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    かけはし2011.9.12号

野田政権は原発再稼働
輸出促進政策をやめろ


推進派の巻き返しにSTOPを

9・19明治公園集会の成功かちとろう

全原発の停止、放射能汚染除去、被災者の生活・雇用の全面保障を

 

「脱原発」否定
する野田新政権

 九月二日、野田内閣が正式に発足した。幹事長に小沢一郎元代表に近い輿石東・前参院議員会長、政調会長に前原誠司・元外相、国対委員長に鳩山由紀夫元首相の側近である平野博文・元官房長官を起用した民主党執行部人事、さらに民主党内の各グループのバランスを配慮した内閣人事は、菅内閣の下で深まった民主党分解を食い止めようとするものになった。
 野田新首相は、党内の各グループ、自民党や公明党、そして日本経団連など財界主流との関係を立て直すことを緊急の目標としている。野田は東日本大震災からの「復興」のために所得税などの臨時増税を行うことを改めて確認しつつ、「財政再建」を掲げ「社会保障と税制の一体的改革」を旗印に消費税大幅引き上げの既定方針の実施を主張している。
 野田は「原発の新規増設は現実的に困難」と現状を追認せざるを得なかった。しかし同時に定期検査中の原発再稼働に関しては「安全性を厳格にチェックした上で、安全性が確認された原発については再稼働していく」との方針をも強調している。彼は「電力不足」という電力資本や財界のデマ宣伝をオウム返しに語っている。
 「電力は日本社会の『血液』そのものです。……東日本に加え、関西電力など西日本地域も不足しています。現在稼働している原発は来年四月までには、すべての発電所が定期検査を迎えます。これらの原発が再稼働しない場合、電力の『予備率』(ピーク需要と供給能力の割合=供給余力)はさらに悪化します。東日本(東京、東北、北海道)の予備率はマイナス一〇%、中西日本(西日本五社と中部電力)はマイナス八%となってしまいます。電力の適正な予備率はプラス八%とされます。マイナスに落ち込む水準は危機的状況です」(野田「わが政権構想」、『文藝春秋』一一年九月号)。
 すでにストレステスト入りを公表している原発には北陸電力志賀2号、九州電力玄海2,3号、川内1号、近くストレステスト結果の提出が予想される北海道電力泊1号、関西電力美浜1、3号、高浜1号、大飯3号がある。こうして野田政権の下で、停止中の原発の再稼働が年内にも行われるとの見通しが報じられている(読売新聞、八月二八日)。

国際貢献の名
で原発輸出


 野田新首相は原発輸出についても断固たる推進論者である。前掲「わが政権構想」の中で野田は述べている。
 「日本の原発『輸出』について、否定的な見方も出ています。しかし、私は短兵急に原発輸出を止めるべきではないと思います。日本は唯一の被爆国として原子力の平和利用の技術を蓄積してきました。ベトナム、トルコといった各国は日本の技術と国柄を信用して、原発導入の相手先として選んでくれたのです」「世界を見渡せば依然として、新興国を中心に原発導入の流れが加速しています。日本は今回の震災事故を契機に、原発安全の新たな技術を蓄積し、また、しなければなりません。相手国が求める限り、その危険性と安全対策を伝えることは、震災後の日本だからこそできる新しい国際貢献でもあります」。
 彼はこのように福島原発災害があったからこそ、安全な原発を輸出することが「国際貢献」なのだという強弁で、「新しい成長戦略」の柱の一つに原発の「トップセールス」を位置付けている支配階級の原発推進戦略の先頭に立とうとしている。
 大切なのは「『脱原発』対『推進』の対立」ではなく「幅広い多角的な議論」と「革新的な技術開発」だとする野田は、「脱原発」への国際的・国内的な世論の発展に抗し、原発の延命と開発という支配階級の巻き返しを体現している。
 野田はまた「わが政権構想」の中で、「日米同盟は最大の資産」という一項を起こし三ページにわたって日米同盟の重要性や中国の軍拡や米軍の「トモダチ」作戦について書き連ねながら、その中で「沖縄」という単語が一度も出てこない。彼は、「極東軍事裁判のA級戦犯は戦争犯罪人ではない」という侵略戦争肯定論者であるとともに沖縄の新基地建設反対の闘いや普天間基地の「県外移設」の訴えを一顧だにしない首相なのである。

