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    かけはし2011.3.14号

裁判自体形を変えた強制
収用、約束破りは許せん

柳川秀夫さん提訴を厳しく糾弾

三里塚一坪
共有地裁判


 


過去に蓋し
強引な論法
 二月二四日、千葉地裁民事五部(六〇一号法廷、仲戸川隆人裁判長、清野正彦裁判官、島村陽子裁判官)で一坪共有地裁判(共有物分割請求事件)が行われた。現地から加瀬勉さん(共有委員会<U>代表)、平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)、各支援が駆けつけた。加瀬さんは、「2・24三里塚一坪共有地裁判闘争宣言」を配布した(別掲)。
 成田空港会社は、二〇一〇年一〇月、一坪共有地を強奪するために共有地六カ所(六七人の共有者)、併せて共有運動の連絡先となっている労活評団結小屋(横堀地区)の撤去・土地明け渡しを求める裁判を起こした。この攻撃は、司法権力を使って有無を言わさず土地を取り上げるという、強制収用と何ら変わらない強権的なやり方だ。一九九一年から反対同盟と国・運輸省―空港公団(当時)の間で始まったシンポ・円卓会議の中で運輸省と公団は、これまでの農民の意志を無視し国家権力の暴力を使って推し進めた空港建設のやり方を謝罪し、反省して二度とそのような強権的な手段を用いないと約束し、事業認定を取り下げた。二〇〇五年にも当時の黒野空港会社社長が東峰住民に対して欺瞞的なものであったが「謝罪文」を出している。
 しかし、空港会社は、羽田空港の国際化による成田空港の独占的地位の崩れに対して空港の拡張、三〇万回発着回数で競争力をつけようと必死だ。過去の「反省」や「謝罪」「約束」など完全に反故にし、東峰地区をはじめ用地内農民の叩き出し、一坪共有地の強奪、空港反対運動の破壊をねらっている。
 今回、提訴された共有者は六七人だが、これはすべての共有者にかけられた攻撃である。反対同盟とすべての共有者が一体となって裁判闘争が闘われている。
 空港会社の提訴理由は、一坪共有地が「成田空港建設予定地内に所在し、すでに原告が所有権を取得している隣接地と共に、空港建設には必要不可欠な土地である」が「反対運動の目的以外に何ら経済的な利用に供された事実」がなく、空港建設が優先されるから地権者との合意もなく一方的に金銭補償することをもって土地強奪ができる全面的価格賠償方式が成立するとでっち上げた。
 しかし一坪共有地の所有権は全部が反対同盟にあり、一坪共有者は名義のみだから共有物分割請求はできない。なにがなんでも一坪共有地を強奪するために強引な論法を展開しているにすぎないのだ。

土地は渡さない
国は約束を守れ
 一坪共有者と代理人の清井礼司弁護士は、この間、ウソとでたらめに満ちた空港会社のストーリーへの反論、一坪共有地運動の歴史的正当性、「強制的手段をとらない」という「約束」の明らかな「信義則違反」を立証するために柳川さん、山崎宏さんの証人尋問を地裁に申請した。空港会社は「本件訴訟は、大半の共有持ち分を有する原告が、ごく一部の共有持ち分を有する被告らに対し、民法上の共有分割の方法として全面的価格賠償による分割を求めているに過ぎない」から「必要性がない」という乱暴な意見書を提出してきた(一〇年一二月一〇日)。空港会社のあわてぶりを示す態度を自己暴露してしまった。地裁も防衛しきれないと判断し、柳川さん、山崎さんの証人尋問を認めたのである。
 今回は柳川さん(反対同盟世話人)が地権者である横堀地区の山林(2802事件―芝山町香山新田字新山106―6/持ち分15分の3)、木の根の宅地(2804事件―成田市木の根字東台215/持ち分780分の1)の強奪阻止のために被告人本人尋問が行われた。
 柳川さんは、「空港会社は文書(共有者に対する売却要請手紙)を出してお願いしたと主張しますが、長年苦しませてきて、それを深く謝罪しておきながら、形式的な文書を出せばそれでお願いしたことになる、話し合いを求めたと考えるのは、あまりにも旧態依然たる古い公団体質丸出しの役人的・官僚的発想でしかありません。シンポジウムや円卓会議の結果を踏まえるならば、話し合いで解決するという国と反対同盟の合意を守るべきです」と強調した。
 さらに「今日のように一方的に空港を拡張するため、裁判所にまで土地の強奪の手助けをさせようとする空港会社は断じて容認できるものではありません。『いかなる状況においても強制収用はとらない』という一文は、当事者の政府の閣議に村岡運輸大臣が報告し了承されたことであり、重いものがあるはずです。姿形を変えて、結果、一方的に土地を我がものにすることは強制手段以外の何ものでもないと思います」と厳しく批判した。
 島村裁判官は、「『いかなる状況においても強制収用はとらない』の『いかなる』とは、どういうことなのか」という質問を行ってきた。
 柳川さんは、「この裁判自体も形を変えた『強制収用』だ」と断固として答えた。 
 裁判後、地裁前で集約を行った。
 静岡の塚本春雄さん(一坪共有者)は、「加瀬さんの一坪共有地裁判に対するアピールを呼んだ。静岡の仲間たちも誘いながら傍聴した。次回も参加したい」と応援の発言。
 清井弁護士は、「共有地裁判の論点は、提供された共有地が名義人の所有地かどうか。第二は、シンポジウムや円卓会議で国、公団がどういう約束をしたのか。空港会社の提訴が適法かどうかだ。反論を柳川さんに行ってもらった。次回の山崎さんの証人尋問では共有運動について述べてもらう」と述べた。
 最後に、柳川さんは、「国は『話合いで解決する』と約束した。私はそれを守っているだけだ。約束を破るのは許さん」と糾弾した。
          (Y)
 次回は、三月十一日(金)/午後一時四五分/千葉地裁六〇二号法廷/山崎宏さん証人尋問

