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    かけはし2011.6.20号

運動強め、旧つくる会系の教科書はひとつたりとも採択させない

あぶない教科書を採択させない! 大阪学習会


 【大阪】今、子どもたちに必要なのは、国家主義や愛国主義なのか?真の共生・共存と相互理解に立ち、平和な国際社会を目指そう!と、あぶない教科書を採択させないための学習会が五月二五日、エルおおさかで開かれた。学習会はヨンデネット(日朝・日韓連帯)大阪とおおさかユニオンネットワークが主催し、竹本さん(ヨンデネット大阪)が司会をした。
 冒頭、垣沼さん(おおさかユニオンネットワーク)が「最高裁が四月二一日大江岩波沖縄戦裁判の上告を棄却し、沖縄「集団自決」は軍命だったことを認めたが、文部科学省は軍の関与はなかったとする検定意見を撤回せず、ひらきなおっている。政権交代に若干の期待はあったが、その後の民主党のふがいなさにより、大阪維新の会が府議会で議席の過半数を獲得し府議会と大阪市議会で議長を独占することになったが、彼らは五月府議会で卒入学での教職員の起立斉唱を義務づける条例を出すという。このような状況下で八月には中学校の検定教科書採択の時期を迎えるが、府下の市町村でいわゆる旧つくる会系の教科書が採択されることがないよう頑張っていきたい」と主催者あいさつを述べた。
 続いて、伊賀正浩さん(子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会)が講演をした。伊賀さんは、自由社(〇六年つくる会分裂後の現つくる会)育鵬社(分裂後にできた教育再生機構)のそれぞれの歴史教科書・公民教科書の特徴を、教科書のページをスクリーンに映しながら説明した。

天皇中心の
国家観強調
 先ず歴史については、自由社の方が露骨に右翼的であり、育鵬社の方も基本的には同じだが採択されることを意識し若干記述を抑制している。両社とも、日本を古代から一貫して継続した国であり、その根拠を天皇制においている。日本の歴史の中で天皇の権力がきわめて弱体化して武家政治の時代でも、武士は究極的には天皇に仕える身分であり、天皇は権威の象徴であり続け、江戸幕府に代わり天皇を日本の統合の中心にすえることで、政権の移動がスムーズにおこなわれたとする。
 また江戸時代の身分制度は血統によるものではなかったから、その区別はそれほど厳しいものではなかったと述べる。女性については常に男性を支える存在として扱っている。部落や民衆を軽視している。

戦争の加害
にはふれず
 第一次大戦後のファシズムやソ連をいずれも全体主義として扱っている。太平洋戦争を大東亜戦争と呼び、日本軍はよく戦い、戦争の勝利を願う多くの国民もよく働きよく戦ったとし、アジア諸国の人々に与えた被害はできるだけ少なく、しかも歪曲している。日本軍のアジア進出はアジアの解放のためであったとか、アジアの近代化を助けたとして美化する。インドネシア・インド・ビルマでの独立支援、韓国併合による朝鮮の近代化などがそれである。南京虐殺とは言わず、日本軍によって中国の軍民に多数の死傷者が出たといい、しかも犠牲者の数については今日も論争になっていると述べる。太平洋戦争の開戦については、天皇は自分の考えではなかったが、政府の決定を認めこれに従った、東京裁判についてはその評価が未だに定まっていないとする。
 公民の教科書については、まず天皇について8ページを割いて、天皇を国の繁栄や国民の幸福を祈る民族の祭り主として、日本の歴史の中では天皇を精神的な中心として国民が一致団結し国家的危機を乗り越えたことが何度もあったとする。天皇のつくった和歌を紹介したり、宮中祭祀を詳しく説明し、東日本大震災の被災地を見舞う天皇皇后の写真を大きく載せている。

改憲と自衛隊
の国軍化主張
 安全保障と自衛隊についても一五ページも割いて説明し、兵器の写真を一八枚も載せている。国民が自衛隊の存在を肯定的にとらえていると説明している。世界的にも有数の実力を持つ自衛隊を憲法改正によって我が国の軍隊として位置づけるべきだとする。自衛隊の存在は国防にとって不可欠であるとする。各国の憲法を引用し、戦争放棄と国防は矛盾しないと述べている。
 また、領土問題については日本政府の立場をそのまま述べている。そして、最後に国家と国民の関係については、国民は国家によって守られ恩恵を受けており、国家は他国から侵攻されないよう方策を講じる義務があると述べる。