課題の明確化と
広範な共同闘争


 九月一九日に東京・明治公園で行われる「さようなら原発集会」は、野田政権の「脱・脱原発」路線、すなわち原発再稼働・輸出・推進路線を止めさせる最大の焦点となっている。この日の集会には全労連が参加を決定し、共産党の志位委員長がみずから参加を表明するなど、共産党の「原発からの撤退」路線への転換を背景にして、旧来の枠組みを超える運動の可能性が提示されている。
 課題を明確にした運動を築き上げることが重要である。原発再稼働をやめさせ、すべての原発の運転の停止を勝ち取ろう。放射能汚染の除去、原発被災者の生活・雇用の全面的補償を東電・すべての電力企業・国家の責任において実現させよう。あらゆる原発輸出をやめさせよう。
 九月一一日には、東京でのデモ(午後一時、日比谷公園西幸門結集)・経産省包囲「人間の鎖」行動(午後三時半〜五時)をはじめとして、全国各地でさまざまな行動が展開される。この日の行動をバネに九・一九明治公園「さようなら原発」五万人集会(午後一時半)を全力で成功させよう!      (純)

郡山市議選

新人・滝田はるなさんがトップ当選
脱原発を前面に掲げた
市民派候補が大躍進


 【郡山】九月四日投票で行われた福島県郡山市議選で三三歳の新人滝田はるなさんが三九七九票を獲得、トップ当選を飾った。滝田さんは、二〇一〇年に郡山の未来をつくる会などが三回にわたって開催した「女性議員を増やそう!市民学習会」に参加する中で候補者募集に応じ立候補を決意した。市議会開会中はずっと傍聴を続け、「いつも熱心にメモを取っているあの若い女性は誰?」と、議員や市職員幹部の間で話題の人物となった。
 三・一一原発震災以降は、蛇石郁子市議とともに、脱原発運動、放射能汚染対策、子どもたちの避難支援などに取り組み、五・二三文科省交渉、六・一一百万人アクション東電前行動、東電株主総会へのたたかい等で先頭に立ってきた。選挙活動は、まさにこうした活動と一体で展開され、その中で市民の注目度を上げ支持を拡大した。
 滝田さんと合同選対・合同事務所で選挙に臨んだ蛇石さんは二二一二票で三期目の議席を獲得した。また、前回惜敗した駒崎ゆき子さんも二千三百票余を得て返り咲きを果たした。

閉塞状況打破
願う市民の思い
 この結果、議会の構成は、保守系二三人(2会派・前回比1減)、公明四人(同)民主系三人(1減)、社民四人(同)、共産三人(同),無所属市民派三人(2増)となった。得票数は、公明が前回並みの約一三五〇〇、民主約七八〇〇、共産約七五〇〇、社民約七三〇〇、市民派約八五〇〇で、民主・社民は大幅に減票した。さらに、事務所もポスターも選挙カーもなしで出た障がい者の佐藤清一さんが最下位ながら、七四七票を獲得し法定得票数を超えたことは特筆に値する。
 投票率は四三・一〇%で前回五六・八七%を一三・七七ポイント下回り、過去最低を記録した。同様の低投票率は福島県内及び宮城県のどの市町村でも続いている。大震災、原発爆発と放射能汚染という未曾有の危機の持続は、その原因たる政治に関与しようとする気力を奪い取り、住民をその日暮らしに落としこめているようである。
 しかし一方、滝田はるなさんをはじめとする脱原発・市民派女性候補の勝利は、この閉塞状況を打破したいと願う住民が数多く存在していることも示したといえよう。(2011年市民選挙企画調整局 中路良一)


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