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    かけはし2011.4.18号

生活再建・雇用の確保へ! 被災者に応える支援を

大震災一カ月の宮城から
被災地を追撃する「余震」また三人の生命が奪われた


復旧に向けた
闘いの最中に
 大震災から一カ月を目前にした四月七日深夜、強い地震が宮城をはじめ東北地方を襲った。宮城県では最大、震度六強の揺れが観測された。幸いにして(宮城県沖合いの震源地が深かったために)津波の被害はなかったが、被災地への打撃は大きかった。
 宮城で死亡した三名のうち二名の高齢者は「ショック死」だったという。入院中の患者たち、介護・福祉施設の入居者、また自宅療養の人たち、避難所生活を余儀なくされている多数の住民たち。いわゆる「災害弱者」たちの心労はいかばかりだったか。
 復旧に向けた懸命の闘いのさなかだった。広範囲にわたる停電、ガスと水道の供給停止、JR在来線の運行中止など、インフラ機能の回復には再び時間と労力が必要となった。ハローワークをはじめ自治体業務に大きな支障をきたしている。多数の店舗が再び休業を余儀なくされている。

女川・東通原発
の冷却機能停止
 人々の不安はそのような直接的被害によるものだけではない。
 第一に、東北電力・女川原発(と青森の東通原発)は「使用済み燃料プールの冷却機能が一時(最大一時間二〇)停止」した。「頼りない命綱/安全に疑問」と地元・河北新報は報じた(九日)。「福島第一原発事故が、なお収束のめども立たない中、地震国・日本の原子力関連施設が抱える課題の大きさが、あらためて浮き彫りになった」。
 地震の直後、女川原発について東北電力と安全・保安院は、外部電源は点検中の一回線を除いて四系統あり、そのうち三系統が地震の揺れによって遮断されたが、一系統が機能していると繰り返した。外部電源がすべてダウンした場合、緊急用の電源はどうなっているのか。またそれも機能しなかった場合、原発の安全性はどのように確保されるのか。肝心の点については触れなかった。東北電力は、事態を重く受け止めている、原因を分析して再発防止につとめたいとコメントしたが、「未曾有の被害を招いた福島第一の電源喪失と紙一重」(河北新報)の事態に対する責任ある対応とはとうてい言えない。

宮城県沖地震と
無関係なのか?
 第二に、一連の地震と「宮城県沖地震」の関係について県民は大きな不安を抱いている。宮城県沖地震は三〇年から四〇年の周期的発生が確認されており、前回(一九七八年)の記憶は生々しく残っている。
 今回の余震は「宮城県沖地震」には相当しない、との見方が強いという。三月一一日の巨大地震によって宮城県沖地震はいわば「流された」との見解が報道されたことがあるが、宮城県沖地震がごく近い将来、誘発されるのではないかとの不安が募っている。
 また三月九日には三陸沖地震が発生していた。宮城県北部で震度五弱、三陸海岸では養殖棚が津波の被害にあった。気象庁などは、想定される宮城県沖地震との直接の関係はないと発表した。この地震は別の関心をよんだ。「長周期地震動」の可能性がとりざたされたからだ(日経新聞三月一〇日「都庁のエレベーター止まる/震源から四三〇キロ、震度二なのに」)。三月四日、内閣府の委託を受けていた日本建築学会が「東海、東南海、南海が連動した場合、超高層ビルの揺れは想定の最大二倍になる可能性がある」と指摘し、警告を発していた(毎日新聞三月五日)。そして一一日、大地震当日の河北新報は「(長周期の地震動による)想定外の揺れに備えたい」というタイトルの社説を掲載していた。
 九日の地震と一一日の「本震」との関係について明快な説明はない。

行方不明の親族
を捜す組合員
 宮城全労協はこの間、組合員、家族・親族、仲間たちの安否確認に全力をあげてきた。全労協組合員は沿岸部の居住者を含めて無事であることが確認された。しかし家族・親族を亡くした組合員たち、今も行方不明の親族を捜索し続ける組合員たちがいる。
 家屋を失ったり大破した仲間たち、ライフラインの復旧を待つ仲間たちへの救援活動が続いてる。宮城合同労組など全国一般全国協議会の各組合は被災者への労働相談活動に取り組んでいる。
 次の大きな課題は漁業、農業、職場のすべてを同時に失った沿岸部に対する支援だ。地震と津波の多発地帯である東北地方の太平洋側で再び暮らし、産業を興し、故郷を再建するためには、長い時間と闘いが求められる。既存原発を停止させ、脱原発社会に踏み出すことが同時に必要となる。