危険な教科書
採択の流れ
 続いて、教科書採択についての説明に移った。〇九年に教育基本法が改悪され、改訂教育基本法により教科書採択基準が変更された。新たに規定された教育の目的(教育基本法第二条)と学校教育(第六条第二項)の内容をふまえているか、つまり愛国心の涵養という点をふまえているかという点である。前回の採択の時、現場の調査員や選定委員会で三社ほどに絞られた教科書会社と最終的に教育委員会が採択した教科書会社がまるで違う場合があった。たとえば神奈川県の旭区、金沢区などでは、選定委員会で推薦されたものの中には自由社はないのに、採択では自由社となっている。つくる会系首長が同じ傾向の教育委員を選任し、彼らが多数を占める教育委員会で採択が行われるということだ。今回も五月〜七月選定委員会による調査研究が行われ、答申がつくられる。この時期に並行して各市町村では教科書展示会が開かれる。そして八月の教育委員会会議で採択が行われる。
 
危ない地域には
大阪からも声を
 全国的にみて、これまでつくる会系教科書が採択されたのは東京都、愛媛県、滋賀県、大田原市、杉並区、今治市・上島町だったが、今回は知事や区長などの改選でそれぞれ事情が変わっているところもある。今回の採択に向け議会決議があがっているところは、神奈川県、宮城県、熊本県、茨城県、千葉県、埼玉県、京都府・市であるが、今年の最大の焦点は一市一採択地区になった横浜市だ。危ない地域には大阪からも不採択の声を届けよう。大阪でも、前回は採択こそされなかったが、扶桑社や自由社が推薦の第二位、三位にあげられたところがある。教育委員につくる会系の人はいないか、調べることが必要だ。

今の日本社会
全体が危ない
講演が終わり、続いて連帯アピールがあった。教育現場からは、竹林さん(教育合同)が発言し、「危ない教科書という言い方に少し引っかかる。危ない教科書といっても、最近書店や売店で売られている雑誌はほとんど危ない教科書と同じだ。教育現場は大阪の北と南では若干違うと思うが、最近は現場で論議がしにくくなっている。自分も経験があるが、授業の内容について偏向教育だという抗議が学校にある。沖縄戦や『集団自決』、南京事件、『従軍慰安婦』、太平洋戦争などに関する自主教材ついてだ。ネットなどを使って攻撃されると闘いがきわめて難しい。今の日本社会全体が危なくなっている」と述べた。

大阪橋下知事
の専制と闘う
朝鮮上級学校の先生から、補助金問題での訴えがあった。昨年四月全国の公立高等学校で高校授業料無償化が実施された。また、国・私立高校やインターナショナルスクール、専修学校、各種学校にも修学支援金制度が実施されたが、適用基準を満たしているはずの朝鮮学校には北朝鮮の砲撃を理由に、現在適用されていない。また、大阪府の場合、橋下知事の意向で、朝鮮学校への補助金一億二千万円のうち、小中学校に九一〇〇万円が支払われただけで、高校に支払われるはずの二七〇〇万円は保留になっている。それに加えて、年収五〇〇万円以下の家庭に補助する一家庭五〇万円の補助金も、朝鮮学校関係の家庭には支払われていない。「私たちは税金も払っている。橋下知事は府民の理解と言うが、われわれも府民だ。民族教育を続けて行くには学校が必要だ。補助金問題については、最後は訴訟も考えている」と強く訴えた。
集会の最後に、丹羽さん(おおさかユニオンネットワーク)から危ない教科書を採択させないための行動提起があった。この一〇年間採択の時期ごとに続けてきた大阪府下の四四教育委員会に、分担して文書をもって採択に関する申し入れを行うということである。
林さん(ヨンデネット大阪)がまとめをし、ひとつも危ない教科書が採択されないよう全力を尽くすことを確認して、集会を終えた。(T・T)

