| 第3回東峰神社裁判-- かけはし2002.12.2号より |
十一月二十五日、千葉地裁で第三回東峰神社裁判が行われた。〇一年六月十六日、政府・空港公団は、暫定滑走路供用強行に向けて東峰神社の立ち木が飛行障害だとして、東峰部落の共有財産である立ち木を機動隊・ガードマンを多数配置して暴力的に伐採した。この暴挙に対して東峰部落住民は、石井恒二さん、川嶌みつ江さん、小泉英政さん、島村昭治さん、萩原進さん、樋ケ守男さん、平野靖識さんを原告として公団に対し暫定滑走路供用への抗議の一環として東峰神社立ち木伐採強行の謝罪と原状回復を求める裁判を闘っている。この日の裁判には、東峰部落を代表して小泉さん、萩原さん、樋ケさんが出廷した。
第二回公判で公団は、1、本件のような「入会権」を主張する裁判では部落全員が原告に入って成立する 2、東峰部落の梅沢が入っていないから部落全員という構成要件が不成立である 3、本裁判では所有権を確認することはできない、という強盗にふさわしい手前勝手な言い掛かりを主張した。
このような許しがたい主張に対して今公判で原告は、「梅沢は、土地を公団に売って移転の予定だ。部落としても梅沢の移転する立場を確認し、そのうえで原告になることを辞退した。こういう経過からして神社の権利主体、すなわち土地の所有権の主体であるとは言えない。裁判として成り立たないというのはおかしい」と反論した。
さらに原告は、この主張を補強するために、最高裁が一九九四年に土地の所有権の登記問題をめぐる裁判で「部落の総意で代表登記名義人になってもらおうと正式に決議した場合、その決定は尊重されなければならない」という判決を出していることを提示した。そして、「最高裁のそれ以前の判例は机上の空論ということで反論されている。この判決のように最近になって形式主義的な傾向を捨てるようになってきている」と強調した。
次に原告弁護団は、公団に対して「新東京国際空港工事実施計画変更認可申請書」の一部開示と文書提出を求めた。この要求は、公団が東峰神社の立ち木を神社林ではないと主張していることに対する反論立証の一つとして行ったものだ。航空法上、飛行進入表面に物件があってはいけないという規定から東峰神社の社殿、神社林、島村さんの屋敷林などの物件をどのような扱いをしていたかが決定的である。公団は暫定滑走路工事にあたって国交相の認可を得て工事を強行したが、それならばその書類に、どういう障害物件があったか、その所有者は誰か、それをどのようにクリアーするつもりなのかということを記入しているはずである。この書類開示は、公団の神社林ではなかったといういいかげんな論理を突き崩す重要なポイントである。
裁判終了後、弁護士会館で大口昭彦弁護士は、原告反論主旨を説明したあと、「被告公団の弁護団の中の上野至は、かつて千葉地裁で裁判長をやっていた。とりわけ成田治安法による団結小屋破壊をめぐる行政訴訟裁判を担当した経験がある人物だ。裁判長を辞めたとはいえ公団側弁護士として登場してきた。どこに裁判の公正さがあるというのか」と厳しく糾弾した。第四回公判は、〇三年二月三日(月)午前十時半、千葉地裁民事。東峰神社裁判への傍聴と支援を行っていこう。 (Y)
横堀団結小屋維持会が交流会と小屋補修作業
WTOと農業問題で学習会
十一月十六日〜十七日、インター横堀団結小屋維持会がよびかけた交流会と小屋補修作業が行われた。
維持会は、公団による東峰・横堀部落住民に対する追い出し攻撃が強まる中、反対同盟と連帯し、横堀部落の重要な拠点であるインター横堀団結小屋と土地を守り抜くためにこの八月にスタートした。維持会の目的は、@横堀団結小屋を維持し、三里塚と全国を結ぶ場として活用するA「横堀通信」を発行し、三里塚の情報を伝えるB反対同盟、実験村、田んぼくらぶなどの行動への参加を呼びかける\\を柱にしている。
十六日の交流会は、案山子亭で行われた。開催にあたって維持会の仲間は、「政府・公団による追い出し攻撃が東峰や横堀部落に対して行われている。また同時に、現在、WTO体制下で日本の農業の存在が脅かされている。つまり、グローバリゼーションと新自由主義政策による弱肉強食競争によって全国の中小農家が切り捨てられるという追い出し攻撃がかけられている。日本の農業問題の観点から三里塚闘争を再度位置づけながら、反撃していく陣形を拡大していこう」と発言した。
次に横堀部落の下山久信さんを招き、「WTO(世界貿易機関)下の日本農業」というテーマで学習会が行われた。
下山さんは、「ガット・ウルグアイラウンド以降、WTO農業交渉で米国を中心とするケアンズ(輸出国)グループは、全面的な自由化を主張している。他方、ヨーロッパは反対した。日本も反対しているが、小泉改革路線によって農業に関しても規制緩和を押し進め、農業切り捨て政策を展開しているから、やがて自由化に踏み切るだろう。そうなったら日本の農業は、価格競争に負け、農業経営が成立しない。離農者が増大する。農業主権が奪われ、自給体制が崩壊するだろう」と批判した。
さらに@企業の農業参入と農協再編A大規模農業と借金問題B生産者の高齢化、跡継ぎがいない状況、外国人労働者の農業雇用C日本商社の中国進出と物流機構の再編D有機野菜の逆輸入などの問題を取り上げ、現在進行している農業破壊の性格を分析した。
そして下山さんは、「ヨーロッパは、共通の農業政策がある。自国の食糧は自国で作るというのが国民的合意になっている。農業を守るということは、国民的な問題であり、自給体制を生産者と国民がともに作っていかなければならない。この根本的な立場が日本に求められている」と強調した。下山さんの提起の後、質議討論に移りながら、交流を深夜まで行った。
十七日の午前は、小屋の補修作業だ。十月の台風21号によって倒れてしまった鉄板を片づけ、強風から小屋を守るためにサカキやカシの苗木を三十本植えた。鉄板が立っていた部分は、ロープや鉄網を張り、さらに小屋の地主である加瀬勉さんの名前が書かれた「無断立ち入り禁止 土地所有者 加瀬勉」の看板を掲げた。作業終了後、現地調査活動グループと合流し午後からの東峰現地集会に向かった。
すでに政府・公団は、暫定滑走路供用の即時中止を求める東峰部落住民に対する追い出し攻撃を強化しつつ、同時に、横風用滑走路完成に向けて横堀部落にも追い出し圧力、権力・ガードマンによる日常的監視などのいやがらせを日常的に行っている。暫定滑走路供用以降、飛行コースに位置する横堀部落は、ジェット機騒音と排気ガスのまき散らし、落下物の直撃、公団・建設センターの工事車両の往来が頻繁化し、交通事故の危険性が高まっている。
だが横堀部落は、三里塚空港に反対し、生活と営農を続けている。横堀地区には、反対同盟現地闘争本部、横堀墓地、熱田家の田んぼ、各共有地、労活評団結小屋、横堀研修センター、インター横堀団結小屋、大鉄塔、案山子亭の拠点が存在し、人権・環境・農業破壊の三里塚空港・横風滑走路の完成を阻止し続けている。東峰住民と連帯し、横堀の各拠点の強化の一環として維持会の取り組みは重要だ。
維持会は、会員の加入と共に、財政カンパ、布団・毛布・シーツ、暖房器具、カーテン、調理用具、テレビ・ビデオなどの物資カンパの集中も呼びかけている。ぜひ協力をしていこう。 (Y)
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