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    かけはし2011.11.14号

ベトナムに原発を輸出するな!

「原発いらない女たちの全国アクション」が呼びかけ

首相官邸前で抗議のアピール


原発建設共同
声明に調印
 一〇月三一日、野田首相は首相官邸で、ベトナムのグエン・タン・ズン首相と首脳会談を行い、日本企業がベトナムに原発を建設することを明記した共同声明に署名した。同原発はベトナム南東部ニントアン州に建設されることになっており、一〇年後の稼働を予定している。そのためにベトナム人技術者一〇〇〇人を日本で研修させることも明記している。同共同声明には、日本とベトナムでレアアース開発の合弁企業を設立し、ベトナム政府が同社に鉱床の採掘権を与えることも盛り込まれた。
 福島原発事故によって「安全神話」が完全に崩れ去ったにもかかわらず、野田政権はあくまでも原発輸出を「新成長戦略」の柱にしようとしているのだ。
 野田首相は九月一三日に行われた第一七八臨時国会の所信表明演説で、「我が国は、唯一の『被爆国』であり、未曾有の大震災の『被災国』でもあります。各国の先頭に立って核軍縮・核不拡散を訴え続けるとともに、原子力安全や防災分野における教訓や知見を他国と共有し、世界への『恩返し』をしていかなければなりません」と述べた。九月二二日に野田首相が国連本部の「原子力安全会合」で行った演説では「原子力利用を真剣に模索している国々に、我が国は支援をしてきた。今後ともこうした国々の高い関心にしっかり応える」と訴え、原発輸出再開の意向をより明確にした。


住民に説明責
任を果たさず
 日本・ベトナム両政府が進めている原発輸出に関する政府間の合意に抗議する緊急の署名と連名の声明が、「福島の女たち」に続き一〇月三〇日から経産省前での座り込みを行っている「原発いらない全国の女たちアクション」が呼びかけた。
 この声明は次のように訴えている。「現在、ベトナムでは、日本の税金によってニントゥアン省の原発建設に向けた実行可能性調査が行われようとしています。しかしこの調査の結果は、ベトナムの住民や日本の納税者に公開される保証がありません」「ベトナムの建設予定地は、風光明媚な自然が広がり、住民たちは漁業や農業、観光でくらしをたてています。原発建設はこのような住民の生活を脅かすものです」「ひとたび事故が起これば、放射能はタイ、カンボジア、ラオスなどのベトナムの近隣国にも広がります。日越政府は、自国民に対する説明責任を果たしていないのと同様、これらの国々の住民にも一切の説明責任を果たしていません」。
 同声明は日本政府に対して「原発輸出を行わない方針を明確に打ち出すこと」「原発輸出に向け、これ以上の無駄な税金を使わないこと」、さらに日越両政府に対して「現在実施されている実行可能性調査を打ち切ること」「自国民、近隣政府の住民に対する説明責任を果たすこと」を求めている。
 ネットで呼びかけられたこの声明への署名はわずか一日で七〇〇〇人を超えた。声明には福島原発事故緊急会議をふくめ一四の団体が名を連ねた。

ベトナムの人々
を苦しめるな
 日越首脳会談に合わせて、一〇月三一日午後五時から、首相官邸前での緊急行動が行われた。経産省前座り込みからかけつけた「全国の女たちアクション」を中心に五〇人以上の市民が参加して一時間以上にわたり「原発輸出反対」の声を上げた。
 「ベトナムではベトナム戦争で米軍がまき散らした枯葉剤でたくさんの人々が今も苦しんでいます。今また日本政府は放射能を撒き散らしてベトナムの人々を苦しめようというのですか」。こうした訴えを中心に「原発反対」のシュプレヒコールが日本語とベトナム語で何度も繰り返された。ベトナム首相を乗せた車列が首相官邸に入った時、抗議の声はひときわ高まった。
(K)

10.30〜11.5

全国の女たちが経産省前座り込み

福島の思いを引きついで
国・東電の責任を連日追及




テントが脱原発
を発信する場に
 「福島の女たち」の経産省前座り込み行動に続く「全国の女たち」の経産省前座り込みは、一〇月三〇日から一一月五日まで一週間にわたって続けられた。北海道から沖縄まで全国の女性たちが、この座り込みアクションに参加した。
 行動への参加者は連日二〇〇人から三〇〇人に達し、経産省前は「福島の女たち」と思いを一つにした女性たちの「原発いらない」「国・東電は責任を取ってほしい」の訴えに共感した女性たちの絆が固く結ばれた。九月一一日の経産省包囲「人間の鎖」行動の日から設置された「経産省前テント村」は、九月一九日に六万人を結集した「さようなら原発集会」の画期的な成功を経て、「脱原発」の共同の発信の場となった。
 「全国の女たちの座り込み」は一〇月三〇日の「ベトナムへの原発輸出反対・首相官邸前」行動に続き、一一月二日の玄海原発4号機運転再開反対・九州電力東京支社抗議行動への合流、一一月四日の「全国の女たち」霞が関デモなど、連日多様な形で繰り広げられた。

被災住民の補償
・避難の権利を
 野田政権は、福島第一原発事故から八カ月を経た現在、依然として高い放射線量による生命・健康の破壊を無視し、事故の「収束」「安定化」を演出して、現在運転停止中の原発を来年以後の再稼働、ベトナム、トルコ、ヨルダンなどへの原発輸出の動きを強めている。
 野田政権はあくまでも「脱原発」を否定し、原発延命のために血道をあげているのだ。そのためにも冬季にむけて破綻が明らかな「電力不足」キャンペーンを再開し、原発なしで「安心」は確保できない、という宣伝を強めている。
 そして政府や東電は「警戒区域」「計画的避難区域」に指定された地域以外の「自主的避難者」への補償、「避難の権利」の確立に抵抗し続けている。とりわけ高い放射線量を記録している福島市渡利地区の住民に対しても汚染の実態を隠し続け、効果の薄い「除染」を名目に住民の避難を実質的に妨害している。
 福島原発2号機で放射性物質のキセノン133や135と見られる気体が検出された件で、一一月二日、原子力安全・保安院は核分裂反応が起きた可能性が高いと発表した。1、3号機でも核分裂が起きている可能性がある、とも述べている。例によって安全・保安院は「小さいレベルで問題はない」としている。しかし問題なのは、原子力内部の状態が依然として不明で「年内冷温停止」が気休めにすぎないことだ。
 福島の被災者の不安、怒りを共有し、被害の無条件全面補償、原発の再稼働・輸出を阻止し、原発ゼロの一刻も早い実現に向けて、運動を強めよう。「さようなら原発一〇〇〇万人署名」の達成とあわせて、東電をはじめとする電力会社・経産省・野田政権を運動の力で追いつめる闘いを「三・一一」一周年に向け総力で築き上げよう。 (K)

 


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