東京都知事選:誰に投票すべきか?
「天罰」発言を許すな極右国家主義者は去れ
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「日本崩壊」への
強烈な危機感
四月一〇日、二四日に投票が行われる統一自治体選挙の先陣を切って、三月二四日に一二の都道県知事選が告示された(投票は四月一〇日)。今回の知事選は、東日本大震災がもたらした「政治休戦」=「がんばろう日本」の「挙国一致」ムードに貫かれている。とりわけ絶体絶命的危機に陥っていた民主党は、独自候補の擁立ができず、北海道と三重県を除いて多くが自民党との相乗りになってしまった。その中で最大の焦点になりうるのは石原慎太郎が四選をめざして立候補した東京都知事選である。
石原は三月になるまで四選立候補に対して動揺を続けてきた。石原は自民党の立候補要請にもかかわらず直前まで立候補回避の方針を固めた、と報じられていた。松沢成文神奈川県知事は、「石原後継」をめざし任期途中で知事を辞職し、都知事選立候補に動いていた。三月になってから石原が四選出馬に傾いた最大の要因がどこにあったかは定かではない。
彼は東日本大震災が起きるまさに直前、三月一一日の都議会本会議で次のように四選出馬の意向を示した。
「現今の国の政(まつりごと)の混乱、停滞を眺めれば、この日本の命運は恐らく、この数年間に決められる。日本の心臓部であり、頭脳部であるこの東京が混乱し、破綻することは国家の喪失につながりかねない」。
日本資本主義の危機の深まりと「日米同盟」の動揺と混迷、中国の急速な台頭、自公政権の崩壊と民主党政権下での政治危機……少なくともこうした「日本崩壊」への強烈な危機感が排外主義者・極右国家主義者としての彼の四選出馬をギリギリの段階で決意させたことに間違いはないだろう。だからこそ労働者・市民は彼の四選を絶対に許してはならないのである。
繰り返される
差別暴言の数々
石原は三期目に入る前に東京新銀行の破綻、築地市場移転問題、巨額の税金を浪費した海外旅行、身内びいきの人事などで多くの批判を浴びていた。三期目においては彼が全力を上げ、巨額の公費を投入して進めてきた二〇一六年のオリンピック誘致は無残な失敗に終わった。二〇〇九年七月の東京都議選で石原与党の自公両党は大敗北を喫し、民主党が都議会第一党の位置に躍り出た。この時点で、石原四選出馬はほぼありえないというのが大方の見方だった。しかし石原を救ったのは都議会第一党の民主党である。都議会民主党は、石原都政と癒着し、多くの点で実質的与党としてさまざまの条例案に賛同し、その強権的治安対策や民営化路線に手を貸したのである。
われわれが何よりも批判・糾弾しなければならないのは石原都政の三期一二年全体を貫く、女性・同性愛者・性的マイノリティーへの差別、障がい者や外国人への差別・偏見を意識的に煽りたて、その排除を促す、民主主義と人権の破壊、憲法への憎悪に満ちた発言の数々である。
これらは決して「暴言」・「放言」の類ではない。家父長制と女性差別、レイシズム、マイノリティーの社会的排除・抹殺を目論むその悪罵は、彼の政治思想のファシスト的本質に発するものである。全国的に見ても突出した東京都の「日の丸・君が代」強制と、「起立」を拒否した教員への大量処分の乱発は、その一環である。
三月一四日、石原は東日本大震災の惨害が明らかになっていく中で、またもや許しがたい発言を繰り返した。「大震災は天罰」発言である。
「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落す必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う」。
ここには人びとの苦しみに思いを及ぼす心情の一かけらもない、彼の低劣きわまる思想が如実に示されている。石原の四選を絶対に許してはならない。石原に加えられるべきは「天罰」などではなく民衆の怒りである。
渡辺・東国原
にも投票するな
