寄稿
世界社会フォーラム・ダカール報告 C
チュニジアで起こった革命は
世界のどこでも可能なのだ!
寺本 勉(ATTAC関西グループ)
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紹介・セネガル
料理いろいろ
WSFに参加した際の楽しみの一つは、その国でしか味わえない料理の数々である。セネガル料理は、アフリカの中でもおいしいと聞いていたので、今回も楽しみにしていた。
ホテルでは、ビーフ、チキン、白身魚のいずれかをメインにして、ポテトや温野菜を添え、ライスを盛ったプレート料理が出されていた。アフリカに詳しい茂住さんに聞くと、「典型的なセネガル料理ではなく、フランス風にアレンジされたもの」とのことだった。WSF会場のフードコートでは、セネガル料理やサンドイッチ(フランスパンに肉や野菜を挟み込む)、飲み物などが売られていた。その中では、「チェブジェン」という油で炒めて味をつけた、日本の炊き込みご飯を油っぽくしたようなライスの上に、ダイコンやニンジン、ナスビ(?)などの野菜や魚、チキンなどを煮込んだものがトッピングされた料理がおいしかった。
ダカール市内には、フランス料理、モロッコ料理などの他に、中華料理、韓国料理の店もあり、私たちは焼肉を食べに行く機会があった。その店では、メニューにハングルだけでなく、日本語も書かれていて、ダカール在住の日本人がよく訪れる店のようだった。
盛り上がった
社会運動総会
二月一〇日は、さまざまな活動分野別のアセンブリーが予定されていて、午後には社会運動総会が開かれた。UCADUにある講堂のような大きな階段状の部屋に一〇〇〇人以上の参加者で溢れていた。私は、今まで仕事の都合で、WSFに最初から最後まで参加したことがなかったので、初めて社会運動総会に参加できたのだが、今回の社会運動総会の盛り上がりは相当のものだった。会場内には、各団体のバナーがあちこちに飾られ、雰囲気を盛り上げ、その中にはATTACJapanのバナーも掲げられた。
会場では、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、英語の通訳が用意され、それぞれFMラジオで周波数が指定され、ラジオを借り出して聴けるようになっていた。私はあらかじめ自前のFMラジオを用意していたので、英語通訳に周波数を合わせ、総会の内容もおおまかには把握できた。
社会運動総会では、まず地元セネガルの学生グループが壇上に上がり、教育にアクセスする権利や教育環境の改善を求めて、ハンガーストライキを始めたので、支援を求めたいとアピールした。
続いて、司会が「ルムンバ、サンカラ、フランツ・ファノンに敬意を表して」「チュニジア、エジプトの民衆と連帯して」この総会を始めると宣言し、あわせて「闘いの中で倒れた人々に黙とう」を呼びかけ、参加者全員が起立して黙とうを捧げた。
セネガルの若いミュージシャンたちが登壇し、資本主義との闘いを訴える歌詞(フランス語なので、多分そうだろうと思う)のラップ音楽を二曲披露し、参加者の多くも立ち上がって、手振り身振りで歌に合わせていた。
ATTACチュニジアのファティ・チャムキさんが紹介されると、会場は大きな拍手に包まれた。「闘いは今も進行中だ。独裁者は追放されたが、独裁者の背後にあるシステムを問題にしなければならない。労働者、農民、すべての民衆による民主的な政府を作らなければならない。チュニジアで起こったことは、アフリカの他の国々でも、世界中でも起こることだ。もう一つの世界は可能だ!」とのスピーチに対して、会場からは大きな掛け声が響いた。
続いて、社会運動総会の宣言文が読み上げられた。男性と女性がフランス語で交互に読み上げていたが、若い男性の方はCADTMベルギーのオリビエ・ボンフォートで、彼の話は二〇〇六年のWSFカラチで聞いたことがあった。この社会運動総会の宣言文は、圧倒的多数の起立によって採択された。(別掲)
このあと、司会から指名された発言者、続いて会場からの発言へと移り、COP17ダーバンへ結集を呼びかけ、「もっと多くのコチャバンバを」と結んだ南アフリカからの発言や「コチャバンバの成果を守り、発展させるために、ボリビアはここにいる皆さん、世界中の人々の支援を必要としている」と訴えたボリビア国連大使のパブロさんの発言が特に印象的だった。
日本各地で社
会フォーラムを
WSF会場では、連日夜には音楽を中心とした文化イベントが行われていたそうだが、私たちはそれにはほとんど参加できなかった。また、なかなか思うようにワークショップを見つけることができず、会場内を歩き回った時間も結構あった。しかし、今回のWSFにおいて、チュニジア、エジプト民衆の闘いの熱気と結びついた盛り上がりを実感でき、今まで以上に参加できた意義は大きかったと感じている。
