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フランス                     かけはし2002.11.18号より

電力・ガス民営化反対!公共サービスを防衛せよ

8万人の電力労働者がパリでデモ

 ラファラン右翼新政権のもとで、政府と人民の現在の全国的攻防の焦点のひとつは公共サービスの防衛をめぐる対決である。このために、フランスの労働組合と社会運動は、この間、公共サービス防衛のアピールを出し、シンポジウムと討論会を組織し、闘いを準備してきた。十月三日は、そうした準備を経て、この闘いが本格的な行動の第一歩を踏み出す日であった。そして、十月三日のEDF―GDF職員のパリへのこの大結集は成功をおさめた。
 この日、EDF(フランス電力公社)職員八万人が全国からパリに総結集した。この部門の労働者のこれほどの数の結集は一九四六年以来、見られなかったことである。またエール・フランスの労働者も五千人が結集し、鉄道労働者など他の公共サービスや公共部門の代表も参加した。公共サービスをめぐる全国的攻防の焦点は今や、EDF(フランス電力公社)とGDF(フランスガス公社)の民営化問題であると同時に、対決の最初のテストでもある。
 いまや、新自由主義的グローバリゼーションの破綻と同時に、そのもとで行われてきた公共サービスの民営化の破綻もますます明白になりつつある。二年前に民営化されたばかりのフランス・テレコムは、IT革命なるバブル経済に躍らされて事実上、破産状態に陥っており、「再国有化」の噂が飛び交う始末である。いまや、公共サービス防衛、民営化阻止の全国的な統一した闘いを組織すべきときである。
 労働組合の指導者が、この日の闘争をEDF―GDF部門の厳密な枠内にとどまるようにするために、さらにはこれが共闘行動日にも「社会による第三回投票」(『ル・モンド』紙のインタビューでのCGT鉱山・エネルギー産別書記長、ドゥニ・コーアンの発言で、これは先の大統領選挙の二回の投票に続いて、社会が現ラファラン政権に闘争によって審判を下すことを意味している)にもならないようにするために、全力を挙げたのに、十月三日は全国の前に民営化と公共サービス防衛の問題を提起することになってしまった。
 それゆえ、ラファラン政府はEDF職員に答えた。「われわれには諸君たちの声がはっきりと聞こえた。われわれも公共サービスに対する諸君たちの愛着を共有している」と。
 うそだ! 社会の反応を恐れ、選挙での代表資格の弱さ(有権者の二〇%から三〇%の支持しか得ていない)をよく自覚している政府は、マヌーバーと術策を用いているのだ。ニコル・フォンテーヌ産業相は、エネルギー問題に関する十五カ国から成るEU閣僚理事会のときに、「フランスはもはや、特別分野をも含めて、二〇〇七年の市場の全面開放を拒否しない」と宣言した。まさにここにこそ、シラクとラファランなどの連中の公共サービスに対するある種の「愛着」がある。彼らは、資本への市場開放と民営化に関する歴代政府の政策をさらに追求し、それを強めているのである。
 EDF―GDFはこの攻防の最初のテストである。公共サービス部門の民営化計画の一切を阻止するために政府と全面対決しなければならない。経済的、社会的、政治的、イデオロギー的状況は変わった。民営化はいまや非難のまととなっている。公共と民間の両部門の労働者は政府を後退させなければならない。公共サービスの防衛が一般の人々の多数の関心の中心であるだけにそうである。ここ数日、二〇〇〇年冬の嵐のときの公共サービスが効果的な役割を果たしたことが想起されるのをここ数日、聞かなかっただろうか。
 やはり労働組合の指導者の考えは一般の人々の考えよりもさらに混乱したものであってはならない。何百万もの労働者にとって、たとえば、とりわけフランス・テレコム民営化が破産という収支決算を確認しているときに、公共サービスの防衛は民営化の拒否を通じてなされる。だが、一部の労働組合指導者にとっては明らかにそうではないのだ。
 共産党の指導部でもあるドゥニ・コーアンは、『ル・モンド』の同じインタビューの中で、「公共サービスがもはや公共企業によって一〇〇%保証されない」という点を受け入れている。また、資本への開放に関するCGTの立場決定や同じくCGT鉱山・エネルギー産別指導者のミシェル・クレルクの反応が曖昧であることも、よりよく知られている。彼は、ニコル・フォンテーヌ産業相の立場が「よい方向に向っている」と説明しているのだ。
 社会自由主義と同伴することを支持するこのような立場は、大衆動員を弱体化し、労働者を、そして何よりもCGT内を分裂させることにしかならない。いまや、資本への開放と引換えに定年退職者の特別な待遇と基金を与える交渉に向うのではなく、民営化反対の行動に向うべきときである。
 新しい大衆動員が、エール・フランスで、教育部門で、鉄道労働者の間で準備されている。それぞれの行動日を成功させなければならないが、これらの個々の闘争と大衆動員を収斂させることが必要である。進行中の民営化を阻止し、この傾向を覆すための諸条件を作り出さなければならない。
 すべての労働者とすべての労働組合員が、そしてその組織が「公共サービスの防衛のための共闘」を、公共部門のすべての職員と労働者の一日ストライキを、さらには、公共教育を防衛するためになされたことを公共サービスについても行わなければならない。すなわち、政府を後退させるためにすべての人の巨大な全国的大衆動員を実施しなければならないのだ。(「ルージュ」、02年10月10日)
             

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