐敗のエサの連鎖に安住してきた公務員たちが突然、労働者だと自任しだしたのを、気軽には受け入れがたいのだ。しかも公務員は、いわゆる「国民全体の奉仕者」ではないのか。

「労働者」と認めない公務員組合法

 10月15日に国務会議(閣議)を通過した「公務員組合の設立ならびに運営などに関する法律(案)」で、公務員団体の名称を「労組」ではなく「組合」と定めたのも、このような認識と脈を同じくしている。行政府関係者は「公務員は勤労者であると同時に公職遂行者という特殊性がある。このような地位にふさわしい範囲内で団体活動が許容されなければならない」と強調した。
 だが公務員労組パク・チェボン政策局長は「国民の公僕という特殊身分をおし出して公務員労組を不許とするのは、国民の上に君臨してきた誤った歴史を維持する結果を生むだけ」だと反論している。まん延した腐敗構造によりかかり、小さな権力に安住してきた既存の立場から脱却するためにも「公務員は労働者」という認識の転換が切実なのだとの主張だ。
 それなら政府は公務員も「労働者」であることを認めているのか。行政府の関係者は「公務員の労働者性を認めないままで、どのように団結権や団体交渉権などの核心的労働権を保障してやれるのか」と語った。
 現行の国家公務員法第66条は「公務員は労働運動その他、公務以外のことのための集団的行為をしてはならない」と規定している。政府の立法案は、むしろこのような制約を特別法の形で解決してやったのだ、というのが行政府の説明だ。
 労働界の見方は、これとは全く異なる。政府の公務員組合法(案)は団結権の核心である自主性を極度に侵害している、というのだ。実際に政府案を見ると、労働組合の組織形態・範囲や対象・交渉主体などについて厳格に制限している。また公務員によって構成された労働団体を除いた労働団体に加入したり、連合体を結成することも禁止しており、一般労働関係法の適用を受けないという点も明示している。これに加え行政機関の設立申告書を受けた労働組合でない場合、労働者としての基本的権利を保障されないという法の現実もまた労働界の憂慮を高めている。
 団体交渉権についてもまた論争のタネだ。政府は「公務員組合」の団体交渉権は認めつつも、交渉に伴う協約締結権は認めていないからだ。行政府関係者は「公務員の賃金や勤労条件は法や予算によって決定される。これは国会や地方自治体の固有の権限なので、行政府がこれに対する決定を下すのは三権分立に反する」と説明した。
 同関係者はまた「政府が提出した法案には交渉内容を誠実に履行するように努力するとの内容が含まれている。外国でも『紳士協定』を通じて団体協約の問題を解決している」と強調した。

全教祖と同様に労働組合法の適用を

 これに対して労働界は「行政府の説明は現実的に受けいれがたい」と語る。フランスの場合、公務員労組と政府が団体交渉の結果にしたがって団体協約を締結するけれども、協約は法的拘束力を持ってはいない。本来の意味の団体交渉ではなく、政府の決定に先立つ事前交渉に過ぎないという訳だ。
 だが政府が団体協約で合意した内容通りに勤労条件に関する法の規定を改正するために団体交渉は事実上、順守される。われわれの状況は、あまりにも異なる。すでに全教組が教育部と合意した事項について企画予算処が予算配分をしてくれず水の泡となった前例があるからだ。
 キム・インジェ・サンチ大教授(法学)は「公務員の特殊性を過剰に強調するのは、ややもすれば労働者としての基本権を侵害することになりかねない。教員という特殊な身分に合わせ特別法によって特例規定を定めているものの、全教組は基本的に労働組合法の適用を受ける。不当労働行為の救済など一般的な労働者としての権利を保障されている全教組のように、公務員労組もまた最小限これに準じる形態にならなければならないだろう」と強調した。(「ハンギョレ21」02年11月21日付、チョン・インファン記者)


もどる

Back