二〇一三年のWSFは、再びブラジルのポルトアレグレで開催されるようだが、来年は世界各地での地域フォーラム、課題別フォーラムの年である。昨年は、首都圏と大阪で社会フォーラムを開くことができたが、二〇一二年には日本のもっと多くの場所で、そして東アジア地域で、社会フォーラムの風を吹かせることが私たちの課題であろう。 (おわり)
資料
WSFダカール・社会運動総会宣言
資本主義システムに終止符を
2011年2月10日
ダカールでの世界社会フォーラム二〇一一の社会運動総会として、われわれがここに集まったのは、人間文明の建設におけるアフリカとアフリカ人民の最初の貢献を確認するためである。すべての大陸の人民は、経済的進歩や政治的安定という幻の約束の裏側に隠された資本の支配に反対して、力強くともに闘っている。抑圧された人民にとっての完全な脱植民地化は、われわれ、つまり世界の社会運動にとって、最も重要な挑戦であり続けている。
われわれは、真の民主主義を要求し、人民の権力を樹立するために立ち上がったチュニジア、エジプト、そしてアラブ世界の人民を支持し、彼らとの行動による連帯を確認する。彼らの闘いは、抑圧と搾取のないもう一つの世界への道を照らしている。
われわれは、主権と参加民主主義のために闘っているコートジボワール、アフリカ、そして全世界の人民との連帯を強く確認する。われわれはすべての人民の自己決定権を防衛する。
WSFプロセスを通じて、社会運動総会は、資本主義、家父長制、人種差別主義、そしてあらゆる形態の差別と闘う共通の闘いと共同のアジェンダを創り出すために、多様性を通じて、われわれがともに集う場である。
われわれは世界社会フォーラムの一〇周年を祝う。その第一回目は二〇〇一年にポルトアレグレで開かれた。その時以来、前進、とりわけラテンアメリカにおける前進をもたらしたとりくみの共通した歴史を打ち立ててきた。ラテンアメリカにおいては、新自由主義同盟に介入することができたし、真に自然を尊重する開発のためのいくつかのオルタナティブを創出することができた。
最近一〇年間に、われわれはまた食糧危機、環境危機、金融経済危機へと拡大してくるとともに移民、強制立ち退き、搾取、債務水準、社会的不平等へと導いてきた制度危機の爆発を目撃してきた。
われわれは、最大利潤への不断の欲求の中で、戦争の介入政策、軍事占領、いわゆる人道使節、新たな軍事基地、自然資源の略奪、全人民の搾取そしてイデオロギー的ごまかしを続けているそのシステムにおける主役たち(銀行、多国籍企業、マスメディア、国際機関など)によって担われた役割を糾弾する。われわれはまた、彼らの利益に奉仕する社会セクターの資金提供を通してわれわれの運動に加わろうとする試みを糾弾する。そして、従属をもたらす彼らの援助方法を拒否する。
資本主義の破壊力は世界の全人民にとって、生活それ自身のあらゆる側面に影響を与える。だが毎日、われわれは、植民地主義の破壊行為を覆し、満足できる生活と尊厳を達成するために闘う、新しい運動が起こるのを目にする。われわれは、人民がもはや危機のコストを負担しないだろうし、資本主義の枠内ではこの危機からの逃げ口はないだろうということを宣言する。このことは、われわれが社会運動として団結し、資本主義に対抗するわれわれの闘いを導く共通の戦略を構築する必要性を再確認するだけである。
われわれは多国籍企業に対して闘う。なぜならば、彼らは資本主義システムを支え、生命、公共サービス、そして水、土地、種子、鉱物資源などの公共財を民営化しているからである。多国籍企業は、私企業や雇い兵との契約を通じて戦争を助長する。彼らの行動は、われわれの土地を奪い、遺伝子操作された種子と食べ物を開発し、食料に対する人民の権利を取り上げ、生物多様性を破壊して、生命と自然を危険にさらす。
われわれは、すべての人民が自分たちの生活様式を選び取る完全な主権を享受することを要求する。われわれは、地元の生産を保護し、農業労働に尊厳をあたえ、先祖代々の生活価値を保護する政策の実行を要求する。われわれは新自由主義的自由貿易協定を非難するとともに、すべての人間の移動の自由を要求する。
われわれは、南のすべての国々における公債の無条件帳消しを求めるために動員し続けるだろう。われわれはまた、北の諸国において、社会福祉国家を劣化させる不公平な政策を押し付けるために、公債を用いることを非難する。
G8とG20が会合を開く時、彼らにNO!を言うために世界中で動員を!われわれは商品ではない!われわれは売り買いされない!