新自由主義的
「復興」論者たち
 一方「復興」を利用しようとする者たちの動きがある。
 竹中元大臣は「動き出した復興、二つの懸念」と題する文章を発表した(日経新聞電子版四月五日)。「復旧・復興・改革というプロセスを一体化し、シームレスに実行できるかどうか」「例えば、東北の農業復興に当たっては、単に元の状態に戻すのではなく、環太平洋経済連携協定(TPP)対応型の競争力ある農業にすることを目指すべきだ」「自治体の復旧に当たっては思い切った市町村合併を進め、強い基礎自治体ができるようなインセンティブを与えるべきだ」「基金の創設に当たっては、道州制の先取りのような形で大幅な権限を地域に委譲すること」などと主張し、「大胆な構想力」や「リーダーシップ」を政府に求めている。
 何よりも原発に関して一言の言及もない。自己責任と市場競争を政策原理にすえた小泉構造改革への反省など微塵もない。
 岡田民主党幹事長は被災地で、「新しい東北づくり」の観点が必要だと述べた。竹中的な主張と同様の発想がかいま見える。
 新自由主義者たちの暗躍を許してはならない。
(二〇一一年四月九日)
(「宮城全労協ニュース」から転載。見出しは編集部)

資料
 友人、支援者の皆様へ
2011年4月1日

東北全労協東日本大震災対策本部 亀谷保夫

 日本全国、世界各国の友人、支援者皆様のご支援と心温まる励ましの言葉に御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 東日本大震災から三週間、二一目を迎えました、近況を報告いたします。

 仙台市を中心とする宮城県、岩手県、福島県の内陸部は、水道、電気、ガス等のライフライン復旧が進み、日常生活にも徐々に落ち着き、震災直後から続いた生活用品の買い物に並ぶ、「買い出し行列」もなくなりつつありますが、地震による地域的な地割れ等の被害で避難指示が出されるなど、災害復旧が遅れている場所も内陸部では数多く点在しています。

 一方、東北三県の津波被害を受けた沿岸部の復旧作業は、東北三県、全国から派遣された消防、自治体労働者、自衛隊、警察、教員、被害関連企業の労働者、被災地の市町村自治体労働者、避難者の不眠不休の努力にもかかわらず、被災箇所の広さにより約二万人の行方不明者の捜索、復旧のための道路、水道、電気、電話等のライフラインの復旧は沿岸部で進んでいません。
 東日本沿岸部の市町村は、何百年と住み続けてきた土地、家屋がなくなり、無残な姿に変わった地域社会となり、田畑は塩を含んだ砂、海草、水、油で蓋い尽くされています。
 津波被害を受けたすべての地区で、病院、学校、通信局、郵便局、銀行、地域産業、工場、港が壊滅状態のままです。
 福島原発事故による避難民は自主避難を含めて10万人を超え、福島県内外に集団避難等をしています。
 原発事故により、福島沿岸部の津波被害にあった行方不明者の捜査は三〇キロ範囲が手をつけられない状態です。
 福島県民は大震災と、原発事故の人災によって生活する場所を奪われ、故郷から遠く離れた避難所を移動され続けています。
 現在まで我々東北全労協は安否確認を最重要課題として取り組み、その活動の中で、灯油がなくなり買出しに行くことができず、暖を取れない高齢者宅、友人宅に灯油の配達、全国から送られたヒーターを乳幼児がいる家庭、ガス復旧の遅れている地域の高齢者宅への配布、石巻地区で、津波で冠水した部屋の後片付け、電気のない避難所への発電機の搬送等を行っています。
 さらに津波によって家屋を流された鉄産労高橋委員長、大橋執行委員が子供の学校の関係から避難所を出てアパートを借り、宮城全労協組合員の生活用品の拠出によってゼロからのスタートを始めることができたことを報告します。
 対策本部は宮城県、福島県で我々の古い友人と家族、計一七名の安否確認作業を四日から現地(亘理町、相馬市、南相馬市)に出向き開始します。
 全国の皆さんに要請します。
 必要な物資は仙台を中心に買い求めることができますので、皆様からいただいた資金で調達し、各拠点への支援活動を東北全労協対策本部の活動の中心とした体制へと移行します。
 全国の皆様には大変お忙しい中とは思いますが、津波被災現地視察二〜三名一泊二日の行程で仙台を訪問していただける様お願いします。
 宿泊、現地視察の関係から人数は最大で四名です。これ以上の人数は対策本部で対応できませんので宜しくお願いします。
 日程は対策本部と打ち合わせをお願いします。

