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「テロ特措法」体制延長と拡大で強化される「有事体制」 |
小泉内閣は十一月十九日午前の閣議で、米軍の「対テロ戦争」支援のために、「テロ特措法」にもとづいた自衛艦のインド洋派兵をさらに六カ月間延長することを決定した。取り沙汰されていたイージス艦の派遣については今回「見送り」となったものの、タイ陸上部隊の基地整備用重機をアフガニスタンに運ぶためという名目で輸送艦一隻と護衛艦一隻が新たに増派されることになった。燃料補給対象国を米英からドイツ、スペイン、フランスにまで拡大するという当初の確認は、今回の決定には含まれていない。しかし、対イラク戦争が始まった段階で、給油をこれらの諸国に拡大することも予想される。
すでにこの一年間で、海上自衛隊による米英艦船への給油支援は百四十回に上っており、補給量は二十三万四千キロリットル、金額にして八十六億円である。航空自衛隊による輸送支援も計百十二回である。そしてそれにかかる費用はすべて日本側の負担なのだ。米軍艦船への燃料供給の実に四〇%が日本からの無償供与である。今も続く米軍のアフガン侵略戦争を補給・兵たん面で支えているのは日本であるといっても過言ではない。
米国防総省が米連邦議会に提出した「共同防衛に対する同盟国の貢献に関する報告(貢献度報告)」二〇〇二年版によれば、NATOをはじめとした「同盟諸国」の中で、日本の「貢献」は群を抜いている。それは一九九〇年から二〇〇一年までの間にアメリカをふくめたNATO諸国の軍事費が二一・四%の減、二十五の「同盟諸国」全体を取っても一九・二%の減なのに対し、日本は実に二〇・三%の増加であることにはっきりと示されている。
また二〇〇〇年の米軍駐留経費のうち、日本が支出している「直接支援」額(いわゆる「思いやり予算」)は三十八億七千七百万ドルであるのに対し、他の米軍が駐留している他の諸国の総計七億九千万ドルである。つまり、日本一国で他の諸国の総額の五倍近い金額を税金で払っていることになる。
そして同「貢献度報告」は、「(日本の)責任分担の努力は、歴史的に米軍駐留経費を補うことに集中してきた、しかし最近は、地域や地球的規模の軍事的役割や任務の分担への積極的な参加が増えている」と、日本の「貢献」を大いにほめたたえている。
こうした「実績」に基づいて、ブッシュ政権は自らの無法きわまる「聖戦」に無条件に日本政府がつき従うことを要求し、小泉政権もまた「湾岸戦争の時、カネを出すだけで人を出さなかった」というトラウマにつきまとわれて、自衛隊の参戦体制を築き上げようとしている。
今回の「基本計画」延長にともなう自衛隊の米軍支援の拡大について、石破茂防衛庁長官は米軍のイラク攻撃準備とは関係ない、とごまかした。しかしそれを信じる人は少ないだろう。対米支援のためのインド洋への自衛隊の増派は、ブッシュ政権が急ピッチで推し進めている対イラク全面戦争に小泉政権があくまでも協力し、ともに対イラク侵略戦争に参戦するシグナルなのである。
小泉政権が提出した有事法制3法案は先の通常国会で継続審議となり、今の臨時国会でも「改正案」の実質審議に入るメドすら立っていない。しかし、すでに民間人のインド洋派遣自衛隊への派遣をふくめて、事実上の「有事体制」は築き上げられつつある。
イラクのサダム・フセイン体制は、十一月十三日に大量破壊兵器廃棄に関する対イラク国連安保理決議1441を無条件に受諾した。そして国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長を先頭にした国連査察団先遣隊が十一月十八日にバグダッドに到着した。
しかしイラクの国連安保理決議受け入れにもかかわらず、米英両国は二十五万人と言われるイラク侵攻軍の動員と配置を着々と行っている。戦争は完全に秒読み段階に入った。
これに対して、十一月九日、ヨーロッパ社会フォーラムが組織したフィレンツェの「欧州平和大行進」の百万人デモ、十月二十六日にアメリカで行われたワシントン二十万、サンフランシスコ十万人の反戦デモに見られるように、反グローバリゼーション運動と結びついた反グローバル戦争の闘いが、湾岸戦争時を上回る規模で世界的な高揚を見せている。
われわれは日本の地から、この国際的な反戦運動の一翼を担っていかなければならない。十二月一日に代々木公園で行われる「STOP! 有事法制大集会」(午後3時)を成功させ、イラク侵略戦争反対の訴えを十二月、一月と広げていこう。ブッシュの対イラク戦争を止めるために、イラクへの経済制裁を撤廃させるために、そして小泉政権の戦争協力=参戦を阻止するために、今こそ全力をふりしぼろう。(11月19日 純) |