危機を新自由主義政策強化のため
に使う者への世界的反撃が始まる
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2011年10月15日――怒れる者たちの偉大な勝利
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一〇月一五日、民衆の犠牲で金融諸機関を救済しようとする世界の支配階級のたくらみに反撃する「怒れる者たち」の世界統一行動が、日本を含めた八〇カ国以上、一〇〇万人の決起を実現した。現在の世界的な経済危機の中での今回の行動の意義、及びさらに行動を組織する必要について、第三世界債務帳消し委員会(CADTM)のエリック・トゥサンが論じている。以下に二つを紹介する。(「かけはし」編集部)
五つの大陸で一〇〇万人が決起
今回の行動は、二〇〇三年二月以来では、特別な日付けをもった国際行動のための呼びかけがこれほどの反響に出会った最初のものだった。怒れる者たちの運動が始まった地であるスペインでは、この日約八〇にのぼる都市の街路を五〇万人近い人びとがデモ行進した。そこにはマドリードでの二〇万人以上のデモが含まれる(注一)。諸行動は五つの大陸で行われた。八〇以上の諸国、一〇〇〇近い町が、デモに決起した数十万人に上る若者や年配者を見ることになった。これらのデモは、破局に責任がある私的諸機関を救済するために殺到する諸政権が国際的経済危機を管理することに抗議していた。そしてその私的諸機関は、新自由主義政策の強化のためにその破局を利用しているのだ。まさに、公共サービスにおける大量解雇、社会的支出の明白な削減、大規模な私有化、社会的連帯の諸方策(公的年金システム、失業手当、集団協約……)に対する攻撃などが今進行中だ。どこででも、公的債務の返済が、緊縮政策を強化する口実として使われている。どこででも、デモの参加者は銀行を告発している。
二〇〇三年二月私たちは、戦争を、つまりイラク侵略を阻止しようとした最大級の幅広さをもった国際動員を経験した。この地球上すべてを覆う数え切れないデモに、一〇〇〇万人以上の民衆が集まった。その時以来、一九九〇年代に生まれたグローバルジャスティス運動の力学は徐々に力を弱めた。しかしそれが完全に消えることはなかった。
二〇一一年一〇月一五日、街頭に出た民衆は一〇〇万人にわずかに届かなかった。しかしそうであってもそれは巨大な勝利だった。なぜならばそれは、何千万人という犠牲者をすでに生み出した資本主義の危機に責任を負う人びとに対決し、二四時間の内に地球をめぐって決行された最初の大デモだったからだ。
資本主義が疑問に付されている
二〇〇七年に米国で始まった金融、経済危機は、二〇〇八年から特にヨーロッパに広がった。開発途上諸国が直面した債務危機が北へと広がったのだ。それは食糧危機と相互に結びついている。そしてその危機は、二〇〇七―八年以来多くの開発途上地域に打撃を与えている。そして、中でも地球の南の人びとを苦しめている気候危機を忘れてはならない。
このシステム危機は、制度の側面にも表現されている。G8メンバー諸国の指導者たちは、彼らがこの国際的な危機を管理する手段をもっていないということを分かっている。こうして彼らは、G20を招集した。三年を経た今後者は、有効な解決策を見つける能力がないということを明かしてしまった。この危機はまた文明の危機をも伴っている。消費主義、全般化された商品化、経済活動の環境影響を考慮に入れることへの失敗、生産力主義、公的な利益や商品やサービスを犠牲にして私的利益を満足させることの追及、暴力に対する大国の体系的な依存、パレスチナを一例とするような民衆の基本的人権の否定などに対して提起された問いかけが、今ある。今疑問を突き付けられているものの中心はしばしば資本主義だ。
この運動は巨大な潜在力をもつ
集権化された組織が今回の動員を呼びかけたわけではまったくなかった。インディグナドス(「怒れる者たち」)運動は、それに先立つ月々のチュニジアやエジプトの反乱の後を追って、二〇一一年五月にスペインで生まれた。それは同年六月ギリシャに、そして他のヨーロッパ諸国に広がった。それは二〇一一年九月以来、北大西洋を渡った(注二)。もちろん、一連の急進的政治組織や組織された社会運動はこの運動を支持したが、今それを率いているわけではない。それらの影響は限られている。それは、若者たちからほとんどなる、発展に向けた巨大な潜在力をもった、幅広い側面で自然発生的な運動だ。そしてその潜在力は、この地球上の政治的リーダーたち、大企業の経営者たち、さらに政治諸勢力にむけてまさに心乱す働きをしている。それは線香花火のように消える可能性もあるが、また火事を起こす火花ともなり得る。どちらになるか、それは誰も分からない。
