被災地住民は精一杯頑張っています! より一層の連帯を
4月3日 高橋喜一(電通労組宮城支部書記長) |
「(戦争で)焼け出されてな〜、今度は地震だッ!」「そうだな〜」。食べ物を求めてコンビニに並んでいた二人の婆ちゃんの立ち話。年老いた二人の人生が垣間見える。
ヘドロの中で
生きる人びと
津波はあらゆるものを根こそぎ破壊した。津波が去った後は瓦礫が埋めつくし海砂、その上に黒々としたヘドロ。床上浸水した家屋の一階部分は押し寄せた津波の高さをくっきりと刻印し、畳、床にはヘドロが張り付いている。雨が降ればドロドロになるし、晴れればコチコチに乾燥し風で細かい粒子が舞いあがるという非常に厄介なものだ。しかも、ライフラインが崩壊し水が出ない状況では洗い流すことも出来ない。多くのボランティアが現地にきて除去作業を行っているが被災者の要望を満たすまでにいっていない(センターの話)。
避難所から家に帰った高齢者世帯では、支援の力がなければ一歩も前に進まないという現実がある。被災者の生活・健康を考えると、これから「春一番」の強い風が吹き、梅雨と続く季節の中でいま本当に「人の力」が必要だ。また、道路が寸断されいまだ救援の手が届かない地域の被災者に生活物資を届けることだ。海から、ヘリコプターからの物資運搬、可能なら人の力による運搬などあらゆる手段を講じなければ駄目だ。
広島と長崎――
そして原発震災
「原発が憎い!」。地震、津波が襲った福島県浜通り地区の住民は原発事故によって、着のみ着のままの状態で避難を余儀なくされた。家族の安否も、住み慣れた家も、田や畑も、手塩にかけた農作物や家畜も……原発事故は振り返ることも拒絶し人々を難民化させた。何の情報も与えられないなか、何度も何度も避難先が替えられていく。
「原発は絶対安全」と言い含め金にものを言わせ土地や海を奪い建設された「原発銀座」と言う浜通りの町や村。「悪魔の兵器・原爆」の申し子「原発」が「安全」であるはずはない。「戦争で焼け出されてな〜!」と言う言葉の中には広島があり長崎がある。牙を剥きだしたら人間が制御できない「核」の持つ本質を広島・長崎は世界に発信してきたのだ! すべての原発の稼働停止、そして廃炉へ向かう巨大な流れを創ろう!
「復興特需」を
ねらう大企業
今回の震災で壊滅的打撃を受けた漁民、沿岸部農民、地元の中小企業、労働者。仕事を求めて多くの人がハローワークに押し寄せているが、ただでさえ求人の少ない東北。一日も早い生活資金の給付、援助が要求されるとともに「雇用の創出」が急務である。
震災被害額一六兆から二五兆円の試算のなかで政府「新税創設案」の原案が明らかになった。財源確保策が「震災国債の発行」「特別消費税」「社会連帯税の新設」など国民負担に負うところが大きい。だが、経団連、大企業はわずかばかりの義捐金でお茶を濁し「復興特需」を虎視眈々と狙っている。
九六年から〇九年までの一〇年間で企業の内部留保は約一九六兆円(総額四四一兆円)の増加。労働者・国民の犠牲の上に貯まったこの内部留保を「企業の社会貢献特別基金」として「一〇%から一五%」を拠出させればただでさえ苦しい労働者・国民に犠牲を強いることはないのだ。復興資金は「地場産業の再生」「地元企業の再生」「雇用の創設」を柱にし、卑しくも「復興特需」による利益確保を意図する大企業に「規制」をかけなければならない。
偏見・差別を
超えるために
子どもも、大人も、爺ちゃん、婆ちゃんも精いっぱい頑張っています。「生かされた命を大事にシナッキャーね!」と。
「四月二日現在、死亡一万一八二八人、行方不明一万八一四三人、避難一六万五八〇五人」
長い復興への道のりを被災地住民は歩みだしました。その歩みは多くの困難や苦労はあるが、全国の人々の支えと力を信じるから踏み出すのだ。そして、皆さんの町に「人災」(原発事故)によって故郷を追われた福島の人々が避難していましたら是非訪問し話を聞いてください。
「福島」と言うだけで放射能に対する恐怖が「偏見」と「差別」を生みだしています。「原発が憎い!」。福島の農民の声を忘れないでください。何の罪もない福島の人々が、人災によって苦しむことは許されませんし、許してはなりません。皆さんの温かい友情と連帯と支援が必要です。よろしくお願いします!