大災害での自衛隊活用論に反撃を

陸上自衛隊練馬駐屯地包囲デモ


 【東京北部】六月五日、練馬駐屯地包囲デモが闘われた。東武東上線東武練馬駅近くの徳丸第二公園で十二時半より始まった集会ではまず実行委の仲間が発言にたち、「大震災によって今年の駐屯地祭は中止になったが、大震災の中で軍隊である自衛隊の活用論がでてきている、これは危険であり、私たちは断固として自衛隊解体を掲げて本日のデモを行おう」と呼びかけた。
 続いて破防法・組対法に反対する共同行動の仲間が、五月三一日に衆院でコンピューター監視法が採決を強行された事について、一九九九年の盗聴法をも上回るひどいものであり、共謀罪に道を開くもの、そして今回の大災害の中で非常事態法をも含めて視野に入れたものである、と注意を喚起した。
 続いて板橋・あるこう会の仲間が五月二二日に板橋ピース行動を大雨の中で行ったことを報告、立川テント村の仲間は、横田基地の日米共同利用が今年度にも行われようとしていることに触れ、オトモダチ作戦など「防災」が軍事に利用できることが今回の震災の中でも明らかになったとして秋の東京都防災訓練反対行動への参加を訴えた。続いて北部共闘、連帯労働者組合、板橋区パート、差別排外主義に反対する連絡会の発言を受け、デモに出発した。
 駅前を通り、基地へ向かう。正門前では申し入れ書を読み上げて手渡し、解散地では戦争協力をしない!させない!練馬ネットの仲間よりのまとめの発言を受けて、この日の行動を終えた。        (板)

 

申し入れ書

北沢俊美防衛大臣殿
陸上自衛隊練馬駐屯地司令殿

 三月一一日に発生した東日本大震災において自衛隊は「史上最大の作戦」を発動し、一〇万人規模の災害出動を行い、また、史上はじめて予備自衛官の出動が行われました。
 未曾有の大災害の中で、国や行政がその持てる力を最大限に使って人命救助、被災者の救援にあたらなければならないのは言うまでもありません。
 しかし、はたして自衛隊による救援活動はマスコミ等で宣伝されているように、手放しで賞賛されるようなものだったのでしょうか?私たちはそのようには考えません。
 従来の災害出動では陸海空の三自衛隊がそれぞれ別の指揮系統に置かれていたものを、陸上自衛隊東北方面総監に指揮を一元化し、陸自駐屯地や、空自基地に食料や水などの救援物資を集積し、空自基地だけではなく民間空港をも拠点として使用、さらには緊急交通路指定などを根拠に交通規制も行いました。まさに「有事」を想定した一大演習として今回の災害出動が行われたのです。
 そして「オトモダチ作戦」と称して原子力空母ロナルド・レーガンなどを派遣した米軍は揚陸艦に苫小牧で陸自隊員と車両を載せ、青森県大湊港に上陸用舟艇で上陸させるということまで行いました。陸自仙台基地には日米共同調整所が置かれ、朝夕二回、自衛隊幹部と米軍将校とが作戦会議を行うなど「日米共同作戦」としても今回の災害出動は行われ、日米の軍事一体化を飛躍的に強化するものとして今回の震災が利用し尽くされました。
 このような「災害支援活動の軍事化」は、例えば昨年のハイチ地震への陸自中央即応集団派遣などに見られるように、米軍の対テロ世界戦略に自衛隊を組み込み、海外派兵を恒常化させていくような流れに道を開くものであり、私たちはこれに反対します。
 自衛隊や米軍は軍隊であり、災害救助はその本来の任務ではありません。人殺しの兵器では人命救助は出来ないのです。自衛隊を解体し、軍隊中心の災害救助ではなく、災害救助を本来の任務とする組織を作る事が必要です。
 このような立場から以下の申し入れを行います。

一、三月一一日の震災での練馬駐屯地の弾薬庫などの被害を全て明らかにする事。
二、陸上自衛隊練馬駐屯地を撤去する事。
三、人殺しの道具である兵器を子供たちに公開する駐屯地祭を来年以降中止する事。

反安保・反自衛隊・反基地を闘う東京北部実行委員会
有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会
6・5練馬駐屯地包囲デモ参加者一同


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