2・24三里塚一坪
共有地裁判闘争宣言
三里塚・大地共有委員会代表 加瀬 勉

 今日、われわれは三里塚闘争一坪共有地一一〇〇余名を代表して千葉地裁の法廷に立って闘いを開始する。われわれが法廷に立つとゆうことは空港建設の権力犯罪を告発し彼らを裁く為のものである。裁かれるのは断じてわれわれではない。裁かれるのは彼ら自身である。
 三里塚シンポで政府は、三里塚の農民に謝罪した。黒野(空港株式会社)も謝罪した。
 だが、彼らは強権政治、
政策を改めようとしない。
そればかりではない。三〇
万回発着を企んでいる。「共有物分割補償」とゆう法の名をかりて、われわれ一坪共有者を被告に仕立て新たなる土地強奪を企んできた。昨年一二月に空港株式会社は、われわれの証人尋問反対を裁判長に文書を持って申し入れた。問答無用とゆうわけである。この権利蹂躙の行為に断固として抗議をする。一寸の土地も売り渡すことはない。これがわれわれの不退転の決意であり、生涯変わらぬ意志であることをかさねて表明する。
 われわれは一一〇〇余名の全国一坪共有者に心から訴える。権利とは、要求し主張し擁護する活動によってのみその存在意義を発揮する。われわれの主体的行動がなければ権利は消滅し、一坪共有地は彼らの権力の手の中に落ちるのである。一坪共有者の強固な意志と行動で全国戦線を作り上げ、彼らを包囲し追い詰めてゆこうではないか。今日、千葉地裁の法廷にたったわれわれは、その先頭にたって闘うことを誓うものである。
 「落花流水」三里塚激闘の四〇年余、われわれは一度足りといえども目先の困難にひるんだことはない。権力犯罪、強権政治、独裁政治、侵略者はかならず人民の民主的要求行動によって打倒され葬り去られる。これは歴史の教訓であり、法則である。今、新たに起こりつつあるチュニジア、エジプト等中東の人民の闘いを見るがよい。これが強権政治、独裁者の運命であり末路である。おごる自民党政権も権力の座から引きずり下ろされたのではないか。
 「三里塚ハブ空港の建設」は、グローバル化を代表する政策であった。われわれは強権政治、支配を許さなかった。強権政治、競争激化の社会、貧困と差別拡大の社会を許し容認するか、それとも共栄、共存、「健康で文化的な生活」の社会体制を選択し創りあげるか。今、その岐路にわれわれは立っている。「三里塚に空港はいらない」「コンクリート社会はいらない」。三里塚に緑の大地を三里塚に緑の田畑を、これがわれわれの要求である。「一坪共有地は断固死守する」。われわれは毅然として千葉地裁の法廷に立って闘いを開始する。
二〇一一年二月二四日