二〇一一年一〇月一五日、決起への呼びかけはデモ参加者を、大部分は、この地球の金融センターを含む北の諸国にある都市や町に呼び集めた。そしてそのことは非常に将来有望だ。怒れる者たちの「占拠」運動は、極めて創造性のある解放的な力学に火を着けた。あなたがもしそこにまだ参加していないのならば参加しようとすべきであり、あなたが暮らしているところにその運動がまだ存在していないのならばその開始に挑戦すべきだ。本物の解放に結びつき参加しよう。(筆者からのCADTMネットワークを通じた回状、英訳はマリー・レガッタ)
注一)これは、筆者が二〇万人の印象的なデモに参加したマドリードで書いている。
注二)北米とその他のところでのこの運動は、この地域におけるこの種のものの最初であった「ウォールストリートを占拠せよ」の抗議運動の後で、占拠運動となった(マリー・レガッタによる注)。
世界金融不安
危機は全面的であり、EUを
超えはるか先まで波及する 支配階級の誰に
も解決策がない
ヨーロッパが厳しい打撃を受けているとはいえ、今回の危機はEUに限定されるものでは決してない。実際、ほとんどすべての工業諸国が昏睡寸前の状況にある。国による違いはあるが、失業は高止まりしているか上昇中だ。BRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)を含むいわゆる新興国においてすら、これまでの強い成長は減速に向かいつつある。わずかの例外はあるものの世界の株式市場は、ユーロ圏と日本と中国では一五%、米国では四%、英国では八%、ブラジルでは二二%、ロシアでは一九%、インドでは七%と、二〇一一年深刻な下落を見た。危機時における価値の避難先である金が強く求められる状況になった。
印象深いものは、一連の重要な市場に張り付いた極めて一貫性のない性格だ。株式市場は、一時的なはね返りを伴いながら滑り落ちている。ドルは急落中だが、時々立ち直る。ドル、ユーロ、円、ポンド、そしてスイスフラン(もう一つの価値防衛手段)の間の交換比率は極めて不安定だ。原材料資源価格は高止まりしているが、容赦のない不均等さの中に置かれている。銀行は弱い環となり、当局によって全面的に支えられている。
南北の諸関係という観点から見ると、途上諸国と新興国の経済情勢は、北のそれと比べたときうらやむばかりとなる(注一)。たとえば指標として外貨準備の状態が考慮される場合があり得るとすれば、新興国はそれを工業諸国の倍保持している。つまり北の三兆二〇〇〇億ドル(日本がその三分の一を保有)に対して、それらの国は六兆五〇〇〇億ドルも保有しているのだ(中国がその半分、インドが四〇〇〇億ドル、ブラジルが三五〇〇億ドル、ロシアが五〇〇〇億ドル保有)。とはいえG20クラブは、それを設立したG7とまったく同じように合法性を欠いたものだが、解決策を見出す能力がない。
こうして、重債務富裕国(HIRC)という表現が、もっとも最近の流行表現となっている。それは、世界銀行とIMFの廊下における過去一五年流行となってきたもう一つの表現、つまり重債務貧困国(HIPC)という表現を押しのけたのだ。公的債務と私的債務が今回の危機を左右する中心的柱である。
怒れる者の運動
に精力的支援を
世界的尺度で社会諸階級間の関係を考慮に入れた場合、支配階級はどこででも、この危機を労働者階級と小さな事業の不安定性を増大させるために使いながら、自身の富を増殖させている。北大西洋諸国において、また中欧と地中海ヨーロッパ諸国では、公的債務支払いが緊縮諸政策の新しい波を強要するための口実となっている。私有の金融システムによって引き起こされた破局のコストは、体系的に公的諸機関に背負わされ、そしてその公的機関は今度は、それを労働者と小さな自営業主に移し替える(課税、および社会的支出や余剰人員の削減という方法で)。
社会的不平等はさらに悪化させられている。底辺にある人びとの社会運動は、反攻の創出については言うまでもなく、粘り強い抵抗を作り出す上で最大の困難に突き当たっている。
街頭デモの新たな現象は、アラブの春に引き続いて現れた。怒れる者の運動は、ギリシャで帯びていると同じく、スペインで重要性を帯びることとなり、米国内に、さらに他の大陸で反響を見出している。これらの運動は、極めて重要だとはいえ、潮目を変えるにはまだ十分ではない。それらは精力的に支えられることを必要としている。それに関する限り、十月一五日の参加者は末頼もしい成功を示している(注二)。
(一〇月一九日) 注一)伝統的経済指標は新興国における持続的な成長を明らかにしている。しかし食糧危機(価格における重大性を帯びた上昇)が、南の人口の大きな部分に打撃を与えつつある。気候変動もまた、いくつかの特に厳しい打撃を受けている諸国の住民の生活諸条件を劣化させている。原材料資源価格高騰によって引き起こされているある種の天然資源の熱に浮かされたような採掘は、人間的損傷と環境的損傷を増大させている原因だ。特に、露天掘り鉱山と生態的に敏感な地域における石油採掘を挙げることができる(たとえば、ニジェールデルタ)。
注二)本紙別掲トゥサン回状を参照。
(CADTMネットワークを通じた筆者による回状、英訳はマイク・ロリコウスキイ)
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