われわれは、気候正義と食糧主権のために闘う。世界的な気候変動は、生産・分配・消費という資本主義システムの産物である。多国籍企業、国際金融機関、政府は、温室効果ガスを削減することを欲していない。われわれは、「緑の資本主義」を非難し、たとえばバイオ燃料、遺伝子組み換え生物、REDDのような排出量取引メカニズムといった気候危機の誤った解決法を拒否する。それらは、貧しい人民が何千年もの間生活してきた森林や地域を私有化し、商品化する一方で、進歩という誤った約束で彼らを誘惑しているからである。
われわれは、食糧主権およびコチャバンバで開催された気候変動に対する民衆サミットにおける合意を防衛する。コチャバンバでは気候危機に向き合う真のオルタナティブが世界中の社会運動や組織とともに打ち立てられた。人民と自然の権利を再主張し、不法なカンクン合意を阻止するために、南アフリカ・ダーバンのCOP17と2012年「リオ+20」の期間中に、とりわけアフリカ大陸のわれわれが結集しよう。
われわれは、持続的な農民による農業を支援する。それは食糧と気候危機に対する真の解決策であり、そこで働くすべての人々にとって土地へのアクセスを含んでいる。この理由で、われわれは土地収奪をやめさせ、農民の闘いを支援するための大衆的な動員を呼びかける。
われわれは、しばしば軍事占領された地域で引き起こされる女性に対する暴力に反対して闘うだけでなく、社会運動に参加したことで罪に問われている女性に加えられている暴力に対しても闘う。われわれは、女性が物や商品とみなされ、女性の身体や精神の主権が認められていないが故の、女性に対して行われる家庭内暴力や性暴力に反対して闘う。われわれは、女性、少女、少年の売買に反対して闘う。われわれは、世界中のあらゆるところで女性に対する暴力に反対して、ともに動員することを呼びかける。われわれは、性の多様性、ジェンダーの自己決定権を防衛し、すべての同性愛嫌悪と男女差別主義者の暴力に反対する。
われわれは、平和のために、そして戦争、植民地主義、占領、軍国主義化に反対して闘う。
帝国主義勢力は、紛争の引き金を引き、天然資源を支配・略奪し、反民主主義的なイニシアチブを支援するために軍事基地を使用する。たとえば、ホンジュラスにおけるクーデターやハイチの軍事占領で用いたように。彼らは、戦争と紛争を助長する。アフガニスタン、イラク、コンゴ民主共和国、そしてその他の多くの国々におけるように。
われわれは、人民の闘いに対する抑圧や有罪に反対する闘いを強めなければならないし、諸人民間の連帯とイニシアチブを強化しなければならない。たとえば、イスラエルに対するボイコット・投資引き上げ・制裁の世界的な運動のように。われわれの闘いはNATOにも向けられているし、すべての核兵器を禁止するためでもある。
これらの闘いのそれぞれは、コミュニケーションを民主化することなしには、われわれが進んでいけない思想闘争を含んでいる。われわれは、もう一つの種類のグローバリゼーションを打ち立てることができると断言する。それは、人民から、人民によって作られるもので、青年、女性、農民、先住民の参加が必須である。
社会運動総会は、人民の解放と自己決定に参加し、資本主義に対する闘いを強化するために、すべての国から来た団体・活動家に、国際的レベルで調整された二つの主要な動員を発展させるよう呼びかける。
チュニジアとエジプトの人民に鼓舞されて、われわれは三月二〇日をアラブ・アフリカ人民との国際的連帯の日とするよう呼びかける。彼らのすべての前進は、すべての人民の闘い、たとえばパレスチナ人民・サハラ人民の抵抗闘争、債務と構造調整策に反対するヨーロッパ・アジア・アフリカでの動員、ラテンアメリカで現に進行している変革のプロセスを支援している。
われわれはまた、一〇月一二日に資本主義に反対する国際行動日を呼びかける。そしてその日に、われわれは進路にあるあらゆるものを破壊しているシステムを拒否することを無数の方法で表現する。
世界の社会運動よ、資本主義システムを終わらせるために世界的な団結に向かって前進しよう!
われわれは勝利する!
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