狭山事件再審求め市民集会
徹底した証拠開示・事実調べ
石川一雄さんの無罪かちとれ
集会前日に第
六回三者協議
三月二四日、永田町星陵会館で「徹底した証拠開示を! 開示証拠の事実調べを!」狭山事件の再審を求める市民集会が同実行委員会の主催で開かれた。東日本震災による被害によって全国の交通網が復旧していないなか、全国から代表が集まり会場を埋めた。
昨年五月一三日の第三回目の三者協議において、弁護団が八項目の証拠開示を求め、裁判所が勧告したのに対して、検察は三項目について不見当とし、残りの項目の中で三六点を開示した。その後、弁護団は開示された証拠に基づき、脅迫状と石川さんの書いた上申書が違うという鑑定書の提出や殺害現場にルミノール反応がないのはなぜかなど、さらに証拠の開示を求めた。集会前日三月二三日に第六回三者協議が開かれた。
東日本大震災で亡くなった方々の冥福を祈り、黙祷を行った後集会を開始した。
光がさんさん
と輝くために
市民の会代表の庭山英雄弁護士が「狭山事件は完全に人災だ。起こした人に直してもらうしかない。努力すれば扉は開く」と開会あいさつを行った。次に石川一雄さんが「震災の中でも心配して全国から集まってくれたことに感謝したい。部落差別の結果犯人とされたのか明らかにしていく。元気で闘っている間に無罪を勝ち取る」と訴えた。連れ合いの早智子さんが「昨年の一部証拠開示によって大きく狭山裁判は大きく動こうとしている。証拠を隠さないように押し込んできた。一雄さんはマイクを握り一年半にわたり検察庁への要請行動を行ってきた。こうした行動こそが事態を動かしてきた。感謝と喜びと希望をもって、光がさんさんと輝くために闘う」とアピールした。
つづいて、埼玉県連が作成したDVD「動き始めた狭山裁判」が上映された。ともすれば裁判での争いは法律用語などが多く分かりにくいが、このDVDは証拠開示された石川さんの五月二三日の上申書と脅迫状(五月一日に届けられた)の筆跡の違いなど実に分かりやすいもので、石川さんの無実を客観的証拠から明らかにするものだった。
来ひんとして福島みずほ社民党党首がかけつけ、「裁判所が前向きに動いている。初めて開示された逮捕当日石川さんの上申書に、『わたしのやったことではない』と書いている。これが何よりの石川さんが真犯人ではないと確信できるものだ」と語った。次に、辻恵さん(民主党衆院議員、可視化議連の事務局長)が、取調べの可視化と証拠開示に対して、法務省が頑強に抵抗していることを明らかにし、法案化に向けて闘っていくと報告した。
次に主任弁護人の中山武敏さんと事務局長の中北龍太郎さんが、三者協議の現状と課題について報告した。中山さんは開示された石川さんの筆跡と犯人のものが違うという鑑定書を新証拠として提出していることを報告し、さらに「本当に動き出している。書面審理だけでよいのかと、裁判所は追いつめられている。取調べの録音テープも詳しく調べているが矛盾が明らかになっている」と再審に向けた重要な局面にきていることを明らかにした。
中北さんは「石川さんの自供から被害者のカバンを発見したとされているが、清水捜査報告書添付図面にはカバンの位置は書かれていない。二通目の青木調書添付図面にはかばんの位置が書かれている。これは捜査員に誘導された自白で、真犯人しか知らない『秘密の暴露』に当たらないことが明らかになった。そして、六月二一日から二五日まで重要な自白をしているが、その期間弁護士接見が妨害されていたことも明らかになった。現在ではこうしたことを行えば、その期間の調書は違法捜査として、証拠採用されないものだ」と開示された証拠からも石川さんが犯人ではないことは明白であると報告した。
松岡徹さん(部落解放同盟中央本部書記長)が「三月一六日に予定されていた布川事件の判決が震災で裁判所の建物が壊れたので延期され、五月二四日になった。布川無罪判決を受けて、この集会を持ち再審に向けたかった」とし、証拠開示が法文化につながるように東京高検と東京高裁に向けた再度の要請はがき運動によって国民世論をつくっていきたいと提起した。東日本震災の現地青森から住民の会の代表が「復興できないで廃業する人が相次いでいる。援助と支える意志が必要だ。狭山も同じで五〇年間もかかっているが絶対に扉を開けるという意志が必要だ」と訴えた。
鎌田慧さんが、反対運動を押さえつけて無理やり進めた原発推進の結果が福島原発震災だ。今こそこれを反省して違った価値観を持とうと最初に語った。そして、「狭山は展望が見えてきた、国を変え、司法を変えていく、えん罪をきちんと解決していく。力を出して大きな運動にしていく」とまとめの発言をした。