 以上、改めて皆様のご支援に御礼申し上げます。今後のご支援とご協力を宜しくお願いします。

福島原発震災に関する緊急要請書
内閣総理大臣 菅 直人 様 経済産業大臣 海江田 万里 様
脱原発福島ネットワーク/原子力資料情報室


 去る3月11日、マグニチュード9・0の巨大地震と太平洋沿岸に押し寄せた巨大津波によって、多くの人命が失われ、家屋、建築物も甚大な被害を受け、原発震災が発生しました。
 東京電力福島第一原子力発電所における外部電源及び非常用電源の喪失に伴う冷却材喪失事故に対する東京電力の初期対応の失敗によって、水素爆発、炉心溶融が惹起しました。
 大量の放射性物質が大気中に放出され、30キロ圏内の住民が避難を余儀なくされるとともに、東日本の国民が放射線被曝の脅威にさらされ、使用済燃料プールも含めて、未曾有の危機は続いております。
 東京電力はじめ原子力安全・保安院からの事故情報や放射線情報の公開が適切に実施されていないばかりか、「ただちに健康に影響を与えるものではない」とする言説がかえって、国民生活の先行き不透明感、不安感を増長しております。
 東京電力の勝俣会長が福島第一原子力発電所1〜4号機の廃炉に言及しましたが、生命財産を奪われ、ふるさとを追われた福島県民の心痛を思うとき、原状回復と被害補償はもとより、福島原発すべての廃止と脱原子力のエネルギー転換は、必然であります。
 いま、日本の姿、日本の原子力行政とエネルギー政策のあり方・方向性が問われており、経済産業大臣のリーダーシップを十二分に発揮していただく時です。当面の緊急対策として、経済産業大臣におかれては、次の特別対策を早急に講じられるよう、賛同署名を添えて、強く要望します。

要 請 事 項

1.福島第一原子力発電所の冷却機能の確保、事故の早期収拾
2.福島第一原子力発電所30キロ圏内及び緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの試算圏内の住民避難指示
3.放射線モニタリング地点の拡大、一般人の総被曝線量が年間許容限度1ミリシーベルトを超える時期に対応し、妊婦や乳幼児をはじめ自主避難希望者の支援と対応策の確立
4.30キロ圏住民はじめ農水畜産物への放射能被害に対する補償措置
5.福島第一・第二両原子力発電所の原子炉の廃炉措置
6.脱原子力へエネルギー政策の転換
          以上

◆賛同団体◆ (順不同)
双葉地方原発反対同盟(福島県富岡町)、STOPプルサーマル!ふくしま(福島県福島市)、ハイロアクション福島原発40年実行委員会(福島県)、「沈黙のアピール」(福島県)、ふくしまWAWAWA―環・話・和―の会(福島県福島市)、ストップ!プルトニウム・キャンペーン(福島県)、脱原発ネットワーク・会津(福島県会津若松市)、郡山の未来をつくる会(福島県郡山市)、止めよう!プルサーマル三春ネット、里山喫茶『燦』(福島県三春町)、こおりやま「楽笑村」(福島県郡山市)、「女性のホットライン・ふくしま」(福島県郡山市)、「ふくしま連帯ユニオン・女性グループ」(福島県郡山市)、郵政ユニオン郡山支部、再評価カウンセリングの会(福島県須賀川市)、銀河のほとり(福島県須賀川市 有馬克子)、npo百笑屋敷(福島県須賀川市)、盆踊り研究会ふくしま(福島県須賀川市)、カフェ研究会 粉もの研究会(福島県須賀川市)、毎日がアースデイ須賀川(福島県須賀川市)、まざっかい玉川(福島県玉川村)、みどりの未来・ふくしま (福島県)、福島県自然保護協会(福島県)、MMMの会(魅力ある都路をみんなでつくる会)(福島県都路村)、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島(福島県)、阿部 農園(福島県福島市)、福島原発30キロ圏ひとの会(福島県大熊町)、
注 福島県の団体のみを掲載する。(編集部)


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