今回の都知事選では石原を実質的に支持しているのが自民、公明両党であり、都議会最大会派の民主党は飲食店チェーンのワタミ前会長の渡辺美樹を支持している。また前宮崎県知事の東国原英夫も立候補しており、共産党は小池晃前参院議員・党政策委員長を無所属で擁立した。
われわれはこの選挙戦において、石原四選阻止のために小池晃候補への投票をすべての都民に訴える。
渡辺美樹は当初「みんなの党」からの推薦を受けて立候補することが取り沙汰された露骨な新自由主義的民営化=公共サービス・福祉の解体論者である。渡辺は都政に「企業経営の手法」を導入することを前面に掲げており、労働者の権利や「権利としての福祉」への敵視を隠そうとしていない。東国原もまた大阪の橋下府知事や名古屋の河村市長と気脈を通じる新自由主義的「構造改革」とパフォーマンス政治の権化である。何よりも、この二人の候補には石原都政への批判がほぼ完全に欠如している。
労働者・市民は石原打倒の課題をかれらに委ねるわけにはいかない。こうした中で、労働者・市民にとっての石原四選阻止の残された現実的選択肢は、小池晃候補に投票することである。
われわれは、東日本大震災の被災者への支援活動、福島第一原発の大事故による核惨事が現実化する中での脱原発の闘い、そして沖縄の米軍基地撤去のための闘いなどに全力を上げながら、石原都政打倒・各地での自治体議会選挙の勝利を勝ち取ろう。
住民の自治と民主主義・人権・平和・環境のための闘いを基礎に石原四選阻止を実現しよう。石原都政を打倒のために小池晃候補に投票を。 (平井純一)
福島原発災害は予測されていた
1200人が東電に抗議デモ
三月二七日、東京・銀座で反原発デモが開催された。この日のデモは首都圏の反原発市民団体が呼びかける「再処理とめたい!首都圏市民のつどい」が主催したもの。首都圏では三月一一日以後で最も規模の大きい行動となった。デモ出発地点の水谷橋公園にはのぼり、横断幕などを持った市民が続々と結集し狭い公園敷地から路上にあふれた。午後二時にデモが出発してからも参加者が詰めかけ、デモの列は一二〇〇人に膨れ上がった。
内幸町の東京電力本社前ではデモ隊が立ち止り、「東電はウソをつくな」「責任を取れ」「被曝労働をさせるな」などの怒りの声が渦巻いた。
浜岡原発は
今すぐ止めろ
デモ解散地点の日比谷公園内ではたんぽぽ舎の柳田真さんの司会で、集会が行われた。最初に今回の地震・津波で亡くなった人びとを追悼しで黙祷した後、最初に福島第一原発の立地自治体である大熊町の住民で避難先の栃木県から参加した方が発言。避難を強制され、郷土を奪われた現地住民の怒りを語った。たんぽぽ舎副代表の山崎久隆さんは、政府・東電とも、柏崎刈羽を襲った地震のレベルでも福島第一原発は耐えられないことを知っていた、と語り「想定外」というウソを暴きだした。山崎さんは、今すぐやらなければならないこととして今動いている原発をただちに止めること、とりわけ浜岡原発を止めなければならない、と怒りを込めて訴えた。
続いて福島老朽原発を考える会の坂上さんは、放射能汚染が広がっていること、チェルノブイリの強制移住地の六倍のセシウム137が検出されていることを指摘し、食品汚染の基準を緩和しようとしている政府の策動を批判した。さらに脱原発東電株主運動の木村結さん、東電前での抗議活動を続けてきた「新宿ど真ん中デモ」の園良太さん、ふぇみん婦人民主クラブの山口さん、浜岡原発停止を政府に求める意見書を市議会で採択させた清瀬市議の布施さん、プルトニウムなんていらないよ!東京の高木章次さん、原発核燃とめよう会、ストップ原発・核燃意見広告の会、ピースアンドピースの斎藤美智子さん、映像作家の荒川さん、チェルノブイリこども基金、と発言が続いた。
発言の中では、マスメデイア、御用学者の「安全」宣伝に怒りが集中した。
地震・津波・原発災害被災者への支援活動に全力をあげるとともに、浜岡をはじめとする稼働中の原発の即時停止を勝ち取り、脱原発社会へ大きく舵を取ろう。 (K)
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