最後に、組坂繁之さん(部落解放同盟中央本部委員長)の音頭で団結がんばろうを行った。なお毎年行われている五月二三日の集会は布川事件判決の関係もあり、今後つめていくとされた。狭山闘争の再審に向けてさらに運動を強めよう。
(M)
統一自治体選挙前半戦の結果について
見はなされた民主党
「がんばろう日
本」と石原4選
四月一〇日、統一自治体選の前半戦として一二の都道県知事選と四一の道府議選(東京、茨城、沖縄ならびに震災被災地の岩手、宮城、福島を除く)、四つの政令指定都市市長選(札幌、相模原、静岡、広島)ならびに一五の政令指定都市市議選の投票が行われた。
東日本大震災による「政治対決回避」「選挙運動自粛」ムードの中で、知事選の投票率は平均で五二・七七%と戦後二番目の低さとなり、また道府議選の平均投票率は初めて五〇%を割る四八・一五%(最高は島根の六八・九七%、最低は埼玉の三九・五四%)と戦後最低を記録した。
注目の東京都知事選では、石原慎太郎が数々の差別発言や「震災は天罰」発言にもかかわらず第二位となった東国原前宮崎県知事を大きく引き離し、四選された。「国家崩壊の危機」を訴えた石原の極右ナショナリスト的姿勢が、「日本は一つのチーム」「日本は強い国」という震災「挙国一致」ムードにフィットしたと考えられる。石原は当確後の第一声で「乱立する自動販売機」とともに「朝から夜遅くまでキャンペーンしているパチンコ屋」をやり玉にあげて「節電」のための規制強化を煽りたてた。なぜ「パチンコ屋」なのか? 石原は明らかに「パチンコ屋=在日朝鮮人」という排外主義的イメージ操作を図っているのである。
中山均さんが
高位で当選
政権与党の民主党・菅政権がどん詰まりの政策遂行能力の危機、支持率の急速な低下に陥る中で、知事選においては民主党と自公両党の対決型選挙は事実上北海道、三重の二つにとどまったが、そのいずれにおいても民主党は敗北した。とりわけ岡田幹事長の地元の三重県で、民主党が必勝を期した新人候補が自公推薦の新人候補に敗北したことは、民主党の急速な衰退を象徴している。
道府県議選では、民主党は候補者擁立もままならず、現有議席の三八四を大きく下回る三四六にとどまった。民主党は公認候補の四割が落選するという惨敗だった。自民党もまた前回比で議席を減らしたが、道県議会のほとんどで第一党の位置を確保した。
「みんなの党」は党幹部の地元である栃木と神奈川で大きく議席を伸ばし、渡辺喜美党代表の地元・栃木では自民党に次ぐ第二党に躍進した。注目すべきは大阪府の橋下知事の「大阪維新の会」、河村名古屋市長と大村愛知県知事の「減税日本」「日本一愛知の会」といったいわゆる「地域首長新党」の躍進である。「維新の会」は大阪府議選で五七議席を獲得して府議会(定数一〇三)の過半数を占め、大阪市議会でも三三議席(定数八六)を得て、市議会第一党になった。愛知県議選では「減税日本」と「日本一愛知の会」が公認・推薦合わせて四五議席となり、第一勢力の座を占めた。ここには自治体議会の在り方、議員の特権的地位への不満が反映している。他方、共産党、社民党は善戦したがいずれも現有議席を減らした。「革新勢力」の後退には歯止めがかかっていない。
こうした中で、本紙で支援を訴えた新潟市議会選挙・西区選挙区(定数一一)から立候補した中山均さん(緑にいがた)は、五三二九票(九・二%)を獲得して、みごと第三位で高位当選し、前回僅差で次点落選した雪辱を果たした。中山さん、地元支援の方々とともに勝利を喜び、今後の活躍を心から期待したい。また「みどりの未来」など「エコでフェアな未来を自治体から!共同宣言」に加わった市民派・環境派議員も川崎、岡山、福岡などで当選した。
オルタナティブ
への道切り開け
東日本大震災の中で闘われた統一自治体選の前半戦の結果は、何よりも民主党の敗北をさらに印象づけるものになった。四月二四日の一般市町村長・市町村議会選挙でもこの流れはさらに持続するだろう。人びとの不安・危機感を国家主義・排外主義へと押しやるムードと対決し、東日本大震災被災者の生活再建、雇用・住居の確保、そして脱原発に向けた運動の先頭に立ちながら、オルタナティブな政治・社会・経済への道を切り開くために奮闘しよう。 (四月一一日 純)
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