沖縄高江ヘリパッド建設抗議支援集会
現地の阻止行動に連帯広げ
工事の強行をやめさせよう


強固な反対運動
が工事を遅らす
 文京シビックセンター・二六階スカイホールで、「工事の強行をやめさせよう 沖縄・東村高江のヘリパッド基地建設抗議2・25支援集会」が沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック主催で行われ、五〇人が参加した。
 高江へのヘリパッド基地建設は二〇〇七年度から始まったが反対運動によって、昨年一二月まで工事がストップしていた。一二月二二日に工事を再開したが、「建設予定地の米軍北部訓練場N4地区では木が伐採され山のように積み上げられている。N1地区では建設予定地への進入路3`のうち150bが整備された。だが、防衛局職員は『作業が十分進捗しているとは言い難い』と話す」(「琉球新報」二月二四日)と、報じられているように、高江住民や支援者らによるねばり強い抗議行動によって、工事は進んでいない。


なんとか駆
けつけよう
 高江の闘いが最初にDVDの上映によって紹介され、次にこの間抗議行動に参加してきた仲間たちが報告した。上原成信さんは「二月七日〜一〇日まで参加してきた。N1ゲートからN4ゲートまで四キロも離れていて、携帯電話もつながらない。どのような事態になっているのかなかなかつかみにくい。二月七日午後三時、きょうの作業はないだろうと思っていたら、N1に作業車二〇台がやってきた。一〇人で車の前に座り込んで抗議した。一時間ぐらいすると引き上げた。たいへんな闘いを続けている。東京で何ができるか考えたい」と報告した。ゆんたく高江からの参加者の報告。「自分はお盆などにしか行けないが、計五人が座り込みに参加し、現時点では二人が参加している。作業員にバレンタインチョコをあげたりしながら、『やめよう』と話しかけている。それに対して作業員の中には『自分はこんなことはやりたくない。生活のために仕方なくやっている』と答える人もいた。スカイマークを二カ月前に予約すると往復で一万七〜八〇〇〇円。行けば『心強い』と高江住民に言われる。なんとか駆けつけよう」。

問題を広く伝
え世論形成へ
 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの石塚さんは二月二二日〜二四日まで高江に行き、抗議行動に参加しビデオで撮影した様子を上映しながら説明した。「N4ゲートといっても、ゲートはなく茂みだらけだ。そこに入らせないように住民がクモの巣のようにネットを張ってある。それをかいくぐり作業員が雑木を伐採したり、土嚢の砂利を運び資材道路を作ろうとしている。それに対して、住民側は体を張ったギリギリの抵抗をしている。警察はいるが介入はしていない。厳しいがねばり強く闘い、確実に工事を遅らせている」。
 次に、高江の伊佐さんが電話でメッセージを寄せた。「本日も一〇〇人の作業員が一〇トントラック一台、ユニック車一台で、朝六時半から工事を行うとした。それを取り囲み抗議した。新たに土嚢を下ろさせなかった。作業はほとんど行われなかった。何が何でも二月中に作業に目途をたて、来年一〇月のオスプレーの配備をしたい。それをオバマとの首脳会談の手土産にしたいので作業を強行しているのだろう」。
 「抗議行動は毎日のことなので疲労困憊している。向こうは時間とカネをかけてやってくる。物理的行動には限界がある。平和的な解決を望んでいる。全国の皆さんが関心を持っていることはネットで知っている。辺野古並みに高江の問題を全国に伝え、基地建設反対の世論を形成していくことが必要だ。それから、沖縄の市町村議会で北部訓練場の無条件返還の決議をあげるように働きかけて欲しい。ぜひ、高江に来て欲しい。応援して下さい」。

東京もできる
ことをやろう
 次に、連帯のあいさつが二つ行われた。辺野古実の中村さんが、2・20米大使館抗議行動に対する不当逮捕の実態を報告し救援を訴えた。
 そして、二月二三日の高江ヘリパッド工事中止を求める院内集会と防衛省行動について、WWFジャパンの花輪さんが「院内集会には一三〇人集まり、社民六人、民主・共産党から各一人ずつの国会議員も参加した。防衛省交渉では『三月にはヤンバルクイナなどが繁殖期に入るので、重機を使った工事はやらないといっているがどうなのか』と問いただすと、SAKO合意に基づくものなので工事は続けたい、三月以降何をやるのかつめていないと答え、要望については上に伝えるとの一点張りで進展はなかった。東京でできることをやり、全国化・全世界に発信していきたい」と報告した。
 最後に決議文を採択して、今後も支援を強化していくことを確認した。集められた会場カンパ五万円のうち三万三〇〇〇円を高江に、残りを2・20弾圧救援に回すことが報告された。
          (M)



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